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06 その日の月はきれいなものでした

6話目です。今回いつもより少し長めとなってしまいましたが、読んでいただけたらありがたいです。

 ところでみなさん。"獣耳"←これ『ケモノミミ』と『ケモミミ』どちらで読んでますか?

 なるほど・・・。ここでそんなことが、ねぇ。しかと読ませてもらったよ名も知らぬ研究者よ・・・。この記録帳を読んでひとつ、俺が確証を得たことがある。それは・・・


 ―――――――つまりこの世界、獣耳の獣人さんがいるってことだよな!


 いやぁ、異世界に来る前に、"美少女獣人さんの獣耳をモフモフしてみたいんだああああ!"とか全力で思って影に勝ったわけだけど、その後よく考えて


 あれ?異世界といっても、獣耳獣人さんがいない可能性あるんじゃね?というか、そもそも獣人さんすらいない可能性が・・・


 って思って軽く焦ってたんだよね~。よし、これで問題は消えたといっても過言ではないであろう!


 で、この研究施設だったか。うん、ホントにエグイことしてたんだねぇ。動物改造とか動物愛護団体もびっくりだよね。確実にブラックリストに載るよね。しかも、それが世界に魔物が現れた原因とか、いい迷惑だよね。こっちは、そのせいで死に掛けたってんだよ。ああ、そのせいで死んだんだっけここの人たち。


 あと、まさか『獣人と魔人は改造人間でした~』には驚いたね。奴隷だからって人権無視しすぎだよね。あ、奴隷だから人権はないのか?そもそもこの世界に人権ってあるのか?まったく、改造された人たちに怨み殺されるぞ。ああ、死んだんだっけここの人たち


 強い力を得た結果、その力で自滅するってのはどこの世界でも一緒なのかね


 そういえば、このノートに出てきたドラゴンって結局どうなったのかな?ノートは暴走したところで終わっちゃってるから、倒せたのかどうかまではわからないんだよね



 ということでやって来ました、さっきいた研究室のさらに奥の方!絶対何かあるよね。もう明らかに"ここで戦いまた!"みたいな跡があるんだもん。お!何か大きな物体を発見!なんだろな~


 ・・・ドラゴンでした!え?なんで固まってるのこれ?死んでいるのかな?あ、封印とかかな?『倒すことはできないが、封印なら!』みたいなかんじで封印されたのかもな。まあ、触らぬ神に祟りなしと言うし、ここは、"本物のドラゴンはホントにかっこよかった!"という感想で終わることにして、次に進もう


 ここで部屋は最後みたいだな。ここにはよくわからない機械と培養カプセルみたいなのが4つ。あれ?あの中に何か入ってない!?なんだろな~


 ・・・女の子でした!ええ!?何でこんなところに女の子が!?ん?カプセルに何か書いてある。えーっと、なになに?


人造人間ホムンクルス 試験体03』


 ああ~、なるほどホムンクルスか~!ってなんで!?ホムンクルスに製作には失敗したんじゃなかったっけ?えーと、確か"01"は爆散、"02"は暴走後、処分。"03"は稼動せず・・・。謎は解けた!そうか、コイツは試作体の中で唯一形が残ったままの失敗作か!この状態のまま保管されてたのは、研究資料にするためとか、製作記念品とか、美少女で疲れを癒すためとかそんなところだろう。・・・培養カプセルの中の女の子を見て疲れを癒す研究員のおっさんは・・アウトだな・・


 しかし、これが動かないとは残念だな。そろそろ会話相手が欲しいのだがな。ホムンクルスのコアは魔石だったか・・・あ!いいこと思いついたぜぇ~!



「はい!ということでやっていきましょう!3分ホムンクルス~!頭の中で有名な某お料理番組でおなじみの曲をお流しください!」


「まずは、ホムンクルスを取り出すために、培養カプセルのスイッチを押します。えいっ!ぶふぁ!培養液かかった!」


「ホムンクルスを取り出したら近くの台に寝かせます」


「次に、封印されたドラゴンのところへ行き、ドラゴンを倒して魔石を手に入れます」


 え?さっき触らぬ神に祟りなしとかいってなかったかって?大丈夫大丈夫。これくらいで祟る神様はいないよ。それでももし何かあったら、あの女神様にどうにかしてもらおう


「ドラゴンを倒すときの注意として、外側からの攻撃はドラゴンの再生能力で傷を回復されてしまうので・・・。ここでは、スライムちゃん方式を用います!」


「ドラゴンの口から影を侵入させ、体内で・・・【カゲアソビ・針山】!」


 そうそう、スキル【影】を少し使いこなせるようになった結果、範囲は広くないが遠隔操作ができるようになったのと、【カゲアソビ】で作った物の効果が上昇してます。"練度が1上がった"みたいなかんじだね


「倒したドラゴンから魔石を取り出します。うわっ!魔石でかいな!さすがドラゴン!」


「取り出した魔石を持って、ホムンクルスのところへ戻ります」


「仕上げとして、ホムンクルスに魔石を埋め込みます。ここで使用するのは、・・・そう!天界製の手袋!」


 たぶんこんな場合でもなんとかなっちゃってくれるだろう!何せこの手袋かなり万能だからな!


