別話1 仕返しをしましょう
今回は主人公たちの話ではありません。サイドストーリーみたいなかんじです。
いやぁ、全然思ったように書けなかった
気がついたらあたりは一面のお花畑だった。ここはどこ?判らない。わたしの名前は?桐山 香澄。うん、大丈夫。周りにはクラスのみんなもいる。よかった私一人じゃない。たしかさっきまで、学校の教室で授業を受けていたはずだったのに・・・
「どうも皆さんこんにちは女神様です!」
声がしたほうを見ると、そこにはなるほど。女神様と呼ぶにふさわしい姿の女の人がいた
「あの~すいません女神様?僕たちはいったいどうしてここにいるのでしょうか?」
そう言って質問したのはたしか・・・服部 輝司。クラス委員長みたいな雰囲気で印象に残っている
「はい!あなたたちはいわゆる異世界に召喚されることになりましたので、その前にここで少しばかり説明を受けてもらおうかと思います」
やっぱりこれは、ライトノベルでよくある、クラスで異世界転移というものか。わたしはそっちの方の作品をよく読んだりするから、その方面の知識は有る。異世界転移かぁ。まさか本当に体験するとは思わなかった。どんなところに転移するのかな?
「あの、よろしいでしょうか?召喚されたら元の世界での私たちの存在ってどうなるんですか?それと、私たちって帰れるのでしょうか?」
今質問したのは、えーっと奥村 栞。図書委員をやってそうな、いかにも"本好きですっ"ていう見た目をしている
「質問にお答えします。召喚後のあなたたちのもといた世界での存在と帰還の有無は、残念ながらわかりません。というのも、召喚に使われる方法には様々なものがあり、帰還できるものや、場合によってはそのまま一生召喚先で過ごすというものもあります」
なるほど、帰れるかはわからないのかあ。まあわたしは元の世界にたいして未練は無いから帰れても帰れなくても別に言いのだけれど
「そんなっ!?」
あ、奥村さんが座りこんじゃった。今から異世界に行くのだけれど、大丈夫なのかな?
「大丈夫かい?きっと、もとの世界には帰れるよ。だから、委員長がそんな顔してちゃだめだ!いつものように笑顔でいてくれ!図書委員の僕も力になるから!」
「ありがとう、ございます。私、がんばります」
さすが、服部君。というより二人とも、見た目と入っている委員会が逆なんて、ややこしくてしかたがない。あと、こんなところでイチャつくのはやめて欲しい。女神様がすごく困った顔をしている・・・
「コホン!召喚方法についてわからないのは、本当にすみません。こちらもいろいろと制約がありまして、あまり深く世界に干渉することはできないのです。やりすぎるとまた上司に・・・ハァ・・」
異世界転移は別世界にまでかかわる重大なものだと思うのだけれど、魔法の種類まで調べるのはだめなのかな?まあ、この女神様はあまり上の立場の人ではないようだし、しかたないのかもしれない。先生がものすごく首を縦に振っていたのは見なかったことにしよう
「それでは、これから召喚先の世界について簡単な説明をします。まず、その世界の名前は【テラルス】。剣と魔法のあふれる世界です。」
魔法!やっぱり異世界と言えば魔法しかない!誰しも一度は魔法使いになってみたいと思ったことはあるはずだし。わたしはどんな魔法が使えるのかな
「その世界には、魔物と呼ばれる存在がいます。魔物は人の害となる獣とされています。テラルスには大きく分けて、人族、獣人族、魔人族がいます。今回あなたたちが召喚される先は人族の国となっているはずです。おそらく、魔王討伐なんかのためによばれたのでしょう」
魔王と魔物も当然いるのか。魔物がいるということは、"冒険者ギルド"みたいなものもあるのかな?それは、召喚後に確かめるとしよう
「私からの説明はここまでね。後の詳しいことは、召喚先の人たちから聞くといいわ」
「あの、女神様。召喚先の世界で、僕たちって現地の人たちと会話することはできるのですか?」
そういえばそうだった。召喚されても言葉が通じなければどうしようもないし。でもこういう場合は大抵・・・
「それに関しては問題ありません。召喚対象のあなたたちには【異世界言語理解】のスキルがつけられています。このスキルによって、会話することは可能となります。ただ、文字までは書くことができないので、文字は覚えてください」
