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08 光が消える

8話目です。ちょっと残酷描写注意入ります。

今日はエイプリルフールですね。みなさんは誰かに嘘言われましたか?それとも言いましたか?

 ミカヅキと暮らし始めてさらに数週間がたった。暮らしは変わらず、朝起きて、飯を食べて、食料の確保のために森へ散策。森での散策ではいまだにミカヅキから


「マスター、あっちに触れると危ない毒もちのきれいな花が咲いてますよ?一輪摘んでみてはどうです?」


 危険な毒をもっている何かしらを薦められる。本人はお茶目だといっているが、そのうち本当に殺されそうで怖い


 散策から帰ってきたら施設の庭で戦闘訓練をしたり、日向ぼっこをしたりしている。施設付近にはなぜか魔物が出ないが、前にそのことをミカヅキに聞いてみると


「たぶん、この施設で改造された恐怖が本能的に刷り込まれているんですよ。魔物がどのくらい生きるのかはわかりませんが、元は動物ですし、この施設には近づかないようにというのが子供とかに伝わっているのかもしれませんね」


 とのことだった。たしかに実験なんかされたところにわざわざ近づきたくはないよな。また、実験台にされるかもしれないんだし・・。まあ、もうそんなことはないんだけど魔物あいつらはわからないだろう。ばかだから


 そんなふうにして夕方近くまで過ごしたあとは、風呂に入って飯にする


「ん?どうしたミカヅキ?」


「・・・このご飯、慣れてきた気がしま――――」


「いうな!悲しくなってくるだろ!いいか、この飯はまずい!まずいんだ!」 


「はい、おいしくないです!しかし、マスター。私はマスターの記憶の情報で、このご飯はおいしくないと感じることができるのですが、実際に私はおいしいご飯を食べたことがありません。いつか、本当においしいご飯を食べられる日が来るのでしょうか・・・」


「・・・そうだな。いつかはここから脱出して、おいしいものを食べに行こうか」


「必ずですよ?」


「ああ、必ずだ!」


 ――――――そうやって俺たちは大きな変化の無い日常を過ごしていく


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ああ~、日向ぼっこは気持ちいいね~。俺は現在施設の前の庭で日向ぼっこを満喫している。この丁度いい日の暖かさと心地よい風がすばらしいんだ。本当に。


「マスター、マスター。施設の中を徘徊してたら、マスターに似合いそうな服がありました」


 この施設には、研究員たちが使っていたであろう物が残っていたりする。俺たちの服なんかはそこから拝借している。死人のだからなんて贅沢は言ってられないのだ。リサイクルショップのものと思えばたいした問題は無い。それに、たまに未使用っぽいものや、掘り出し物なんかもあったりする。しかし、何年も経っているだろうに、たいした傷などが無いのだから驚きである。かなり高い技術を持って作られているのであろう。


「へぇ~、俺に似合いそうな服か。どんなのだ?」


「これです!」


「ほう、どれどれ。お?なんか服の前に文字が書いてあるな。えっと・・


 "私をクズ虫と罵って!"


・・・おいこら何でこれが俺に似合いそうな服なんだ?」


「気に入りませんでしたか?クズむ・・マスターには似合うと思ったのですが」


「お前今マスターじゃなくてクズ虫って言おうとしただろ!?」


「いえ、最後までは言ってません。ちゃんとマスターと訂正しました」


「やっぱり言おうとしてたんじゃないかよ!!」


「ああ!マスタ・・クズ虫!!服は丁寧に扱ってください!」


「お前言っちゃったな!?今完璧に俺のことクズ虫って言っちゃったな!?」


「マスターうるさいですよ?こんなに騒がしいとまた魔物が出ますよ?」


「いやここ安全地帯だし、出るわけが―――――」


 ――――――ガサッ


 『【アシュラ】が現れました』


「・・・嘘だろ」


 なんで?ここは魔物は来れないんじゃ・・違う!来れないんじゃない、ただ近づいてこないだけだ!クソッ!とんでもない思い違いをしていた


「マスター。この魔物今までのよりも強力な気配を感じます。気をつけてください」


「ああ、あいつはやばい。お前も気をつけろ」


 あれ?アイツが持ってる武器って、まさか刀か!?異世界にも刀ってあったのか。やっぱ刀カッコいいな・・・俺が影で作れるのは今は短刀までだからな・・・はっ!今はそんなことを考えてる場合じゃなかった


