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28 演技部門残念賞受賞

28話目です。残念ながら、今回でもこの編が終わりませんでした。

だんだん自分で作ったキャラクターの性格というものがよくわからなくなってきた。

あれ?主人公こんなにポンコツだったっけ?


 まじかよ・・・。まさか俺たちを騙していると思っているアイツらを逆にこちらは騙していると思っていたら実はそれさえも逆の逆で騙されていたなんて!!・・・何かよくわからなくなってきた。だが、いまはそれよりも、


「マスター。なんで、作戦がばれたんでしょうね?」


 そう、それなのだ。今日この時まで、コイツらに気づかれた様子は無かったから作戦はうまくいっていると思っていたんだがなぁ・・


「作戦?ああ、今の作戦だったのかい?」


 うぜええええ!!!!なんだろうこの、嘲笑された感がものすごくイラッとくる!!


「なぜわかったか、と言われればだね・・・キミたちが何か不自然だったことかな?最初は緊張か何かかと思ったんだけど、どうもそうじゃないような気がしてね。何かを警戒しているような、そんな雰囲気を感じたんだ。特に、食事をしているときはそれが強かったかな?それで、キミたちはわたしが毒を仕込んだことを知っている、そしてその毒が効いていないという可能性を考えたのさ」


 ・・・。コイツは名探偵的なやつか何かか?察しがよすぎだろ!!というかそういうのって、本来俺たち側の役目じゃないの!?何で悪役側がかっこよく作戦見破ってるの!?そして俺たちの演技力のなさに泣けてくるよ!!


「・・・マスターの大根役者」


「おいちょっと待て誰が大根役者だ!!いや、大根役者は認めるがそれを言うならお前もだろ!!」


「なっ!私にまで責任を押し付ける気ですか!?」


「いやいやいや、これは絶対俺だけのせいじゃないって!!」


「いいえ!私は違います!」


「・・・もう、宿主たち二人とも残念演技賞でよくないか?」


 くそう。次に機会があれば、今度こそ素晴らしい演技をみせてやるっ!!・・・演技力ってどうやって身につければいいんだろう?


「まあ、これだけではキミたちがどくのことを知っているとは言い切れなかったんだけど、今さっきでしっかりと確信を持てたよ」


「今さっき・・・。俺たちが何事も無く立ち上がったからか」


「うーん、まあそれもあるんだけど・・・。ねえ、アライ君。何でキミはわたしが毒を食事に仕込んだ・・・・・・ことを知っていたんだい?」


「え!?それってどういう・・・」


「キミ、さっき言っていたじゃないか。『なぜ、わざわざ食事に毒を入れるなんて回りくどいことを?』って。わたしは、先ほどの会話で一度も食事に・・・毒を入れたということは言っていないはずだ。でも、キミは食事に毒が入っていたことを知っていた。そしてそれなのに普通に食事を取っていたということは、毒への何らかの対策があった・・・ということだろう?」


 ・・・・・やらかしたあああぁぁ!!!うおおお、とんでもない口の滑らせ方をしてしまったぞ俺!?というか、まじでこの領主名探偵なんだけど!!絶対そっち側がやる役じゃないって!!


「はぁ・・・。宿主はまったく・・・」


「マスター・・・。ホントに三下の敵役みたいなことをしますね」


 はい、返す言葉もございません・・・。し、しかし今はこんなところで心が折れている場合ではないっ!!


「そうだよ。俺たちに毒は効いていない。だけど、それを見破ったところで今のお前の状況は変わらない。俺がお前をぶん殴って、はいお終いだ」


「ふふっ。ずいぶんと威勢がいいね。たしかにこのままだとキミにやられてしまう。だが、わたしも策が無いわけじゃない。さっき言っただろう?"予備を準備しておいて良かった"と」


 そう言ったとき、俺たちのいる食堂の扉が開いて執事と見知らぬガタイのいいおっさんが入ってきた。というか、いつの間にこの部屋からいなくなっていたんだよあの執事・・・。まったく気づかなかった。いや、熱々スープとか作戦がばれていたっていうことで、そっちを気にする間も無かったといえば無かったんだけどさ


「領主さんよ、今回はコイツらですかい?」


「ああ、そうだ。よろしく頼むよ。ああ、ちなみにこの2人は冒険者でもあるし、盗賊を倒すほどの力を持っている。一応気をつけたまえよ」


 どうやらこの領主のいう策というもののようだな。俺たちとの戦闘のときのために雇ったんだろう。 なるほど、つまりあのおっさんはまさにこういう仕事専門の人っていうことなのかな?わざわざご苦労なことだ


「ふーん、冒険者で盗賊を倒すほどのねぇ。・・・お!そっちの女、よく見りゃなかなかのもんじゃねえか!!おい領主さんよ!この仕事が終わったらこの女味見してもいいよなァ!!」


 ・・・ん?このおっさん今なんて言った?ミカヅキを味見するっていたのか?味見って言うのはこの場合、そういう意味のことだよな?


