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89 野生の鹿が現れた!

89話目です。 え、えー。この度はー、投稿が半年も開いてしまったことについてー、深くお詫び申し上げます。(45度のお辞儀)

記者1「なぜ、これほどの期間が開いてしまったのですか?」

 えー、僕自身が現実の方で新しいことを始めてしまいー、時間が思うようにとれなかったのとー、単純にやる気が起きなかったということでー・・・

記者2、3、4、その他「ふざけるなー!」「ド底辺作者ー!」「インドア―!」「ロリコンー!」

 あっ、やめっ、パイプ椅子は投げないでっ! というかインドアは関係ないだろ! あと誰だロリコンって言った奴!! 

「なんか、女神様が来るっぽい」


「それはまた・・・唐突ですね。何の用でしょうか。現場状況の監視とかですかね?」


「いや。休暇貰ったから旅行で来るらしい」


「え、あの女神様に休暇!?星でも一つ消えるんじゃないですか!?」


 実際に今一つどころ数個の世界線消失の危機らしいからな。"おい、仮にも女神様のそれは失礼だろ"どころか、"おい、星一つ消滅とか全然規模足りてねぇわ"である。女神様が因果律の操作に成功して旅行に来るか、若しくはどこかの世界が消滅するか・・・


 どこかの世界が消滅するとしたら是が非でもこの世界以外にしてほしい。無慈悲というなかれ。俺だってそんな理不尽な世界消滅に巻き込まれて死にたくは無いんだよ・・・。死んだら取り合えず元凶の新人神様をぶん殴らせてもらおう


 そう心の中で握りこぶしを作り静かに決意を固めていると、腕に抱えていたマーコが疑問を投げてきた


『攻略者、先ほどから会話に出てくる"女神様"なるものはいったいどのような人物なのですか?親しげに馬鹿にしていましたが、通話時に漏れた会話から只ならぬ人物だと想定します。いえ、そもそも攻略者の知り合いという時点で普通の人とは到底思えません』


 なんだろう。女神様のことを訊かれたついでに俺たちまで遠回しにヤバイやつとか言われた気がする。なぜだ。解せぬ


「女神様は、そのままの意味で神様だよ」


『"神"というのは人間の信仰や願いから発生する概念ですか?それが実体化したもの・・・ということですか?』


「まあ、そうなるかな」


 神とかよくわかんないけど


『神と直接的な関わりを持ち、その上従属や眷属的な立場ではなく対等に等しい関係・・・やはり攻略者、あなた方は普通じゃない。いや、最早世界にとってイレギュラーな存在なのでは・・・』


 なんだろ、マーコの言葉が刺さるよ。こうもドスドスと普通じゃないとか世界にとってイレギュラーだとか存在が異物みたいなこと言われるとさすがに傷ついちゃうって。だが俺はこんなところで挫けないさっ。あと女神様との関係は別に対等とかじゃなくて"観察者"と"観察対象データサンプル"ってかんじなんだけどな。あの女神様めちゃくちゃフレンドリーだから・・・


 さて、女神さまから通話がかかってきたりマーコに精神HPを削られたりしたが気を取り直して浜辺で作業をしている二人のおじさんのところに―――――――


「って、おじさんたち帰りかけてるし!?今ここでおじさんたちを見失ったら大変なことになるっ。主に今晩に寝るところの確保とか!」


「といっても今までの私たちの旅って結構野宿が多かったですし、今晩の宿が無いとか今更感ありますよね」


 ・・・・・・。確かにそれもそうだな

 

「いや、飯だ。食料的な問題は・・・!!」


「それなら宿主、【影の食卓部屋ブラックボックス】にはまだ食料は入っているぞ。"島の魔物の肉"も含めてな」


 そうでしたねー。食料もまだまだ問題なし、と


「いや重要な問題が残っていたぞ。現在地だ!現在地の確認と都市の確認だ!!」


「あー、でも都市や農村を探すのなら私の【情報収集クラッキング】でもなんとかなりそうですね。急いでいるのなら別ですが」


 わお、優秀。あれ?そうなるといよいよ急いでおじさんたちを追いかける意味がなくなってきたぞ


「あ、じゃあ走らなくてもいいか・・・」


 急ぐ意味がなくなったので走りを止めて歩きに変え、おじさんたちの後をついていく。ここがどこかわからない以上、地元の人であろう人間についていくのが一番いいからな。いやこれストーカーじゃないから。追跡だから。俺におっさんをストーカーする趣味とか無いから!!


「あれ?マスター、前方遠くから明らかに興奮していて危険そうな巨大な鹿が突っ込んできているんですが」


 え、あ、ホントだ。鹿だ。めっちゃっでかい鹿が突っ込んできてる。というか鹿ってこんな海辺すぐそばにいるものだっけ?もうちょっと山奥とかにいるような動物じゃなかったっけ?


