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90 狩猟

90話目です。お正月3が日連日投稿ラストです。実を言うと、1/1に投稿した89話って去年の10月下旬くらいに書き終わってたんですが、どうせならこの章を一気に投稿したいなと思って溜めていたら新年来たし、3話分しか書いていないので投稿してしまったという落ちです。連日投稿3日目の前書きでの作者殴られ素材は瓶にしようと思いましたがいろいろ危ないので止めておくことにしました。

「え、え!?いや、ちょっと待ってください!?俺、別に教えてほしいってわけじゃ」


 というか鹿の仕留め方よりも今日泊まれる宿を教えてほしい


「なぁんだよぉ。覚えておいてぇ損はねぇぞぉ?」


「そうだ。兄ちゃんはかなりの力があるっていうんだから、もっと丁寧な仕留め方を知っておけば、いい品になるかもしれないだろ?」


「まぁ、そういうことだぁなぁ」


 そう言うと細身のおじさんはチョイチョイと手招きで俺を呼ぶ。これはもう教えてもらう流れだな。ま、特に急いでいるわけじゃないからいいか


「兄ちゃん、あそこにぃ、ハグレのミナカザがぁ一体いるだろぉ?」


 おじさんが指さした先の遠くに、確かに1体さっきと同じような鹿がいる。すると、隣からカチャッという音と共に猟銃らしきものを取り出すおじさん。そして発砲。撃ちだされた弾丸は鹿の胸部に直撃し・・・鹿が倒れない!


「おお、直撃してんじゃねぇか」


「偶然だなぁ。まぁ、まずはミナカザに存在を気づかせることだなぁ。ボクはぁコイツを撃ってぇ気づかせるけどぉ、兄ちゃんたちならぁさっきの魔法とかでもぉいいぞぉ。でぇ、次なんだがぁ・・・」


 構えていた猟銃を降ろした細身のおじさんは真っすぐに前を向く。つられて俺も前を向くと全速力でこちらに向かってくる鹿。狙撃されたことで怒っているのか、先程ボコボコに倒してしまった鹿よりも興奮しているようだ。このままだと確実に直撃コースなのだが、おじさんたちは余裕の表情で動かない。これは、俺も何もしない方がいいのか・・・?いや、でもこれ危険なんじゃ


 そうしている間にも鹿はどんどん近づいてくる。やがて、その距離が10メートルをきり、その巨体の威圧が強くなる。さすがにこれ以上は危険だ。そう思い、俺が一歩前に出て、【影】の防御壁を構築

しようとした、その時、おじさんが真横に何かを投げる

 

「なっ!?」


 すると、鹿はおじさんが投げた何かに飛びつくように俺たちの目の前で急に進路を変えた


「これは"マテァタビの実"って言ってな」


「マタタビ?」


「そう、マテァタビだ。コイツは山奥に生えているマテァタビの木から採れるものなんだが、ミナカザは9割方この木の実に食いつく」


「でぇ、ああなるってぇことだなぁ」


 おじさんが顎で指した先にいた、先程突っ込んできた巨鹿は、ピクリとも動かずに誰もいない道に向かって見事なまでの土下座をしていた


「・・・土下座してたッ!?」


「とまぁ、あんな感じに寝始めるから、」


 あれ寝てるのっ!?


「そこにこぉ~っそり近づいてってだなぁ・・・」


 猟銃を持ったおじさんが寝ている鹿の側面に回り込み、猟銃の向きをグリップ部分が鹿に向くように持ち替える。そして猟銃を上段に構え、鹿の頸椎けいついに思い切り一撃を叩き込んだ!?

 

 ゴスッ!という鈍い打撃音に僅かに遅れ「ガフェッ!?」という鹿の呻き声が聞こえた


「ミナカザシカっていうのは体が異様に丈夫にできている。銃弾の1発2発じゃ死なねぇどころかちょっと傷がつく程度だ」


 なんだその生物。化け物かよ


「言ってしまえば、そこら辺の魔物と同等かそれ以上に強い」


 やっぱ化け物じゃねぇか


「だがそんなミナカザにも弱点がある。それが、頸椎だ。ここに強烈な一撃を入れることコイツは簡単にくたばるのさ」


「だからぁ、ただ殺すだけってぇならぁ兄ちゃんたちみたいに力業でもいいんだがぁ、コイツの毛皮や角はは売れるからなぁ。このやり方の方がぁ傷が少なくて済むのさぁ」


 なるほど。確かに俺たちがやった巨鹿の死体は無惨なもので、売り物として出すことはかなり厳しいだろうな


「まぁ、こんなかんじだなぁ」


「さて、じゃあオレたちは村に帰るが、アンタたちはどうするんだ?」


 あー、すっかり忘れていた。俺たちは今日の寝床の確保をしなければならないんだった


「ん?もしかして、行く当てがないのか?」


「まあ、無いですね」


「ついでにいえば今日の宿もないですね」


 と、ミカヅキが付け足して言う


「なんだ、宿も無いのか」

 

