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20/102

19 予定変更

19話目です。今年のゴールデンウィークは最大で10日の連休になるようですね。平日の始まりと終わりが休みじゃないってなんか残念な気持ちになりますよね

 え?奴隷として売るって俺たちのことを言っているのか!?どういうことだよ・・・。この奴隷が俺たちを指すのかそうでないのかはともかく、とりあえず続きを見てみよう


『はい、順調に進んでおります。』


『そうか、ならいい。そういえば、今回はいつもの毒を使わなかったのか?』


『いえ、いつも通り飲み物に含ませて部屋に案内した際に渡しました。しかし、アライ様には効果が表れた様子はありませんでした。ミカヅキ様は、アライ様が部屋の中であわてたような雰囲気がありましたので効果が表れたはずなのですが、部屋から出てきた際には普段通りの様子になっておりました。あの毒は、強力な幻覚と麻痺を引き起こす物なので、特効薬でも使わぬ限り元に戻るということはないはずなのですが・・・』


 うん、"あの二人"は俺たちのことだったよ。なんかやばいところに来ちゃったよ。それにしても食事の前のとき、部屋でミカヅキがおかしくなっていたのは毒のせいだったのか。う~ん、ミカヅキがおかしくなった理由は分かったけど、何で俺には効果がなかったんだろう?というか、そもそも俺たちは"状態異常無効"スキルを持っているはずなんだが・・・


「カゲロウ、ミカヅキだけに毒の効果が現れた理由ってわかるか?」 


「それはたぶん、心身の状態によるものだろう」


「心身の状態?」


「ああ。確かに宿主とお嬢ちゃんは【状態異常無効】のスキルを持っている。だが、このスキルの"無効化"はすぐに効くというわけでがないということさ」


「・・無効化までの時間に、その心身の状態が関係しているということか?」


「そうだ。毒を飲んだ時のお嬢ちゃんは、"ここに来るまでの疲労"と"町についたという心の大きな油断"があった。それが無効化が即時に発動しなかったことの原因の一部となったのだ。ちなみに、あの時宿主はお嬢ちゃんを無理やり起こしたが、あと数分もすればお嬢ちゃんにはちゃんと無効スキルが発動して元の状態に戻っていたはずだぞ」


 無効化にそんな穴があったとは・・。つまり"状態異常無効"即時に発動させるには、体がちゃんと休まっていることと、油断をしないように緊張感をもって・・。いや、緊張感を持ちすぎると逆に疲弊してしまうか。なら穏やかな心をもって・・。それだと油断につながるな。ならピシッとして・・。これもまた緊張しすぎかな。なら、ふわ~っとした感じで・・。いやそれもまた


「うおおおお!!??一体どうすればいいんだああ!!」


「落ち着け宿主!心身の状態が無効化に関係するとは言ったが、それはあくまでも一部にすぎない。というか、普段ならそこまで大きく影響はでないものなのだ。あの時のお嬢ちゃんは心身の疲労で無効化がうまく発動しないところに、強力な毒の入った飲み物をもよおす程飲みまくったのが一番の原因となったのだ」


 そ、そうか。心配しなくていいんだな。危うく思考のループから抜け出せなくなるところだったぜ。あと、飲み物を飲むときは飲みすぎに注意しておかないとな。いや、危険な毒物に飲みすぎもなにもないんだけどな。っと、映像はまだ途中だったな。もうこの時点でここは危険だとは分かったが、一応見ておこう


『二人に毒の効果が出なかったのは少し気になるが・・。きっと飲み物に口をつけなかったとかだろう。それよりも、もちろん次の策は実行したのだな?』


『はい。食事の際にお二方の料理に先程とは違う毒を混ぜさせていただきました。この毒は少しずつ効いていくものなので、およそ4日後には体が麻痺をおこし、動けなくなるかと思われます』


 うそっ!?あの料理にも毒を入れられていたのかよ!?まずいな。早くこの家から立ち去らないと!


『そうかそうか。ならいい。それにしても食事のときは面白いものが見れた。あの程度の料理、しかも毒が入ったものをうまいうまいとがっつくように食べる姿はなんとも滑稽なものだった。あの二人はよほどの貧民だったと見える』


 このヤロウ!!優しそうな外面しやがって、中身は最悪だな!この世界で初めて会った人間がこんなやつだとは、ついていない。さっさここから出るとしよう


『特にミカヅキという名の女。あの料理を食べて涙を流したのだぞ?あれを見たときは笑いをこらえるのに必死だったよ。今思い出しただけでも・・。クククッ』


 ・・・コイツ今何て言った?ミカヅキが泣いたのが笑えると言ったのか?初めて食べた料理に感動したミカヅキを?涙を流しながら俺に"ありがとう"と言ったミカヅキを?俺は心に怒りをおぼえた。コイツらは涙を流したミカヅキを笑いやがった。俺に対してはまだよかったが、これに関しては許すわけにはいかない


