走竜
足を肩幅まで広げ左腕を腰に添え、右手を突き出し人差し指を俺に向ける少女が歩み寄ってくる。
長く伸びた薄桃色の髪を二つに結び、白いシャツに真紅のミニスカートから絶対領域を作り出すニーハイソックス。
小柄で華奢な自分の体でも扱えるようにと選び抜かれたレイピアを腰に下げている。
彼女の名は不条院渚、クラスメイトの一人だ。
真っ直ぐに俺の顔を睨みつけ鼻息荒く歩み寄ってくる不条院。
俺は何か彼女を怒らせる事でもしたのだろうか。
正直全く心当たりがない。
こちらの世界に来る以前も、もちろん話した事などない。
呆然と不条院を見ていると、不条院は俺の目前で止まり、石段に座る俺を見下ろし「あたしに力を貸しなさい」と自信満々な態度で言ってくるのだが、理由もわからないのに「はい」とは誰も言えないだろう。
「ちょっと待ってくれ不条院。いきなり力を貸せって言われても意味がわからない。まずは説明してくれ」
俺の言葉は全くもって正論だと思うのだが、「鈍い奴ね」と眉を顰める不条院。
今の遣り取りで理解できる奴なんているのだろうか?
いたとしたら是非教えて欲しいくらいだ。
「だから蛍たちが捕まったのよ!」
蛍たちが捕まったって? 瀬世蛍か!
だけど捕まったって何にだ?
何か罪を犯し憲兵にでも捕まったのか?
だとしたら罪を償うしかないだろう。
俺に脱獄でも手伝えと言うつもりか、冗談じゃない。
そんな事をしたら俺まで犯罪者じゃないか。
「脱獄なら手伝わないぞ。罪を犯したならちゃんと償うべきだ。」
「はぁ? あんたバカね。蛍たちが罪を犯すわけ無いでしょ」
罪を犯していないのに捕まったってどういう事だ?
一体何に捕まるんだよ。
いまいち話が見えない。
「不条院、順を追って説明してくれないか。じゃないと竜崎も何がなんだかわからないよ」
見兼ねた青木が堪らず話に割り込み、青木の言葉を聞いた不条院が少し不満げに頷き事の経緯を説明し始めた。
「あたし達は昨日ギルドから依頼を受けたのよ。とても簡単な依頼だったからあたし達でもやれると思ったのよ。でも――」
不条院の話を要約するとこういう事だ、不条院は瀬世たち女六人でパーティーを組んで魔物を狩りに行ったのだが、女六人ではどうする事もできずに狩りは失敗に終わり。
魔物を狩らずにお金を稼ぐ方法はないかとギルドの依頼を確認したところ、パルムから東に行った場所にヘインマルセイと言う街があり、その街の様子を見てくるという依頼を受けたのだという。
ただ街の様子を見に行き伝えるだけなら自分たちにもできると思い引き受けたらしい。
だかヘインマルセイが問題だったという。
ヘインマルセイは今から三ヶ月ほど前に魔物の襲撃を受け、壊滅状態だったらしい。
街は廃墟同然のスラム街と化し、多くの住人は別の街に移り住んだという。
スラム街と化した街には門兵なども居らず、誰でも自由に出入りできる現状となっていて、野盗が街に住み着いていたのだという。
不条院たちは街の様子を少し見てここに長居しては危険だと判断し、すぐに街を出ようとしたのだが、街を出る寸前で男に呼び止められたという。
呼び止めてきた男は明らかにヤバそうな雰囲気だったので、無視してその場を切り抜けようとしたら腕を掴まれ、咄嗟に腕を振り払い男の頬に強烈なビンタを喰らわせたという。
しかしその男こそが野盗のボスだったらしく、気が付いた時には周囲を男の仲間に取り囲まれていらしい。
