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46 腐っている者たち

46話目です。 


バァン!!(机をたたく音) ガタッ!(椅子から立ち上がる音) バッ!!(紙を掲げる音)


  ~『ダンジョンの途中の階層の話、いくつかすっ飛ばさせていただきます』~


 ガサガサ(紙をしまう音)  トン(紙を机に置く音)  カタッ(椅子に座る音)


え~、ということです。理由と致しましては『話数が多くなる上に重要性も無く面白くも無いだろう』ということですね。一応、今話にダイジェストゥで載っけます。少しでも期待してくれた方、申し訳ございません。え、そんな人いない?

 俺たちは空中ステージで鳥の魔物と戦った後、数日をかけて24階まで突破した。その間にも様々な魔物と遭遇した


 13階から16階まではゴーレムが出てきた。赤や青など様々なカラーバリエーションで、その色によって炎や水、風などで攻撃してくるものだった。そんなゴーレム階層のボスに至っては・・・色違いのゴーレムたちが5体出てきた。そして『土塊合体!超ゴーレム!!』みたいなことをやらかしやがった。合体した巨大なゴーレムがそれぞれの色にあった炎や水などで攻撃しきてなかなか大変だったが撃破に成功


 17階から20階には魔法を使う幽霊みたいな魔物が出てきた。困ったことにこの幽霊、スキル【物理攻撃無効】を持っているようで素手で殴ったり蹴ったりしても意味は無かった。だが俺のスキル【影】は、"相手のスキルを喰って無効化する"という能力があったので、特に問題なく進ませてもらった


 21階から24階にはまたしてもゴーレムがいた。だがこのゴーレム16階辺りにいたゴーレムとは違い、その全身がやたらとキラッキラと輝いていたのだ。"鑑定"してみたところ、なんとその体に宝石があることが分かった。早速倒してみたところ、キラキラと輝くアイテムがいくつも出現し、"ホントにこんなに宝石が!?"と喜びつつ念のためとしてドロップ品を"視て"みたところ・・・・・・9割以上がガラスだった。思わず手に持っていたガラスを地面に叩きつけてしまったけど、仕方がないよね


 そして現在俺たちは25階の扉の目の前にいる


「ふう、だいぶ上ってきたな」


「そうですね。確かもう25階でしたね」


「25階になるのか。よっしゃ、この階も張り切って行こう!!」


 そう意気込み、俺は25階の扉を開ける




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




「俺さ、元の世界でこういうタイプのゲームってやってこなかったんだけど、ミカヅキはどう?」


「マスター、忘れたんですか?私はこの世界の生まれで、さらに言えば起きてから1年も経っていませんからね?」


「そういえば、そうだったな。ということはこういうのは俺もお前もやったことが無いということか」


「そうですね。それにしても・・・・・数が多いですねえ・・・」


 現在俺たちはゾンビの魔物に囲まれている。見渡す限りにゾンビ、ゾンビ、ゾンビ、ゾンビ、ゾンビだ。こちらの目も"もらい腐り"しそうである。なぜこんなゾンビ討伐ゲームで進め方を間違って詰んだような状況になっているかというと、"扉を開けたら既にそうだった"というしかない


 どこぞのダンジョンの吹っ飛んで行った部分かと思うほどの大量発生具合だ。まあ、奴らと違って壁や天井にまで張り付いていない分まだいい方と言えるのか・・・・言えないな


「・・・・・・腐女子と腐男子がいっぱいですね」


 確かに腐っているけども!腐り方が違うよ!?目の前にいるのは物理的に腐っている奴らだからね!?あと腐男子ってなに!?


「AAAAAAaaaaaaaaaa!!!!」


 ミカヅキの唐突のボケを聞いてか・・・いや違うだろうけども、周りを囲っていたゾンビの一体が俺に向かってくる。確かゲームやアニメなんかだと、頭部を破壊しない限り死ぬことは無いんだったっけ。いやもう既に死んでいるのか。まずはどうなるのか身体を上下に斬ってみよう。これで死んでくれれば楽なんだが・・・。もう死んでいるだった


 襲い掛かってきたゾンビを腰から上と下に斬り分ける。斬られた上半身は地面へと落ち、下半身は倒れる。さて、普通ならこれで活動停止になるんだが・・・どうだ?


 すると斬られた上半身が動き出し、腕を支えにして起き上がった。そして両腕を脚のように使い再びこちらに向かってきた


「うおっ!?待てそれは違う化け物だろうがっ!?」


 予想の斜め上のパターンで攻めてきたゾンビに驚きつつも影の槍を放ち頭を貫く。やはり頭が弱点だったようで頭部を失くしたゾンビは動かなかくなった


「・・・あらためて考えると、【テケテケ】って結構すごいバランス感覚持っていますよね」


 うん、確かに両腕で上半身を支えながら車に匹敵するスピードで移動するのにコケることが無いんだもんな。相当体幹鍛えているんじゃないかと思う。っと、テケテケの体幹とか今はどうでもいい。先程テケテケ化したゾンビを倒したことが影響したのか、周りで様子見をしていた奴らも襲い掛かってきた


