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40 壊した責任

40話目です。よっし、これからダンジョンに入———————


 予告ブレイカー君「我っ!!参上っ!!」


  あ・・・・。

 さて、詳しいことを話せと言われても、どこから話したらいいのやら・・・。そんな風に俺が考えていると、そんな俺を見ていたおじさんの方から質問をかけてきた


「では、率直に聞きましょう。あなたは昨日ダンジョンに何をしたのですかな?」


 本当に率直にきたな。どうしよう、"ダンジョン壊しました"って言うか?いや、それだとちょっと誤解が生じそうだな。なら、


「ゴキブリ退治・・・ですね」


「ゴキブリ退治?」


「はい。このダンジョンの1階から6階まではゴキブリの魔物が大量発生していることはご存知ですよね?」


「あ、ああ。そのようなことは聞いたことがある」


「それを駆除したんです。ダンジョンの攻略に邪魔だったんで」


 俺がそう言うと、おじさんとその他大勢は"話は理解したが、完全に納得はしていない"というような表情になった


「・・・それならばあの黒い巨人は何なのだ?魔法なのか?」


「あれは俺が作ったやつですね。魔法ではなく、スキルで・・・ですが」


「なんと!!スキルであんなものが!?し、信じられん・・・」


 信じられんとか言われても、そういうものなのだから仕方がない


「そんなものが、その駆除には必要だったのか?」


「そうですね。奴らはとんでもない量だったので」


 と、ここで目の前おじさんとは違った人が俺に質問してくる


「一ついいか?その黒い巨人がダンジョンを斬るようなしぐさをしたり、槌のようなものをダンジョンに振りおろした直後、何か黒いものが町の外に飛んで行ったのを見たのが何人もいるんだが、あれはいったいなんだ?」


 きたか、この質問。さっきは"ゴキブリ退治"と言ってはぐらかしたが、さすがにこれは誤魔化せないよな・・・


「・・・飛んで行った黒い物の中身は、ダンジョンです」


「ダンジョン!?」


「はい。奴らを駆除するのはかなりの時間と労力がかかる。だから手っ取り早くダンジョンごと奴らがいるところを切り取って町の外に放り出したんです。もちろん町ん外で迷惑が掛からないように駆除は完了させました」


 俺が質問に答えた後周りを見てみると、みんな理解が追い付いていないようで口を開けて突っ立っている


「ダ、ダンジョンを切り取った!?そんなバカな!?」


「ダンジョンには傷すらつかないという話ではなかったのか!?」


「でも、この人が言っていることって事実じゃない?道理でいつも見ているダンジョンに違和感があったわけだわ」


 住人たちは、話が脳に追い付きそれを理解していったあと、次々と騒ぎ始めた。まあそりゃあ壊れないと言われていたダンジョンを切り取ったなんて言われたら信じられないだろう。しかしさすがこの町の住民、ダンジョンがいつもより低くなっていることに気づいていた人もいるようだ


「ダンジョンを壊した・・・というのは本当のことなのですかな?」


「ええ、本当です」


「な、なぜそんなことを・・・」


「だから言ったじゃないですか。ゴキブリ駆除するためだって」


「そ、そんなことのためにダンジョンを壊したのですか!!」


 "そんなことのために"・・・?なるほど、このおじさんはわかっていないようだな。いや、挑戦者じゃないからわからないも無理はないかもしれないが 


「"そんなこと"・・・ですか。あなたたちにとっては"そんなこと"という認識かもしませんが、俺たち挑戦者にとっては重要なことなんですよ。というか、ダンジョンに蔓延っていた奴らのせいでこのダンジョンには挑戦者が全く来なかったんですから。そうですよね、エリメラさん?」


「へっ!?そ、そうね。来なかったわね」


 "何でいきなりこっちに話を振ってくるんだ!!"という目で俺を見るエリメラさん。いいじゃないか、ちょっとくらいこっちをフォローしてくれよ


「ダンジョンがあるのに挑戦者が来ない。挑戦者、つまり人が来ないってことはこの町自体も盛り上がらない。このゴキブリ駆除は俺たちだけでなくあなたたちにも不利益なことは無いと思うのですが・・・?」


 どうだ?なんとかうまく話を収めることができそうか?


「確かにこのエイルムの町は、他のダンジョンがある町と比べて、人や物の流通が少ないのは事実。もしかすると今回あなたがやったことで、人が来るようになるかもしれない。・・・だが」


 だが?