不条院は捕まる前に逃げる事に成功し、助けを呼ぼうとパルムに帰還してすぐに門兵に助けを求めたのだが、そういう事はギルドに依頼してくれと言われ、仕方なくギルドに行き依頼しようとしたのだが、ヘインマルセイに住み着く野盗から人質を救い出す依頼はかなり高額の費用が必要だと言われ、もちろんそんなお金のない不条院はその場にヘタレ込んだという。
頭を抱え途方に暮れていると、ある噂を耳にしたという。
俺が指名手配魔物ミノタウロスブラックを討伐したという噂だ。
不条院は嘘か誠か分からないが、藁にも縋る思いで俺たちを探していたのだという。
大体の話は分かったのだが、正直手伝いたくないというのが本音だ。
何故なら手を貸すという事は野盗、つまり人間と争うという事だ。
最悪人を殺める事も覚悟しないといけない。
それはこれまでのように魔物を殺すのとは理由が違う。
俺に人を殺す事ができるのかと言われれば現時点では無理だ。
だけどクラスメイトを、女の子を見殺しにする事もしたくはない。
それに目の前で助けを求める不条院を見捨てる事も出来ない。
どうしようと黙り込んでいると、話を聞いていた青木とリリーが迷わず俺の背中を押してくる。
「大丈夫ですよ、シンがきっと何とかしてくれます。シンや青木さんは困っている人を助ける事が生き甲斐なんです」
「生き甲斐かどうかは分からないけど、知らんぷりなんてできないよ。なぁ竜崎」
確かに青木の言う通り知らん振りは出来ない。
覚悟を決めるしかない。
「わかった。俺達がヘインマルセイに行き瀬世達を救出してくるから不条院はここで待っててくれ」
俺が瀬世達を助けると言うと不条院は笑顔になったのだが、すぐに眉を顰め反論してきた。
「冗談じゃないわよ!ここで一人待ってるなんて嫌よ。あたしも行くわよ。っていうか連れて行きなさいよね。ダメって言ってもついて行くんだからね」
「危ないから不条院はここにいた方がいい」
俺が危険だと伝えても一歩も引く気はなさそうだ。
「わかってるわよ。べ、別にあんた達の事が心配だからついて行くんじゃないんだからね。か、勘違いしないでよね、蛍たちが心配なのよ!」
そんなの言われなくてもわかっているのだが、なぜ顔を真っ赤にしてるんだ。
うちのクラスメイトはなんでこんなめんどくさい奴ばかりなんだろう。
仕方なく俺たちは四人で東の街ヘインマルセイを目指す事になったのだが、不条院の話だとここからヘインマルセイまではかなり距離があるという。
不条院はヘインマルセイからパルムに帰還する際、たまたま通りかかった商人の竜車に乗せてもらえたので早期帰還が可能だったという。
竜車など持っていない俺達は徒歩でヘインマルセイまで向かわなければいけないのだが、それだと三日は掛かるという。
三日も掛かっていては瀬世たちの身が心配だ。
運び屋を雇うにもどこで運び屋を雇えばいいかわからない。
「それなら走竜をレンタルしたらいいんじゃないかな?」
走竜? 突然リリーが走竜をレンタルしたらいいと言うけど、それがなんなのか俺にはわからないので女神に教えてもらう。
「走竜ってなんだ?」
「竜車を引いてる地竜の事だよシン」
なるほど確かにあの竜なら徒歩で三日かかる道のりも短時間で済む。
「走竜はどこで借りれるの?」
「北の繋ぎ場でレンタルできるはずだよ」
街の北が竜車などを停める場所だったのか、しかもレンタルできるなんて知らなかった。
リリーがいてくれて本当に良かった。
「よし、じゃあすぐにレンタルしに行こう」
走竜をレンタルして、すぐにヘインマルセイに向かう事を聞いた不条院も笑顔を見せている。
少しだけ安心したのかもしれない。
きっと俺だって不条院の立場だったら不安で仕方ないと思う。
頼れる人もおらず、相談する相手もいないんだ。
