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逃げろ!  作者: 三面六臂な阿修羅
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俺と真央は車に乗り込む。

山口県に行くために。

もちろん無免許運転だ。

法律なんてクソくらえっ!


運転席に俺、助手席に真央、後ろには食料が座ってる。

シートベルトをしたら出発だ。

ガソリンのメーターを見たら満タンだった。

途中でガソリンスタンドに寄らなくても平気そうだ。

ガソリンスタンドに行くと無免許運転がバレそうだからよかった。



外が暗い。

夜の9:00なんだから当たり前だ。


前に無免許運転してから何回か車の運転の練習をしたけど走る時は昼間だった。

夜の運転は事故りそうで怖い。









しばらく車を走らせていると九州自動車道の近くまできた。

九州自動車道を通れば迷わずに開門橋を渡れる。


「あ、父さんと母さんに電話した?」


真央が聞いてきた。

答えはもちろん電話してない。


「いや、電話してない。これ以上は日本の法律違反したくないから真央が連絡して。」


俺はこれ以上は法律違反をしたくない。

誰にも迷惑をかけない犯罪では心は痛まない。

俺がしてるのは事故を起こすかもしれないことであって誰にも迷惑はかかっていない。

正直に言うと免許を持ってスピード違反ギリギリのスピードを出して走っている車より俺の運転している車の方が安全だ。

スピードもあまり出ないようにしている。

俺は無害だ。

俺の中では。


「りょーかい」


真央が返事をして親に電話をかけない。

電話をしないでメッセージだ。

電話をかけると怒られるからメッセージで連絡するんだろう。




九州自動車道の入り口みたいなところに着いた。

ここの道路を通るには金を払わないといけない。

金の払い方は二つある。

窓口みたいなところで切符みたいのを買うかetcカードだ。

俺が載っている車にはetcカードがある。

だから俺は誰にも顔を見られずに通れる訳だ。

etcカードマジ便利。


入り口を通ってしばらく車を走らせると渋滞になっていた。


「くっそ。渋滞とかふざけんなよ。」


本当に最悪だ。

時間は夜中の12:00に近くなっている。

いつの間にかこんなに時間が経っていた。

理由は、途中で道に迷ったからだと思う。

きちんとカーナビ見とけばよかった。

そうしたら少しは早く休めたかもしれない。


隣を見ると真央が寝ていた。

叩き起こしてやろうかと思ったけどやめておく。

自分がやられたら嫌だし。


俺は車にあるテレビを見ることにした。

渋滞してるから少しは見れる。


チャンネルを回すとニュースをやっていた。

感染者のニュースだ。

九州に住んでる人の60%が感染したか感染者に食われたらしい。


早く逃げといてよかった。

最初はゾンビごっこをしてるつもりで食料をかき集めたり避難しているつもりだったけど、遊び感覚でも準備しといてよかった。

いや、安心している場合じゃない。

感染者が増えたと言うことはこっちに来る確率が増えたと言うことだ。

感染者は人がたくさんいる方向に向かうらしい。

じゃあ、こっちに来るはずだ。

ほぼ確実に。


今いる道路の渋滞の情報を調べる。

俺がいる道路の渋滞は何キロ先までも続いているみたいだ。

このままだと感染者がここに来るまでに逃げ切れないと思う。


俺は急いで車を道路の端に寄せる。

一番左の車線で走っていたのが幸いした。


「おい!起きろ!真央起きろ!」


俺は真央を起こす。


「んー、なに?」


真央が目を覚ます。

眠そうだ。


「車を降りよう。このままだと感染者に追いつかれる。感染者はすぐにここまで来るはずだ。渋滞を待ってたら逃げ切れない!」


焦っていて上手く言えているかわからない。


「つまりこのままだと感染に追いつかれるから車を捨てて逃げようってこと?」


理解できたらしい。


「そう。だから車を捨てて逃げよう。」


「わかった。」


俺たちは急いで保存食と飲み物をリュックに詰めこむ。

俺は包丁にタオルを巻いて持つ。護身用だ。


俺たちは車を出る。

そして進行方向に向かって走り出す。


なんとなく後ろを向くと何人かが俺たちの真似をして車を捨てて走り出すのが見えた。

きっと俺たちがなんで車を捨てたかわかったんだろう。












しばらく走り続けた2kmくらい走ったと思う。


「お兄ちゃん…疲れた」


真央が俺に向かって言ってくる。

息が上がってる。

俺も結構疲れた。

もう、走りたくない。


「じゃあ、休憩しよう」


俺たちは道路の端の段差に座って休憩する。

喉が渇いたのでジュースを飲む。


「ぷはぁ、生き返るぅ」


そう言ったあとゲップが出た。

炭酸だからだと思う。


「行儀悪いんだけど」


真央が文句を言って来る。


「あぁ、ごめん」


これは俺が悪いので謝っておく。


そんな感じでしばらく休んでいると悲鳴が聞こえてきた。

感染者が来たんだろうか。


「なんだと思う?」


「感染者?それとも犯罪者?」


「とりあえず早くここから離れよう。」


そう言って俺たちは歩き出した。




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