52 相談事
52話目です。いやー、ちょっと近頃リアルの方が忙しくて投稿遅れてしまいましたー。アハハハハ・・・
(言えない、気づいたら前の投稿から3日が過ぎていて急いで書こうと思ったけど睡魔に勝てず、結局今投稿することになってしまったなんて・・・)
今後の行き先を決定するためにちょっとアレを作ろうと思う。スキル【影】で円盤状の台を作る。その台の中央には先の尖った円錐状のものを付ける。その上に片方の先端を矢印のような形にした針を取り付ければ、そう!ルーレットの完成!!・・・あ、針が落ちた。この針が落ちないようにバランスを取るのってなかなか難しい・・・。よし、うまく乗った
「アライ君、それは・・・?」
「ルーレットです」
「いや、そうじゃなくて。ルーレットで何をするの?まあ、使い道は大体思いつくんだけど・・・」
「たぶんその思っている通りです。このルーレットで今後の俺たちの目的地が決まります!」
「やっぱり。なんとも適当な決め方ねえ・・・」
それが俺たちです。さあ、では早速このルーレットを回していこうかな。台座の上に乗っている針を掴み、それを回す。針はグルグルと回る。そのうち回るスピードも遅くなり始め、最後はフラフラと回りながら、最終的に針は一つの方角を指しだした
この方向だと・・・どこに向かうんだろう?【アセトアの町】の方角ではないな
「どこを指したの?・・・ふうん、こっちかあ」
「この方角には何かあるんですか?」
「いえ、むしろ大して何もないわね。大きな町となると、隣の国の【ラム国】にまで行くことになるわ」
【ラム国】、隣の国か。そうだな、せっかくなのだからいつまでも一つの国だけじゃなく他の国にもいてみた方が"冒険"をしている感じがするよな
「俺はいいと思うが、ミカヅキはどうだ?」
「私もいいと思いますよ。ほかの国の食べ物とか気になりますし、何より私はマスターの嫁ですのでどこでもついていきますよ」
そういえばあったな嫁設定!!全くもって忘れていたよ
「え、嫁!?あなたたち夫婦・・・!?」
「いえ、全然違います」
「マスターは所謂"ツンデレ"ってやつですね」
「いや、それも違う」
「そういうことね。若い男女が二人で旅してナニも無いことは無いだろうと思っていたけど・・・。そうね、夫婦なら当然ソレくらいあるわよね」
うわあああ、とんでもない勘違いされているよ!?俺は何もしていない!無実だ、真っ白だ!!
その後、エリメラさんに弁明して一応の納得はしてもらえたが・・・、本当に納得しているかどうかは怪しいかったりする
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バーベキューをやった日から2日が経った。この日俺たちは【エイルムの町】を出発して、隣国の【ラム国】に向かう。今は町の出入り口である門の前で、ストールさんとエリメラさんに
「えっと、いろいろとありがとうございました」
「本当にいろいろあったわね。ダンジョンを壊されたりとか、空中に投げられたりとか・・・。まあ、結構楽しかったわ。また近くに来たならぜひ寄ってちょうだい」
「ぼくも楽しかったよ。アセトアの町からの護衛の付き合いだったね。あ、まあこれからの旅の餞別と言っては何だけど、よかったら」
そう言ってストールさんは食べ物を持たせてくれた。肉類、魚類、野菜や、護衛の時に分けてもらったりもしたサンドイッチなどなど
「ありがとうございます。助かります!」
「そう言ってもらえて嬉しいよ」
さて、いつまでも門の前で立ち止まっているわけにもいかない。そろそろ行こうかな
「それじゃあ、俺たちは行きます。では、またいつか!」
二人に見送られ、俺たちはエイルムの町を出る
エイルムの町から離れてしばらく進んだ。それまでにあったことと言えば、たまに出てきたスライムを瞬殺したことくらいだ
「・・・あ、そういえばマスター。アレありましたよね?」
「"アレ"?アレって何だ?」
「ほら、ダンジョンの地下で見つけた【魔道自転車】。あれなら歩くよりも速く移動できません?」
そういえばあったな。確かに自転車を使えば歩きよりも楽だし、何より早く目的地に着く。俺は【影の食卓部屋】から魔道自転車を俺とミカヅキの分の2台を取り出す
「よし、それじゃあ早速行くぞ!」
自転車に跨りペダルをこぐと、車輪が回転し自転車は俺を乗せ前へと進む。この自転車、魔道自転車の名の通り魔力を流すとペダルをこがなくても勝手に車輪が回る仕組みになっていた。しかも魔力を込めれば込めるほどスピードも上がるようだ
「おお、これは楽だな。どうだミカヅキ、そっちの自転車の調子は―――――」
「お、おお、あっ・・・」
———————ガシャアン!!
