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我が家の神話生物  作者: 矮小なる人類であれ
4/5

水底の館にて

 毎週金曜、俺は決まってある夢を見る。ただ、水底に沈んでいくだけの夢……4年前、海上に浮かんでいる夢を見て、それ以降段々、段々と俺は水の底に沈んでいく。

 不思議と苦はなく、ただただ心地よい感覚を感じながら水の底へと向かって行く……だけども、今回は違った。


「女の子……?」


 石でできた都のような場所、全てが人間サイズよりも大きく、それでいて現代都市と同じような外観にも見える。なんとなく……SCPっぽいなと思った。


 そんな場所を歩き続けていると、その都の中心……なんとなくそう思った。中心にそびえたつ巨大な館の中、その中で巨大なナニかに包まれて眠りについている少女が居た。肌は真っ白で、灰色の髪色をした小さな少女が、赤ん坊のように丸まって静かに眠っていた。


「えっと……なにこれ、そういうプレイ?」


 ロリ触手とか歪み切ってるだろ……ってこれ俺の夢じゃん。え、嘘やろ、俺の性癖こんなに歪んでない。年上の人がタイプなんですけど……ラトさんとか割とドストライクなんですけども。こんなに歪んでないんですけどぉ!?


「う……起きろー?」


 とりあえず起こす。頬っぺたをペチペチする……なんかヌルヌルしてる。頬っぺたを引っ張ってみる。よく伸びたがヌルヌルしてて滑る。 

 いろいろと試してみるが、少女は微動だにしない……ので、俺が昔され、発狂しながら起き上がり、犯人を本気でチョップした冒涜的な起こし方をすることにしたのだ。この夢では、俺が寝る前に持っていたものがそのまま使える。俺はいつもスマホをポケットに入れ、イヤホンで音楽を聴きながら寝ている。俺はスマホの音量を最大まで上げた。


「っと……あったあった」


 耳を塞ぎながら、俺は音楽を鳴らし始めた。耳を塞いでいても聞こえてしまう大音量の音楽に合わせて俺は歌い始める。


「いあいあ! いあいあ! ふんぐるい! むぐるうなふ!」


 少女の表情が苦し気に変わる。どうせ夢だからと俺は喉を潰す勢いで叫ぶ。歌うのではなく、叫ぶ。


「クトゥルフ! ルルイエ! うがふなぐる! ふたぐん!」


 少女が身じろぎすると共に、巨大な触手が彼女に向かって収束してゆく。都が揺れている気がする。


「いあいあ! いあいあ! クトゥルフ! ふたぐん!」


 都が急速に上昇していくような感覚を感じた。俺の意識が不思議と消えていくような感覚。どうしようもない吐き気に膝をつく。触手が俺を撫でるように動き、目の前に目覚めた少女が立っていた。

 俺の口が勝手に動く。


「ふんぐるい! むぐるうなふ! くとぅるふ! るるいえ! うが=なぐる! ふたぐん!」


 意識が完全に消え去った。







 突如、ルルイエが浮上した。その連絡は組織の中で瞬時に共有された。しかも、それが今までと違うことも同じように共有され、広がっていた。


 恐らく、何らかの原因でクトゥルフが目覚めたらしい。すでにルルイエにクトゥルフは存在していない。どこに居るのかを組織を上げて探しているが全く持って手がかりを掴めていない。


 神格存在の反応が14年程前から異常に増えている。それも殆どが日本に集中していることから、日本に何かがあるのかもしれないと我々は調べているが。何があるのかがわからない以上どう調べればいいのかすら解らない。


「管理官!」

「どうした!?」


 大量のデータを集め、それらの真偽を判定し本部へ送る。そのような途方もない作業を行っていると、部下の1人が血塗れで部屋に走り込んできた。


「きょ、狂信者と……神話生物らしきモノが同時多発的に我々の施設を襲撃! ロシア第5支部と中国第2支部、パキスタン支部からの連絡が途絶えました!」

「なんだと!?」

「ここは何とか防衛に成功しましたが……被害は大きいです」


 ロシア第5支部、組織の中で最大の武力を持つ支部がやられた。それを知った私は動きを止めた。しかし、ロシア支部の大部分が残っているのなら我々人類にも勝機はある。


 神など、我々人間が叩き潰してくれる。

主人公君が歌った歌→https://www.youtube.com/watch?v=myXHS7e6kS0

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