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05 ~『ガフの部屋における研究記録』~

5話目です。今回主人公一切出てきません。クスッと笑えそうなシーンの無いシリアス回となってしまいました。それでも読んでいただければ幸いです


 セレネ暦1517年 $月#日

 我が国の王から、近いうちに訪れるかもしれない世界大戦に向けての兵器開発をせよとの命をうけて、私を含めた我が国でも特に優秀な者たちが、生体兵器の研究・開発を行いにこの島に来た。この島は危険な動物の数も多く人が立ち入ることは無いので、秘密裏に研究ができる。明日からは忙しくなりそうである


 同年 $月#日

 まず第一に研究を開始したのは、動物を戦闘用に強化することである。この島には大量の動物がいるため実験材料に尽きることは無い。体内に魔力を保有する動物を作ることができれば、数体で訓練された兵士に匹敵するほどの戦闘力をもつであろう


 1518年 $月#日

 ついに、動物の強化が成功した。結果は予想を超えたものであり、数体で一隊の師団に匹敵するほどの力を保有していた。私たちはこれを、魔力を保有する動物。"魔物"と呼ぶことにした。この魔物は、体内に魔力の結晶である"魔石"を保有しており、この魔石の有無で魔物かどうかを区別することができるようである


 同年 $月#日

 魔物の作成が成功したことにより、前々から研究されていた人造人間ホムンクルスの開発が本格的に行われるようになった。理論上は製作可能だが、成功するかどうかは不明である。完成すれば、世界初の人工生命体となり、私たち研究者としての意気込みも自然と上がってくる。魔物の作成のようにうまくいけばいいのだが・・・


 1519年 $月#日

 研究は難航。ホムンクルスの製作は困難を極めるものである。大抵のものは、瞬時に人の形を保てず崩れ、形を保ったものも、コアとなる魔物からとれる魔石を入れたとたんに崩れてしまうのである。いったいどうしたものか・・・


 1520年 $月#日

 ホムンクルスの製作は試行錯誤の末、身体の部品パーツの強化に成功。形が崩れることは無く、通常の人間よりも強力な身体で作り上げることができた。しかし、作り上げることができた数はたった4体だけであった


 同年 $月#日

 今回の実験は、ホムンクルスにコアとなる魔石を埋め込むものだった。4体のホムンクルスにそれぞれ魔石を埋め込んでいった。・・・結果は散々なものであった。"試作体01"は魔石を埋め込んだとたん爆散、"02"は稼動したものの、暴走。やむなく処分。"03"は稼動せず。"04"は今までのものと実験体と同じように形が崩れてしまった。これにより人造人間ホムンクルスの研究・製作は閉ざすこととなった


 同年 $月#日

 研究は再び難航。上からの「知恵のある人型の生物兵器を作成せよ」という無理な要求により、次第に私たちにも苛立ちが募る。すると、ある研究員がとんでもないことを言い出した。それはさすがに無理があるのではないだろうか・・・


 1521年 $月#日

 だめもとで申請したあの研究員の発案が通ってしまった。その研究員の発案とは、『一から人間を作るのではなく、すでにいる人間を使えばいいのではないか』というものであった。そんな発想をするとはいかがなものかと思うが、それが通ってしまう国の方もいろいろと切羽詰っているのであろう。そういえば、私たちはこの島に来てから一度も帰っていないが、いま祖国はどうなっているのであろう


 1522年 $月#日

 奴隷を使った生体兵器が完成した。それは、人に獣の特性を持つように改造した、一種の合成獣キメラのようなものである。基本ベースを人間としているので、基本的な肉体の構造、知能などについては人のそれと同じだが、混ぜ込んだ獣の特性により一部が人と異なっている。例えば、『獅子を混ぜ込んだ人間は、頭頂部に獅子のような耳が生え、パワーの増加が確認され、兔を混ぜ込んだ人間は、同じく頭頂部に兔のような耳が生え、聴力などが増す』というようなものだった。総じて言えるのは、基本的に、混ぜ込んだ獣と同じような耳が頭頂部から生え、通常の人間よりも身体能力がかなり高いということであろう。

私たちは、この人間たちを、人と獣の力を持つ者。"獣人"と呼ぶことにした


 同年 $月#日

 獣人の製作に成功した私たちは、上からの指令により、さらに別の生物兵器を作成することになった。次に作成するように言われたのは、「魔力保有量が高く、魔法威力が強い者」であった。獣人同様に奴隷を使って研究していった


 1523年 $月#日

 また、新しい生体兵器が完成した。今回作成した生体兵器は、ホムンクルスの技術を応用したものである。ホムンクルスは動力源として、魔石を使用していたが、人間には心臓があるために魔石を直接コアにはせず、魔力が漏れないように魔石を砕き、体内に入れた。結果、魔石の影響か、一部の特徴が人間とは違うものになったりした。例えば、頭に角の生えた者、背中に蝙蝠のような角の生えた者、鋭い牙が生えた者などである。このような変化はあったものの、この人間たちは、魔力の保有量・魔法威力ともに、通常の人間を大きく上回るものとなった。私たちはこの人間を、魔法力の高い人間。"魔人"と呼ぶことにした


 同年 $月#日

 私たちは、これまでの研究·開発をもとに、魔物をさらに強化することができる薬品を開発した。"クレイオ"と名付けたこの薬品は強力なもので、今まで動物にしか作用しなかったものが、植物、魔法で作った土人形、果ては、スライム好きの研究員が真心をこめて作ったスライムすらも魔物としてしまった。


 1524年 $月#日

 以前に私たちが開発した強化薬"クレイオ"を使い、伝説に伝わるドラゴンを作成することに成功した。トカゲの姿をモチーフに飛行能力を持つ翼、魔石を埋め込んだために属性ごとのブレス攻撃を放つことができ、硬い鱗、高い再生能力と、まさに伝説のドラゴンそのものである。これだけの兵器があれば、我が国が負けることは無いであろう


 どうねん $がつ#にち

 まもの、じゅうじん、まじん、ぼうそう。けんきゅうしゃないに、はんぎゃくのようす。ししゃたすうあり。くれいお、えきたい、がす、さんぷされた。どらごん、ぼうそう。まほうでおうせん。みこみは、ぜつぼうてき。わたしたち、ふみこんではいけないところ、ふみこんだようだ。せめて、だれかが、これをよみ、ここであったことを、しることをねがう


 

衝撃の異世界の真実。さぁ、どうする主人公?

今回で重要なこと書きすぎてそろそろ齟齬が起きるかもしれません。発見した場合は自分の豆腐メンタルが壊れないかんじに優しく指摘していただけるとありがたいです。

次回、ヒロイン登場します

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