01 転移前のピンチ1
初めての投稿となります。あたたかい目で読んでいただければ幸いです。
俺は今、一面お花畑な風景の中にいる。確かさっきまで授業を受けていて、俺はかなり強力な睡魔との激戦を繰り広げていたはずだったが・・・
お、前方にクラスの人たちと強力な睡魔を解き放ってきた先生を発見
それで、何でこんなお花畑にいるかだったが、たぶん原因は、俺たちの目の前にいるいかにも
「どうも皆さんこんにちは女神様です!」
女神ってかんじの・・・な!?先に言われた!?しかも自分で"様"ってつけてたよね
「あの~すいません女神様?僕たちはいったいどうしてここにいるのでしょうか?」
俺が女神に対して変な思考をめぐらせていると、何か委員長やってそうだな~という爽やかな雰囲気のヤツが女神様に聞いた。みんな戸惑ってるのに冷静だな。さすが委員長、名前なんだっけ?たしか忍者っぽい名前だった気がするんだが・・・うん、出てこない。なにせクラス替えからまだ数ヶ月、親しい友人は全員別クラスだ。知ってる名前なんてほとんどない。一応言っておくが、友達いないわけじゃないからな!
「はい!あなたたちはいわゆる異世界に召喚されることになりましたので、その前にここで少しばかり説明を受けてもらおうかと思います」
みんなすごくざわざわしだした。それはもう朝礼でいきなり校長がラップを歌い出した時並にざわざわしだした。それと異世界と聞いてガッツポーズしているやつがいる。あとで友達になろう
しかし、召喚前に説明を受けれるのは嬉しいことだな。いきなり召喚されたんじゃパニックになる。いや、今現在もみんな混乱してはいるんだけどな。あれ?そういえば何か大切なことを忘れているような気がする・・・
「あの、よろしいでしょうか?召喚されたら元の世界での私たちの存在ってどうなるんですか?それと、私たちって帰れるのでしょうか?」
と、ものすごく心配そうな表情で聞いたのは三つ編み眼鏡のいかにも図書委員なかんじの女子生徒。
名前も見た目通りなかんじだった気がする。まあ、何だったかは出てこないんだが
あ!大切なこと思い出した。レンタルしたDVDの返却日って明日じゃなかっただろうか!?まずい、延滞料金がとんでもないことに・・・
「質問にお答えします。召喚後のあなたたちのもといた世界での存在と帰還の有無は、残念ながらわかりません。というのも、召喚に使われる方法には様々なものがあり、帰還できるものや、場合によってはそのまま一生召喚先で過ごすというものもあります」
「そんなっ!?」
おっと、三つ編み図書委員さんが絶望した表情で座り込んでしまった。そこへ駆けつけるのは・・・。来ました委員長です!
「大丈夫かい?きっと、もとの世界には帰れるよ。だから、委員長がそんな顔してちゃだめだ!いつものように笑顔でいてくれ!図書委員の僕も力になるから!」
「ありがとう、ございます。私、がんばります」
おぉ!泣きそうな三つ編みさんに優しくフォロー。さすが委員ちょ・・・え?図書委員?そっちの三つ編みさんが委員長?人は見かけによらないということか・・・。なんとなくガックリした気分だな。まぁ、そんなことよりもそんなに見つめあって、あま~い雰囲気になるのはやめてほしい。イラッとしちゃうぜ?おや、俺と同じようなことを思ってそうな人がちらほらと。・・・あらヤダ、女神様までそんな表情。あとでこの人たちとも友達になっておこう
「コホン!召喚方法についてわからないのは、本当にすみません。こちらもいろいろと制約がありまして、あまり深く世界に干渉することはできないのです。やりすぎるとまた上司に・・・。ハァ・・」
どうやら女神様もいろいろとたいへんそうだな。おっと?先生そんなに激しくうなずかないでください?生徒が若干ひいてますよ?
ん?なんか今目の端に黒いなにかが通ったような・・・。気のせいかな?
「それでは、これから召喚先の世界について簡単な説明をします。まず、その世界の名前は"テラルス"剣と魔法のあふれる世界です。」
ほうほう、剣と魔法のある世界か。やっぱ異世界といったら魔法だよね!テンションあがるね!ほかの人たちも魔法ときいてワクワクしてるね!
「その世界には、魔物と呼ばれる存在が―――――
ガンッ!!!
――っ!?何かが俺に向かって背後から衝撃とともに襲ってきた。俺はクラスのみんなの一番後ろにいたから、背後にはなにもないはずである。
『影による侵食が開始されました。侵食率5%』
影!?侵食!?まさかさっきの黒い何かか!?それよりもなんだか、俺が喰われている感覚がする。侵食ってこのことか?てか、侵食率の進みがめちゃくちゃ速い!まずい、何となくだが、俺という存在が無くなりつつある気がする。クソッ、まだ異世界見てないのに!レンタルDVDのこともあやふやなままなのに!なによりも・・・
生まれて一度も彼女なしで終われるかってんだよ!!!!!
『抵抗を確認・・・成功しました 続けて影の支配に移ります』