24 不思議体験は1回で十分
24話目です。え?前回の予告?知りませんね~。・・・すみません。区切りのいいところで切ったら入りませんでした。
なので、今回は少し短めです。どうか読んでいってください
予想外のことはあったものの冒険者としての初仕事を終えた俺たちは、依頼完了の報告をするために冒険者ギルドへと戻った
「次の方どうぞ」
あ、俺たちの番がきたようだ。あれ?もしかして、この受付のお姉さん・・・昨日登録した時と同じ人か?また同じ人に当たるとは・・。昨日はちょっと失敗して、恥ずかしい思いをしたからな。絶対このお姉さんは覚えていないだろうけど・・。うーん、こういう自分の恥ずかしい失敗に関してはなかなか憶えていたりするんだよな。まったく無駄な記憶力だぜ。今日は何の問題もありませんように
「えっと、依頼完了の報告と魔石の買取をお願いしたいんですけど・・・」
「わかりました。では、ここに冒険者カードと魔石を提出してください」
お姉さんの前に、俺とミカヅキの冒険者カードとスライムの魔石、ジャイアントスライムの魔石を出す
「け、結構な量の魔石ですね。えーっと、依頼内容は・・・ああ、なるほど!スライムの討伐ですか。しかも大量発生した。それならこの数も納得・・あれ?一つだけ他より大きな魔石がありますね」
「ああ、それは"ジャイアントスライム"の魔石ですね。依頼中にスライムが進化したんですよ」
「ええっ!?ジャイアントスライムといえば、一応Cクラス以上の制限がかかっている魔物なんですよ!?それをEクラスの2人でなんて、すごいですね!!あ、もしかしたら冒険者になったばかりで元から強いのかも・・。それでもすごいですね!!」
「あ、はぁ。そうなんですか。ありがとうございます」
しかし、このお姉さんよく喋るなぁ。やっぱり冒険者ギルドの受付嬢というのは元気があった方がいいのかな?というか、あのでっかいスライムってCクラスレベルのヤツだったのか。結構弱かったんだが・・・。Cクラスってそんなものなのか?あ、でもお姉さん"一応"って言っていたからそんなに強くないヤツなのかもな
「では、今回の依頼の報酬が銀貨3枚、魔石の買取で銀貨3枚。合計銀貨6枚になります」
うーん、安いなぁ。依頼に関しては報酬金額を見てから決めてはいたんだが、実際に受け取ってみるとやっぱり安いと感じるんだよなあ。魔石もこのくらいの値段しかないのか・・・。所詮はDクラス依頼でスライム討伐ってことかな・・・。そうなると、やっぱりあのゴブリンの魔石はすごいな。一体何をどうしたらこんなに金額の差が出るんだろう?魔石の質とかだったりするのかな? というか、そもそも魔石に質ってあるのかな?まあ、この件に関してはそんなに気にする必要は無いか
ギルドから屋敷へ戻ってきた俺たちはその後、いつも通りに風呂に入ったり夕食を食べたりして過ごし、今はもう部屋でだらだらとしている
「あー、暇だ。どうしよう・・。あ、そうだ!この屋敷を探検してみよう」
「唐突ですね」
「だってすることがなさ過ぎて。別によくない?探検くらい。あ、そうだ。ミカヅキ、お前も一緒に行こうぜ。どうせ暇だろ?」
「まあ、暇ですけど・・」
「よし、じゃあ早速行こうか!レッツ探検ターイム!!」
「テンションも高いですね」
それは仕方が無い。だって夜なんだもの!!
お屋敷探検を開始して10分ほど。現在何の成果も出ていない。なぜなら全部のドアが閉まっているから!開いていたのは風呂、食事部屋、中庭への扉くらいだった。今日も星がきれいでしたくらいの感想しか出てこない
「おや。アライ様、ミカヅキ様。こんな時間にいかがなされましたかな?」
探検もそろそろ飽きてきたとき、ちょうどそこの部屋から出てきた執事と鉢合わせした
「ああいえ、ちょっとすること無かったんでミカヅキと2人で適当に歩いていただけですよ。・・ところで、この部屋は何の部屋なんです?」
「ここは書庫でございます。よければ入っていかれますか?」
書庫!!ということは、いろいろな本が置いてあるということだな!もしかしたらあの本もあるかもしれない
「はい、ぜひとも!」
書庫はそこそこの広さだった。学校の図書館くらいはあるだろうか。とにかく、一個人としては相当な蔵書量である。これなら目当ての本も見つかりそうだな。ただ、自分で探すのはちょっとめんどくさそうなので、せっかくいる執事に聞いてみようじゃないか
「すいません、ここに世界の地理について書かれている本ってあります?できればなるべく新しいやつで」
そう、俺が探していたのは地理の本である。なぜか地理の本かといわれれば、まずここがどこかくらいは把握しておくべきだと思ったのだ。それに、この屋敷を出た後に、何かしらの街や都市の位置なんかは憶えていた方が変に道に迷わなくてもすむだろう
「地理の本ですか・・・。少々お待ちください」
そう言い執事は部屋の奥へと向かっていった。その数十秒後執事が本を抱えて戻ってきた。仕事早いな!さすが執事というべきか・・・
「お待たせいたしました。こちらが最新版の地理の本になります」
手渡された本をパラパラとめくって確認してみる。そして巻末までめくったとき、ある部分に目がいった
『861年 初版発行』
へえ、この本初版なんだ・・。そうじゃない!え、"861年"!?まてまてどういうことだ!?たしか島の施設にあった記録帳は1400年?1500年?細かいことはよく憶えていないが、とにかく千年代は超えていたぞ!?まさかのタイムスリップか!?異世界転移したうえに、タイムスリップとかそんな重ねがけた不思議体験はしなくていいってのに!!
「・・・あの、今日って何暦の何年ですか?」
「本日は確か、"ヘリオス暦の862年"だったかと思いますが・・・」
・・・"ヘリオス暦"ってなんぞや?俺は"セレネ暦"しか知らないぞ?
「な、なあカゲロウ。これってタイムスリップ・・・ってやつかな?」
「ワタシに聞かれても困る。まあ、宿主の考えている通りタイムスリップかもしれないし、ただ単純にあの施設が昔のものだったという可能性もある」
うーん、できれば後者であった方が俺の精神的には嬉しいんだけどな。ただ、普通何百年と経った建物があそこまで状態よく残っているとは考えられないんだよなあ。ちょっとミカヅキにも聞いてみたいんだが・・・。あ、だめだ。本を読むのに夢中で何も聞いてなさそうだ
「すみません。この本って借りていっても大丈夫ですかね?」
「ええ、問題ございませんよ」
とりあえず史書も借りて、部屋でゆっくり調べてみるとするか。
はい、というわけで主人公の思っていた年代と全く違っていたという話でした。
自分はよく、今日が何曜日かわからなくなります。ボケ始めですかね?まだ若いはずなんですが・・・
次回、史書を読んでいきます(次こそは、ちゃんと予告通りに・・・!!)




