表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/102

82 迷路

82話目です。・・・・・・なんかもう月曜投稿になってきている気がするけれど気にしないことにしました。

4月だなーと思い、桜っていいなー、夜桜とか見たいなーとか思ったけれど、近くに桜なんて無かったのでネットの画像で満足することにします

 罠だらけの第2階層をなんとか切り抜け、その先にあった階段を使い第3階層に降りていく。まさかのボス部屋が無いということに、安心を感じはするがそれと同じくらい、いや安心感よりも警戒心が強まる。

 

 これだけ挑戦者を殺しにかかってくるような仕様のダンジョンでボス部屋が無いというのはどうにも不安が募ってしまう。まあ、ダンジョンなんてもともとよくわからない不思議物件なんだし、もしかしたらあの階層1つでボス部屋だったという可能性もありえる。警戒ゼロってのはどうかと思うが、気にしすぎてもあまり良くないっていうしな


「さて、第3階層なわけだが・・・今日はここまでにして休むか」


「そうですね。ダンジョンの中は外の時間が分かりにくいですけど、雪男と遭遇した流れから随分と時間が経ってますもんね」


 雪男こと未確認生命体に遭遇したり、雪崩に吞み込まれかけたり、狐少女を拾ったり、ダンジョンを発見したり、入ってみたら難易度が鬼だったりと、実感は無いが精神的疲労も溜まっているはずだ。まだ進める気分ではあるのだが、一度存分に休憩を取らなくては。先を急きすぎてぶっ倒れてからじゃ遅いしな


 扉の前というのも何もないとは思うが少しばかり不安なので第2階層と第3階層の中間である踊り場まで戻り、ここを本日の休憩スポットにする。【影の食卓部屋ブラックボックス】から夕飯を取り出し、ミカヅキと食べる。途中【影】の中という安全地帯にいたハルマキがのこのこと出てきて春巻きをよこせと言って来たので島産のマズイ肉を食わせておいた


 尻尾ビームで反撃されたり何やかんやした後に【影】で寝袋を作り眠りにつく。久しぶりの踊り場での睡眠は・・・床が硬いし良いものじゃないなこれ





 踊り場での睡眠から起き、朝食を食べる。いや時間が分からないからこれ朝食なのか昼食なのか夕食なのかわからないな。そこらへんはどうでもいいか

 

「それじゃあ第3階層の突発といこうか」


 扉の仕様は第2階層と同じようで、壁に設置してあるボタンんを押して扉を開ける仕組みだった。さて今回は何が飛び出してくるのか


 ボタンを押し、扉を開ける。ケルベロスとか銃弾とか違うものとかが飛んでくることが予想されるので、【ニンギョウゲキ】で小人さんを作りだし身代わりとして扉の外に出てもらう


 小人さんが扉の外に出て数秒。しかし何かが起こった様子は無い。【感覚共有リンク】で外の様子を見てみたが特に何かの装置も無い。【影】の展開準備をしつつ扉から出てみるがケルベロスが襲ってくることも銃弾にハチの巣にされることも無かった


 ・・・ことごとく予想が外れていくな。まあ何もないなら何もないでそれがいいんだけどね。罠が設置されているわけでもないようだし、先に進もう


 この階層は先の罠だらけステージとは違い、分かれ道が所々にある。全体として迷路のような構造になっているのかな。うん、迷宮ダンジョンらしいステージだ。迷路の攻略法として、片方の壁に沿って進むという方法が有名だけれど・・・ダンジョンでやったら死ぬ可能性とかありそうだな。いきなり落とし穴とか、罠部屋とか、最悪ステージが組み変わったりとかありそうだもんな。やめておこう


 だとしても、闇雲に正解通路をさがしても時間がかなりかかるはずだ。こんな時はアレを頼ろう!


「出でよハルマキ!!食っちゃ寝してないで働け!!」


 ブラックボックスからハルマキを引きずり出す。そう、コイツの鼻を頼りに正解ルートを導き出そうと思うのだ。今はドラゴンモドキ化して見た目がちょっと変化したけど、もともとコモドドラゴンみたいな見た目だったハルマキ。コモドドラゴンって結構鼻が利くらしいよ


「ということで、次の扉までよろしく」


「シュアアアアアア!!」


「『いきなり外に出して無茶苦茶な要求だな!!』」


「うるさい働けニート。それで、できそうか?」


「シュアッ、シュアアアアアア!!!」


「『ふっ、ニート上等!!!』」


 コノヤロウ、穏便に頼んでいたら調子に乗りやがって・・・!!


「ミカヅキ、コイツ振り回していいぞ」


「えっ、え!?」


「シュア!?シュアアア!!シュアアアアアア!!」


「『げっ!?それだけはどうか!!ただでさえ短い尻尾が無くなる!!』」


 おっ、思いのほか効果テキメンだったな。これからはこのネタを使っていくか


「いやいや、逆に尻尾が生えてくるかもしれないぞ?」


「いやそれは無いだろう宿主。・・・きっと遠心力で二つに分かれるに違いない」


「・・・それでハルマキ、扉までの道のりは匂いで区別できそうか?」


「・・・シュアア。シュアアアア」


「え、無視なのか?思い立って言ってみたワタシのボケは無視なのか!?『・・・できそうだ。それっぽい匂いがする』」


「よし、じゃあ道案内よろしく」


「シュアアアアア」


「・・・・・・。『とりあえず真っすぐだ』」


 なんかカゲロウが拗ねているような気がしないでもないが気にするほどの事態ではないと判断し放置することにした。・・・これハルマキの通訳を意図的に誤訳とかしてきたりしないよな?


