これは、大魔王がレベル2になるまでの物語
「よくこの世界に生まれてくれたな。大魔王ルシバブブ」
「ばぶー」
赤子を抱き抱えるは、ルシフェラーゼという男。彼は世界に恐れられし存在である大魔王を産んだ。
そんな子を産んでから数日、ルシバブブは……
「ねえあなた。成長……早くない」
もう既に大人になっていた。
「なあ妻。もう大人ってさ、おかしくね」
「あらまー。成長が早いのね。じゃあレベル上げにでも行きましょうか」
「いやまてまて」
息子とともに外へと行こうとするルルエルの肩を掴み、ルシフェラーゼは慌てた顔で彼女を止める。だがルルエルは魔法によって自らの体の一部を幽体化させ、息子に剣を持たせて外へ出た、
「仕方ないか」
ルシバブブ。
まだ産まれてから数日。ルシバブブは剣を持ち、スライムの前に立っていた。だが剣を持った瞬間にルシバブブは子供の姿に戻った。
ルシバブブ、レベル1
レベルアップまでの経験値、16
「ルシバブブ。スライムをどんどん倒すのよ」
ルシバブブはまるで赤子のように剣を振るうが、スライムには全く当たらない。
やはり脳みそは子供なのであった。
「ルシバブブ。頑張るのよ」
「バぶううううう」
ルシバブブは剣が当たらないことに怒りを覚え、いきなり剣を投げ捨てた。するとたまたまスライムに剣が刺さり、スライムを倒した。
経験値、5、を手にいれた
ルシバブブは喜んではいたが、既に武器など持っていない。
「バブうううううううう」
ルシバブブはハイハイをし、剣が刺さっている場所まで向かった。だが剣は想像以上に深く刺さっており、抜けない。
怒りのあまり、ルシバブブはじたんだを踏んで泣き叫ぶ。すると偶然いたスライムを背中で潰し、倒した。
経験値、5、を手にいれた
「すごいわ。ルシバブブ」
「たまたま過ぎだろ」
残り、6、でレベルアップ
「ばぶー」
ルシバブブは再びはいはいを始め、今度はゴブリンの前へと向かった。だが残念なことに、ゴブリンはスライム十体分の強さを有している。
「ルシバブブうううううう」
ルシフェラーゼは叫んでルシバブブへと手を伸ばした。だが……
「ばーぶー」
ルシバブブは段差につまづき、こけて宙を一回転して舞う。ルシバブブはそのままゴブリンの方へと進み、頭同士がぶつかり、ゴブリンは意識を失って倒れた。
経験値、19、を手にいれた
ルシバブブはレベルが上がった。
「ばーぶー」