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84 キケン!!

84話目です。大丈夫、今日までギリギリで2週間以内なハズ・・・・・・。そういえばゴールデンウィークですね。確か去年は折り畳み自転車で軽く遠出してタイヤがパンクしたような・・・・・・。ちなみにそれから自転車に乗っていません

 ジョナケルを倒した俺たちはボス部屋の奥の階段から下の階層へと下る。今のところが第3階層だったから次は第4階層か


 この第4階層で気になるのは、ステージの仕組みだ。第1階層、第3階層は"ボス部屋の存在する"ステージだった。だが、第2階層はボス部屋は存在せず、他2つと比べて難易度が異様に高い"階層全てがボス部屋"のようなステージだった。"ボス部屋アリ"と"ボス部屋ナシ"のステージが交互にあるのだとすれば、第4階層は"ボス部屋ナシ"のステージとなるはずだ


 階段を降り切り、第4階層のスタート地点となる扉の前に辿り着く。どうやらここもボタンを押して扉を開けるタイプのようだ。これなら俺たちの好きなタイミングで出ることができる


「ミカヅキ、これは推測だが、この階層は前の罠だらけのステージみたいな可能性が高い。開けた瞬間に撃たれるなんてことがあるかもしれないから注意しておけよ」


「わかりました」


 扉の両脇に立ち奇襲に備える。壁に設置されたボタンを押して扉を開ける。横にスライドして開いた扉から入ってくるモノはいない。俺は【影】で小人さんを作り、扉の外へと偵察に行ってもらう


 扉の正面、攻撃ナシ。扉の外一歩、攻撃ナシ。そのまま1メートル進んで・・・攻撃ナシ。小人さんと【共有リンク】し周囲の状況を確認、目立った迎撃装置もナシ。進行1メートル先、オールグリーン


 1メートル先ってだいぶ短いな・・・。まあそれは仕方がないとして、即死級のお出迎え装置は無いようなので、一応警戒しながら中に入るとしよう


「これは・・・!!」


 大4階層、その内部は周囲を壁に囲まれた円形の部屋だった。他に続く通路は無いようで、奥の方に扉が見える。とすれば本当に階層そのものがボス部屋となっているらしい。ならば、ボスとの対戦があるはずなんだが・・・ボスはどこだ?


 見渡してみるも、あるのは壁のみ。・・・よく見ればこの壁普通の壁じゃないな。壁のいたるところに大小さまざまな穴が開いていて、そこに何かが入れられている。あれは・・・装甲車か!?ついに車を発見した。いや、よく見れば装甲車だけじゃない。ヘリや戦車やミサイルその他武器諸々と、いろいろ詰まっているじゃないか!この部屋はまさか、【格納庫】か?


 とりあえず全部欲しい!が、今は先にこの階層のボスとの戦闘を行わなければならない。さすがにボスがいないということは無いだろうが、そのボスキャラは姿が見えない。この格納庫の天井はかなり高くまで続いているが、そのうちの壁のどこかからダイビングジャンプでもして上から降ってきたりするのだろうか。もしくは何かしらの装置がボスの役割をするのか・・・


恐らく、ボスが出てくるのはこの部屋の中央まで俺たちが達したときだろう。前回のジョナケルがその例だったしな



 俺たちは入り口から中央に向かって歩を進める。中央に辿り着く前に何かしらが襲ってくるという危険性もあるので十分に周囲に警戒しながらだ。しかし何も起こらずにあっさりと中央へと辿り着く。さて、これで何が出てくるのか————————


『侵入者部屋中央への到達を確認。大規模爆破準備確認。準備完了』


 装置がボスのタイプだったかっ!!しかし、大規模爆破だと?そんなことをしたらせっかくの武器とか乗り物とかが全部だめになるじゃないかっ!!


 いやまずこの量が全部爆発するとなるとさすがに迷宮ダンジョンでも危険じゃないか?俺たち雪山の誰も知らないようなダンジョンで生き埋めか!?そんなのは勘弁してほしい


『カウントダウン5秒前。4・・・』


 チッ!せめて10秒前からカウントダウン始めろよ!


「支配率50%から40%!!」


 『支配率を50%から40%に変更します』


 支配率を下げたことによりさらに【影】の量と威力が大きくなる。俺はその【影】を全方位の壁へと延ばしていく


『3・・・』


 壁へと到達させた【影】を、今度は壁全体を覆うように急速に展開させていく。そして展開と同時に、壁の穴に格納されていた装甲車、戦車、ミサイル各種etc,etc・・・を【影の食卓部屋ブラックボックス】へと回収していく


『2・・・』


 兵器を吞み込みながら【影】は天井まで登っていく。満足に足りなさすぎる時間が俺のこころを焦らせる。高い天井が目視で確認した距離よりも遥かに高く感じる


『1・・・』


 カウントダウン残り1秒にして床から天井までの壁に詰め込まれていた兵器をすべてブッラックボックスの中に収納することに成功した。これで貴重な武器や移動手段や俺の興味の確保もとい、誘爆による被害の拡大は何とか阻止できた。残るは肝心の爆発そのものがどこから来るか・・・


『・・・0』


 カウントがゼロになる。その瞬間、地鳴りと共に大きな振動が起き、足元に危険を感じる。爆発源になるのはこの真下かっ!!


