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10 流れ落ちるものは・・・

10話目です。何とか今日中に投稿できました。

主人公が目覚めます。今回は”影”のセリフが多くなってますね。主人公のセリフがなくならないようにしないと・・・

 うう・・・もう朝か相変わらず朝日が眩しいな・・・


「んん・・。ううう・・・」


 そんな声が聞こえて隣を見ると・・・・そこにはミカヅキが寝ていた・・・


「うおぉ!?何でミカヅキ!!??」


 なぜ!?なんで!?これはもしかしてそういうことか!?俺の記憶がない間にそういうことがあっちゃったのか!?


 俺がそんなことを考え、一人で騒いでいると、さすがにうるさかったのかミカヅキが起きた


「ううん・・・。何ですか騒がしいですね・・・・。ま、マスター!!!目覚めたんですか!!マスター見えますか!!??私のことが見えますか!?」


 起きたばかりなのに元気だなぁ。とりあえず落ち着こうかミカヅキさん。今はあなたの方がうるさいですよ~


それにしても"私のことが見えますか"なんて何を変なことを言っているんだろう?普通に見える・・・・・に決まっているだろう。死んで幽霊になったわけでもないだろうし・・・うん?死んで・・・?


「そうだ!お前、あの魔物にやられた傷は大丈夫なのか!?」


「・・・自分のことより私のことがですか・・・。やっぱりマスターは優しいですね」


「自分のこと!?」


「私は大丈夫ですよ。再生能力がありますし、何よりも・・・マスターが身を呈して私のことを守ってくれたじゃないですか。私よりマスターの方が重症だったんですよ?」


「あ・・・・」


 だんだんと思い出してきた。そうだ俺はミカヅキを庇って腹を刺されて、その後に眼球をやられて・・・・・。まて、おかしい。俺は眼球を壊されて視力を失ったはずだ。それがなんで見えているんだ・・・?


「マスター死ぬところだったんですよ?私はなにもできなくて・・・。このまま、マスターが目覚めないんじゃないかって・・。私怖くて・・怖くて・・・」


 そのとき、ベッドのシーツに水滴が落ちた


「!!ミカヅキお前、泣いて・・!」


 ミカヅキは泣いたのだ。初めて”泣く”という表情をみせたのだ。他ならぬ俺のことを心配して・・・。なんだろう、うれしい気持ちがあるな


「え?私、泣いているんですか?・・これが・・”涙”なんですね・・・。それにしても、私怖かったんですよ?このままマスターが目覚めなかったら、誰に毒持ちの動植物を薦めればいいのかわからなかくて」


 ・・・前言撤回。うれしくともなんともないです。魔物の攻撃で死にかけたと思ったら、次は近くの人に毒殺されそうです


「・・・。それにしても、なんで俺の視力は戻っているんだ?たしか、腹もぶっ刺されていたはずなんだが、そこも治っているし・・」


「ああ、それはですね―――――」


「ワタシが治したんだよ」


「!?だ、誰だ!」


「はは、お前さんたち同じ反応をするんだね」


 そんな声とともに、俺から黒い、なんかこう、もやもやしたものがあふれだし、目の前に形の不安定なスライムみたいな形の黒いやつが現れた


「誰なんだお前は・・・?」


 俺は警戒しながら聞く


「そんな警戒しなさんな宿主・・よ。ワタシは”影”さ。そう、宿主に天界でとり憑いて、逆に支配されちまったあの影だよ」


 ”影”といったそいつは、そう軽く話しかけてくる


「・・・なぁおい”影”、今まで出てこなかったお前が、どうして今になって出てきやがったんだ?」


「それは、宿主にかなり強めに支配されていたからさ。天界からこの世界に来たときワタシの支配率は確か95%だったか。それだとワタシは意識はあるが宿主とは干渉ができない。それがあの魔物、アシュラだったか・・に殺されかけて瀕死の重傷を負い、宿主のワタシの支配率が下がったのさ。だいたい50%くらいだったかな?それでワタシは宿主の傷を治し、こうして話をしているというわけさ」


「なるほど、お前が俺の傷を治してくれたのはわかった。ありがとう。だが何故俺を治した?そのまま逃げればよかったんじゃないのか?」


「いやぁ、礼を言われるってのはなかなか気持ちのいいものだね。それで宿主を治した理由か。それは簡単なことさ。宿主が死ぬと、ワタシも死ぬからさ。ワタシは今宿主に支配されている。というより、一体化してるのに近いかんじだ。それは支配率が50%に下がったとしても変わらない。だから、宿主を治す治さないは、ワタシの生きるか死ぬかに直結するというわけさ。それに宿主は見ているとおもしろい。退屈しないね」


「なるほどね・・・」


 この”影”が俺を助けた理由はわかった。だがコイツ、俺のことおもしろいって言ったよな!?こっちは必死に生きているってのに、コイツ見ていておもしろいって言ったよな!?


