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ありそうな勇者のお話  作者: 万年厨二病
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チュートリアル2

 今日の練習が終わりスレークさんが決めた酒場に入る。

「もう大丈夫。私の情報全部叩き込んだ?」

「一番最初に聞くことがそれですか?」

「私にとってはそれが一番大切だからね。」

 そんな会話をしているとスレークさんが向かう先にすでに飲んだくれたような顔が赤くなっている人がいた。その人が僕たちに気づいたようで。

「おーう、きたな。それでちゃんと連れてきたんだろうな。」

「お前の目はどこについてるの?私の隣にいる子がそうだよ。」

 赤くなった顔で自分のことをまじまじと見る。

「はぁ、負けを認めたらだどうだ。いくら俺を騙せないと知ってもこんな子供に手を出すなんてな。」

「失礼だね。ちゃんとこの子は私の弟子さ。なんならあんたより私のこと知ってるかもよ。」

「ほう、じゃあ聞こうか。ねえ君、この人の本名は何?」

「スレーク・ノークフ」

「問二、スレークさんの好物は?」

「肉全般、特に好きなのは軟骨の入ってるいるもの。」

「問三、スレークさんの剣の流派は?」

「受け流しや守りに特化したフローテクション。」

「うーん。」

 顔を赤くしていた人は唸り始めた、すかさずスレークさんは、

「どう、あんたの嘘発見に引っかかてる?」

「いや、嘘をついてるような感じもないから真実だ。」

「じゃあもう、私の勝ちってことでいいのかな?」

 スレーク少しウキウキとしたような声が出ていた。

「うん。じゃあこの質問に答えられたら面接は合格にしてやる。」

 それを聞いたスレークさんはいけるいけるという顔でこちらを見た、

「この人と君の出会いはいつ?」

 それを聞いた瞬間なんて質問をするんだとスレークさんは顔をしかめた。

 弟子と師匠の関係は昔からの考えとしては長年の中で技を教えてもらうことで僕とスレークさんはその考えにあてはまらない。

 どう切り抜けようかとスレークさんの方に目をやるとまだどうやって打開しようかと考えてるようだった。

「どうしたの?別に難しい問題じゃないじゃないか。ただ付き合った年数を言えばいいだけなんだから。」

 顔の赤い人は言う。

 この人の嘘を発見する能力がどれほどのものかはわからないが、長年一緒にいたスレークさんが悩むということは簡単に見抜いてしまうことだと感じた。

 今一度長く考えていると突破口が見えた。

「スレークさんとの関係は2日前からです。」

「は。」

「ちょっと何言ってるの?」

 あたふたしたような声でスレークさんが口を塞ごうとする。

「おかしいなあ。師匠と弟子の関係ならもっと長位時間の中で構成されていくはずなんだけどなあ。」

「いえそれは昔の価値観の話です。今では師匠になってくださいと言って相手が承認すればそれでもう師弟の関係の出来上がりです。」

「え?そうなの?」

「はい、これが今の常識だと思っていたのですが?違うんですか?」

 そう問いかけると顔の赤い人は唸った。若い人に今の自分の価値か案が古いと言われてしまえば自分はもう古い人間なのかと感じてしまうそうなると若い人の言葉はもっと組んだほうがいいのではと考えてしまうのではないだろうか。

「わかった。じゃあ、そういうことにしとこう。」

 思いの外すぐに納得してくれているようで少し安心した。スレークさんの方向を見ると安堵の表情とガッツポーズがこちらにむけていた。

「それじゃあ。次は実技試験だ。指定の関係ならあいつの技を出せるはずだよな?」

「はい。」

「それじゃあ準備ができたら中庭に来い。」

 そういうとスタスタと顔の赤い人は立ち去った。

「ありがとう。君の起点のおかげでなんとかなりそうだよ。」

「今の所結婚前に義両親に挨拶しているような気分なんですけど。」

「じゃああとはお父さんに私を守れますって示したら終わりだね。」

 それを聞いてこっちは色々と考えてたのにと思いながら席を立って中庭へと向かう。


「お、きたな。」

 顔はすでに赤みはなくなっていてゴツメの体格に大きな鎧と大きな盾を担いでいた。

「そういえば自己紹介がまだだったな。俺は、リナリク・アストリア。あいつからはリナって言われてる。」

「僕はリリス。プリムラ・リリスです。」

「なるほどリリスか、よろしく。ルールはこの剣を俺に当てたら勝ち。当たった判定は剣にインクをつけているからそれがついた瞬間ね。振った時に飛び散るのはなしだからね。」

