始まり始まり
太陽がちょうど真上にきた。
今日は午前中で授業が終わるので皆が帰る用意をし始めた。
自分も帰る用意をしているとフレアが話しかけてきた。
「今日は空いてる?」
「エアリスたちの様子にもよるけど、朝見た時には大丈夫だったしいけると思う。」
「実は昨日さ変な洞窟見つけてさ、そこを探検しようってモリアたちと話してたんだよ。」
「そんな場所こんなところにあったっけ?」
「俺たちが見つけてないとなるとめちゃくちゃレアんじゃないか。」
「かもね。もしかしたらそこにヘラクレスの剣があるかもね。」
「そんな話も出てきたから探検しようって話だ。ということで作業手早く終わらせて東の門集合な。」
「了解。」
それとちょうどいいタイミングで一人が扉を開けて皆が帰り始めた。
太陽が真上から傾き始めた。
エアリス達の様子は今日は万全のようだったそんなことを思いながら他の子も様子を見ているとリリアがまたもお菓子を持ってきた。
「相変わらずいつものお菓子ですか。」
「私が好きにやっているだけのことだから別にいいでしょ。」
「確かにそうだけども今日はそれを食う気はないぞ。この後あいつらと会って洞窟に行く予定だから。」
「あっそ、別にいいよ。他の子達食べるから。」
その言葉が出るのに少し間があったような気がした。そしてすこしだけ怒気と悲しい気持ちが入り混じり合ったような声でもあった。言い残した後に彼女はそそくさと帰って行ってしまった。怒った理由を少し考えたながら残りの作業を終わらせる。
「おーい、こっちこっち。」
フレアの呼び声が届く。その周りにはマタリとモリアがいて談笑をしている。
「こっちにそんな洞窟なんてあったっけ?」
「学校にいるときにも言ったけど昨日遊んでたらたまたま見つけてさ、中に入ったら案外広かったから時間あるとき行こうって話になったんだよ。」
「それ大丈夫。」
「大丈夫、大丈夫。入っても特に何も起きなかったから。」
そういうと3人がもの外にある木に登った。幼少期の頃から体を動かして遊ぶ場所といえば森くらいしかなかったのでみんなここの地形は大体把握しているし枝から枝への移動も大体の奴できる。
数分間移動していると。
「着いたよ。あれだよあれ。」
フレアが指差した方向に目を落とすとそこには洞窟があった。
アキべドルがいたかもと言っていたほどなのででかいのだろうと考えていたがそんな大きいわけでもなく僕らが譲り合って通り抜けようとしたら二人入れるかもしれないほどの大きさだった。
「あれがヘラクレスが入ったかもしれない穴なの。」
「そうかもと言っただけだ。本当そうとは言ってない。」
モリアがそういうと皆下に降りて穴に入っていく。少し高いところか落ちるので受身を取って穴の近くに行く。間近で見るとますますアキべドルがきた場所なのかと疑問を浮かんでくるが中に入ってくる。
中に入ると全員が余裕を持って距離を置けるほど場所にでた。ただ中は入り口かが小さいため入ってくる光が少なく、とても暗かった。
「流石に暗すぎない。」
「昨日見つけたのは夕方だったから、そのおかげでたくさん光入ってきたから見えていたのかな。」
「どうすんの、暗いと前進みにくいけど。」
「うーん。」
少し皆が唸るとマタリが、
「光を出す魔法覚えたんだしそれで進まない。」
「昨日少しやってやってみたけどそんなに維持できないよ。」
「じゃあ、交代しながらでいいんじゃない。」
「僕もそれでいいと思う。」
モリアがそういうとみんなが決まり決まりという雰囲気で、まず誰がやるかと話し始めた、自分は少し置いて行かれたような気がして急いで話に入る。話し合いの結果一番最初にマタリがやることになった、マタリが手を前に出して昨日僕が唱えていたように唱える
「ビーナスコール光」
マタリの指先が光の点のようなものが出てくる、
「よっしゃあ、行こう行こう。」
マタリがあった一本の道を歩き出した
「昨日どこまで行ったっの?」自分がフレアたちに聞く、
「いやでも、本当に最初当たりだけだったよね。」
「洞窟に夕陽の光がぎりぎり入るくらいまでしか進んでないからなあ。」
「そうだっけ、マタリ?」
「あんま話しかけないで、これ出すの結構体力使うし集中力使う。」
「そんなに?」
「昨日僕もやってみたけど一出して5秒くらい維持するなら5、6回くらいしか無理だった。」
「だったらあいつかなりの時間持ってる方なのか。」
「僕のやつで考えたらそんな感じ。」
「てことは俺魔術の才能あったりして。」
「たったそれだけで自惚れすぎだって。」