ミカヅキが自転車ごと転倒した
「お、おい大丈夫か!?」
「ええ、何とか。そういえば私自転車に乗るのって今回が初めてでした」
そういえばそうだったな。ならまずはミカヅキが自転車に乗れるように練習から始めないといけないかな。乗れるようになるまで何日くらいかかるのだろうか?
と、思っていたが半日ほどでミカヅキは自転車を乗りこなせるようになった。思ったより早い、というかビックリするくらい早いな。身体能力が高いせいだろうか。ともかく、そう時間はかからず異世界サイクリングは再開することができたのだ
エイルムの町を出発して3日ほど経った。魔道自転車のおかげで歩くよりもだいぶ早く進んでいる。これまでの道中で一度村を通ったのだが、本当にただただ"村"であり特に何も無かった。
現在は木陰で休息中である。いくら魔道自転車だからと言って、さすがに休みなしで移動するわけにもいかない。さらに魔力まで吸い取られているのだから、いくら回復すると言ってもやはり休息は必要なのだ
—————————ピロンポロンパロン。ピロンポロンパロン
ん?これは女神様への定期報告の時に手袋からなる謎のちょっと抜けたような音楽か?いや、でも前回の報告からあまり時間が経っていないはずだ。じゃあこの通話は誰からの者なんだ!?確認してみるか・・・
——————ピッ!
「あ、繫がった。あの、アライさんですか?」
「はい、俺はアライですけど・・・?どちら様でしょうか?」
「どうも初めまして。アライさんを担当している女神様の下に最近付いた新人の神です」
新人の神・・・あ、もしかして前に女神様が言っていたミスの多い新人神様、その当人なのか!?だとしたら何か怖いな。いつ間違えて俺が殺されるか・・・。そうならないことを祈っておこう
「それで、俺に何の用でしょう?定期報告にしてはいつもよりだいぶ早いですけど・・・」
「実はちょっと聞いてほしいことが・・・」
聞いてほしいこと?何だろう。というか、神様が一般人の俺のところに相談事っていうのはいいのだろうか?体面的に
「えーっと・・・」
新人神様の相談の内容は、最近先輩(俺の担当をしている女神様)があまり元気が無いようすで、どうしたらいいのか、というものだった。初めて見た時は健康そうだったのだが、日を増すごとに顔に疲れが見え始めてきて、最近は目に隈までできているんだとか
「・・・というわけなんですよ」
なるほど、それはたぶんアナタがミスばっかりしているからそれのフォローや後始末や何やかんやで疲れているんだろう。というのは本人には言わない方がいいかな?
「それってたぶんアナタのせ――――」
だからそれは言っちゃダメなんだってミカヅキさん!!優しそうな雰囲気だし、絶対傷ついたらしばらく立ち直れなさそうな感じがするんだよこの神様!!
「うーん、たぶんそれ、(主にアナタのせいで)働き過ぎているんじゃないですか?しばらくお休みでも取らせてあげたらどうですかね?」
「なるほど、お休み!そうですね、そうしましょう。先輩が休んでいる間は僕が頑張ればいいのだし!!アライさん、どうもありがとうございます!!」
どうしよう、すっごいやる気になっちゃっているけどあの女神様がいない間このミスしまくり神様が仕事するって・・・どう考えても悲惨な結果にしかならない気がするんだが・・・。やっぱりアナタが仕事をすると女神様が余計疲れますよと言うべきだろうか・・・!!
「あ、あのっ・・・!」
——————プツゥン
あ、通話が切れた。・・・・が、頑張れ女神様!!
はい、ということでエイルムの町を出発しました。そしてミスしまくり神様も出てきました。次からは【ラム国】に入っていきます
次回、別話の方になるかな・・・?