「はあ、まったく・・。別にするのはいいですが、くれぐれも壊さないでくださいよ」


「わかってるっての。それじゃあ、さっさと終わらせてヤルとするか。見たところお前らは恋人同士とかそんなんとこのようだし、その男の前でイカし続けて恥辱と屈辱を味合わせるってのもいいかもな」


 ミカヅキがこのおっさんに・・。ミカヅキがこのおっさんに・・。ミカヅキがこのおっさんに・・。だめだ、吐き気しか湧いてこない。すっごい気分が悪い。あー、この気持ち悪さどうしよう・・。ん?なんかおっさんがこっちに向かってきてる。そうだ!あのおっさんで気分を晴らそう!もともと戦う予定だったし、アイツのせいで気分も悪くなったんだ。まさに一石二鳥!!


 ミカヅキが前に出て戦おうとするのを俺は手で制する。いや、ミカヅキが戦っても余裕なんだけど、今回は俺に譲ってもらおう


「まずはテメェだ!!」


 おっさんは手に持ったダガ―をふりかざす。が、全然見えるので余裕で回避。カウンターとして、腕をつかみ肘の関節を逆に折り曲げる。腕を折られて怯んだところへ蹴りを入れて壁へと吹っ飛ばす。おっさんが壁を突き抜けてしまって外で戦うことになるのは面倒くさいのでそこそこの力で蹴った。どのくらい力を込めたらいいのかわからなかったけど、なんとか壁を壊さずに済んだよ


「グウゥゥッ!!!テメェ、よくもおれの腕を!!」


腕を折られたおっさんはまさしく鬼の形相といった風で俺を睨んでくる。その眼には殺意すら宿っているようだった。もう俺を捕らえる気ないでしょこれ。仕事放棄だよ?


立ち上がったおっさんは再び俺に向かって走ってくる。と同時にダガ―を一本こちらへと勢いよく投げてくる。こちらがダガ―を対処した直後に攻撃を仕掛けるっていう寸法かな?まあ、何にせよ無駄だ


 俺は飛んできたダガ―の刃部分を掴んで止める。【万能手袋】をつけているので、俺も、もちろん手袋もダメージは無い。だが、まさか刃を直接掴むとは思っていなかったのか、おっさんが驚いた表情をする。しかしすぐに気持ちを戻したようで俺に拳を放ってくる。それをよけた直後に連続攻撃として回し蹴りを繰り出してきた


その回し蹴りを今度はよけず、俺は繰り出された脚を受け止めて離さぬようにしっかりと掴む。そしてさっき掴んだダガ―の刃をおっさんの大腿部分に突き刺す。そのまま力任せに脚の筋肉の繊維を断つように思い切り横に切り裂く。ダガ―そのものは短剣なので、脚そのものを切り落とすことはできなかったが、結構な深手を負わせることはできた


 思わず膝をつくおっさん。だが、まだ戦う気はあるようだ。こちらとしてもまだ終わってはいない。念には念をみたいな感覚で、やるなら徹底的にやってしまおうと思う


 さて、じゃあ次はこちらから攻める番かなッ!!俺は膝をついていたおっさんを再びぶっ飛ばし、全身を地面へとつけさせる。そして動かぬように押さえつける


「なあ、おっさん。お前さっきうちのミカヅキのことを味見するとか何とか言ってたな?どうやらお前は、そうやって味見をすることが好きなようだが・・・、"喰う"ってことに関しては俺だって結構得意なんだぜ?」


俺は【影】を使っておっさんの傷ついていない方の腕と脚を文字通り喰いちぎった・・・・。片方の手足を損傷し、もう片方の手足を喰われて無くしたおっさんは完全にこれ以上の行動が不可能な状態となった


「があああぁぁぁ!!!!!おれの脚が!!おれの腕が!!テメェよくも!!よくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもおおおお!!!」


ちょっとうるさいので顎を殴って気絶してもらうことにした。一応だが、コイツを殺すことはないと思う。別に俺だって好き好んで人を殺したいとは思わない。そういうのは時と場合と心境による。今回はそれに当てはまらなかったから殺すことはない。それに、かなりおっさんをぶん殴ったから気分も晴れたので、個人的にはもう満足なのだ


 おっといけない、ミカヅキと領主のことをすっかり忘れていた。ミカヅキはきっとすぐ近くにいるから問題はないんだけど、領主は逃げたりしていないだろうか?たとえ屋敷内にいたとしても、かなり広いから探すのが面倒なんだよなぁ。とりあえずミカヅキと話してからだな・・・


 俺は食堂の中を見渡しミカヅキを探す。案の定ミカヅキは戦闘の邪魔にならないところに待機していた


「あ、マスター。終わりましたか?こっちも終わってますよ」


そして、そこでは既に俺の疑念は解決されていたのだった



はい、ということで前半のポンコツ具合とは真反対に後半の戦闘でちょっとばかりえげつないことをする主人公でした。最近ミカヅキと、特にカゲロウがあんまりでてこない・・・


次回こそは、この編終わるかなぁ~

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