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63 一人暮らし・・・ではない

63話目です。


予告ブレイカー君「フハハハハハ!!我、久しぶりに参上っ!!日常回を1話追加してやったぞ!!」


 や、やめろ予告ブレイカー君!!主人公の見せ場がどんどん遠のいていくじゃないか!!・・・申し訳ございません

 ファスタさんの家はギルドから歩いて15分くらいのところにあった。1階建ての1戸建て。家は別段大きいわけでもない。どちらかといえば少し小さい方なんじゃないだろうか


「ここがおれの家だ」


「1戸建てじゃないですか。ファスタさんって家族と一緒に住んでいるんですか?」


 奥さんとかいるのだろうか。だとしたら、いくら冒険者でも家を空けすぎなんじゃないだろうか。ドア開けていきなり夫婦喧嘩とか気まずい展開は勘弁してほしいんだが


「いや、一人暮らしだが・・・?」


 一人暮らしだったのか・・・。じゃあ、気まずい展開は回避されたということだな


「・・・いや、一人暮らしで1戸建ての家に住んでるんですか!?共同宅とかではなく!?」


「うーん、まあ、ギルドで依頼受けているうちにそこそこ金が貯まってな。別に私生活で金使うようなことなんてほとんどないし、せっかくだし家買うか・・・という感じで家買った」


 スゴイナー。Bランク冒険者スゴイナ―。″せっかくだし″で家とか買っちゃうのかー


「とはいっても王都のはずれの方だし、日当たりがいいってわけでもないし、そこまで場所が人気じゃなかったとか、何か出るとかで安く買えたってのもあるんだけどな」


 へー、・・・え?何かが出る!?何かって、あの何か!?幽霊とかそういうの!?ここ、いわくつきの物件かよ!?


「ファスタさん、何か出るって大丈夫なんですか!?」


「ああ、大したものなんて出なかったぞ。それにおれ、ここに住んでいるけど何も異常とか無いし」


 確かに言われてみればそうかもしれない。なら大丈夫か・・・


「さあ、いつまでも家の前でしゃべっているのもなんだし、あがれよ」


 ファスタさんが玄関を開ける。中に入ると、おお、結構きれいじゃないか。男一人暮らしとか家が散らかりっぱなしとかあるかと思ったが、意外と几帳面とかきれい好きだったりするのかな・・・


「ただいま」


 ファスタさんが家の中に声を駆けると、家の奥から若い女性が顔を出し、こちらを見つけると嬉しそうな表情をしながら駆け寄ってきた


「あれ?ファスタさん一人暮らしじゃないじゃないですか」


 奥さんだろうか?それともお付き合いしている方だろうか?なんにせよ、結構な美人な人だな


「マスター、あの人、足元・・・!!」


 ミカヅキが慌てながら若干恐怖が混じったような声を発しながら俺の肩甲骨の辺りをパシパシ叩いてくる。なんですかちょっと痛いんですが。ミカヅキに肩甲骨あたりをたたかれながら駆け寄ってきた女の人の足元を見る


「・・・!?!?」


 え、ちょ、なにあれ!?足元透けてない!?薄くなってない!?というか無くない!?えーっと、これはあれだよな、やっぱり幽霊とかそういうやつだよな。人間っていずれは足元とか透けるようになったりしないよな、うんしないよな。ということはやっぱり幽霊か。そうだよ幽霊だよ、落ち着けよ俺。なんでパニックになってるんだよ。幽霊だぜ幽霊、人間じゃないんだぜ?焦るな、落ち着け。そう、深呼吸でもして現実を見ろ。すぅー、はぁ・・・っ!?


 俺は何を深呼吸しようとしているんだ!?パニックと現実逃避で一瞬思考がしっちゃかめっちゃかになっていた


「ファスタさん!?そ、その人って・・・!?」


 たぶん今の自分を客観的に見たら、″金魚のように口をパクパクさせる″ってこういうことなのかと理解できるんじゃないだろうか


「ん?ああ、そうだな。こいつがいるから一人暮らし・・・とは言えないかもな」


 いや、別に今そういう回答は求めていない。それよりもっと重要な問題が目の前にあるんだが・・・


「お、なんだよユユ。だから今訂正しただろって。お前がいるのはわかってるって、俺は一人じゃないって」


 ファスタさんが幽霊らしき女の人に向かって一人で何かを言っている。これは、俺には聞こえていないけれど会話しているのだろうか。それにしても、ファスタさんも幽霊の人も楽しそうである。・・・楽しそうなのはいいんだけれど・・・俺たちを放置したままイチャイチャしないでいただきたい。さっきまでの恐怖心やらなんやらはすっかり冷めてしまった。え、恐怖心?今さっき冷蔵庫に入っていったよ


「あの、ファスタさん。もしかしてその人って幽霊・・・だったりしますか?」


 冷静になった俺はさっきから放置されっぱなしの疑問を口にする。大丈夫、今は口はパクパクしていない 

「そうだな、こいつは幽霊だ。この家の″何か出る″の″何か″の張本人ってところだな」


 あー、やっぱり幽霊だったか


「あ、結構冷静なんだなお前ら。大体の奴らはめちゃくちゃ驚くんだけどな」


 ・・・もう充分驚いた後です






 

 その後、いつまで玄関にいるんだよってことでリビングに案内してもらい、そこで幽霊さんとの自己紹介・・・?みたいなのがあった


 この幽霊さん、名前を″ユユ″さんというらしい。ファスタさんが言ったように、この家が安く売られることとなった原因の一つらしい。見た目人に危害を加えそうではないのだが、何でもファスタさんの前に人が住んでいたいた時、ちょっとイタズラをしすぎたんだとかなんだとか。そうしてこの家が売られてなんやかんやあってファスタさんと仲良くやっているんだそうな


「へー、そうだったんですね。・・・あ、この紅茶おいしいですね」


「まあな、それはユユが淹れたものだしな」


 ユユさん、幽霊だけれど意識すればものに触れたりできるんだそうな。この家の家事などはユユさんがやっているらしい。ファスタさん曰く、おれがやっても仕事増やすだけだしなとのこと。なるほど、この家に入ったときにファスタさんは几帳面かもしれないと思ったのはハズレだったということか


「お前らに紅茶のことを褒められてユユも嬉しいみたいだ」


 ユユさんはこちらの言葉は聞こえるが、自分が喋ることはできないそうだ。思念的な何かしらも飛ばすことはできないらしい。無口キャラではないということをお伝えしておこう


「あれ?でもファスタさんさっきユユさんと何か喋ってませんでしたっけ?」


「おれは何となくユユの言っていることがわかるんだよな。それでだいたい当たってるし」


 ファスタさんは霊能力者とかなんとかなんですかね?″魂の声が聞こえるッ!!″みたいな。あ、でも魂の声ならうちの天界出身のカゲロウなんかでもできるかもしれないな。何かあったときは通訳でも頼んでみるか


「なるほど、以心伝心ということですね。でもそれなら私とマスターもできるんじゃないでしょうか」


 ミカヅキ、君はいきなり何を宣っているのかね?あれですかね、ファスタさんとユユさんの仲の良さを見せつけられてとかそんな感じですかね?


「マスター、私は何を考えているとおもいますか・・・?」


「″実は春巻き以外にも中華まんとか結構買って【影の食卓部屋ブラックボックス】にしまってました″とか」


「え、バレていたんですか・・・」


 むしろなぜバレないと思った



はい、ということで幽霊キャラ登場です。幽霊とか登場させるつもいなかったんですけどねえ。出てきました。″ユユ″って名前は3秒でつけました


次回、トカゲペットの首輪買いに行く回です

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