 俺はミカヅキを抱き寄せ、【影】で繭を作る。箱状よりはこの方が下からの力も受け流しやすいはずだ。壁に巡らせた【影】の方にはもう力を割かなくてもいいので繭の方を全力で強化する


繭を生成し終えると同時にドンという衝撃が中にいる俺たちに伝わる。やはり相当な威力の爆発のようだ。俺たちはそのまま中に籠って爆発の威力が通り過ぎるまで耐える。1秒、2秒と時間が経つが、外の激流のような振動は未だ収まりそうにない


 ちょっと待て。これ本当にダンジョン崩壊していないだろうな!?いくらなんでも火薬の量間違えていないか!?仮にダンジョンが崩壊していなかったとして、この状態で外に出ても十分な空気があるかどうか怪しい。今の爆発で酸素が粗方燃焼してしまった可能性だってあるからな


 爆発から少し経って衝撃は収まったが、念のためにそれから1分ほど経った後に繭を解除して外へと出た


 外部はやはりというべきか、空間内に大量の煙が蔓延している状態であり、壁のいたるところも煤けていたり欠けていたりした。床に至っては悲惨なもので、綺麗な平らだった床は今はもう瓦礫と化していた。よくもまあ下の階まで床が抜けなかったものだ。もうこれはある意味劇的にビフォーアフターしてしまっている


 しかし予想外だったのが、繭の中で感じた爆発の威力にしては受けている被害が少ないように見えることだ。もっと廃墟と呼ぶのも甚だしいくらいの崩壊を起こしていると思っていたのだが・・・。衝撃と音だけでそれほど威力は無かったということか・・・?


「マスター、あれ見てください!」


 ミカヅキが指し示したのは煤けてボロボロになっている壁の一部分。なのだが、そのボロボロになっている部分がフワリと光ると、煤は無くなり、欠けていたはずの壁は元通りとなって、光が収まった後にはまるで何事もなかったかのように壁があるだけだった


 この一部だけじゃない。よく見れば、他の場所でも同様の現象が起き、ドンドンと俺たちが入ってきたときと同じような部屋の光景に戻りつつある


「【自動修復機能】ってやつなのか?」


「そのようですね。先程と比べて空気も澄んできているようなので換気機能も優秀なようです」


 確かに、蔓延していた煙もいつの間にかだいぶ治まってきている。これならあんな大爆発を起こしても平気というわけか。いや、俺たちが兵器を回収していたからそこまで甚大な被害にならなかったてことか?


「それにしても、なんか妙に疲れたな・・・」


 他の階層の時よりも全然動き回っていないのに強い疲労感を感じる。これまでの疲れが一気に出たというのも考えられなくはないが、そんなに脱力するほど気は抜いていないはずなんだがな


「その疲労というのは、恐らく急激に【影】の力を使ったからだろうな」


「ん?カゲロウか。どういうことだ?」


「宿主は今さっき支配率を40%にまで落として【影】の力を一瞬全力で使っただろ?何度も言ってはいるが【影】というのは一応天界に存在する力だぞ?それを人である宿主が60%も開放して一瞬とはいえ、そして一瞬で全力で使ったのならそれは疲れて当然だろう。もっと適当に説明するならば"寝起きダッシュ"した時くらいの疲労だろう」


 なるほど、そういうことだったのか。強力な力はタダでは使えないってことだな。いやまあ、あんなに強力な能力の代償が疲労だけで済むのはお得な気しかしないのだが。・・・いや、もしかしたら知らないうちに何かを代償として失っていたり・・・


「そういえば宿主、さっき回収した兵器の中になかなかヤバイものがあったぞ」


「ヤバイもの?何があったんだ?」


「【核】」


「・・・・・・」


 アウトーーッ!!超アウトーッ!!!


「原子の方も水素の方もあったぞ」


「何にせよダメだね!カゲロウ、それブラックボックスの奥の奥の方で超厳重封印しておいて!!というかどうにかして処理できない?」


「ブラックボックス内で爆発させて外への影響を出さないように処理するというやり方はあるが、それだと宿主にどう影響が出るかわからないな」


「じゃあ、それ却下で」


 ちょっと死にたくはないので。旧時代の人間たちは、核兵器なんて迷惑なもの造って挙句それを放置したままなんて。戦時中だったからってそういうのどうかと思いますけどね!?


 とりあえず放置も放置で危険そうなのでこのまま【影の食卓部屋ブラックボックス】内の奥底に時間ごと凍結させて封印することにしよう


 いろいろと便利そうなモノも危ないモノも手に入り、どうやらあの爆破の罠で今回の階層はクリアのようなので次へと進もうか


 

 その前に階段で疲労感を取ることにしよう・・・



はい、ということで武器ゲット~な回でした。えっと、一応言いますがこれは迷宮ダンジョンです。なので『格納庫に戦車とミサイルと核が一緒に入っているわけねーだろ。バカ作者バーカバーカ』とか思われても『これはフィクションで出鱈目な迷宮の仕組みなのであしからず・・・・・・』としか言いようがないですね


次回、最終層

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