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ありそうな勇者のお話  作者: 万年厨二病
3/9

次の町へ

 十分な睡眠が取れたと体が判断して目を覚ます。

 空には綺麗な星空になっていたら。少し小高い丘の一本の木のところにいた。

「起きた。」

 頭を持ち上げて振り向くとリリア座っていた。

「俺なんでこんなところにいるの。」

「忘れた方がいいことでもあるし、覚えておかないといけないことが起こったんだよ。」

 その言葉が気になり立ち上がって歩きながら意識を失う前の自分の身に何が起きたのか記憶をたぐり寄せて再生してみる。

 自分はフレアたちと探検をしていてそして剣を抜いてそれをなおすために先生たちに聞こうとして村に戻ろうとしたら魔族が襲ってきた。

 そこまで思い出すとそこで膝から崩れ落ちて綺麗な葉っぱに吐いてしまった。ここから先はもう思い出したくもないものが焼き付いていた。その記憶のを通り過ぎると自分が他の村人から石を投げられて門から出たことを思い出した。

「なんで俺、生きてんだ。」

「死にたかったならごめんだけど、フレアたちがここまで運んできて村人たちに全員に配っていたポーションであんたの傷を治したの。」

「そっか、ありがとう。」

 少しまが空いて。

「俺がどうやってここまできたのかわかった。でもここに運ぶ理由がわからないんだけど。」

 リリアが顔を俯かせて言った。

「あんたが魔族たちを連れてきたって言われているから。」

「え。」

「あんたたちが持ってきた剣あったでしょ、あんたが暴れている間あれはヘラクレスの剣なんじゃないかって話になったらしいの。」

「でも形が違うじゃん。」

「村人たちにとってそんなことどうでも良くって、どうして魔族が来たのかあ理由が欲しかったの。でマタリとモリアが剣についてそのまま真実のことを話して抜いたあんたが悪いってことになったの。」

「真実そのまま話してたんだよな、だったらマタリたちは自分達が茶化したからとか言わなかったのか。」

「もちろん言っていたさ、自分達も悪いって言っていたよ。でもマタリたちの親は自分達の子供に罪を被せたくないのか話辛いけど、そんなこと言われても抜かなければ問題なかった。なんて言ってあんたに全部の罪が渡るように村人に言いふらしてたよ。」