 言い終えると剣を僕の方に投げた。拾い上げて剣を調べると昨日練習してた件とほぼ同じものでインクが塗られてるかの差異しかなかった。

「じゃあ審判お願いできるか。スレーク。」

「別にいいけど私の良いように判定するかもよ。」

「お前は目の前での勝負は公平であるからな。」

「いや、今回は違うかもよ。」

「お前ただめんどくさくて言ってるだろ。」

「それはそう。まあ、私に関係のあることだし、やるよ。」

 少し離れた場所に立ち、

「レディー、ゴー。」

 合図をお鳴らした。

「・・・。」

「・・・。」

 両者共に合図がなっても何も行動を起こさなかった。

(アストリアさんは僕の流派を知っている。攻撃してくるのはあまり得策でないと考えるはず。加えて相手は盾だ。それこそ相手の攻撃を防ぐのが役割ーー)

「おいおい、そんなに攻めっ気がなければ勝てないと思うよ。」

「そうですかね、こっちの流派がわかってるんだったら、ー」

 言ってる途中にアストリアさんは私の胸元までに近づいていた。

 それに気づいた瞬間に構えを取ろうとしてもそれを許さないと目で追い切れないほどの速度で盾を前に突き出した。

 洞窟で経験した空気がすべての空気が抜きでる感覚。そう思う暇もなく後ろに吹っ飛ばされる。

 吹っ飛ばされて地面を舐めてると昨日のスレークさんがどれほど手加減しているのかがわかる。

「大丈夫?ねぇ、最初から本気はどうかしてんじゃないの。」

「一応試験なんだからそれなりに本気でするよ。でもまあこれで地面に伏すようならこれまでだろうな。お前は見る目がないことってのも証明されたしな。」

 そう言われて怒りが湧いてきた。それは負けず嫌いなのかもしれないが一番怒りが湧いたのは自分を引き取ってくれた人が否定されたことだった。戦っている人よりも一緒にいたわけでもないだけども自分の中ではそれで十分だった。

 剣を杖として立ち上がる。それをみたアストリアさんは驚愕していた。

「へぇ、すごい。気絶させるつもりで殴ったのに。」

 だが僕の顔を見た瞬間にはまた顔がが変わった。その顔は恐怖に近いもののように見えた。

 それを消すかのようにもう一度すごいスピードでこちらに近づいてきたただその後すぐに攻撃は来なかった。正確には攻撃が来ないのではなくすごくゆっくりと動いていた。

それに合わせて防御の体制へと入る昨日覚えたあの人がよく使うカウンター技闘牛のように突撃する相手には煽り避けて、避けた反動できる相手が後ろうつ。

 見えていたのか後ろに行こうとした僕を視線でアストリアさんは追って避ける姿を見た時に少し笑ったような顔をした。バゴっとこの剣は切れるのではないので当たると痛いような音が鳴る。

「そこまで、勝者リリス。」

「はぁはぁ。」

「いやあ、すごいなぁ。火事場の馬鹿力ってやつか。途中ですごいスピードで動いてたな。目で追うのがすごい疲れた。」

「あの速度私も出せるかわからないし。」

「いや、アストリアさんがすごいゆっくり動いてたんじゃあ?」

「いやいや、こいつ怖くて全力ぶつけようとしていたよ。こいつ体格のをりにビビりだから。」

「おい、なに言ってんだよ。」

 少し怒気の入ったような声でスレークさんに返した。だが言っている意味がわからなかった。実際に自分では相手が遅くなっているようにしか見えなくなった。

「そんな感じでは、無かったき気が?」

 ぼそっと言ったつもりなのだがスレークさんには聞こえたのか、

「もしかしてあんたわかってないの?」

「え、はい。」

「まあわかってるなら最初からそうするわな。だとしたらほんとに火事場の馬鹿力状態だったのかな。あの目に映っていた紫かピンクみたいな輝きみたいなのも。」

「え?なんですか、それ?」

「これは本当に気づいてないパターンだな。取りえずこいつに合格って言わなきゃ行けないのか。」

「あ、そうそう。それが一番大事なんだった。これで今日からお前の奢りな。」

「お金次第だけどな。」

「じゃあ今日は、ここで一番高いとこを三人で行こうか。」

「お前人の話聞いてるか?」

「今日は少ないなんて言ってないから話はちゃんと聞いてるよ。」

「そういうことを言ってるわけではなくて。」

「何?お前男のくせに約束破るの?」

「男だろうが女だろうが関係ねえだろ。」

 彼らのいつも通りのような会話が始まってしまって自分が蚊帳の外であると疎外感を感じて酒場に戻った。

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