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72 誤射でもセーフ

72話目です。途中まで書いて、一旦閉じて、今日の夜頃に書きかけで終わっていたことを思い出しました。あ、危ない危ない。そして今回も書こうと思っていたシーンまで書けなかったという・・・

 魔物の大進行事件から3日後、俺たちは王都【メルーセス】の門の前にファスタさんといた


「お前らともこれで別れになるのか。随分と長く一緒に過ごしていた気がするぜ」


「俺もです。迷宮遺跡ダンジョンに行ったり魔物が王都に攻めてきたりといろいろありましたけど、楽しかったですよ」


 【ルアトリスの町】で初めて会った時から数えると、1か月くらいだろうか。それにしてはファスタさんの言うとおり、もっと長くいた気がするが、それほどまでに過ごした日々の中身が詰まっていたということだろうか


「・・・本当ならユユも一緒にここまで来て別れの挨拶をしたかったんだが、すまんな」


「いいですよ。お別れなら玄関でしましたし、それに弁当とか貰っちゃいましたし」

 

 補足すると、数日分の弁当だ


「・・・さて、あんまり長く引き留めるのも良くねえな。・・・じゃあな、お前ら、元気でやってけよ!」


「はい、それでは」


「また王都こっちに来たら家に来いよなー!!」


 俺たちはファスタさんに手を振り、歩き始めた。門から離れていき、やがて門付近の人が見えなくなるまでファスタさんは俺たちを見送ってくれた






 魔族の国は【ラム国】の王都【メルーセス】からも見えた巨大な山脈の反対側にあるという。山脈の頂上は雲を突き抜けていて地上から目視をすることはできないほどだ。さらには雪がふきあれているという


 その過酷な環境もあり人の国は魔族の国、その魔族国のから少し離れた場所にある獣人の国とは交流がほとんど無いということらしい



 だが今注目するべきはそこではない。ぶっちゃけて言えばどの種族が交流を持っているとか持っていないとかそこまで興味が無いことは無いが、そこまで気にはしない


 ここには山があり雪が降る。つまり水が豊富にあるということ。それが何かというと




 米が作られているということだっ!!!



 王都を出発し【魔動自転車】をキコキコとこぎ、進んで行くこと一週間を過ぎた。現在は宿の部屋でくつろいでいる


「ご飯美味しかったですねマスター」


「ああそうだな」


 この近くで稲作がされているということもあって、米と野菜等々を使った料理が出された。王都でも米は食べていたが、その米の多くはここら辺の地域から収穫されたものらしい。ありがとうございます米農家さん



 —————————ピロンポロンパロン。ピロンポロンパロン


 米農家さんに感謝をしていると俺の手袋からちょっと抜けたような音楽が流れた。お、女神様への定期報告か。いや、もしかしたらこの前の新人神様という可能性も。出てみればわかるか


 ——————ピッ!


「あ、もしもしシン君?」


 女神様だった


「どうも、女神様」


「久しぶりね。元気してた?」


「ええ、まあなんとかやってます」


「そう、それはよかった」


 とまあ適当な挨拶を交わしたところで、話に入っていく


「さて、それじゃあ定期報告といきましょうか。えっと前回の最後は・・・エイルムっていう町に行くところまでね」


 【エイルムの町】に行くところって随分と前だった気がするな。そんなに報告の間が開いていたのか。ちょっと覚えているか不安なんだが・・・


「えーっと、【エイルムの町】に行くところだから——————————


 ———————————という流れで、今は魔人の国に向かっています」


 思い出しながら話していき、何とか報告は終わった


「なるほどね。今回も随分とハプニングな冒険だったみたいね」


 全く本当に


「というかミカヅキちゃん死にかけたって、大丈夫なの!?」


「はい、私は大丈夫ですよ」


 慌てたような女神様の声にミカヅキが答える


「致命傷は避けていましたし、何とかなりました。マスターが壊れることもありませんでしたからね。というより、女神様は上位の存在なんですからそんなに慌てるように心配しなくても・・・」


「まあ確かに私は"女神"だけれど、ほら、やっぱり知り合いが死ぬっていうのは、気分のいい事じゃないじゃない?」


 そう当たり前のように言う女神様。な、なんていい人なんだ!!いや人じゃない女神だ。どちらにしろ、例え今の発言が建前だったとしてもなかなかに嬉しいお言葉だ!!ただの仕事押し付けられるお疲れ女神様じゃなかったんですね!!