 だから皆が村に戻ってきた時に自分に向かって石を投げてきた理由がわかった。でもそれでも納得がいかない部分がある、

「俺の家にも魔物たちが襲ってきたじゃない、それはどう説明するの。」

「自分達の村に魔物を連れてきた罰って言っていたよ。あんたのことを助けた大人二人のことを一番の被害者だって言ってた。」

「・・・」

 自分はその言葉を聞いて人間お身勝手さに絶望した。それと同時に襲ってきたものがあった。

「あんたが一番気にしなきゃいけないのは、あの村にもうあんたの居場所がないってこと。」

 そのことへの恐怖である。小さい村なら噂は簡単に広がるしそれが悪い噂なのであれば村八分にされることは目に見えている。

「他の町に行くことしか今のところあんはないけど。」

リリアが提案してくる。

「ここからだったら、2日以上かかるしそのためには村に行かなきゃいけない。でもみんな追い出そうとしてるんだったら出ていくことには協力してくれるんじゃ。」

「嫌ってるやつを追い出すために準備すると思う?自分たちのことでも手一杯なのに。」

「じゃあ普通に歩いて行けよと。」

「2日も準備なしで歩くの?」

そんな話をしているとフレアたちがこちらにくるのが見えた。

「お、起きたのか。」

「うん、十分よく眠れたよ。」

「そっか。」

 フレアの後ろに自分とは顔を合わせられないとマタリとモリアが隠れていた。

 モリアが勇気を出すように深呼吸をして前に出た。

「ごめんお前をこんなところに来させて。」

「別にお前らに対しては怒ってないよ。ちゃんと挽回しようとしてくれたんでしょ。」

「うん、でも何にも聞いてくれなかったよ。」

「だからお前たちは謝らなくていいよ。」

「そうだよ、お前が謝るべきなんだよ。」

 ボソッとモリアがそういった。

「おい、お前何言ってんだよ。」

 フレアがマタリの服を掴んで叫ぶ。

「親の言ってた通りだろ。こいつが剣を抜かなけばこんなことにはならなかったじゃないか。」

「こいつが剣を抜いたからこんなことになったなんて証拠ないでしょ。」

 リリアが反論したがそれに劣らないようにマタリは、

「じゃあ他に何かあるのか。思考ができない魔物がいろんな種類であんなに大量にくる目的ってなんだよ。」

「誰かに操られてる可能性だってあるだろ。」

「じゃあその主犯格はどこにいるんだよ連れてこいよ。親が殺されただけで同情してんじゃないよ。」

「おいお前、」

「もういいよ。」

 フレアがマタリを殴ろうとした瞬間にポツリと言った。マタリの目の前に立った。マタリの目には僕を嫌悪の表情であった。

「お前が来たくないのなら、来なくていいよ。」

 そういうとマタリは殴ってきて、「うぜえ」と言って村の方に戻っていった。

「大丈夫。」

 リリアが心配そうに声をかけてくる。

「別に。そんなことより村はどんな感じなの。」

「みんなにポーション配り終わってみんな悲しみに暮れてたよ。」

 モリアの言葉で自分の罪がさらに多くさせるような気がした。

「それよりお前はどうするんだ。村の近くにいたらすぐに見つかって袋叩きにされるぞ。」

「隣町に行く方法を考えてた。」

「うーん、いい方法ではないけど一つ方法はある。」

 モリアが思いついたと言う案に耳を傾けて明日それを実行することとなった。


 次の日


 大量の馬車が俺たちの村に訪れた。今日は月に二回ある商人たちがものを売りにくる日だ。だが商人たちは俺たちの状況を見るや否や怪訝そうな表情を見せた。ただまあ仕事のためにと思い売り込みを始めた。しかしやはりと言うべきか死体処理のためににそこには人が集まらない。きている人は皆の飯のためにきている感じがした。

 夕方になり村の皆が売れるもんを商人たちに持っていく。少しでも金を作って復興を早くしようと言う考えなのかもしれない。それと同時に大きな荷物を持って一番売っていた商人に売り込みに行く。

「なあ、おじさん。俺たちも一緒にあんたの街に行っていいか。」

「ん、なんでだよ。」

「こんな状況だから自分で稼がなきゃいけないかなと思って。」

「私もお願いできませんか。」

 リリアが後ろからリリスによく持っていっていたブランケットを持ってきた。

「僕もお願いできませんか。」

 モリアが大量の本を持ってきていた。

「今お前らに必要なのはお金じゃなくて人員だろ他のさっさと家に帰って手伝ってこい。」

「そこをなんとかお願いします。」

 皆で礼をして、頼み込む。商人はその真剣さからか少し思案してから、

「乗せろ。今回だけだぞ。」

「ありがとうございます。」

「その前に何を売りに行くのか確認していいか。」

「僕はヤギの皮で作った服。」

「私はこの町の特産品で作ったお菓子。」

「僕はこの本です。」

「あー、どれも売れなくても文句言うなよ。あと旅代は払ってもらうからな。」

「え、売れないことなんてあるんですか。」

「日持ちしないものとか古いものは売れやしないよ。それ踏まえてまだ行きたいか。」

 少し沈黙して皆に目を向けて、

「はい。」

「なら乗せろ、早く帰りてえからな。」

「はい」

リリアたちがせっせと売るものを馬車に乗せる。馬車に乗せているとマタリがこちらに近づいてくる。モリアがそれに気がつき、

「どうしたの。」

「別にあいつどうしてるのかなって。」

「あいつなら昨日と同じ場所だよ。」

「あっそ。」

 チラチラと積んでいるんものに目をやっている。

「フレアが積んだ荷物、あいつだろ。」

 そう言うと俺が乗せた荷物に近づいてきた。リリアが立ち塞がるよう立つがそれを押し退けてふれが積んだ場所に立つ。

「ねえ、生物系は持っていていいんですか、商人さん。」

「んなもん暴れられのがが嫌だから乗せねえぞ」

「じゃあこんなもの乗せない方がいいですよね。」

 そう言ってフレアが必死に積んだ毛皮をとる。そこには大量に布があっただけだった。この町での特産品に近いものヤギや羊の毛皮であった。マタリありえないと言う顔をして何度もやったが同じようなものが続くだけだった。モリアが考えた作戦はマタリの考えたようなものではない。商人が毛皮の山をみて一言、