俺たちだけでも味方になってやりたい、そう思えるようになった俺はこの世界に来て少しは変わったのだろうか。
俺達はリリーの提案通り街の北にある繋ぎ場で走竜を二匹レンタルし、ヘインマルセイへ向かおうとしたのだが、不条院が走竜に乗る組み合わせに文句を言いだした。
「な、なんであたしがコイツの後ろなのよ」
走竜は二匹しかレンタルしていないので二人ひと組で乗るしかないのだが。
もちろん俺はリリーと乗る。
そうなれば必然的に青木と不条院が二人で乗る事は当然なのだが、気に入らないらしい。
不条院の気持ちもわからなくはない。
というのも青木はかなりの汗っかきで、密着して乗る事になる走竜は友達の俺からしても少し抵抗があるのだ。
しかしそこは我慢してもらうしかない、俺がリリーと走竜に乗る事はもう決定事項なのだ。
「瀬世たちが心配なんだろ? なら文句言うな」
唇を尖らせ俺の後ろで腕を回し密着するリリーをちらっと見て不服そうにしていたが、瀬世の名前を出すと納得したようだ。
「し、仕方ないわね、今回だけ特別なんだから。それと、し、慎一! あたしの事を下の名前で呼ぶ事を、と、特別に許してあげるんだからありがたく思いなさい」
なんだ突然、それに慎一って。
ひょっとしてコイツ俺と友達になりたいのか?
まぁ悪い気はしない、女の子に下の名前を呼び捨てにされて正直嬉しい。
女の子を下の名前で呼ぶ事もこれまでの人生であまり経験のない事なので、内心ドキドキしながら早速呼ばせてもらう。
「わかった。じゃあ行くぞ渚」
早速呼んでみたら手をばたつかせビックリしている。
「い、いきなり呼ぶんじゃないわよ。この変態!」
何なんだよコイツ、呼べって言ったのはそっちの方なのに、そんなに顔を真っ赤にして怒る事ないだろう。
それにしても走り出した走竜はとにかく早い。
時速100キロは出てるんじゃないだろうか。
俺がレンタルした走竜は深紅の鱗に凛々しい顔つきなのに対して、青木がレンタルした走竜は黄土色の鱗にふっくらした眠たそうな目をしている。
走竜も人と同じで千差万別だな。
それにしてもいい。
走竜はいい。
俺の腰に手を回し密着するリリー。
なんとも言い難い感触が俺の背中にポニョポニョ当たるのだ。
今この瞬間全神経を背中に集中し、この感触を楽しむのだ。
すると何故だろう、幸せすぎて涙が溢れてくる。
苦節十八年、女の子と一度も自転車で二人乗りなどした事のなかった俺。
道行く二人乗りをする幸せそうなカップルを見るたびに唾を吐き捨てる日々だった。
それが今、走竜に女の子と二人乗り。
それもただの女の子ではない、絶世の美女にしてエルフ。
幸せは異世界にあったんだな青木。
横並びで走る青木に目をやると、青木は鼻血を噴射していた。
渚の小さな胸の感触を、蓄え続けた皮下脂肪で堪能しすぎたのだろう。
リリー程ではないが渚も美少女である事は間違いない。
しかしそのままだとヘインマルセイにたどり着くまでに出血死するぞ青木。
それにお前のキモさに気づいた渚がお怒りモードだ。
「な、何考えてんのよこのキモだるま!」
渚は思わず立ち上がり青木の頭部をポコポコ殴っているのだが、走行中に立ち上がるなんて危険すぎるぞと注意しようとしたその時。
向かい風に煽られ渚の真紅のスカートが捲れ上がり、渚の髪の色とお揃いの薄桃色のリボンの付いた下着が俺の目を釘付けにした。
渚は慌てて腰を下ろし両手で捲れ上がったスカートを押さえつけ、俯きゆっくりと俺の方に視線を向けてきた。
恥ずかしさで頬を赤く染め、瞳を潤ませる渚が見たでしょと目で訴えかけてくる。