「ミカヅキ、奴らの弱点は頭部だ!頭を狙って破壊しろ!!」


「了解です!」


 扉を背にしている状態なので、周囲180度からゾンビが襲ってくる。右側はミカヅキが応戦しているので、俺は影を使い左半分から攻めてくるゾンビの頭を的確に破壊していく。正面から来る1体の頭を斬りおとし、返す刀で次いで迫るゾンビの頭を斬る。左方向からは3体が同時に来たので影の槍を放ち頭を貫く。ミカヅキも同様に刀で斬ったり魔法で撃ち抜いたりしている


 襲い来るゾンビを撃退しながら前へと進んで行く。扉から離れれば、今度は360度全方位から襲ってくるため難易度も上がる。前の3体を貫き、左から来る1体を斬り、その勢いのまま後ろの2体の首をはねる


 群がるゾンビどもを倒しながら前へ前へと進んで行く。ゾンビ1体1体は大した強さも無く速くもないため倒すのは簡単だ。だが数が多い。倒しても倒しても"湧き水か!?"というくらい出てくる


「マスター、これって燃やし尽くしてしまった方が楽じゃないですかね?」


 ・・・・・た、確かに。こういったゾンビとかが大量に出てくるフィクション作品なんかでは銃器を用いて蔓延るゾンビを倒していくというイメージがあったから、魔法の炎弾とか氷弾や刀を使って倒していたんだけど・・・。そうだよね、広範囲攻撃を使って倒せるのならその方がいいよねえ


「そうだな、よし燃やしてしまおう!」


「わかりました。では、【火装カソウ】!」


 ———————ボオオォォォウウ!!!!


 ミカヅキが放った炎は前方にいたゾンビたちを呑み込んだ。うわ、ゾンビたちが全身火だるまになってるよ。炎に包まれたゾンビたちは次々と倒れていく。もしかしたら動くのでは?と思ったが、焼かれたゾンビは完全に活動不能となっているようだった


「すごいなこの【火装】って技。・・・・ん、火装?・・・カソウ、かそう。・・・・あ、火葬?」


「おお、もしかして気づきましたか?火を装わせ、相手を焼き尽くす。まさに火葬です」


 うん、何を戦闘中に言葉遊びをしているんだかと思わなくもないが、ゾンビたちには有効なようだしまあいいか


 さて前方はミカヅキに任せるとして、俺は後方から襲ってくるゾンビどもを片づけないとな。ミカヅキのように炎を出して戦えるわけではないが、俺にだって【影】を使っての広範囲攻撃はできる。後方180度、ミカヅキが【火装】で攻撃をしている範囲外から来る奴らに対して俺は地面から大きな影の【針】を剣山の如く作り出していく


 地面から無数に出現した針は、次々とゾンビたちの身体や頭部を貫いていく。仕留め損ねたゾンビも影を操り確実に倒していく


 前方は灼熱、後方は針山と、"どこの地獄の責め苦だ"とも言われそうな方法でゾンビを倒しながら進んで行き、何十分、いや数時間くらいかな?25階を進み遂に次の階へと続く扉を見つけることができた




「ふう、空気が澄んでますねえ」


 扉の中に入るなり、ミカヅキがそうつぶやく


「澄んでいるわけじゃないと思うけど・・・、さっきの階と比べればそりゃあな」


 途中からかなり慣れてほぼ全く気にしていなかったが、ゾンビだけに腐敗した匂いが充満していたのだ


「まあ確かにさっきの所と比べれば、普通の空気ってこんなに澄んでいたんだなと感じるかもな。澄みすぎて"透明なんじゃないか?"と思うくらい」


「・・・何を言っているんですかマスター。空気は普通ほぼ透明ですよ・・・?」


「どうした宿主。ゾンビどもの影響で脳まで腐っ・・・・やられてしまったのか?」


「ボケで言ったんだよ!冗談で言ったんだよ!空気が透明なことくらい知ってるよ!!あとカゲロウ。お前今、俺の脳が腐っているとか言おうとしてなかったか?」


「気のせいではないか?」


 コ、コノヤロウ・・・


「まあ何にせよこの階は突破できたんですし、次へ行きましょう」


 ・・・そうだな、カゲロウのことは一旦置いておくとしよう。さて、次の階もやっぱりゾンビなんだよな。気を引き締めていくか!!



はい、ということでゾンビは斬られるとテケテケになるという話でし―――――


予告ブレイカー君「フハハハハ!!我っ!!参上っ!!久方の登場のチャンスだったというのに前書きでは出る余地が無かったから後書きで出てきてやったぞ!!」


うわー、迷惑ですねー。それじゃあ、もういいですかね?どうぞ、お出口は右側に――――


予告ブレイカー君「せっかくだから我が次回予告をしてやろう」


え・・・・・?


次回、「・・・いや待てよ?予告した話を壊すのが我の担当であるから、次話の元となる予告を我がすることはアイデンティティが崩壊することになるのではないか?いや、だがやってみなければわから――—」

   

  予告やれよ!?

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