「・・カゲロウ、今の話に出てきた毒っていうのは効いてないんだよな?」


「ああ、もちろん。ちなみにお嬢ちゃんも毒はきちんと無効化されているぞ。それにしても、どうした宿主?逃げるのではなかったのか?」


 ここから逃げることはやめた。こいつらは俺を、ミカヅキを馬鹿にしやがった。一つ、痛い目を見てもらおうじゃないか





 その後一度落ち着くために二度寝をし、体感的に数分後にミカヅキに起こされた。そして、調査によって分かったことを伝え、この家に痛い目を見てもらうことに決めたことを話した。痛い目を見てもらうことになった理由として"ミカヅキが馬鹿にされたから"というのは話さなかった。いやだって、


 『お前の涙が馬鹿にされたのが嫌だったんだ』


とか、そんなの恥ずかしすぎて言えるわけがない。こういうのはもっと違う人の仕事だと思うんだよね。とりあえず、何とかそれっぽい言い訳を言って納得してもらった


「わかりました。では、4日後に作戦は決行ということですね」


「そういうことだ。それまでは、何も知らないふりをしてここで過ごしていく」


 ――――――コンコン


 そんな話をしていると、部屋の扉をたたく音が聞こえた。うおっ!こうやって秘密の話をしているときにいきなり扉をノックするとか、ビックリして心臓止まるかと思っちゃうよね


「アライ様、ミカヅキ様。朝食の準備ができました」


 執事の声だった。あ、敬称をつけるのはやめたよ。自分たちを売ろうとするやつらに「さん」付けとかするわけないじゃん。ただ、そういう雰囲気を表に出してしまうといけないので、昨日と変わらないような様子で接しなければならない


「わかりました。今行きます」




 執事に案内されたのは昨日食事をしたところと同じ部屋だった


「やあ、アライ君。きょうもいい日だね」


 席にはすでにあのクソヤロウが座っていた。感情が表情に出てしまいそうになるのを抑え、挨拶を返す


「おはようございますクソ―――。ん゛ん゛っ。きょうもいい天気ですね」


 あっぶねー。クソヤロウって言いかけた。ギリギリばれていないみたいだな。気を付けないと、予定が台無しになってしまう


「それじゃあ、朝食にしようか」


 朝食に出されたのは、スープ、パン、サラダ、肉料理だった。昨日の料理と比べれば簡単なものだが、朝食なのでこれくらいがちょうどいいのだろう。俺も朝からガッツリはいけないしな。目の前に並べられた料理はおいしそうな見た目をしている。そう、この料理見た目・・・はおいしそうなんだがなぁ。とりあえず鑑定


-----------------------------------------------


スープ(毒) パン(毒) サラダ(毒) 肉料理(毒)


-----------------------------------------------


 うん、だと思った。やっぱり毒が入っていたよ。ちなみに、あのクソヤロウの料理もみてみたんだけど、毒入りはなかったよ。そりゃそうなんだろうけどね。まぁ別に、俺たちには毒は効かないから食べているのは同じようなものなんだけどさ。やっぱりこう自分たちの料理に毒が入っているというのは、ちょっと殺意がわいても仕方がないよね。もちろんそんな表情は出さずに食べるけどね


「アライ君。今日はどこかへ行くのかい?」


「そうですね・・。冒険者ギルドに行って身分証の発行をしてもらおうかと思っています」


「そうかい。ならついでにこの街を見てみるといいよ」


「そうですね。せっかくなので見てきます」


 



 そんなかんじで朝食を済ませた俺たちは、部屋で準備をした後、町を散策しに出かけた。屋敷に向かうときにも馬車から見ていたが、やはりこうして歩きながら見てみるほうがじっくり見ることができていいな。中世ヨーロッパみたいな街並みに、人や馬車が通り、店なんかも出ている。異世界ファンタジーまんまの景観だ


「おお~。きれいな街並みですね~。あと、みなさん身長が高いですね」


 そうなのだ。見る人見る人、みんなでかい。190センチとかありそうな人を結構見かける。170センチに届かなかった俺からだと見上げるほどの高さである。・・・。別に悲しくなんてなっていない。それにほら、小さいほうが小回りききやすいだろうし?相手の懐にも入りやすそうだろうし?


 そんなこんなしながら歩いていると、目の前に建物が見えてきた。武器を持った人たちが向かっていく。あそこが冒険者ギルドだな。よし、行ってみますか



はい、前回がんばって食レポした料理には毒が入っていました。空腹は最大のスパイスっていうのは恐ろしいものですね。え?それとこれは違う?


次回、冒険者ギルドの中に入っていきます

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