もちろんバッチリ堪能させてもらいましたなど言えるはずもなく、渚と目が合い気まずさに耐え兼ね、走竜にパシッと手綱で鞭打ち速度を上げ、渚の視線から距離を取ったのだ。
しかし人生いい事もあるもんだ。
背中に安らぎの弾力、目には桃色の癒し、もう最高だ。
リリーもいい、だけど渚も悪くない。
きっと俺は生涯渚の桃色を忘れはしないだろう。
ありがとう走竜、ありがとう異世界。
だけど楽しい時間ほどすぐに過ぎるものなのだ。
走竜を走らせまだ二時間も経っていないというのに、目的地が見えてきたのだ。
渚の話通りヘインマルセイは三ヶ月前に魔物の軍勢に襲われたという事もあり、街を取り囲む外壁が半崩壊しゴーストタウンのようだ。
あの街をお化け屋敷の会場にしたらちびっ子は震え上がり漏らしてしまうだろう、それくらい異質な雰囲気を放っている。
門があったであろうと思われる場所の前で走竜から降り、走竜にここで待っていろと伝え俺達は目的地、ヘインマルセイへと足を踏み入れた。
街の中に入ると本当にこんな所に未だに人が住んでいるのかと疑いたくなるほど街は崩壊していた。
俺達は街に入りすぐに足を止め辺りを見渡すと、目に飛び込んでくるのは全壊した石造りの建物に半壊した住居、三ヶ月前は賑わっていたのだろうと想像できる崩壊した店の数々。
もう何日も風呂に入らず食事も満足に取っていないんじゃないかと思われるやせ細った住人が、絶望を身に纏いながら地べたに座り込んでいる。
「酷いな、まるで街全体がスラム街だ」
「みんな別の街に非難しないのかな」
リリーの言う通りだ、たとえ生まれ育った街だとしても俺なら迷わず引っ越すだろう。
だけどそんなお節介を住人に言いに来たんじゃない。
「それより渚、瀬世たちの居場所はどこなんだ?」
「そんなのわからないわよ」
悔しそうに俯く渚を攻めたりはしない、男たちから逃げる事で精一杯だったのだ、野盗のアジトを探る時間など無いに決まってる。
聞いた俺が馬鹿だった。
しかしわからないって事は街中をしらみつぶしに探さないといけないのか。
瓦礫が散乱しているし、建物に近づいたらさらに崩落の危険性もある。
街を歩き回るだけでもかなり危険だな。
それに取り残された住人たちがよそ者の俺達を警戒している、厄介だな。
「何が起こるか分からない、離れずにゆっくり行動しよう」
「そうだな」
「はい」
「そうね」
俺達は崩壊した街をできるだけ慎重に進んでいき、話を聞けそうな人を探した。
ギラついた目をした者たちには話を聞く事は危険だと判断した。
まるでサバンナのハイエナだ、隙を見せたら身ぐるみ剥がされそうな勢いだ。
少し歩くと崩壊した建物の前で瓦礫に座り込み杖をついた老人を見つけ、老人なら大丈夫だろうと話しかけた。
「あの、この街に野盗が住み着いていると聞いたんですけど、どこを根城にしているか教えてもらえませんか?」
白い立派な髭を蓄えた老人が顔を上げ睥睨し、めんどくさそうに話し出した。
「お前らこんな死んだ街に何しに来た。野盗退治に来たんならやめておけ。お前らみたいなのが敵う相手じゃない」
老人の言葉を聞きすぐに渚が一歩前に踏み出し、そんな事は関係ないと反論した。
「友達が捕まったのよ! 見捨てる事なんてできないわよ」
「そいつは運がなかったな。だが行ったところでどうする事もできんよ」
老人はため息混じりに諦めろと促し、渚は小さな手で拳を握りグッと堪えている。
俺は渚の肩に手を置き老人に再度尋ねた。
「居場所を知っているなら教えてもらえないか?」
老人はやれやれと首を数度横に振り、俺たちの決意は変わらないと悟り、野盗たちのアジトと野盗たちについて話してくれた。
