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例え偽物でも

作者: 朝野千津矢

高校時代、道端で倒れている自転車を立て直した。それを見た友人は僕に言った「偽善者だね〜」と。

それから数年経って23歳になった僕は相変わらず「偽善者」を続けていた。

道に落ちているゴミを拾ってゴミ箱に入れたり、スーパーで落ちている商品を棚に戻したり、見知らぬ酔っぱらいに水をあげて介抱したりなどなど。

一見すると良いことをしている「好青年」に見えるだろう。でも実は僕はそんな良い奴じゃない。

僕の話を少しすると昔から人より運が悪かった。運も実力のうちという言葉があるがそれが正しいなら僕には運に関して実力がないのだろう。修学旅行前日に足を骨折したり。バスケの試合前にトラックに轢かれたり、カバンの中になぜか誰のかわからない財布が入っていて交番に届けたらそれが盗品で釈明するのに1日拘束されたりなどなど。

それらのことがあるから僕は神様なんてまったく信じていない。何にも悪いことしてないのに不運ばかりに見舞われるからだ。

でも正しいと思うことをせずにもいられなかった。神様のことなんて信じていないけど「誰か」が見ているような気がして。徳を積むとかそんなんじゃないけどその「誰か」には自分の善行を見ていて欲しいと思った。

だから僕は僕が正しいと思うことを続けている。誰のためでもない自分のために。いつか偽物だと言われるまで「偽善者」であり続けようと思う。

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― 新着の感想 ―
[一言] 敬愛するマンガのセリフで、やらない善よりやる偽善、という言葉があります。行動を起こせることは、たとえ偽善でも素晴らしいことだと思います。
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