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08 俺


 数日後、ヴェルネッサさんの御用事も済んだようで、ようやく帰れます。


 そして、フィルミオラ女王様にお別れの御挨拶。



「シナギ殿は、メネルカはお気に召さなかった様子」


 フィルミオラ女王様は残念そうですが、不敬と言われようと俺の気持ちをちゃんと伝えねば。



 メネルカで暮らすことがどういうことなのか、入国前に説明していただけていたら、今とは気持ちの有り様が違っていたであろうこと。


 身体も心も魔法で自在に操られようとも、俺の根っこの部分は変わらず俺であり続けること。


 何の相談も無しに己を変えられたことへの今の自分が抱えている気持ちは、例え記憶を操作されたとしても、必ず俺のどこかへ刻まれているであろうこと。



 ひと言で言うと、とても残念です。


 俺の気持ちは伝えましたので、これにて失礼。



 静まり返った謁見の間を、後にしました。



 ヴェルネッサさんとイヴさんは、記憶消去では無く、一部封印されるそうです。


 俺たちは、消去。


 まあ、とっとと済ませちゃいましょう。



 初対面の女官のお嬢さんが小部屋へと案内してくれました。


 メネルカ衣装を脱いで、手順通りに隣の部屋へ。


 あのバツ印に乗れば、目覚めた時には全て忘れて元通りなんだろうな。



 ヴェルネッサさんの護衛を続ける限りは、また訪れることになるのだろうが、


 正直、何度来ようが俺の気持ちは揺るがないと思う。


 まあ、ただの用心棒ですから、今まで通り目の前のことを何とかするくらいしか出来んのですがね。



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