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サンダルでダッシュ!


「今度のお題は『サンダルでダッシュ!』だ」


「ビックリマークもついて元気で活動的な感じだな。コロナ疲れか? 自粛に飽きて外を走り出したくなったか?」


「いきなり時事ネタをぶっこむか」


「で? またネタに困ってるのか?」


「前の事があるから。この『サンダルでダッシュ!』をタイトルで効かせるにはってのが悩むところ、なんだろ?」


「タイトルは本文を読み終えてから、改めてタイトルを見たときにしっくりくるとか、そのタイトルで内容を思い出せるとか、そういうのがいい本文とタイトルの関係だな」


「と、なるとサンダルでダッシュする状況に、なるほど、とか、そうきたか、と思わせるのがあるといいんだよな?」


「それが分かったなら、もはやお主に教えることはもう何も無い。己を信じ己の道を行くがいい」


「いきなり老師風になって見捨てるなよ」


「ネタ出しに戯言流してもいいが、たまにはイチからやってみたらどうだ?」


「なので今回はちょっと調べて来た。知ってるようで知らないサンダルのことを」


「お、そういうのがネタに繋がったりするんだ」


「サンダルとは履き物の一種で、足全体の覆いが無いものを言う。紐やバンドなどで足に固定するもので、爪先や指等の露出部分が多い履き物の総称がサンダルだ」


「ほお、となると下駄も草鞋もサンダルか。天狗の一本歯の高下駄もサンダルか」


「そうなるのか? で、足に固定するストラップやバンドの留め具が無いものにはミュールというのがある。外履きがサンダルで、室内履きはスリッパになる」


「スリッパも、外を走れば、サンダルに」


「なぜ、五七五? 続けるぞ、サンダルは現存するもっとも古い履物で、産まれたのは古代エジプト時代。熱砂から足裏を守るために誕生してギリシャやローマで多様化した」


「ほお」


「サンダルの名称はギリシャ語で板を意味する『sandalion』が由来。近年ではバンドで足にしっかりと固定するスポーツサンダルがある。ブームになるとかならないとか。また、クールビズからオフィスでサンダル履きという使い方も増えている」


「オフィスだと屋内だから、スリッパじゃ無いのか?」


「バンドやストラップがあるとサンダル、ということになるらしい」


「足を全体的に隠して無い履き物、となるとパンプスはどうなる?」


「パンプスは爪先と踵を覆っていて、種類で言うと靴の一種でサンダルでは無いようだ」


「そういう分け方なのか」


「という豆知識を生かし、『サンダルでダッシュ!』を考えよう」


「俺は文芸部じゃ無いんだが?」


「今回は無人島が使えるか?」


「サンダル履きで無人島に漂着するというのがあり得なさそうなんだが。漂流中に靴を流されて裸足で困って、木の皮と紐で即席サンダルを作る、とかか?」


「おお、そして野生の猿に追いかけられたりして、自作サンダルでダッシュするはめになるわけだ」


「ダッシュ、に当たる理由だな。先ずサンダルは走るのに向かない。なのにサンダルで走らなきゃいけない状況になってしまう。靴を履く暇も無い」


「緊急時で、逃げるか追いかけるか、とか?」


「もしくは靴が無いとか」


「無くすようなものか?」


「イジメじゃないか? 学校のイジメといえば靴を隠すがポピュラーだ。これも日本の文化のひとつだろうか?」


「嫌なマイナスイメージを日本の文化にすんな」


「大人のイジメも問題になって、開き直ってイジメはおもてなしと同じ日本の文化だ、とか言う奴がいたか」


「おい、おもてなしとイジメが同じって」


「足を隠すと靴、隠さないとサンダルか。おもてなしは(おもて)無し、とも書く。外面(そとづら)を無くして真心で付き合うのが面無し。なので性善説のポジティブな面が出ればおもてなし。性悪説のネガティブな面を包み隠さず出して他人に当たればイジメにもなる。これは人の心の表と裏で、根は同じなんじゃないか?」


「そこはサンダルのように外に出さずに、靴のように隠しておこうか」


「ダッシュの理由がイジメっ子からの逃走だったりして」


「暗い話になりそうだ。他には?」


「サンダルで走る理由か、呪われたサンダルなんじゃないか? 履くと死ぬまで走り続けるという」


「なんかそんな話があったな? 赤い靴か?」


「あれは虚栄心の戒めとかあるが、女の子が両足切断されるアンデルセン童話だ」


「本当は怖いアンデルセン童話!」


「ハッピーエンドだぞ? 怖くないぞ? ちょっと赤い靴の呪いでいつまでも踊りを止められなくなって死にそうになるけど」


「充分怖いよ!」


「ダッシュの理由としては、例えば期日までに辿り着かないと身代わりになった友人が処刑されるとか」


「メロスが激怒した!」


「あの世界観だとみんなサンダルか?」


「そっか、時代によっては靴が無いのか」


「日本は靴を履くようになってからは短いんじゃないか?」


「そうなるのか? 明治の前はみんなサンダルなのか?」


「下駄も草鞋も分類がサンダルとなるとそうなるのか」


「分類はサンダルかもだけど、下駄はサンダルと違う気もする」


「俺はサンダル、の部分が違うのを想像してしまったけど」


「違うサンダルってなんだ?」


「サンダルフォン」


「大天使が現れた!」


「大天使メタトロンの弟で天に達するほど巨大な姿の巨人の天使。ダッシュしたら地響きが凄そうだ」


「サンダルフォンって、サンダルの守護天使なのか?」


「オマエ、ユダヤ教徒に怒られんぞ」


「言い出したのはお前だ!」


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