やっぱり便利スキルがあった。でも文字は書けないなんて・・・。そこまでできるようにして欲しかったな
「では、そろそろ召喚先に送ります。皆さんその場から動かないようにしてください。――――座標位置設定。・・確認。これより転移を開始します。・・・転移!」
その瞬間、わたしたちは光に包まれ異世界へ送られた
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「やった!やったぞ!」
「成功したぞ!」
女神様のところで光に包まれて、次に気がついたときは目の前にやたらと騒ぐ人たちがいた。皆どうしようもなく立っていることしかできない。早くそこのお姫様っぽい人とか説明してくれないかな
「あ、もうしわけありません勇者様方。ようこそ【アストリア王国】へ。私はアストリア王国王女、エルミ・アストリアと申します。突然のことで困惑していると思われますが、わが父、カーロ・アストリア国王より説明がございます。どうぞこちらへ」
やっぱりお姫様で当たっていたみたい。うんうん、テンプレ通り美人な人だ。クラスの男子のニヤケ顔がすごい。さて、王様のところに行くみたいだけれど、どんな説明が待っているのか・・・
玉座のある部屋へとやってきたんだけど・・・すっごい広い!これ掃除とか大変だろうなあ。ん?あのすっごい豪華な椅子に座っているのが王様かな?なんか偉そうだし肥えてる。王様だから偉いのは当然か。わたし絶対にあんな人と友達になれないな。なろうとも思わないけど
「よく来てくださった勇者様方!私はアストリア王国国王、カーロ・アストリアと申す」
「お初にお目にかかります、国王様。僕は服部 輝司と申します。ハットリがファミリーネームになります。僕のことはコウジとお呼びください」
でた、なんちゃって委員長。こちらもテンプレ通りの先生を差し置いての国王に向かっての堂々とした立ち振る舞い。私じゃ絶対無理。というかアナタ、クラス委員長でもないただの図書委員だよね?
「ふむ、コウジ殿か。よろしく頼む。それで今回そなたたちを召喚した理由なのだが、近年魔人族を率いる魔王の動きが活発になってきていてな。人間の国や、獣人の国を支配しようとしているようなのだ。我々人族は3種族の中で一番能力的に劣っている。そこで異世界から強力な力を持った人たちを旧時代より伝わる召喚魔法でよび出し、魔王を討伐してもらおうということになったのだ」
なるほど、大体予想していたのと同じね
「あの、王様、私たちは元の世界に帰れるんですか?」
あ、やっとなんちゃって図書委員改めクラス委員長の奥村さんが喋った。アナタのポジション図書委員に取られていますよ、大丈夫ですか?
「そのことなんだがな。実は私たちには召喚方法はわかるのだが、帰還させる方法はわからないのだ。だが、帰還の方法は魔王の城にあるとされている」
うわー、嘘くさい。これは帰れないと思った方がいいかも
「そうですか・・・。わかりました。では、家に帰るためにも、魔王を討伐しに行きます!」
え!?あの言葉を信じちゃったの!?ええ~・・・。しかも勝手に魔王討伐を決めちゃったし。そんなところでいきなりクラスの代表みたいなことしなくても・・・。みんな不満とか無いのかな?あ、睨んでいる人いるよ。そうだよね、勝手に決められたら不満もでるよね
「そうか、助かる。では勇者のみなには、このカードを配る。このカードは自身の身分証明の証ともなり、そして血を一滴垂らすことにより自分の持っている【能力スキル】の確認もできるという優れものなのだ」
きましたスキル!わたしにはどんなチート能力が!?
「勇者様方の人数は・・・38人でよろしいでしょうか?」
同じ玉座の部屋にいた国王の側近の騎士っぽ人が聞いてきた。ステータスカードも貴重品だろうからね。きちんと数は把握しておきたいのでしょう。ん、38人?うちのクラスってもうちょっといたような気がするんだけど・・・
「あれ?先生、今日って先生を含めて38人でしたっけ?」
「いや・・・。今日は一人休みと連絡を受けていたから、先生を合わせて39人になるはずだぞ!?」
一人いなくなっているのか。召喚に巻き込まれなかったとかかな?
