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91 とんでもない村長だな

91話目です。2か月以内は『近いうち』だから!(暗示) 2か月以内は『近いうち』だから!(催眠)

 おじさんたちの住む村に向かって歩き続けて約2時間が過ぎた。海岸からもだいぶ離れてきて、進む道の両側は細い木々が乱立している。木に囲まれているといっても陽の光が差し込んでくるので結構明るく、森の中特有のじめっとした空気感などはない。さらに言えば、今歩いている道も舗装されたものではない。人が長年通り続けたせいで雑草すら生えずに道路と化したようだ


「ほら、あれだ。あれがオレたちの村だ」


 森を抜けた先にその村はあった。木造の民家が建ち並び、田んぼには稲?いや小麦か?どっちともとれるようなよくわからない作物が実っている


 おじさんたちに案内されながら村の中を通っていき、村の中心から少し離れた場所にある一軒家に辿り着いた。家の大きさは他と変わらないが、見た目若干ボロい


「んでぇ、ここがぁボクの家。寝泊りはぁここを使ってぇいいよぉ。見た目はぁボロいけどぉ、問題ないとはぁ思うからぁ」


「ありがとうございます」


 これで今日の寝床には困らなくなったわけだな。お礼を言うと、家を貸してくれた細身のおじさんが、あっ、と何か気づいたように声を出す


「ボクはぁコイツの家に泊まるからぁ、君らはぁ心配しなくていいよぉ」


 と、隣にいた髭のおじさんを親指でクイッとさす。どうやらこの家は俺たちで使っていいらしい。しかし、心配とはいったいなんだろうか?


「見た通り、コイツの家は他からちょっと離れてるから夜中にちょっとくらい大きな声を出したところで問題は無いってことさ」

 

 疑問が顔に出ていたのか、無精ひげのおじさんがニヤニヤしながら言う


 おじさんのニヤニヤ。心配しなくていい。夜中。大きな声。家には俺とミカヅキ。あー、そういうことか理解した。隣のミカヅキもどういうことか理解したらしい


「やりましたねマスター!」


「いやいや、やりましたねじゃねぇだろ」


「まぁ、お若い二人がナニをヤろうが好きにしてもらっていいんだが、とりあえず村長に兄ちゃんたちのことも兼ねて報告に行こうか」


 おいこら待て。とツッコんでやろうと思ったが、これ以上は余計に面倒くさくなりそうなので何も言わないことにした


 持ち物はすべて【影の食卓部屋ブラックボックス】に仕舞い込んでいる俺たちは下ろす荷物もないのでそのまま村長さんの家に行くことにした


 着いた村長さんの家はほかの民家と比べてひとめでわかる程度に大きい。まあ、大きいといってもこの世界で最初に行った町【アセトア】のクソ領主の家みたいな『THE・屋敷!!』って感じではなく、あくまで質素な感じに立派な家ということである


「村長ー! 生きてるかー!」


 玄関口から村長に向かって生存確認をするおじさん


「オレァ疲れたから死んだわァ!!」


 中から元気のいい死にました宣告が返ってくる。


「じゃあ、邪魔するぜ」


 いや何がどうなって「じゃあ」という結論に至るんだよ


 これがこの村の挨拶の仕方なのか?と考えている間におじさん二人はズカズカと家の中に入っていく。慌てて俺たちも中へ入る


 玄関から少し先にあるリビングに入ると、部屋に設置されたソファの上に見た目40代手前くらいのおっさんが死んで、もとい寝ていた


「村長ぉ、起きてるんですよねぇ?」


 反応なし。どうしたものかと俺たちが悩んでいると、奥の方から女の人が出てきた


「あ、イヨリさん。お邪魔してます」


「こんにちはぁ」


「あら、ケンノスケ君とミロク君じゃない。いらっしゃい。あら?そちらの方たちは?」


 どうやらこの女の人はここの家の人らしい。俺たちが勝手に家に入っているというのに驚かないみたいだ。あれか?村の住人なんてみんな知り合いだから気にしない、みたいなやつか?