「ダンジョンは旧時代の遺跡。それは国にとって、いや世界にとっても重要で貴重なもの。それをあなたは壊した。ならばそれ相応の対価が生じるのでは?」


 なっ!?チクショウそうなったか!!確かにダンジョンは重要な旧時代の遺跡。それを壊したんだから弁償しろっていうことか。俺にとっては"廃墟と化したデパート"くらいの感覚だったからそんなこと考えても無かった


 しかし今俺たちにはぶっ壊した遺跡を弁償するだけの金なんて持っていない。一応の望みをかけてエリメラさんの方を見てみる


「え、いや別にそんなことしなくてもいいんだけど・・・」


 やったー!!ありがとうエリメラさーん!!と思ったが、すぐにおじさんが横から 


「なりませんぞ!!前例はないですがダンジョン壊しは罪となるはず!それをわたしたちは弁償することで許そうというのです。それとも、罪人として連行しますかな?」


 正直、連行されても逃げれる可能性はあるし、どうとでもなる気がする。でもだからと言って態々お尋ね者なんかになりたくないし、そもそも連行される気も無い。しかしそんなお金なんて払えるわけでもなく・・・


 あー!!こんな時、"金?そんなものでいいのか?"とか言って、軽く大量の金貨を出しちゃうような物語の主人公が羨ましい!!でも今はそんなことを考えている場合ではない。どうやって現状を打開するか・・・。と、ここで今まで黙っていたミカヅキが俺の服を軽く引っ張る


「どうした、ミカヅキ?」


「マスター、魔石です。魔石」


 なるほど、その手があったか!!それならば何とかなるかもれない!!


「すみません。俺たちは弁償できるようなお金は持っていないんです。・・・ですので、代わりにこれでいいでしょうか?」


 俺は影の食卓部屋ブラックボックスから【原初の島】の魔物たちから取り出した魔石を持っている分だけ出す


「これは・・魔石?」


「はい。これらはかなりいい魔石なので、それなりの・・・・額にはなると思いますよ」


 この魔石がどれほどの金額になるのかは俺もわからない。だが、ゴブリンの魔石ですら金貨1枚という値段が付いたんだ。それよりも強い魔物の魔石だらけだから、十分な金にはなるだろう


「ふむ、まあそれでいいでしょう。ではこちらに・・・」


 俺は魔石をエリメラさんに渡す


「え?わたし?」


「そりゃあそうです。これは壊したダンジョンの弁償なんですから、管理者のエリメラさんに渡すのが当然でしょう?」


 チラッとおじさんを見てみると、少し悔しそうに歯噛みしていた。やっぱり金が欲しかっただけか。魔石を払ったのは手痛いことだが、"おじさんザマァ!!"と言った心境で、ちょっとだけスッキリした


「これでもう十分ですよね?じゃあ俺たちはダンジョンに行くんで。・・・あ、そうだストールさん」


「なんだい?」


 俺は周りに聞こえないように、少し小声になって話す


「あの、できればでいいんですけど、あのおじさんとかがエリメラさんに嫌がらせ・・・みたいなことをしないように、開いている時間があったらここに来てエリメラさんの話相手とかになってもらってもいいですか?」


「うんうん、わかったよ。ここに来て彼女の話相手になればいいんだね」


「はい、よろしくお願いします」


 やっぱりストールさんはいい人だよ!エリメラさんも話相手ができそうだし、よかったよかった


「それじゃあ行ってきますね」


「ええ、気を付けてね」


「行ってらっしゃいアライ君」


 ストールさんとエリメラさんに見送られてダンジョンに向かう。え?おじさんとか他の人?もう用は済んだのでどうでもいいです





 今、俺たちは新しく作ったダンジョンの扉の前にいる。自動ドアではなくなったので勝手に扉が開く心配もない


「さて、ダンジョン【エイルムの塔】再チャレンジだ!!」


「攻略できるかどうか・・・ドキドキですね」


「ワタシはどんな魔物がいるのかが楽しみだな」


 さてさて、中にはどんな奴らがいるのやら・・・。緊張もするが興奮もする。よし行くか、目指すはダンジョン攻略だ!!



はい、というわけで、"結局は金"という話でした。いや~、ダンジョンの扉の前まで行ったんですけどねぇ。まさかそこで予告ブレイカー君が来るとは、ハッハッハ!(視線を逸らす)


次回、やっとダンジョンですよ!!

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