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「完」Reした令嬢の私話  作者: さしみのつま
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( 3 )押さえておきたいミッション

恐怖に立ちすくむ子がいるわ。遊んじゃおうー。



ギッチューチューチュー!



ドドドドーと目指して走り出す。飛びかかった。



「この無礼者、寄るにゃあー!」



コーンと繰り上げられた、可愛いピンクのリボンの靴で。



チュッチュッカチュー?(こいつが、やったのか。まさか!)



きっと、まぐれだ。そうに違いない。こんな小ちゃっなガキが、やれるものか。と、再び攻撃して飛びかかった。



「ウザイのよーん、失せろってのにゃっ。ビアンカ様に何するっちゅーねん!」



金髪の縦ロールを揺らしてスカートの裾を捲し上げて、見事な廻し蹴り。



バッコーン!!



敵の頭にヒット。命中しました、勝利です。護身術と思ってキックジムに通ってて良かったー。


と、喜んだら・・・










しくしく~~、裏の(めし)屋は上手い。なんて、冗談じゃないってのよ!怨めしいー。



「ぐげええええけ、がぎぐげご!」


「ビアンカお嬢様、そんなに痛みますの?お可哀想に。」



寝間着を着替えさせてくれた侍女が、同情した顔をしながら笑ってんのを気がつく。こいつ、忘れねーぞ。お前、パパちゃんの小指!


くそ意地の良くない侍女を入れ替えてやる。絶対にー。


今日も診察に来た医者が、痛み止めをくれてご注意下さって。サンクス、お爺。



「馬車の事故の後ですので、無理はなさらないように。過度の運動をしてので、癒えるまで安静をお薦めします。」



はいはい、私が悪うございました。この丸ポチャのボディ。運動をやってないから、筋肉が無いのを忘れてたわよ。


処刑される頃には、スレンダーなんだからダイエットしたのね。



「うーん、何か忘れてたよなよな。何だっけ?」



お誕生日パーティーに乱入して来たモンスターを退治して英雄になった令嬢。でも、その為に筋肉痛で寝込むはめに。


身体中に湿布を貼って両親に毎日毎日と枕元で嘆かれる愚かしさ。



「ビアンカお嬢様、ジュリアーノ王子様からお見舞いの品が届きました。」



ジュリアーノは、ビアンカの婚約者の名前。婚約者なら、見舞いに来いってんだ。ふん!


親が決めた相手だから、興味が無いのね。きっと。あ、思い出したー。



「あの子、探さなくちゃ!」



それは、断罪の夜にジュリアーノ王子の傍らに寄り添っていた娘。王子の新しい婚約者ベネッタ・ニクソン子爵令嬢。


ビアンカを追い落とした相手だった







『ミッション②』

天敵のベネッタ・ニクソン子爵令嬢を片付ける。



「お嬢様、トーマスの息子が参りました。」



初めて会う相手だけど、初めてじゃない。オリジナルのビアンカの人生では、彼女の悪行を暴き立てた工作員。



「お嬢様、俺に・・用だって。」



噂の悪役令嬢に緊張した様子の男の子が連れて来られる。賢そうだわ、首になった父親の復讐をするのね。


馬車を暴走させて主人の娘を大怪我させたトーマスは、推薦状も書いてもらえず再就職も出来なかったらしい。



(この世界では、推薦状が無いと雇ってはもらえないのね。本には、一家離散と書いてあったわ。だから、恨むのか。)



ジロジロと見てたらしい。何も言わないから、我慢出来なかったらしい男の子が聞いてくる。



「あのさ、お嬢様。何の用すか?」


「え?あー、そうだったわ。頼みたい事があるの。」



出来るだけ好かれるようにスマイル。でも、ビアンカって笑うのに慣れてないらしくて。笑顔が強ばっちゃうのよ。


イワンは、そんな私を気持ち悪そうに見てる。 キモさで嫌われそう、頑張れ私!










1週間後、私はイワンと馬車に乗っていた。御者は、イワンの父親のトーマス。馬車を出せと言われて息子が乗って来たので驚いている。



「多分、その子だよ。通りで花売りしてた。」



私が出した袋の中のお菓子を食べながら、イワンが教えてくれた。そして、その通りへ入った馬車の中から見つける。



(ベネッタ・ニクソン子爵令嬢だわ!)



ジュリアーノ王子の婚約者になる前のベネッタは、父親が事業に失敗して母親と都の親類を頼って暮らしていたと本に記されてる。


元の名前は、ベネッタ・ウェストン男爵令嬢


貧しい暮らしをしていたが、花売りをしていたのを容姿が美しい事から拾われて養女となった。


凄いわ、そこから這い上がって来たのね。さあ、ミッションを実行しなくちゃ

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