「奴らは東の元酒場をアジトにして住み着いている。だが気をつける事だ、奴らはこの街に住み着く以前から商人達を襲い、金品を奪い多くの商人達の命を奪ってきた悪党だ」
老人の話が事実なら一刻も早く瀬世達を救出しないとダメだ。
話を聞いていた渚や青木リリーの三人も表情が強張り、焦りが伺える。
リリーは項垂れるように座り込む老人に、なぜこの街から避難し別の街に移り住まないのか、この街の復興はなぜ行われないのか疑問を尋ねていた。
リリーの疑問に老人は深くため息を吐きながら理由を教えてくれた。
「儂はこの年だ、一番近いパルムにすら行く体力がない。もし体力があったとしても魔物に襲われれば終わりだ」
確かに走竜がなければ三日はかかる道のりを高齢者が移動する事は困難だろう。
瓦礫の前で座り込む様子からも分かるように、私財を失い誰かを雇い移動する事も困難なんだろう。
だけど魔物の軍勢に襲われて既に三ヶ月が経つというのに、未だに瓦礫も撤去されず復興の兆しがないのはどういう事なんだろう。
街がひとつ無くなるという事は国にとっても大きな損失だろう。
だからこそ何者かがギルドにこの街の調査を依頼したのだろう。
「この街の復興は行われないんですか?」
「この街の領主だった貴族が魔物の襲撃の際に戦死して復興をする者がいないんだ。一度新たな貴族がやっては来たが街の北に住み着いた魔族に恐れをなして逃げ帰ったんだ」
魔族! 野盗だけじゃなくそんなのまで住み着いているのか。
「王国兵とかは魔族の討伐に乗り出したりしないんですか? それともこの国には王国兵や騎士団は存在しないんですか?」
青木の言う通り普通は国が派遣しそうなものだけどな。
「お前らよそ者か? 騎士団は王都を守る役目があるからここには来ない。王国兵がここに来る事もないだろう。だから代わりに冒険者が何人か魔族を退治しに来たが、みんな殺られてしまったよ」
力なく答える老人は寂しそうだった。
国が助けてくれない事を知っているからこの街に取り残された住人は絶望していたんだ。
俺は正直苦しかった、何故なら俺はこの街の状況に似た光景を知っているからだ。
俺の祖父と祖母が暮らす街は震災に遭い二人は全てを失った、祖父と祖母はこの老人のように力なく項垂れていたんだ。
だけど国がすぐに動き街は徐々に復興し、人々に仮設住宅などを手配し援助してくれた事で、元通りとまではいかないが生きる希望を取り戻せたと思う。
俺は改めて自分の居た世界は、国は恵まれていたのだと思い知らされる。
それと同時にこの街の現状に遣る瀬無さを覚えてしまう。
目の前にいる老人が大好きな祖父にダブってしまうのだ。
だけど俺ひとりがどうにかできる問題じゃない。
青木もリリーも渚も、老人の話を聞き意気消沈してしまっている。
さぁもう行こう、ここに居続けたら悲しい事を思い出してしまう。
それに瀬世たちの元に早く行かないと。
「瀬世達が心配だ、教えてもらった東の酒場に行ってみよう」
老人の話に気を落としていた三人も顔を上げ気を引き締め、深く頷いた。
東の酒場へ向かおうと一歩足を踏み出すと、老人が俺の腕を掴んできた、一体何だろうと老人を見ると、老人は手を差し出してきた。
「っえ? なに?」
「情報料まだ貰っとらん」
逞しい爺さんだな、しかしまぁ情報料くらい払ってやるか、助かったのは事実だしな。
俺は老人に一万ルカを渡し、老人は納得した様子だったので俺達は東の酒場を目指し移動した。
険しい表情の渚を早く安心させてやりたい気持ちと、瀬世達を一秒でも早く助けてやりたかった。
更新遅くてごめんなさい。m(__)m