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別話7 エイルムの旧メインストリートにて

サイドストーリー7話目。連日投稿3回目。これで連日投稿最後だァ!! ふう、3話も一気に投稿したからこれで1か月は休めr(殴


嘘ですちゃんと書きます投稿します

「へ?」


 私は一瞬何を言われているのか理解できずに固まってしまう


「UMAだよUMA!!きみのお仲間の彼が迷宮遺跡ダンジョンの一部を振っ飛ばした時に一緒にいた真っ黒で巨大な人型のUMA!!きみ、彼の仲間なら何か知ってるんじゃないかい!?」


 いや、知らないし。そもそも何?黒い巨人?UMA?UMAって未確認生物のことだよね?ん?UMAワードをどこかで聞いたような・・・あ、町中の人たちの話に聞き耳を立てていた時にそんな話があったような・・・。そうだ、やたらと大きな声だなぁって思ってたんだよね


「で、どうなんだい!?」


 どうしよう、目の前の人すっごい興奮してるんだけど。鼻息荒いんだけど。しっかりしたお姉さんかと思ったらただの変態だったんだけど


「い、いや、ごめんなさい。私もそれについては知らなくて・・・」


「な、なんだ・・・と・・・?」


 がっくりと項垂れる目の前の女性


「う、嘘とかじゃないよね?」


「え、ええ、ホントに何も知らないんです」


「そうかい・・・」


 すると、今まで項垂れていた目の前の女性はガバリと体を起こした


「じゃあやっぱり本人に直接聞きに行くしかないのかなっ!?」


 と叫んだと思ったら一瞬で私の目の前まで近づき、私の肩を掴む


「きみ、彼の居場所知らない?」


 いやホントにむちゃくちゃだ。それどちらかというと私たちの方が知っておきたい情報なんだけれど


「すみません、それについても。今、彼は私たちとはぐれている状態なので、どこで何をしているかというのは全く知らな―――――――」


 私の懐に飛び込んできたギラリと光る物体は恐らく金属。それに気づけたのは目の前の女性の変態具合に若干気圧されながらも警戒は解いていなかったからか。私はその金属物体が私の腹部に当たる直前に【全反転リバース】を発動させる。ここにきてダンジョンでの戦闘経験が役に立ったのかな、って――――――


「ッ!!」


 全反転によって弾かれたナイフが地面に落ち、カランと音を鳴らした。それに一瞬気を取られた瞬間、左半身に蹴りが入る。全反転は発動したまま。それなのに、体に重い衝撃が伝わり、吹き飛ばされそうになるのをなんとか踏ん張る


「うーん、まだまだペーペーとはいえ、さすがは異世界から来た勇者様ってかんじかな」


 さっきまで変態チックな言動をしていた女性は全反転の効果で跳ね返された威力を利用して私から距離を取る。纏う雰囲気は、最初声をかけられた時ともさっきの"UMA!!"って叫んでいた時とも違う。より鋭く、そして圧倒的なものだった


 タンッっと踏み込み一つ、一瞬で私の目の前まで接近される。私は目の前に障壁を出現させ―――――いないっ!?


「消えっ!?」


 後ろ!!目の前に接近してきた女性は瞬く間に私の背後へと回り込んでいた。繰り出されるのは回し蹴り。障壁は間に合わないが、全反転そのものは切っていない。なのに


「くぅッ!!」


 攻撃を弾き返せない。それどころか、押し切られるっ!背部への強力な一撃に私は耐えきれずに前へと

吹き飛ばされる。それを利用して地面を転がりながら私は彼女と距離を取る


「あなたは、いったい・・・!!」

   

「まあ、わたしが何者かなんて言えないよね。でもあれかな、敢えて言うとすればきみらのことを邪魔に思っている存在・・・・ってことかな」


 ということは、これはこの人の突発的で通り魔的なものじゃなくて計画的な犯行ということか。この場合はどこか組織的なところが動いている、のかな。となれば非常に厄介なことになるなあ


