03 転移先は危険な場所
3話目です。
今回ちょっとグロ注意入ります。お食事中の方はご注意ください。
白い砂浜!眼前に広がる青い海!広大なその海には3メートルくらいのでかい魚が泳ぎ、それを空中から飛来した6メートルはありそうな鳥が捕獲する。あ、鳥が巨大なクジラに喰われた!
うん・・・どこだろここ?
影による"イタズラ"だったかで、転移座標を狂わされ、気がついたらこんなとこ・・・視認できる範囲にはほかの島など一切見つからず、見えるのは水平線まで広がる青い海と、ばかみたいにでかいもといた世界の生物を厨二心あふれるままに改造したような謎生物たちだけ・・・あれ魔物ってやつかな?勝てそうもないです。はい
仕方ないので、ここは覚悟を決めてもうひとつ選択肢を進もう。意を決して!背後を振り返ります!
森!そのどこまでも広がる深い森で、2メートルはありそうな猿が上空へ飛び上がり、それを飛んでいた6メートルありそうな鳥が捕獲する。あ、鳥が巨大なキリンに喰われた!だんだん鳥が不憫に思えてくる。あれ?キリンって肉食だったっけ?
そう、俺の前に見えるのは水平線まで広がる深い森と・・・(以下略)つまり生きていける気がしないです。はい
しかし、この森には希望があった!遠くのほうに明らかに"人工物ですっ!"ていうかんじの建物が見えるのだ!よし、そこを目指して進んで行くか
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とりあえず、魔物には見つからないように進んでいこう。と言ってるそばからいました魔物です。幸いこちらには気がついていないようだな。あの妙にプルプルしたのは・・おお!スライムかな?あ、そんなスライムちゃんに近づくあれは、でっかい虎みたいな魔物だな。大丈夫かなスライムちゃん
おっと、虎がものすごいスピードでスライムちゃんに・・・
ビュンッッ!!!―――――――
速っ!?スライムちゃん速いよ!?しかし、スライムちゃんは虎に張り付いてどうする―――――お?虎の口の中に入った!?
「GURUUUGAAAAAAAAaaaAAA!!!!!!!!」
何!?虎が呻きだしたと思ったら突然倒れたぞ!?ん?口の中からなにか真っ赤なものが出てき・・・
まさかスライムちゃんか!?もしかしてスライムちゃん虎の体内に入って内側から内臓とか破壊したんじゃ・・・。よ、容赦ねぇ~・・・。スライムまじで舐めてました
スライムちゃんの次の標的が俺にならないうちにとっととこの場から離れることにしよう
さて、ずいぶん歩いたし、近くに川があるみたいだからそこでひとまず休憩にしよう
はぁ、にしてもここの魔物強すぎる。武器なんて持ってない俺にはどうしようも・・・。そういえば俺、影を支配してなんかできるようになったんかな?アニメとかだと影でこうナイフとか作ったり・・・
『スキル【影】の【カゲアソビ】が発動しました』
・・・ナイフができました。うおお!!スゲー!!これ、銃とか作れんじゃね!?よし、さっきみたいにイメージして・・・
あれ?できないのか?なぜだろうか・・・。もしかしたら、ゲームみたいにレベルとか練度とかあるのかもしれないな。こういう場合はとにかくたくさん使うと作れる幅も広がるのだろう。地道にやっていくしかないかな。あ、そういえばステータスってあるのかな?やってみよう
「ステータス!」
・・・・・・・・
あれ?でない?ステータスとか無いタイプの世界なのかな?張り切って言ったからちょっと恥ずかしいんですけど!
・・・腹減ったなぁ。そういえば召喚されたのって昼前だったな。ああ~、この川原に魚落ちてないかなぁ~・・・「べちっ!」痛っ!魚飛んできたよ!落ちてないかなって思ったら飛んできたよ!ちょっと注文と違うんですけど!!まあいいや、食料は得た!この魚をさっき影で作ったナイフで内蔵を取って、あとはそこにある木の棒にさして火で焼いて・・・。火が無い!!いやまて、この世界は確か魔法が使えるはずだ。よくある異世界の物語のようにイメージして・・・
「ファイヤー!!!」
『魔法を習得していません』
え~、この世界の魔法って"イメージしてポンッ"でできないのかよ。また張り切って言ったから恥ずかしいよ!仕方ない、生で食べるか。大丈夫だよね?食中毒とかにならないよね?元の世界でも刺身とかあったんだし・・・。は、腹が減っては戦は出来ぬのだぁぁ!!いただきます!
