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50 バイク

50話目です。今話を書くためにダンジョン編をやっていました。厨二的なものは好きだけど、いざやってみようとすると全然書けません。どこかに【厨二力】とか落ちてないかなあ。

 意図せずして瀕死の状態に追いやってしまった【ティアマト】という名の邪魔者・・・いや、魔物に止めを刺し、その後ろにあった階段を下って行った。現在階段を下り、地下2階のフロアへの扉の前にいる


「さて、地下2階は何が出るかな。魔物か、魔石か・・・」


魔石に擬態した魔物ミミックというオチかもしれません」


「何それ迷惑!!」


 まあ、迷惑だ何だと言っても進むしかない。魔物が出たとしても倒せばいいが、やはり面倒ごとの無くダンジョンンの魔石があればいいそれが一番だなと思いながら扉を開ける。開けた扉の先、そこは薄く青く光る部屋だった


 部屋の中に魔物らしきものはいない。あるのは部屋の中心で淡く光を放っている一つの物体だけ


「あれが・・・魔石か?」


 見た限りそのようだが、先程ミカヅキが言ったように【ミミック】である可能性もある。安易に近づかず、まずは【鑑定】で確かめてから―――――


「わあ、綺麗な魔石ですね!!」


「おいコラ待てミカヅキ、何フラッと近づこうとしているんだ!ミミックかもしれないってい言ったのはお前だろう!?」


「あー、言いましたね。でもあれだけ綺麗なんですから・・ねえ?」


 何が"ねえ?"なのかがわからない。とにかく【鑑定】が済むまでミカヅキには待ったもらった。鑑定の結果、魔石だった


「ほら、やっぱり魔石だったじゃないですか」


 確かに今回は魔石だったが、そうでない可能性もあったわけだから注意はしてほしいんだが・・・いっそ本当にミミックに噛まれてしまえば注意するようになるか・・・?


 なんて考え、ミカヅキはとっとと魔石に向かってしまったのに気づき俺もその後を追い魔石に近づく。魔石は地面に埋まっている台座の上に載せられ、その周りを鳥籠のように柵脳ようなもので覆われている。魔石は魔物の核となる部分だから容易に壊せないようにしているんだろう


 それにしても大きな魔石だな。ミカヅキに埋め込んだドラゴンの魔石よりも大きいかもしれない。【迷宮遺跡ダンジョン】ともなるとそれ相当の物になるということだろうか。・・・もしこの魔石を壊せばダンジョンは活動停止、建物が残りその中の『ダンジョン』というものが死ぬのだろうな。もちろんそんなことはしないけど。・・・ん?魔石の台座の周りに何かが書いてある?


 正に灯台下暗しと言うべきか、地面には魔石が置いてある台座を中心に直径1メートルと少しくらいの大きさの円、そしてその円の中には文字が刻まれていた。・・・これは、魔法陣だな。しかも使われているこの文字って、旧時代の確か【セルン文字】だったか?一体何の魔法陣なんだろう?ちょっと読んでみるか


 『力が満ち、光の柱が現れる時、異界より強大なる力を持つ者、この地に現る。彼の者よ、我に従え』


 魔法陣にかかれている内容を要約すると大体こんな感じだろう。謎の多いこの魔法陣だが、これって明らかに召喚陣だよな?しかも俺たちが呼び出されたように異世界から召喚するタイプの奴。この魔法陣から元の世界に帰る方法とかわかればよかったんだが、さすがに【鑑定】では何もわからなかった。まあ、そう急いでいるわけでもないからいいんだが・・・


 それにしてもこの魔法陣、絶対ヤバいタイプのやつだよな。異世界の、強力な者を呼び出して、我に従え?これ書いた人は世界征服でもしようとしてたのかな?使われている文字が旧世代のやつだから、きっとその人は生きてはいない筈だけど・・・


 しばらく魔法陣を見ていた俺は唐突に閃き、【天界製万能手袋】をはめている手の指で魔法陣に書かれている文字の一部なぞり、消した・・・。その消した部分に手袋のまま指で新しく文字を書いていく。ペンも何も使ってはいないが、文字はしっかりと刻み込まれている


「さすが【天界製万能手袋】。こんなこともできるとは・・・!!」


「いったい何をしているのだ宿主」


「ん?ああ、ちょっとこの魔法陣に落書きをね・・・」


 魔法陣はセルン文字が使われていたが、俺もあの島で文字を覚えたおかげでセルン文字は扱える。今の時代ではセルン文字は必要ないと知り、多少ショックを受けていたが・・・まさかこんなところで使えるとはな


「落書きか。何と書いたのだ?」


「『【超高性能お茶運び人形】が欲しい。来たれ、俺の元へ!!』・・・みたいな?」


「なんだそれは?」


「・・・何となく?」


 本当に特に意味は無い。頭に思い浮かんだものをサラサラッと書いただけだ。だってこれは落書きなのだから!!


 そういえばミカヅキはどこに行ったんだろう?魔法陣を弄り終わってみたら近くにいなかった。ドアを開ける音はしなかったから上の階には戻っていないだろう。ここより下の階に続く階段も無いからこの部屋にいるはず・・・


「マスター!!こっちにいい物がありました!!」


 部屋の奥の暗がりからミカヅキの声がする。あっちにいたのか。奥の方までは魔石の光も若干届いていない所があるからわからなかった。とにかくミカヅキの声がした方に行こう


「ミカヅキ、"いい物"って何だ?」


「これです!!」


 ミカヅキが暗がりを指す。通常の眼では見えないので【暗視】状態で見る。ミカヅキの示したもの、それは・・・・


「自転車!?」


 そう、自転車だった。自転車が5台ほどあったのだ


「はい、自転車です。しかもどうやらまだ使えるみたいなんですよ」


「まじかよ・・・」


 俺も"視て"みたが、確かに問題なく使えるようだ。しかもこの自転車、【魔動自転車】らしい。電動自転車と同じで魔力を込めたらペダルをこがなくてもいいというやつかな。というかこの自転車、旧時代の物だよな?何で使えるんだ?あれか、人口遺物アーティファクトってやつだからか?


 それにしても自転車って・・・。こういうのって普通、飛行船とか車とかバイクとかじゃないの?自転車も"バイク"ではあるんだが、なんかちょっと違うんだよな。まあ、無いよりマシだし魔動式ということで妥協するか


「よし、じゃあとりあえずこれ全部持って帰ろう」


「全部ですか!?」


「貰える物は貰っておこう!!」


 ということで自転車5台は【影の食卓部屋ブラックボックス】に全て入れた。さて、もうすることは無いし戻るか


「地上に戻る用の転移魔法陣はどこだろう?」


「それならあっちの方にありますけど・・・・マスター、1階と地下1階を繋げた穴がそのままですけど直さないんですか?」


 ・・・忘れてた!!そういえば大きな穴を開けたままにしていたな。いくら脇道に作ったからといって、今後来るであろう挑戦者が落ちたら大変なことになる!!具体的に言えば死ぬ!!俺たちが開けた穴がトラップになってしまう。急いで穴を塞がねば!!


「急いで戻るぞミカヅキ!!あ、転移魔法陣って消えたりしないかな!?」


「消えるかはわからないですが、さっさと済ませましょう」


 その後、地下1階の天井に開いた大穴を塞いだ俺たちは急いで地下2階に戻り、転移魔法陣が消えていないことに安堵しつつ、地上へと戻った



はい、ということで見え見えの伏線でしたね。実は今回の話ってあの話とこうなってて・・・。気づいた人いますかね?いますね


次回、エイルムの町を旅立つ

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