「売れるかは知らんが。これなら問題ないぞ。」

「なんで?」

 マタリは一体何を想像していたのだろうか。別にあいつがここにいたところで何をこいつをしようとしていたのかわからない。思いつくとすれば憂さ晴らし用の人形だろうか。そんな考えをしていると思考を取り戻したのか、マタリが俺の服をを掴んで叫んだ。

「あいつはどこだ。」

「だからあそこなんじゃないの。」

 昨日俺たちが運んだところへ視線をやった。目線を見て「チッ。」と吐き捨てて過ぎ去っていった。毛皮の奥にあるものを観られると流石に危なかった気がする。

「もう大丈夫か。」

 商人があくびをしながらそういった、

「はい大丈夫です。」

 リリアは答える。

「よし出発するぞ。」

 急いでまた李が取り除いた毛皮を乗せて、皆が馬車に乗り商人が手綱を引いた。馬はゆっくりと走り出した。

 門を出て数分した後、自分が持ってきた同じ材質で作られたローブで巻いた人が立っていた。それをみた馬が緊急停止してそれ見た商人が、

「おいあんた邪魔だ。」

「すみません乗せていってもらえませんか。」

「あん、料金払ってくれるんだったら考えてやるよ。」

「わかりました。」

 ローブを巻いた人は懐にあった小さな巾着袋を取り出して商人に手渡した。

「これで足りますか。」

 商人は中身を確認して少し考えたよう顔をしてこちらの顔を見て、

「・・・。乗れ。」

 なぜこちらに顔を向けたのか少し気になりながらローブを巻いた人を確認する。

「乗るのには成功したな。」

「ここまで周りくどい方法する必要があったのかな。」

「でも町に行かずにはできたじゃん。それに博識なモリアの案だぞ。」

「俺の中のモリアのイメージガラッと変わったよ。」

 あいつが思いついた方法は子供にいい格好させようとさせるという作戦である。こんな作戦するのかと正直できないと思っていたが。案外商人もちょろいもんなんだなって思った。

 その後ずっと商人は馬を走らせ続けていた。


 次の街に着いたらもう夕方だった。

「おいついたぞ。」

「ありがとうございました。」

 そう言ってからローブで顔が見えないように降りる。

 リリアとフレアとモリアたちも同じように例を言ってから降りる。フレアたちのが持ってきた荷物をフレアに返すと、商人がフレアたちに僕の渡したお金から取ってわたした。

「ここで一番安い宿ならこれくらいで十分だ明日の太陽があの東に見える山に着いたら集合な。その間に売りたいもんと買っときたいものは済ませろよ。」

「ありがとうございました。」

 皆が礼をして商人は自分の家か今日街で買ったものを売りに行った。

 それが見えなくなったのを確認してからローブのフードを脱ぐ。

「フレアいくらもらったの?」

「一人銀貨五枚くらい。」

「じゃあ、そのくらいの宿探すか。」

「手分けする?」

「はぐれたらダメ出し、そこら辺の人に聞いてみよう。」

 皆でキョロキョロと辺りを見回し手が空いてそうな人を探した。リリアが真っ先に見つけその男の人に近づく。

「すみません、ここら辺で銀貨五枚で泊まれる宿ってどこですか。」

「銀貨五枚というとあそこじゃねえか。」

 指差した方向にはボロボロの宿屋があった。「ありがとうございます。」といいリリアはこっちに戻ってこようとするの男がリリアの腕を引っ張った。

「お嬢ちゃん若いねえ。もし俺と一緒に来るってんならもう少しいい場所に連れて行ってあげるよ。」

「結構です。」

 リリアは腕を振り解こうとしてもなかなか抜けなかった。

「何してるんですか。」

 みんなで男の手を引っ張って解こうとした、しかし男の腕は太くがっちりと掴んでいて。なかなか取れなかった。しかも解こうとすると男は力を入れてリリアの腕を掴んだ。リリアは力を入れられるたびに痛いと言った感じになっておりそれを見た男が、

「ほらお嬢さんが嫌がってるだろ。正義の味方のつもりかもしれないけどこんなことをやめろ。」

 すでに男が掴んでるリリアの腕が赤くなってるのを見れば嘘だと簡単にわかる。

「やめてください。」

 リリアはそういうが男はそれを聞いて、

「ほらお嬢さんがもうやめてと言っているぞ。だからやめなさい。」

「じゃあなんで、腕なんか掴んでるんだよ。一緒に行くなら腕なんて掴む必要ないでしょ。」

「君が知らないだけで俺たちはこういうことができる関係なんだよ。」

「じゃあ、なんで腕があっかくなってるんですか。」

「彼女がこういうの好きだからだよ。」

 喋りながらだから力が抜けているはずなのにそれをものともしないほどの力で握られていた。どうやっても抜けなくて四苦八苦していると。後方から女性が歩いてきて男の腕を掴んで、