ふ~、あんまり生ものはよろしくないね。ええ、腹壊しましたよ。ちょっとスッキリしてきたところだよ
ガサッ――――
『【ウプウアウト】が現れました』
突如草むらから狼のような魔物が出てきた。な、何てタイミングの悪い魔物なんだ。人がスッキリした直後を狙いやがって!取り敢えず・・・逃げろっ!
走り出した俺を狼は確実に獲物とみているようでこちらに向かってきた。やはり狼とあってとても速い。狼が目の前に現れてからこちらを見つめて少し立ち止まったおかげで20メートルくらいは稼げたはずなのだがその差も一瞬で詰められる
くそっ!!図体デカい割になんて速さだよ!このままじゃ殺される!とにかく逃げなきゃ―――っ!?
―――――――ガスッ、バタン!!!
痛い!こんなときに木の根に躓かなくてもいいでしょ!というかそんな場合じゃない。早く逃げない――――
——————ドンッ!!
倒れ込んだ俺の体に横からの衝撃が加わり、俺は吹っ飛ばされて地面を転がっていきその先にあった木に体を打ちつけて止まる。あの狼が前足で俺を叩いたようだ。大きく振りかぶった様子もなく、本当に俺を"払っただけ"みたいだ
だが狼にとってはそだけでも俺にとってはかなりのダメージになる。手加減されたおかげか体中痛むものの折れている様子は無い。運が良かったと言えるかもな。いや、あんなのに遭遇した時点でよくは無いか
狼が木に寄りかかる俺に向かって歩いてくる。そして俺の目の前に来た狼は今度は見せつけるように大きく前足を振りかぶる。ちくしょう、俺はこんなところで死にたくは無いっ!!
―――ガッ!!
うぐっ!すごい力が俺の頭上から伝わる。でも、俺は死んでいない。なぜだ?
俺の頭上ではとっさに頭をかばおうとして突き出した手が、狼ウプウアウトの爪をふさいで・・・。そうか!女神様からもらった手袋か!ホントに丈夫な手袋で助かった!
俺は狼の重圧に何とか耐えている。狼は少しずつ手に力を乗せていき、いつ俺がつぶれるのかを見ているようだ。頭上からいまだに爪がのしかかる。だがこのままだとジリ貧だ。攻撃に出ないといけない。幸い女神様からもらった手袋が頑丈なおかげで、爪に裂かれることはなさそうだ。
なら無理やり片手でも耐えて、余った手で反撃に出る。チャンスは一回、つける隙は一瞬!狙うは届く範囲で一番やわらかいところ。つまり眼球!
ふー、ふー、ふー、今だっ!
「らああっ!!」
――――ドスッ!!!
「GAAAAAAAAaaaaa!!!???」
「俺だってここで死んでたまるかってんだっ!」
俺はさっきのスライムのように、狼ウプウアウトの眼球から影を中に流し込み止めを刺しにかかる
「【カゲアソビ・針山】!!!」
グチャッ――――――
狼ウプウアウトは脳を破壊され死んだようだ。はぁ、初めて生き物を殺したな・・・。少し気持ち悪いが、これも耐えるしかないだろう・・・
この狼ウプウアウトの肉は今後の食料となるかもしれない。ほかの魔物がこないうちに切り取っておこう。血抜き?わかるわけないじゃないですか。さて、コイツの肉を切り取ったら、先に進むか
――――――もう夜か。今日は疲れたしこの辺で休もう。まずは俺は余裕を持って入れるほどの穴を目立たなさそうなところに掘る。【カゲアソビ】で【繭】を作る。俺が入る。完成!この繭、俺が見た限りでは、そう易々と壊れることはなさそうなので、たぶん大丈夫であろう。大丈夫かな。大丈夫だよね。あ、やばい、どんどん不安になってきた。しかし、今日生き残れたのは、本当に奇跡的であった。俺はこんなところで死にたくは無い。絶対に生き残ってみせる。もう、今日は寝るとするか・・・
そんな生活を続けた4日目。俺はようやく目的の建物にたどり着いた。
皆さんは食あたりを起こしたことはありますか?自分ですか?ないです。
死ぬほどつらいと聞いたことがあるのですが、どうなんでしょう?
次回、謎の建物に突入します