 私のスキルは基本的にカウンターだ。本来自分から仕掛けるのにはあまり向いていないスキルだと思う。だけど、そもそもこの人には【全反転リバース】のスキルの効果が効かない。というより、跳ね返そうとしている威力を無理やり押し通された感じ。どちらにしろ、スキルは当てにならないといった方がいいかもしれない。と言っても、今日は完全にオフの気分でぶらついていたからなあ・・・私、今得物を持っていない


「いいんですか?ここは人通りが少ないとはいえ、こんな街中で戦闘なんて起こしたら人が来ちゃいますよ?」


「うん、だから【人避け】は施してある。それに、人が来る前にきみを仕留めて逃げるから問題はないかな」


 【人避け】なんて術も施していたのか・・・!!道理で人が少なかったわけね。・・・いや、ここはもとから少ないのかな。こうなると、私が思考誘導されてこの場所に来たとも考えられないことは無くなってきたな。まあ、例えそうだとしてもそうじゃなかったとしても、結局こうなってしまった以上どっちでもいいか


「なるほど、UMAだのなんだのと変態っぷりを見せたのも私を油断させるためのことだったんですね」


「なっ!?UMAについて知りたいのは本当のことさ!それに変態ではなく、情熱と言ってくれないだろうか!?UMA、あれは世界の神秘なのだよッ!?」


 どうやらこの人が変態なのは演技でもなんでもなかったようね


「うーん、さっきから、ちょくちょくなにかを探しているみたいだけど・・・きみが探しているのはこれかな?」


 彼女がかざしたのは全反転に弾かれて地面に落ちていたはずのナイフ。いつの間に回収されてっ


「ほらどうぞっ!」


 そしてそのナイフは私に向かって勢いよく投擲される。勿論そんなもの掴めるわけがない。飛んできたナイフは全反転で跳ね返す。と同時に接近されて繰り出された拳を避ける。ナイフへの対処直後に攻撃が来ることは予想できていたので、ここは回避することができた


 そして連続して繰り出される拳、蹴り、掌底をなんとかいなしていく。が、すべてに対処できたわけではなく、顔や胴などに直撃するのを防ぐために腕で防御を取っている。一撃が重い。攻撃が当たる度に体に衝撃が伝わる。特に直撃を受ける腕は既に半ば気力で堪えている状態で―――――――


「っ!」


 かち上げられたのは私の腕。彼女の目の前で私の胴体はがら空きになった。勿論これを見逃すような相手なんかじゃ、ない


「おぇ"っ」


 鳩尾に入る掌底。内臓が破裂したんじゃないかと思うほどの衝撃と、吹き飛ばされる体。受け身なんか取れる筈もなく、無様に地面を転がり倒れ伏す。限界。先程の攻防でもう腕は上がらない。気力でどうにかなる域を超え、立ち上がることもできそうにない


 近づいてくる彼女の脚が見える


 起きないと。立ち上がらないと。このままじゃ殺される。死んじゃう。死ぬのか?私はこんなところで死ぬのか?こんな訳のわからない世界で、訳のわからないまま訳のわからない人間に殺されて、私は死ぬのか?いやだ、死にたくない。こんな、こんなところで、こんな簡単に。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくないッ!!


「じゃあ、さようなら。勇者さま」


 銀色のナイフが突き刺さる


 血が溢れたのは、私を殺そうと迫った目の前の彼女の大腿部からだった



はい、ということで実は強かった『UMAの人』。僕の中で、フィクションに出てくる変態かオネェキャラって何か強いイメージがあるんですよね。え、『UMAの人』なんで敵対してんだよ展開が唐突すぎるだろ? ただ再登場ってのもあれだなぁと思って今後の構想を練りながら書いてたらこうなりました。僕は悪くない。


次回、主人公サイドに戻ります。遂に魔人族の国へ・・・え、何? うしろ?


(次は2週間後あたりに投稿予定・・です。予定ですので!!)

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