「じゃあ、オレたちの村にきたらどうだ?大したものは無いが、今狩った鹿肉でも食わせてやろう。結構美味いぞ」


 おお、マジか!ラッキーじゃん!!俺は一度みかづきと顔を合わせ、目くばせで短くやり取りをする


「じゃあ、よろしくお願いします」


「おうともよ!」


 二人のおじさんは笑顔で答えた。そしてその笑顔のまま、俺たちとおじさんたちがやった巨鹿に向かい腕まくりをし、


「じゃあとりあえず、この2体を村まで運ぶか!」


 と、俺をしっかり見ながら言う。はいはい、つまり"お前も運べ"ということですね。全然構いませんよ


「本来ならぁ、こいつを狩るときはぁ運搬用の荷車なりを持ってくるんだがぁ・・・今回は急だったからなぁ。大変だとは思うがぁ、何とか持って帰るしかぁない。コイツの放置は危険だぁ」


「ミナカザは仲間意識が強いからな。昔、狩って放置していた死体が他のミナカザに見つかって怒り狂った奴らが群れで襲い掛かり、近くの村が半壊したとかなんとかって逸話があったりなかったり」


 怖っ!?逸話の確証性がものすごくフワフワしてるけど怖っ!?


「ともかく、昔からの教えでミナカザの死体の放置は危険だってことだな」


 なるほど。なんとなくわかったような気がする。まぁ、もとから荷物の持ち運びに関しては何の心配もしていないんだがな


「じゃあ、兄ちゃんはそっちの穴だらけの方を持ってってくれ。オレたちはこっちを持つ」


 そう指示して鹿運びに取り掛かろうとするおじさんたち。さりげなく鹿運びを"俺とミカヅキ"でじゃなくて"俺"だけに言ったのはきっとミカヅキが一般程度の少女だと思ったからだろう。全くそんなわけないがな!


「っと、待ってください。鹿運ぶのなら俺一人で大丈夫ですよ」


 俺の一言に顔を見合わせるおじさんたち。そして何を言っているんだとという風に俺を見た


「確かにぃ、兄ちゃんがぁ相当な力を持っているのはぁわかったがぁ。だからと言ってぇ、さすがにこの巨体をぉ2体は無茶があると思うがなぁ・・・?」


「言っとくが、ここからオレたちの村まではそれなりに距離がある。それまで一人で持っていくなんて、体力が途中で無くなるぞ?」


 ふっふっふ、だがそんな心配は要らないのだよ。なんせ俺には【影の食卓部屋ブラックボックス】があるから!! 俺は、まぁ見ていてくださいとおじさんたちに視線を向け、鹿の巨体に手を触れる。そしてパチンッと軽く指を鳴らし、鹿を丸ごと【影】の中に収納した


「「!?」」


 驚くおじさんたちを見ながら俺はもう一体の鹿に手を触れ、同じく指を鳴らし鹿を【影】の中に収納する


「おいおいおい、一体何がどうなったっていうんだ・・・」


「一瞬でぇミナカザのがぁ消えたぁ?」


「いえ、これも俺の【能力スキル】の一つですよ。鹿は俺が仕舞ったんで、これで楽に歩いて行けますね」


 おじさんたちはなるほどなるほどと頷き、何か感心したように俺を見る。何だろう、自分がかなりすごい人間になったみたいだなこれ!


「・・・何をさっきからニヤニヤしているんですかマスター」


 ミカヅキが何か引いたような表情で俺を見て


「宿主、別に【影の食卓部屋ブラックボックス】に収納するのに指を鳴らす必要は無いだろう」


 カゲロウからは暗に何を無駄な動きをしているんだと言われ


「・・・なるほど、わかりました。攻略者、あなたは所謂"格好つけたがり"という者ですね?」


 マーコの核心を突いた一言が俺に刺さる


 わあ、身内がとっても冷たいや!!



はい、ということで土下座寝する鹿をキュッってする話でした。えっと、ずっとこの作品を放置して、久しぶりに執筆して焦ったのが、書き方を結構忘れてしまっているということでした。キャラ名、技名は勿論、キャラのテンションとか、地の文の書き方とか。下手なものがさらに下手になっているという恐怖ですよ。たぶんいろいろ変に書いていると思うので、見つけた際は「バ~~カ!(煽り口調)」とでも言っていただければ、僕は深く傷つきます。「長文うるせぇよ活動報告に書けや」とか思ったでしょうがこれが僕のスタイルなので断る!


次回、村に到着。そして半年前に登場して未だゼロ喋りのあの娘が・・・!?


たぶんあしたは投稿できないと思います。また近いうちに投稿する"予定"です

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