光を出すの順番はマタリ、フレア、モリア、自分といった順番で回していった。魔法を維持するのはマタリが一番多くその次に自分、モリア、フレアの順番に長かった。
それが3周くらいになると下にある石が少しずつ変わっていた。自分が光らせている番だったので少しも気にしていなかった。
フレアたちがみたこともない石に興味が引かれていて何度か少し「ちょっと待って」と呼び止められた。魔力切れ=体力切れに近い感じがするから交代マジかになるとみんながとても感情的になりやすい。無論僕も同じなので、そんなこと言われたキレそうになる。
こんな繰り返しをまた6回すると、光が必要ないとは言わないが壁にある鉱石によっての光と地面の円形状に貼っている水が反射して見えてきたが見える大きな広間があった。
だが一番目を引くのはその中心に刺さってあった七枝刀であった。
七枝刀は水溜まりの反射している光も含めてとても神々しく見えた。
皆が少し見入ってて意識を取り戻すのに数十秒かかったと思う。一番最初に自分が意識を取り戻す、皆はまだ見入っているようだった。
「綺麗な剣だな。」
自分のこの一言で皆が意識を取り戻してフレアが、
「ああ、そうだな。」
まだ少し見とれていたいようにも見えた。次にモリアが、
「アキべドルの剣ってあんな感じだっけ?」
「いや全然違った気がする。少なくとも横に枝みたいなのはついてなかった気がする。」
マタリがそうやって返す。
自分もそれと同じようなことを思っていた。神々しさのある剣であったがあれはアキべドルの剣ではないなと思っていた。教科書や本に載っているアキべドルの剣は騎士などが持っているような普通の剣であったからだ。
皆が同じように剣に近づいていく
近くによるとさらに神々しさが増している。
グリップには森や草原を思わせるような緑と海や川をイメージさせる青色も入っておりで、それガードはそのままこの世にいる種族の肌の色があり、ブレイドは今の時間を表すような光を放っている。
「この剣って抜けるのかな。」
フレアがそう言った、
「いややめた方が良くない。もしこれが本物だとしたこの世界が終わるじゃないの。」
ヘラクレスの話の最後にアキべドルは自分の持っていた剣を生まれた場所の洞窟の中に刺し魔族を沈めた、と書かれている。知らないものの恐怖心からそれを言い訳にやめた方に持っていこうとした。
「確かにそうかも知れないけど、大丈夫だって。」
マタリがそうやってフレアに賛成している。
「僕はやめとこうかな、あんまり力もないし。」
自分以外は抜くこと自体には乗り気だったのでまた焦り出すとなる。
「リリア、怖いなら別にやる必要ないぞ。」
「いやでも。」
もし抜けてしまったらと考えると怖かったから止めようとするが既にフレアたちは剣に手をかけていた。
「ふんぬーーーーーーー。」
剣は全く上がっておらず。抜ける兆候すら見えない。それを見て少し安堵する。
「ヌーー。、、はぁはぁ、だめだびくともしない。」
「じゃあ、俺もやってみるは。」
次にはマタリが手にかけ同じように引っ張っていたが同じようにもびくともしない。
「はぁはぁ、こんな重いのかよ。」
「モリア、なんかいい方法ない。」
「別に俺博識なわけでもないからいい方法ないぞ。」
「ええ、まじかー。」
「抜けないんだったらさっさと戻ろう。」
抜けたいことにホッとしつつ言った。
「お前もやってみたらこれ本当に重くて、お前も抜けないだろうから。」
もし抜けたらどうしようとおもったが自分よりも力のあるフレアが抜けないとわかって自分では抜けないと確信したため少しやってみる。
自分も剣グリップに手をやり思いっきり上に引き上げる。するとズズズという音が鳴った。抜いてる時に感触はもっと力がある人が引けば抜けそうだっという感じだった。そんな感触を覚えたせいでフレアたちは本気で引いてないんじゃないかと思って質問したくなった、
「お前たち本気でこれ引っ張った?頑張れば抜けそうだけどこれ。」
「いやいや、本気で引っ張ったぞ。」
「嘘つけ。体力テストとか全部俺よりも上のやつがこれ抜けないなんてないだろ。」
「いやいや、本当だって。てかそんなこと言うなら抜いてみろよ。」
抜くこと自体は嫌だったがフレアに勝てるのではと変な負けず嫌いが出てしまってもっと力を入れて剣を引っ張る、する剣が抜けてしまった、
急に抜けたので盛大に転んでしまい、そのまま剣を後ろの方に投げてしまった。
尻餅をついて周りにある水に尻が浸かる。
「大丈夫。」
フレアがこちら気にかけてくれた。しかし尻餅をついたことよりも剣がどこに行ってしまったのかが気になって仕方がなかった。