 というかそういえばまったく気にしてなかったけど、このおじさん二人の名前って、ケンノスケとミロクっていうのか。


「あ、こんにちはお邪魔してます。初めまして、俺はアライって言います。こっちの隣にいるのが」


「初めまして、ミカヅキです。嫁です」


「違います」


「あら、こんにちは。わたしの名前はイヨリです。そこで死んでいるのの妻です。よろしくね、若いご夫婦さん」


「こちらこそよろしくお願いします。あと違います」


「今はまだってことですよね? マスター?」


「・・・。それで、ここに来た理由なんですが、」


「おや?マスター今の間はなんですか?そういうことですか?ついに認めたってことでいいんですか?!」


「まあ、その話は置いておいてさ」


「あら、子供はまだなの?何人くらいにするの?」


 ちょ、何でイヨリさん話を広げようとするの!?


「そうですね、何人くらいにしましょうか・・・。とりあえず今夜あたりにヤっちゃいましょうか」


「何言ってんのお前?」


 というかそもそもミカヅキってホムンクルス(その体)だけど、子供ってできるの?いや待てそうじゃない。俺までそっちの話に引っ張られるな


「ん?何ですかマスター?私の体で孕むことができるのかってことですか?」


 おいこら"孕む"とか生々しい表現をするんじゃない


「それなら無問題モーマンタイというやつです。なんとかします。具体的には女神さまにでもなんとかしてもらいます。この世界に来るみたいですし丁度いいですね」


 マジかよ旅行で来る(予定の)女神さまに何させようとしてんだよ


「あー、ゴホン!そろそろいいか?」


 無精ひげのおじさんことケンノスケさんがわざとらしく咳をして本らの会話に戻そうとする。よし、何とか会話の流れを断ち切れた。ありがたい


「で、ここに来た目的なんだが、こいつら泊まる宿が無いっていうからこの村に滞在するっていう報告と」


「そこの兄ちゃんたちとぉ、ミナカザ2体仕留めたからぁ、おすそ分けぇというかぁ、一緒にぃ食べようぜぇっていう話なんだがぁ」


 と、おじさん二人がそこまで話した瞬間、ソファから村長さんが文字通り飛んで起きた。着地と同時にとったその謎の決めポーズはまるで荒ぶる鷹のやつ!いや、死んでいたところから復活したのだから荒ぶる不死鳥フェニックスだろうか!?・・・わりとどうでもいいなこれ

「肉の話の、においがした」


 荒ぶる例のポーズのまま目をカッと見開きそんなことを言う村長さん。


「肉の話の・・・においがしたァッ!!」


 大事なことなので2回言ったのか。うわ、汚ねぇ、ツバ飛んできた


「おはようございます、あなた」


「ああ、おはようイヨリ。と、ケンノスケとミロクは何勝手に家に入ってきてんだ絞め殺すぞ」


 怖っ!この村長絞め殺すとか言いやがったぞ口悪いな!しかしまぁ、いくらじゃっかん頭のネジ外れているんじゃないだろうかみたいな怖い人でも挨拶はしておかなければならないだろう


「あ、えっと、初めまして俺はアラ――――――」


「ああ、いい。大丈夫だ。アライとミカヅキだろ?聞いてた」


 村長さん起きてたんかい


「オレの名前はダイスケだ。よろしく」


 村長さんの名前はダイスケというらしい。ダイスケ、ダイスケか・・・


「マスター?何でパラパラ踊ろうとしているんですか?」


「いや"ダイスケ"って言うから。ほら、Daisu—————んぐっ!?」


 ミカヅキに口を塞がれる


「マスター!?それはいろいろ危険です!というか若干ネタが古いです!!」


 マジか!



はい、ということでやりたい放題ネタをぶち込みました。実は最近、新しい物語を書き始めてみたんですが(露骨な宣伝)、この物語と違ってシリアスばっかりなので、気が付いたら今話の中身がいつにも増してやりたい放題ボケ放題ネタ詰め込み放題ですよ。くだらないこと書くの楽しい・・・!!



次回、ついに、ついに雪山で拾った狐耳っ娘が登場!!

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