「海にいる鹿ってなんだよ。海鹿かよウミウシじゃないのかよ」


「そういえば海鹿って確かアメフラシの別名じゃありませんでしたっけ?」


「え、そうなの?なんでそんな雑学じみたこと知ってるの?」


「いや、私マスターの記憶を受け継いでいるだけなんですが」


 そういえばそうだったな。え、俺いつ海鹿がアメフラシの別名とかそんなどうでもいいこと見つけたんだろ


『攻略者、あなた方の関係とはいったい・・・』


 いろいろあるんですよ


「ってそんな場合じゃねぇ!あのおじさんたち鹿に轢かれるぞ!!」


 "視た"ところ、あの巨鹿は魔物ではないようだ。とはいえ、野生の、それも巨体の動物なら普通の人間には脅威となる。見ず知らずとはいえ、さすがに目の前で人死には気分が良くない。おじさんたちに死なれたら人里までの生き方を知るのに手間がかかることになるしな。ともかく、今はあのおじさんたちを助けなければ 


 持っていたマーコをミカヅキに預け、【身体能力強化】を発動。一歩踏み込みから走り出し、急加速。すぐさまトップスピードに乗り、開いていたおじさんたちとの距離を縮め、追いつき、そして追い越す。走りながら【影】で自分の脚部にプロテクターを作り出し、そのまま目前に迫った巨鹿の顔面に向かって・・・膝蹴りッ!!速度と硬さを持った俺の膝が巨鹿の顎を捉え、打ち上げる。巨鹿はそのまま来た道を吹っ飛んでいき、倒れこんだ


 手ごたえあり。首の骨ごといったはずだから殺せたはずだ。しかし妙な感触だったな、あの鹿。触れたのは一瞬だったからわかりづらかったが、何かこれまでの生物とは違うような――――――――――!?


 少し離れた先、俺が先ほど吹き飛ばした巨鹿。そいつが立ち上がっていた


 おいおいおいおい、何で立ち上がってるんだよというか何で生きているんだよ!?今のは確実に死ぬレベルの衝撃だったろ!?


 立ち上がった巨鹿はふらつき、側頭部から体液が滴り落ちいている様子から無事とは言えないようではあるが、それでもあの衝撃を食らって立ち上がれるに至るのだから異常なまでの耐久力があるのだろう。巨体を俺の方に向けなおし、再び突撃を行う。あの鹿に打撃は有効じゃない、ということか?なら・・・刺突だな!!


 ダメージが抜けないのか、先程よりも格段に速度の落ちた突撃を慣行してきた巨鹿に地面から【影槍】の一撃を食らわせ――――――――ようとしたその瞬間、空から無数の氷槍が飛来してその全てが巨鹿に突き刺さる。後ろを振り返るとウィンクしながらサムズアップをするミカヅキの姿。あいつ、おいしいとこ持っていきやがったなっ


 一方の巨鹿はその巨体をハチの巣の如く穴だらけにして倒れ、今度こそ立ち上がることは無かった


 さて、巨鹿を倒したことではあるが、この鹿、魔物じゃないのに強すぎじゃなかろうか?まあともあれこれでおじさんたちの無事は確保されたな。俺は来た道を戻り、その場に立ちっぱなしのおじさんたちの方へと近づいていく


「すみません、大丈夫でしたか?」


「おお、誰だかぁ知らんが、兄ちゃん、アレを倒すたぁやるじゃねぇの。だが・・・なぁ?」


「ああ、そうだな。アレじゃ使い物になんねぇな」

 

 おじさんたちは先程俺とミカヅキがボコボコに倒した巨鹿を見て何やら話し始めた。アレはダメだの使えないだの、何かわからないがかなりダメ出しされているんだが・・・


「あの・・・?」


「兄ちゃん、【ミナカザシカ】は倒し慣れてねぇな?」


 ミナカザシカ・・・?あの鹿のことだろうか?俺が首を傾げていると、二人のうち無精ひげを生やしたガタイのいいおじさんは驚いたような表情を浮かべた


「兄ちゃんもしかしてアレが何か知らずに倒してたのか!?」


「ええ、はい」


「この国じゃぁ一般的に認知されている動物なんだがなぁ・・・。ん?もしかして兄ちゃん、国外から来たってぇ人かぁ?」


 今度は髭のおじさんじの隣にいた細身のおじさんが尋ねてくる。俺はその質問に首肯する


「そうかぁ。ならぁ仕方がねぇなぁ」


 そう言って細身のおじさんは顎に手を当てしばらく何かを考え込むようにして黙り込む。そして暫くすると、にこやかな笑顔で


「じゃあ、鹿アレの仕留め方をぉ教えようかぁ」



はい、ということで何かめちゃくちゃ強いただの野生の鹿が出てきました。いや、まさかいないだろうと思いながら【海鹿】をネット検索かけたらヒットしたときは驚きました。アメフラシ・・・どこら辺が『鹿』なのでしょうか・・・。


次回、主人公、鹿狩りを教わる


明日も昼頃投稿します。

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