「ちょっとあんた、やめてってて言っているんだからやめてあげなさいよ。」

「あん、だからこの子が嫌がってんのはこいつら周りにいる若い奴らだろ。」

「私にはそうは見えないけどな。」

 そういうと女性は手に力を入れて、男の腕を赤くさせた。それに反応して男の人が、「いててて。」女性の腕を解こうとしても全く解けなかった。それと同時にリリアから手が離れ転んでしまった。

「おいてめえ何してんだ。俺がこの町でどれだけ力自慢かわかってんのか、その気になれば討伐隊も目じゃないぞ。」

「その下っ端よりも下の冒険者に掴まれて痛がってたのは誰。」

 男はさらに怒りを見せるように手を振り上げたが、女性はそれを受けて男の腹に一発入れた。

 男はうずくまりながら罰が悪いようにその場から退散していった。

「自分よりも強いものを見る男って最低だと思わない?それに比べて少年達は勇気あるねえ。夜になるとああいう奴らが多くなるから早く帰りな。」

「ありがとうございました。」

 皆が一様にお礼を言うと女性は去っていった。リリアを運んで安い宿屋に泊まった。

 大きな部屋をとれてこれからのことを話すのによかった。

「明日僕たちは物を売れるだけ売って馬車に乗る。それでいい。」

「うん、お前の変な作戦には驚いたけどな。」

「てかあいつが来るのわかってたのか。」

「いやそこはわかってなかった。ただ布の中だったら暑そうだなって思って。」

「それだけなの?」

「うん、それだけ。」

「私もあんたの評価変えるわ。」

「俺も俺も。」

そこから少し談笑した後。

「とりあえず、こうして集まることももうないだろうから最後の晩餐にしましょうか。」

 リリアはそいう言って持ってきたブランケットを持ってきた。

「家にあった寄せ集めのものでしか作ってないけど。」

「いや、あの村の状態なら十分すぎるくらいだろ。」

「いただきます。」

 皆でそういうと皆で談笑しながら食べた。作った物は少なくすぐ無くなってしまい。皆各々ベットについた。

 フレアとモリアが寝静まった頃、リリアが自分のベットに腰掛けていた。

「ねえ、まだ起きてる。」

「起きてるけど。」

「じゃあ、横に入っていいい?」

「どうぞご自由に。」

 入ってきたそいつの温度は冷たく温かった。

「今更なんだけど、この選択肢しかなかったのかな。」

「秘密基地でも作ってひっそりと暮らせばいいと。」

「その選択肢の方があんたには楽だったんじゃない。」

「お前たちの負担がすごいだろ。あんなもの見せてお前たちに負担はかけたくない。」

「なんであんたが引き起こしたみたいな言い方してるの。」

「もうこっちまで来ちまったんだ。今更帰ろうなんてできねえだろ。」

「それはそうだね。」

「明日早いんだしさっさと寝よう。」

「うんお休み。」


 次の日


「はい、これ。」

 宿を出てものが売れそうな場所の前まで来た時にフレアが毛皮の中にあったものを渡す。

「どうして持ってきたの?」

「あそこに置いてても別に何も起きないし、リリアから聞いたけどお前が暴れてる時にこの剣が変わったらしいよ。」

 リリアの方を見るとうんと言うように首を縦に振った

「お前が持っていたら何か反応するんじゃないかと思って。」

 そう言われてを近づけてみたが何にも変わらず朽ちた木のような姿であった。

「あのときみたいな怒りがあれば変わったりするのかな。」

 少し残念そうなに少し思いながら言っているような気がする。

「じゃあお前たちは街をお願いな。」

「うん、ここで稼いで復興のためのもたくさん買って帰るよ。」

 言い終えて俺は別の方向歩き始めた。

 振り向きいた時には皆がもう人ごみの中で客を集めるのが見えた。それを邪魔するわけにはいけないと思って、聞こえないような声で「じゃあね」と手を振った。


3話目ですこんかいはご都合主義のような展開が多めです。1話でも書いたように悪い部分を言ってくれると助かります。

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