少し離れたところに剣が沈んでるのが見えた、だけど剣は神々しさが失っていた。枯れた木のようにのようなボロボロになっており炭のような真っ黒になっていた。
そんなことそれをみた瞬間自分を含めて皆が焦りだす。神々しさがなくなった剣は何かの終わりを告げるような印象を持ってしまうほどのものを感じさせた。
「何、何?!、なんで色が変わったの。」一番最初に自分が言う。
「もしかしてその剣が洞窟の何かを吸っていたとかじゃ。」マタリが言う。
「そんなこと本に書いてなかったじゃん。」モリアが言う。
「だとしたらさっさと剣を戻さないと。」
フレアがダッシュで剣の元に向かって走る。
「軽い?!」フレアが手にしていった。そう言った瞬間フレアに電流浴びてこっちに弾け飛ばされた。
「何?!なんで飛ばされたの?!」またマタリが心配と不安の声で言う。
「もしかして抜いたやつにしか反応しないとか?」
モリアがそういうとみんな自分のことを見る。
早くとってこいと言わんばかりに見られ剣に向かって歩き出す。剣に触れようとしてみるとフレアの言う通りかるかった、だが触れて数十秒たっても電流は流れなかった。自分はになぜか電流が流れないのか考えるよりさきにもどさねばと考えていたから、すぐに刺さっていた場所に戻り刺し直そうとする。
刺し直そうとするとフレアが感じたであろう電流で弾かれ一番外側まで吹っ飛ばされ背中が壁に衝突する。
中の空気が一気に出され少しの間呼吸困難になる。
「大丈夫?」フレアたちがこちらに近づいて聞いてくる。
「でもどうするの。触れられるお前がさせないんだったら誰がやっても無理じゃん。」
マタリがそれを言うと皆がさらにが混乱して、思考がうまく回らず少しの間おこでうろうろしていた。するとモリアが、
「神父さんや先生に聞けばわかるかも、僕たちよりもずっと長く生きてるんだから。」
皆がそれだと言うように顔を見合わせて元来た道を剣を持ってを走り出す。帰りが暗いだとかそんなこと関係なく走り続けて、日の光が入ってきている場所を見つけてその穴から外へ出る。
出た時にはもう夕方になっていた。全速力で休憩なしで走ったため皆が手を足や土に突きにはぁはぁと息を整える。
「はぁ、、村、まで、どれ、、だけ、離れて、た、、け。」
質問してみる。
「え、と、分からな。」
不自然に会話止まり皆フレアに視線を向けると、フレアはこの世のものでないもを見ているように村の方向を見ていた。
「ねぇ、何あれ。」
皆が一様に「えっ」と思って顔を上げると。自分達の村がある方向から逃げてくるような人々が見えた。
その中にモリアとマタリの家族がいてモリアの母親ががモリアに近づいて。
「あんたたち大丈夫。」
「母さん何があったの。」
「大量の魔族が私たちの村を襲ってきたの」
それを聞いて家族の安否がわからな自分は剣を捨て、フレアとともに木々を移動して村に向かった。
「お前たちどこに行くんだ。」
マタリの父が読んでいるがそれを無視して突き進んだ。
「この剣何?」モリアの父がそんな言葉をこぼした。
着いた時に見た村には絵本に出てくるような魔物が人々が襲っている地獄が広がっていた。
リリアが走ってこっちに向かってきて、
「今までどこいってたの。」
服を掴まれ叫ばれた。
「昼に言ったようにフレアたちと近くに行っただけだ。」
リリアは少し安堵した様子になったがすぐに険しい顔になり、
「ここにいると危険だから早く避難するよ。」
と言った。自分はそれ以前に気になることをきく。
「「俺/僕の父さんと母さんは?」」フレアと声がかぶさる、
「フレアの家族は避難してるのは見た。あんたの家族も避難してると思うから早く逃げるよ。」
避難したという確信がなくさらに不安が押し寄せてきて、
「ごめん先に行ってて。」
「どこに行くの。」
「家の様子を見てくる。」
「ああん、もう。」
さっきよりもさらに加速して家に向かう。
着いた瞬間にドアが破られていることがわかり最悪のイメージが頭を駆け巡る。
ドアがあった場所を通り抜けてリビングに向かうとそこには最悪のイメージと同じような光景が広がっていた。
数人の魔物が家の中の食べ物や貴重なものを物色していてもう数人の魔物は父さんと母さんと共に分解していた。父さんは積み木のように扱われていて今最後の顔の部分載せ終わったと言わんばかりに魔物たちがはっちゃけていた。母さんは目に涙を浮かべ絶望に満ちた顔で死んでいて慰めに使われていた。死んでもなお魔物の慰めや遊びに使われていることを否定したいがために何も考えずそこに立ち尽くすしかなかった。