「そういえばシン君先日の魔物との戦いでカゲロウに体の支配権を渡したって言っていたけど」


「ああ、はい。渡したといっても戦闘中の間で、カゲロウの解放率は60%だったんですけどね。カゲロウもあっさり支配権を返してくれましたし」


「・・・そう。でもシン君。今回は何もなかったけれど、その行為はかなり危険なことだから、覚えておいてね」


 女神様は今までで一番真剣な声音で俺に注意をしてくる


「例え60%しか力を発揮できなくても、地上の世界のものなら一時間程度で都市の一つ二つは滅ぼせると思うから」


「ま、マジかよ。おいカゲロウ!今の話マジか!?」


「ん?いや、まさかだろう宿主」


 まさか・・・?


「60%で一時間もあれば国の一つは更地にできる」


 もっと酷かった!!都市規模の話じゃなかったよ!単位が国だったよ!!


「それ、見栄とか誇張とかじゃないよな・・・?」


「さあな。実際にやったことは無いし、そんなことをやろうとすれば—————」


「わたしが即座に消滅させに行くわ」


「と、いうことだ。わざわざ死ににいくような愚行は冒さないから宿主は安心してまたワタシに体を動かさせて戦闘をさせるがい」


 安心できるかっ!!


「大丈夫ですマスター。何かあったら私が死んでも止めますから」


 その言葉は嬉しいのだが、死んでほしくはないので気持ちだけ受け取ろう。そもそもその"何か不測の事態"が起こらないようにしないとな



「あ、そういえばシン君聞いてほしいんだけど」


 おっと声の雰囲気が変わったな。雑談タイムか


「前に話した新しく入ってきた子、」


 新人の神様のことだ


「その子なんだけれど、近頃妙に仕事に気合が入っている気がするのよ」


「へえ、そうなんですか」


「今までもしっかり仕事はしていたんだけどね、あ、ミスとかはともかく。でもそれ以上に働くようになって・・・。"早く一人前になるんです"だとか、何だとか」


 女神様に苦労を掛けさせないためだろう。心がけはいいと思うんだけど、何だろう、不安が拭いきれない


「そうですか。あの、その神様、もうミスとかしなくなりました?」


「んー、いや、まだたまにするわね。20回に1回くらいね。最近で一番危なかったやつだと小惑星程度なら簡単にピチュンできちゃう威力のビーム砲な武器があるんだけどね?」


 おぅ、嫌な予感がする


「それを誤射しちゃったみたいで、本来狙ったところとは違う惑星の表面をガリガリ削っちゃったのよ」


 "削っちゃったのよ"と軽く言っていられないレベルの大惨事!!


「でも安心して。誤射した惑星は既に死んだ星だったから」


 何も安心できない!!


「あの子が入ったばかりの頃だったらもっと大惨事なことになっていたはずね。慌ててビーム砲をあらぬところに向けまくるとか、焦って止めようとして威力拡大を押しちゃうとか」


 車の衝突事故の例みたいなミスだけどもっと恐ろしい内容だ


「もちろんわたしもかなり怒ったし、あの子も反省していたわ。でもその後わたしも上に怒られた!」


 部下の失敗ですもんねー。お疲れ様です


「・・・というかそもそも何でその神様が惑星破壊の仕事?しているんですか。女神様の担当って転移者関連のあれこれだと思っていたんですけど」


「えっとそれは、星の一部を壊すことによってその星の害悪を取り除いたり、ピンポイントで生命体を狙って事象を改変するために行うものだから・・・」


 病気の治療みたいなやつかな?レーザ治療とかああいうもの・・・?


「・・・いや、ちょっとまって。これだいぶ前からやっているけれど、本来わたしたちの部の仕事だったかしら?これの担当の部ってあったわよね?たしか、効率とか何やかんやの問題でこっちと統合することになったんだっけ?でも、やっぱり最初はわたしはこの仕事を任されていなかったような・・・?あれ?いつから押し付けられた・・・?」


 どうやら女神様は何やかんやの内に仕事を増やしていたようです


「あぁ、もう疲れたわ。考えを放棄したい。家に帰りたい。帰ってゆっくり寝たい・・・」


「えっと、じゃあ女神様もお疲れのようですし、今回はここらで切りますか?」


「ええ、そうね。じゃあ次の報告の時に・・・」


 ―――――――ピッ


 通話が切れた。大丈夫だろうか女神様・・・。新人神様、どうか女神様の苦労をできるだけ無くせるようにしてください。あと、どうかこっちに向かってビームは発射しないでくださいっ!!




はい、ということで神への畏怖ビームでした。さてどこかのタイミングでこの女神様と主人公を直接関わらせようと画策中。でも登場中ずっとこんなテンションを書き続けられるのかと不安が・・・無いかもしれません。


次回、山越え開始です

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