「この”影”さんはマスターの命を救ってくれました。対して私は何もできなかった。そればかりか、マスターに重症を負わせてしまいました。もうマスターにそんな目にはあわせません。マスターの隣にずっといて、マスターを危険から守ってみせます」


「ミカヅキ・・ありがとう」


「はい!そういうわけで、私はマスターの嫁になります!」


「・ ・ ・ はい?ミ、ミカヅキ?お前今なんて言った?」


「?マスターに重症を負わせてしまいました・・・」


「違う!その後だ!」


「えーっと、マスターを危険から守ってみせます・・・」


「違うよ!”嫁になる”って言ったのかって聞いたんだよ!」


「なんですか。聞こえているんならわざわざ聞き返さないでくださいよ」


「聞き返さないといけない内容だったから聞き返してんだよ!!え!?なに!?俺の嫁になるってどういうこと!?」


「どういうことと聞かれましても・・・私はマスターを守るために、ずっとマスターのそばにいると決めました。つまりこれは、マスターの嫁になると同じ意味ですよね?」


「うん、違うと思うよ?はぁ、もういいや。その件はあとでにするとして、一つ疑問がある。”影”、お前が俺の傷を治してくれたのはわかった。だが、俺の目はなぜ見えるようになった?破壊された眼球でも治すことはできるのか?」


「いいや、今のワタシの力じゃあ無理だね」


「じゃあ、なんで?」


「移植したのさ。特別製の【魔眼】呼ばれる眼をね」


「移植した?【魔眼】?」


「マスター、それは私から説明します。マスターに移植した【魔眼】と呼ばれるそれは、かつてここの研究者たちが開発したもので、”最高の傑作品であり、最悪の失敗作”などといわれ、この施設に保管されていたのです。強力な能力を持つ代わりに、入ってくる情報量がとてつもなく多く、普通は脳が処理しきれず爆発して死ぬというものです」


「え!?なにそれ怖いんだけど!?そんな危ないもの入れちゃったの!?でも、なんで俺は平気なんだ?」


「それはワタシのおかげさ」


「お前の?」


「ああ。ワタシは天界で生まれたんだ。神なんかにはちょいと劣るが、この世界では十分なほどには力を持っているのさ。まあ、今は支配されているから全力はだせないんだがね。それでもそのくらいの処理はこなせる」


「そうか、なるほど。魔眼が失敗作といわれる理由はわかった。じゃあ逆に、傑作品とよばれる理由ってのはなんなんだ?」


「はい。魔眼には”視ること”に関しての様々な能力が備わっています。【鑑定】、【遠視】、【暗視】、【透視】、【未来視】などなどがあります」


「結構いろいろとあるなぁ。だが今聞いたほとんどは俺は見えていないぞ?」


「それは宿主、ワタシがその魔眼に制限をかけているんだよ」


「どういうことだ?」


「その魔眼は本当に情報量が多い。常に全開で使用し続けてみろ。ワタシが処理できないことはないが、宿主にだってかなりの負荷がかかる。それはさすがにまずい。だから、必要な時以外はワタシが制限をかけて宿主にかかる負荷を通常の眼球と同じくらいにするんだ」


「そういうことか。例えばだが、今の俺が全力で使用するとしたら何分くらいいける?」


「そうだな・・・。2分、無理をして3分てところだな」


「・・・そうか」


「マスター何故そんなことを・・・?まさか、またアシュラと戦うつもりですか!?」


「ああ。もちろんだ」


「何故です!?何故またそんな危険なことを!?」


「何故って、そりゃあ・・・。やられたからやりかえすってだけだ。このままやられっぱなしが嫌っていうのもあるけど、ここにいる以上またアイツが来るかもしれないだろ?なら、危険は排除するべきだ」


「でもっ・・・いえ、わかりました。私もマスターを守ると決めたんです。嫁としてマスターとともに私も戦います」


 ・・・嫁の件忘れていなかったか


「よし、これで戦うことは決定したな。だが、いくら俺の目が強力な能力を持っているとしてもアイツとは全体的な力に差があるからなぁ」


 どうしたものかな・・・


「宿主、あのアシュラとかいう魔物は【身体能力強化】のスキルを使えば勝てるぞ?」


 は?アシュラに勝てる?


「おい”影”、何を言ってんだ?そんなあっさりと勝てるような風に言いやがって。大体俺は、【身体能力強化】なんてスキルは持ってないぞ?」


「何を言ってるんだはこっちのほうだぞ宿主。宿主は確かに【身体能力強化】を・・・。ああ、すまない宿主!【身体能力強化】のスキルはワタシが食ってから宿主に渡すのを忘れていた」


 食った?渡す?どういうことだ?


「つまりな宿主。ワタシが【身体能力強化】のスキルを持ってるから、それを宿主に渡すといっているのだ。あ、ちなみに今まで宿主が食べた魔物のうちのいくつかの能力スキルもワタシが持っていたりするから、宿主が使えるスキルは渡すぞ?」


 今まで俺が食べた魔物の能力スキルを持ってるって・・・。なんじゃそりゃあああああ!!??



はい、ということで、目覚めとヒロインの唐突な告白でした。主人公は鈍感でも難聴でもありません。ただただ、チキンなだけなんです。許してやってください。けれど、今後デレることがあるかもしれません。その時を、どうぞお楽しみに

次回、主人公のパワーアップ回パート2です

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