「先生!真と新がいません!」
「新井と樋口か。たしか休みなのは樋口だ。となると、今ここにいない新井は・・・召喚に巻き込まれなかったということになるのか」
あともう一つ、召喚されたけどわたしたちとは違う場所に飛ばされたという可能性がある。ラノベなんかだと、そういう場合たいてい周囲が異常な環境で、死にかけながらも最強になる主人公的なかんじになるけど・・・どうだろう?
「勇者様方、大丈夫でしょうか?大丈夫であれば、カードの配布を行おうと思うのですが・・」
「ええ、大丈夫です。よろしくお願いします」
そして、わたしたちは同じく騎士であろう人たちから、小さめの長方形のカードと針を渡された。針で刺すのかぁ。ちょっと恐いな
「全員に渡りましたかな?カードに血を一滴垂らしていただきますと、表面にご自身の能力スキルが表示されるはずです」
騎士の人から説明を受ける。・・・よし、血をカードに垂らした。すると、カードに文字が浮かび上がる
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【名前】 キリヤマ カスミ
【能力】 全反転リバース
異世界言語理解
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すごい!これがわたしの能力!
「能力スキルは人によってそれぞれです。スキルによっては誰でも手に入れることができるものや、個人だけの特殊なものもあります。勇者様方は基本的に特殊スキルを持っているのだとか・・・」
なるほど、じゃあわたしのこのスキルも特殊なものということになるのか
「ちなみにですがスキルには優劣があります。それによって効果や威力などが違ってはくるのですが・・・、スキルは鍛えることができますので、それによってもまた強さは変わってきます」
なるほど。スキルにはゲームでいうレアリティの差がある。でもレベル上げをすればレア度が低くても高レアにも勝てる・・・という解釈でいいのかな?
「騎士さん。質問よろしいですか?」
「コウジ殿、どうされました?」
「魔王は・・・どれくらいの強さなんですか?」
「正直、魔王の強さについてはわかっていません。しかし、勇者様方全員と強力な力を持つ冒険者などでかかれば魔王の討伐も容易いことでしょう」
おお!やっぱりいるのね冒険者!!冒険者登録なんてものもしてみたいなあ
「それでは勇者殿たちよ、そろそろお疲れであろう。今から専用の個室に案内させていただく」
そしてわたしたちはメイドさんの案内でそれぞれの部屋へと向かった。すごい!本物のメイドさん初めて見た!
さて、部屋へと入ったわけだけど・・・。すっごく広い。高級ホテルより広いんじゃないかな?まあ、高級ホテルには行ったこと無いんだけれど・・・。逆に緊張して落ち着かないなぁ。そうだ、わたしのこのスキル、【全反転】って何なのかな?気分が悪くなって"リバース"・・・とかじゃないよね!?そうだったらすごく嫌なんだけど。反転・・・向きとか効果とかが反転するって意味かな?ちょっとやってみよう。ベッドにあった枕を上に投げて、落ちてきたところに・・・
「【全反転】!!」
―――――ボウフッ!
す、すごい!落ちてきた枕がわたしに当たった瞬間に勝手に跳ね上がった!これ、うまく使えば敵からの攻撃をカウンターみたいに跳ね返せるんじゃないかな!?これ、自分自身に使ってみたらどうなるのかな?頭が良くなったり、病気が治ったり・・・とか?いや別に頭が悪いとか病気を患っているわけじゃないんだけどね。いたって健康体ですよ、わたし
「【全反転】!」
『【全反転】により【隷属魔法】の効果が反転。魔法の効果が"王への隷属"から"王からの自立"に反転しました』
・・・・・え、うそ?わたし、いつの間に隷属魔法なんてかけられていたの!?ああもう油断していた。物語の異世界転移にはこういうタイプの話もあったのに。異世界に来て浮かれていたみたい。たぶん、転移と同時に発動するタイプの魔法なのかな。でも、わたしはもう隷属はされていない。ここから逃げ出すこともできるけど、どうしよう・・・。いや、わたしの隷属が解除されたのはバレていないはず。なら、やるしかない
わたしたちを隷属なんてしようとしたこの国に、仕返しをしよう
はい、ちゃんと召喚された人たち側の話でした。この話の最後、かなり無理やりなかんじになってしまいました。ごめんなさい。あれ以上思いつきませんでした・・
さて、主人公の名前はどっちでしょうか。あ、名前と苗字の順が同じだとはだれも言ってませんよ?(ちなみに、名前はちゃんと決まっています)
次回、主人公たちの話に戻ります