「えーっと、何となくであーしてこーして・・。うおっ!魔石が手袋ごと体の中に入った!そっからまた適当にあーやってこーやって・・・」


 こっちとしてはかなり大変だが、"女の子を動かすために体の中をいじってる"って文字にすると、俺かなり変態だな・・・


『カチッ!!』


「お!これでオーケーかな?よし、完成!」


 さて、爆散する様子は無し、体が崩壊する様子も無し。あとは暴走の可能性だが、果たして・・・


 ―――――――――むくり


 お、起きたーーーーー!!!!!いやまて、まだ暴走の可能性が・・おや?俺の方をじっと見てどうしたんだろう?というか、こんなかわいい女の子に見つめられるとか初めてで、すっごい緊張するんだけど!


「あなたが、私のマスターですか?」


 しゃ、喋ったーーー!!!そりゃそうか、人造人間ホムンクルスだもんな。喋ることくらいできるよな。よし、落ち着け俺!この子が暴走せずおれが暴走してるぞ!


「い、いや、俺はマスターじゃないぞ。マスターはお前を作ったここのやつらだろうが、今はもう」


「わかりました。あとは自分の能力スキルを使います。マスターはここで待っていてください」


「だから、俺はマスターじゃ・・・」


 ああ、もうこれ聞こえてないよ。というか、待っててほしいっていわれても、意識しないようにしていたが、まずはせめて、その生まれたままの姿をどうにかしてほしい。たしかに生まれたばっかではあるのだが・・・


「【情報収集クラッキング】・・・・・・・・・完了」


「 終わったのか?で、何をしていたんだ?」


「私のスキル【情報収集クラッキング】で、ここで何があったのかを調べていました。調べた結果、私を作った人たちはすでに死んでいるということが確認されました。ということで、私のマスターはあなたということになります。マスター、これからよろしくおねがいします」


「お、おうそんな軽くていいのか。まあ、よろしく。ところでなんで4体のホムンクルスの中でお前だけ起動したんだろうな?」


「それは、魔石との相性です。私たち4体に埋め込まれた魔石と私たちとの相性が合わなかったから起動しなかったのです。ちなみに、"01"と"04"は魔石が反対、"02"は私に使われた魔石、私のは途中で選別されて実験で使われなかった魔石を使っていたらあの場で起動していました」


 そんな、テストの選択問題でやっちゃったミスみたいなもので実験が失敗していたとは・・・


「しかし、いうならば誕生したばっかなのに、よくそんなに知っているな」


「スキルで集めた情報と、わたし自身のことですから、当然です」


「ふ~ん、そんなものかね」


 ここまできて思ったんだが・・・。そろそろ服着せよう・・



「さて、服を着せたのはいいが、お前、すっごい無表情に無感情だな。人造人間ホムンクルスにはそういう機能が付いていないのかな?」


「マスターはそういうのがあったほうがいいですか?」


「ん?そうだな。やっぱり感情とか表情はあったほうがいいかな。何か寂しいし」


「わかりました。マスターの記憶から情報収集クラッキングをして取り込みます。マスター、ちょっとこっちに来てください」


「はいはい・・・うおぁっ!いきなり何をする!?」


 ひざ立ちになった俺は頭をかかえるようにして抱きしめられた


「記憶から情報を読み取るには頭に触れるのが一番いいのです」


「といわれてもだな・・・」


 密着しているものだから、女の子のふわっとした香りとか決して大きいわけじゃない胸とかが頭に当たったりしてちょっとやばいんですよ!俺だって男の子だよ!?


「【情報収集クラッキング】開始」


『スキル【情報収集クラッキング】が発動しました』


 うおおおおお!?なんだこの新感覚!?記憶が覗かれてるのか!?あ、やべ、恥ずかしくなってきた


「・・・・・情報収集クラッキング完了。続けて収集ダウンロードした情報データ使用化インストール・・・・・完了。マスター、終わりました」


「そうか、終わったのか」


 なんだろうこのホッとした気持ちと残念な気持ち・・・残念が少し多めだな


「しかし、ホントに感情とかが入ったのか?さっきと変わらない気がするんだが・・・」


「感情や表情といった情報は膨大なものです。インストールしたからといってすぐにできるようになるわけではありません。でも大丈夫です。私は進化していく人造人形ホムンクルス。そのうち感情も、表情も完璧に使えるようになります」


「そうか、ならいいか。気長に待つとするよ。そうだ、お前に名前をつけなきゃな」


 ふと、窓の外を見るときれいな三日月が昇っていた。もう夜になってたのか。


「よし、決めた。お前の名前は三日月ミカヅキだ!」


 窓から見えたからという理由だが、別にいいだろう。それにかっこよくない?ミカヅキって?


三日月ミカヅキ・・・わかりました。今日からわたしの名前はミカヅキです。それじゃあマスター・・・


 ミカちゃんって呼んでね!


 ・・・マスターどうしました?マスターの世界ではこういう仕草とこういうセリフはKA・WA・I・Iカワイイっていうんですよね?」


 そうか、コイツ俺の記憶を探ったから、俺が異世界人ってことも知ってるのか


「あのなミカヅキ。それはたしかにかわいいしぐさとかになるがな・・・無表情、無感情でやられるとそれ、KO・WA・I・Iコワイィ!?ってなるからな!?」


「・・・マスター、ミカヅキじゃないです。


ミカちゃんって呼んでね!」


 これから大変になりそうだ・・・



 ヒロイン登場回でした。

 前書きをかいて思ったのですが、自分、"獣人"を『じゅうじん』と読んでいたのですが、『ケモビト』と読んだ方がかわいらしいですね。でも、おっさん獣人には・・・

 次回、主人公とヒロインの、のんびり日常回(予定)です

 

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