「近くを通って騒がしいと思い来てみれば・・・人間か。久しぶりに見たな」


「喋っただと!?」


「何をそんなに驚いて・・・。そうか、お前は知らないのか」


「知らない?なんのことだ?」


「フッ。これから死ぬ者がわざわざ知ることではないッ!」


 こいつ速いっ!一瞬で俺に接近してきたアシュラは刀を降りおろす


「【カゲアソビ·壁】!」


「無駄な事を」


 そう言って降りおろされた刀は、俺が影で作った壁を切り裂いてきた。俺は咄嗟に後ろに下がって攻撃をかわす


「壁を切り裂くとか何だよその刀!?」


「刀?ああ、この剣のことか。これくらいは冥土の土産として教えてやるか。この剣は特別製でな。特性としてスキル・魔法で創られたものは大抵斬ることができるのさ。もちろん剣としての切れ味も相当なものものさ」


 何だよその刀!スキルも魔法も斬れるとか最早反則じゃねぇか!


「だから、お前に防御する手段は・・ないっ!」


 またしても一瞬で俺に接近してきたアシュラは俺の首を目掛けて刀を振るってきた。避けきれないと判断した俺は、刀に向かって手をつき出す


 ――――ガンッ!


「何っ!?」


「ははっ。生憎俺の手袋もかなり特別なものでね。これくらいでは壊れないのさっ!」


 正直内心は冷や汗ものだったけどな!


「今だミカヅキッ!」


「はい、マスター。いきます【豪炎】!」


「チッ!面倒な。【覇炎】」


 ミカヅキが放った炎がアシュラの放った炎とぶつかり相殺・・・いや、ミカヅキの炎が押し返されていく


「そんな、炎が押し返されて・・・。ぐあっ!!」


「先にこっちから片付けるか」


 そう言ってミカヅキの目の前に移動したアシュラは強烈な蹴りをミカヅキに叩き込む。当然ミカヅキは受け止めることなどできず吹っ飛んでいき、近くの木に激突した


「ぐうぅぅ・・・・」


「安心しろ。一瞬で殺してやる」


 アシュラは倒れこんで動けないミカヅキに向けて刀を突き刺す。


 ――――ドスッ!!


 「グフッ!・・・そんなことさせるかってんだよ!!」


 アシュラが突き出した刀はミカヅキではなく俺の腹をきれいに貫通している


 ちくしょう。ミカヅキを助けれたはいいが、自分の防御が間に合わなかった・・


「マスター。なんで・・・」


「はっ!可愛い女の子を、体をはって助けるってのは、テンプレだろが。それに、お前が死んだら、誰が俺の話し相手になるってんだよ」


 ちょっとカッコつけてみたが、今ものすごくやばい。力を抜いたら倒れそうなほどかなりのダメージを受けてしまった


 しかし、俺は自分の腹に刺さった刀を根性で思い切り掴み、アシュラは武器を振るえない状況にすることができた


「どうするアシュラ?お前の愛刀は、俺ががっつり握って、離れねぇぜ?」


「ふむ。ならばこうするか」


 アシュラは刀から手を離し自身の手に炎を纏った。そしてその手にある炎を纏った鋭い爪を俺の目線と同じ高さで思いっきり振るってきた


 やべぇ。これ、よけきれねぇ!


 ――――グシュッ!!


 

 その瞬間、俺の目の前から全ての光が消えた。それと同時に激しい痛みが俺を襲う


「がっ!?がああああああぁぁぁぁ!!!!????ぐううううぅぅぅぅ!!!!!」


 ―――ぐちゃっ


 俺の腹に刺さっていた刀が引き抜かれたようだ


「ぐうぅっ!?」


「フン。こんなものか」


 ――――ドゴン!!


 俺はアシュラに蹴られたようで、一瞬の浮遊感のあと、何かに背中を思い切りぶつけたようだ


「ガハッ!」


 ダメだ。出血と受けたダメージが大きすぎて、意識が、もう、たもてな、い・・・・



 

 『生命の維持に深刻な問題が発生しました。"影"の支配力が低下しました。"影"支配率50%』




はい、主人公に生命の危機が訪れた回でした。


自分、今日執筆しようとログインしたらブックマーク数が増えてて、やったー!····という夢を見ました。まさか夢に嘘をつかれるとは思わなかった···あ、この小説を読んでくれてるみなさん、ブックマークをしてくれた方々、本当にありがとうございます。こんな小説ですがこれからもよろしくお願いします。


次回、あいつが登場します

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