 とりあえずハルマキとカゲロウを信じれば真っすぐだというので横道へは入らずに真っすぐ進む。1本目2本目と横道を通り過ぎ、3本目の横道が近づく


 トコトコと俺たちの前を歩くのはマスコット的役割と身代わり的役割とその場のノリで出しっぱなしの小人さん。【ニンギョウゲキ】は自分で操作しなくても自動で動いてくれるので便利だ。その小人さんが横道につながるポイントに差し掛かったその瞬間———————


 ————————小人さんが銃弾に貫かれた


 胸部付近に2発、そして頭部に1発


 計3発の弾丸を撃ち込まれた小人さんは銃弾に当たった勢いとその小柄な体躯も相まって大きく吹き飛ばされた


「こっ、小人さあああん!!」 


 俺は吹き飛んだ小人さんに急いで駆け寄る。駆け寄った俺に気づいたのか、小人さんは弱弱しく動きながら俺の元に近づこうとする。しかし瀕死の重傷の小人さんは途中で力尽きてしまった


「小人さん!!くそっ、誰だこんなひどいことをしたのは!!」


「身代わり目的で前方を歩かせていたマスターじゃないですかね・・・?」


 俺は銃弾が飛んできた横道を見る。そこには銃を構えた人型の機械が俺に照準を合わせて立っていた。その指は既に引き金にかけられている


「お前かっ!!」


 俺はその人型機械に向かって走り出した。飛んでくる弾丸は魔眼の【未来視】を使って避けていく。1発も食らわずに敵の懐へ潜り込む。そして【半影喰】を作り出し、相手の腹部を貫く。敵の体内で半影喰の形状を変更。棘のようにして全身を内部から突き刺した


 バタリと倒れる人型機械。数秒後にはその残骸は消え、後にはドロップ品である鉄板だけが残った


--------------------------------------------------------------------------------


【鉄板(良)】・・・珍しく良質な鉄板


--------------------------------------------------------------------------------


 珍しく良質ってなんだよ・・・。


「・・・小人さん、仇はとったぞ・・・!!」


 そう呟いたその時、俺のズボンをくいくいと引っ張る感覚がした。足元に目を向けると、そこには先程銃弾を受けて瀕死の状態になっていたはずの小人さんが元気にバンザイポーズをしていた


「こ、小人さん!?そうか、小人さんは【影】だから銃弾を食らっても平気なんだね!!」


 コクコクと頷く小人さん


「わーい!よかったよかった!!はっはっは!!・・・じゃん!」


 ミカヅキとハルマキの方を振り返りながら小人さんと謎のポーズをキメてみる


「・・・何がしたかったんですかマスター」


「ただこんなシーンをやってみたかっただけ」


「そうですか・・・」


 おっと何故か若干冷めた目で見られてしまっているぞ


「シュアアアアアア」


「『この先も真っすぐだ』・・・・・・ドンマイ宿主」


 え、カゲロウにも憐みの言葉をかけられた!?




 俺がスベった後も、カゲロウの案内のもと迷路らしき第3階層を歩いて行った。途中横道から銃を持った人型機械や、武装が施された機械ケルベロス何かが襲ってきたが、ことごとくを破壊して返り討ちにしておいた


 散々倒したにもかかわらずドロップするのは鉄板鉄板鉄板鉄板たまに良質な鉄板。あ、1階だけ銃弾がドロップした。・・・銃本体がないんだよ!!


「シュアアアアアア」


「『この先真っすぐ、扉の匂いがする』」


「なあカゲロウ」


「なんだ宿主?」


「この階層を探索し始めてから1回も横道に入らなかった気がするんだが・・・」


「ああ、入らなかったな」


 ・・・この迷路やりやがったな!!たくさん選択肢を用意しておいて結局ずっと真っすぐじゃないか!!平面に直したらとんでもなくつまらない迷路だぞこれ!!


「シュアアアア。シュアアアアアアアア」


「『目的地は見えたな。それじゃあ自分の案内はここまでで』」


 カーナビの道案内終了みたいなセリフを言いながらハルマキは【影】の中へと戻って行った


「それで、この扉なんだが・・・」


 大きくて重厚そうな見た目をしたこの扉は、うん、ボス部屋っぽいな。この階層にはボス部屋がある。ということはやはり前の階層はフロア全体がボス部屋だったという説が高まるな


 まあ、この扉も開けてみて"実は階段でしたー"なんてことも無いことはないからな。では、開けてみよう


 扉を開けようと手を伸ばすと、大きく重厚そうな扉が『ウィーン』となんとも軽い音を立てて勝手に左右にわかれた



 ああもう自動扉っ!



はい、ということで特に何かあったわけではない3階層でした。今回はいつも以上にやりたい放題ボケた気がします。そのボケが面白くなくとも、書けてスッキリしたのでもうそれでいいかなと。・・・・・・いつものことでした。ハイ。


次回、爽やかな熱血特訓のお兄さん

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