そこにリリアがやってきて、見た瞬間に全てを察したのか自分の肩を揺らした、
「早く逃げよう。」
「・・・」
「ねえ、ねえってば。」
私の叫びも虚しくリリスは反応を見せなかった。目の前のことを起きていることをリリスに受け入れられないことだとわかっていたが、早く移動させようと引っ張ても私の力ではピクリとも動かなかった。
「おい、大丈夫か。」
武器を持った二人の大人が呼んでいた。
「助けが来たからもう大丈夫だから。」
そうリリスに声をかけても全く反応がなかった。大人がきて瞬時に状況を理解して、
「俺はこの子を運ぶからお前は魔物を頼む。」
「わかった。リリア怪我はないか。」
「私は大丈夫です。でも早くこいつを他のところへ連れて行かないと。」
そういうと今まで話を聞いていたのかリリスの家の中にいた魔物がこちらを見て舌なめずりをしてこちらに向かって襲いかかって来た。大人の一人が応戦していたがかなり底一杯の様子だった。
「俺のことはいいから先に行け。」
「わかった。いくよリリア。」
手を引っ張られて入口の方に向かっていくとさらに絶望に落とすような光景が待っていた。
入口の前に数匹の魔物がウヨウヨといた。
「こいつを頼む。」
抱いていたリリスを床に置き、魔物に応戦しようと大人が武器を構えるとそれを合図に魔物たちが押し寄せてくる。大人が応戦して懸命に応戦しているが魔物たちはそんなことお構いなしに仲間を引き連れて大人に襲いかかっていく。次第に応戦できなくなっていき大人が魔物たちに囲まれて攻撃浴びていた。途中で「ごめんなさい、ごめんなさい、倒そうとしてごめんなさい。」や「誰か助けて、誰か助けて。」と声を上げていた。
次第にその声が小さくなっていき大人の人があった場所には赤いぐちゃぐちゃとしたものがあった。
それをみることしかっできなかったが魔物たちがこちらを向いた時ハッとして、リリスを連れて逃げようとするも、もう一人の大人が抑えていた魔物たちもこちらにやってきていた。
奥の方には赤いぐちゃぐちゃとしたものがもう一つあった。
もう逃れられないと思いガクブルと歯と体を震わせてそこに座りこむしかなかった。ジリジリと歩いてくるに連れて私はリリスに体を寄せていく。彼らが武器を振り上げた瞬間リリスに覆いかぶさるように重なり魔物たちに背を向けた。
いつまで経っても武機が振り下ろされることがなかった。やられそうな気もしたが目を開けて確認すると私たちを囲んでいた一列目の魔物たちの顔が上と下に半分切られていた。他の魔物たちがそれを見て少し下がっていた。なぜかと考えているとリリスのての近くに丸焼けにされた木のような七支刀が転がっていた。
一体いつからこんなものがあったのだろうと考えているとリリスがその剣を手にした。
「意識取り戻したの。大丈夫?」
そう問いかけてリリスの顔を見たら、目は怒りに任せて血走ったようになっていた。それに驚いて抱きついている腕を離すとリリスは立ち上がった。剣を見てみると全てが血の赤や炎の色絶望を表すような黒色になっていた。
それはリリスの心を映し出しているようだった。
「あ、あ、あああああああああああああああ。」
リリスがそんな咆哮にちかいものをあげると魔物たちを殺し始めた。
流派なんてない初心者がよくやる無茶苦茶な切り方で理性のない獣のように魔物たちが次々に倒していった。剣が描いた軌跡には炎が通った跡があった。
リリスは家の中にいた魔物を倒し切った後、家の外に出て外にいる魔物たちを殺し始めた。
剣を無我夢中に振りまくって自我を取り戻した時夜になっていた。地面には人間ではない血がいっぱいに広がっていた。
自我を取り戻した後に最初に思ったことは仇取れたかな、だった。
次に自分のせいで死んでしまった大人二人に「ごめんなさい」と湧いたそれを真っ先に言うべきである場所に向かおうと歩き出そうとすると膝から崩れ落ちた。
剣で支えてるようなものだったが剣は抜いた時同じような朽ちた状態になっていた。身体中を見るとさまざまな外傷を受けていた。それを見るとドッと疲れが押し寄せてきて眩暈がして倒れそうになった。
倒れる瞬間頭に硬い物が当たった感覚があった。避難から戻ってきたであろう村人がいた、その目は僕を腫れ物のように見ていた。何度も何度も石を投げらて意識を飛ばそうにも投げて来る石が飛ばさせてくれなかった。なんでそんなことをするのと思ったがそんなことを考える余裕もなくただそこから逃げるしかできなかった。
身体中が悲鳴を上げてい朽ちた剣を杖にして村の門を出てようやく投げられなくなったため。そこでようやく倒れて意識を飛ばした。