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ベルリク戦記 ー 戦争の生涯 ー  作者: さっと/sat_Buttoimars
第2部:第14章『ぼくらの宇宙大元帥』

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11話「奥様小元帥の可能性」 ヤヌシュフ

 ベーア破壊戦争は何年続くか分からない。

 そろそろ終着点が見える、という論評が帝国連邦加盟前にあったが現場に入ってみると見えてこない。

 敵の総力を削るしかない。全て少ない方が良い。

 殺害より目玉抉りを実践してきた。半端に生きている人間に同情し、介護しなければならないようにして慈悲ある健常者に負担を掛ける。手足が無くてもやれば出産可能な若い女は皆殺し。戦争目標によっては首より胎に価値がある。

 収穫直前の畑に水を入れて腐らせ、無理なら焼いた。ベーアがロシエから不足分を輸入するにしても全て頼ることなど出来ない。

 電信、鉄道、橋を壊した。道が壊れれば敵軍が鈍り、物流が滞り、軍事も民生も腐る。

 家畜も皆殺しにして、食べ残し、残骸は井戸や水源へ投入した。水から腐らせれば軍も民も病む。食えなければ腹が減る。

 食糧は全て現地調達で身軽に走り抜けた。人間も食った。最初はただの妖精の復讐的な趣味じゃないかという評もあったが、使いどころが違った。

 人間には牙も爪も無い。良く脅せば群れて言うことを聞き、荷駄にも作業員にも兵士にも出来る。反芻しない豚のように我々と食べる物は重複するが、落伍者を食わせても良い。使い勝手が分かると何とも我々遊牧民に最適な家畜の一種。奴隷のような財産としての、一種の人格を認めないと良いのだ。

 この基本を守ってメイレンベル大公領をうろついた。

 開戦と同時に越境した浸透騎兵は死んで、逃げて、主力と合流してなければほぼ自分の指揮圏に集結した。遠くて言葉が届かず、何となくこちらの動きに合わせる者達も含めて。

 カラミエ通過時と違い、我々が通った後に別の仲間が通るということを前提にしないので一層残酷に出来ている。水と家畜の心配をしてやらなくて良いと思い切りが良くなる。

 ベーア破壊戦争は何年続くか分からない。戦後の問題は想像もつかない。

 非道を尽くせば敵国民の敵意を燃え上がらせて一層の抵抗を受けるという論がある。全く正しいが、ここに至って今更。既に総力戦体制を整えたベーア帝国は十割の敵意を絞り出している。十一割まで絞り出した気になったって意味はない。

 敵の精神はもうどうでもいい。ここまで来ると肉量が問題になる。

 八千万などと言われるベーアの肉残量。更に削る。

 口先だけの降伏をメイレンベル騎行では受け入れて来なかった。

 口先とは、その場の感情と状況も含める。

 こちらが一万いて、相手方百万がその場では本気で屈服してもその後に反抗されては意味が無い。百万を子供老人ばかりの――あとは股さえ開けばどうにでもなるというような意志薄弱女――十万程度に削った後ならその本気、本気であると認めよう。

 夏は既に過ぎて秋。草葉も色を変えている。年最後の開花に蜂や虻が集る。

「王様! こいつらめっちゃ穴掘り遅いでーす!」

「ジィちゃんバァちゃんばっかりだからなぁ」

 十分の一降伏に該当した住民には目玉抉りを施さず、灌漑水路の堤防を崩させて畑の水没工事を行わせている。対価は彼等の畑を潰さないこと。

 安普請の土盛り程度なら時間も掛からないのだが、流石はベーア帝国で護岸工事がご立派。

 広大なメイレンベル領の北部から西部にかけて存在する山脈がもたらす水量は相当な物であり、新旧の設備と合わせて他領の灌漑とは手間が違う。凝固土部位を工業用爆薬で吹っ飛ばしたがそこからもしぶとい。かつては暴れ川と湿地ばかりだったという古代話は正に過去のこと。

 水門爆破程度で水没する畑は楽で良い。こう、中途半端に水路から離れた位置にある畑への工作が手間。

 手間は、脅して働かせている住民に負わせて我々は休憩する。馬が枯草を良く食べている。兵は鍋で肉を煮たり、久し振りにパンを焼く。

 焼討は手間が最小限なので良いが、今は降雨直後で火が良く点かない。収穫後に穀物庫にでもまとめてあれば油でも糞でも使うところだが、男手不足で収穫が遅れていてまだ地面から多くが生えている。

 畑潰しで農民の苦労を痛感する。壊すのすら手間なんだから作る手間はどれほどか。先祖が農作物に”買って来る物””奪うに限る””奴隷の仕事はするな”と言っていたのも分かる。

「王様! 偵察が追撃部隊を確認したそうです!」

「浸透されてるくせに遅いな」

 我等の騎兵群、その最後尾に付く後方警戒員からの手紙を確認。

 南エデルト方面からまとまった重装備の敵集団、数千規模で追撃行動を取る。後続部隊を迎え入れる施設を臨時で設営しながら接近中。増援を迎え入れる用意が見られる。との内容。

 現時点でもメイレンベル大公領内の民兵とは小競り合いを繰り返している。その中でまとまった敵集団と戦うのは被害が大きい。

 まだ一季節跨いだだけ。せめて冬でも越さねばセレード民族の恥になる。極西のセレード族など驢馬に乗った農民、などと東の連中に言われるわけにはいかない。金と学では買えない民族末代までの名誉がこの戦いに掛かっている。

「現場放棄! 移動するぞ」

 工事中の住民は放っておいて離脱開始。

 目玉無しばかりの地区の中で唯一の目玉有りがどんな扱いを受けるかは知ったことではない。


■■■


 平地に広がる人工物群。集約的な農場と、何だあれ? 散水管? そして運河が伸びて、遠い南方のマウズ川下流部と接続。蒸気輸送船が走っている。

「テッオロデーン!」

 第一次西方遠征では兄上も落とせなかったメイレンベル大公国の首都テオロデンに到着。騎兵の網で柔らかく包囲中。

「王様! ファイルヴァインはここの次ですか?」

「うーん、分かんないや! エレヴィカ、何だっけ?」

「ファイルヴァインは防備が非常に硬い陸軍集結地点です。軽騎兵だけでどうにか出来る都市ではありません。ならば東から来る本軍の動きに合わせて我々が助攻戦力となるべきでしょう。

 一方こちらのテオロデン市は穀物集積拠点、ベーアの標準市場価格を定めるのはここです。ここが乱れれば良心的商人すら誤った値をつけ始めます。国がいずれは固定価格を決めることになるでしょうがそれもまた混乱必至。闇市場が拡大する切っ掛けになり、国家基盤にまた一穴を生むことになるでしょう。

 さて、テオロデンはファイルヴァインに比べてそこまで強固ではありません。ベーア統一戦争時に死体の掃き溜めになる、というような経験はしていませんので防備は一等以上劣ります。

 その防備を抜いて壁内穀物庫まで焼ければ勿論最高ですが、流石にそれは難しい。ですから各地から集まって来る隊商、列車を襲って製粉袋を汚すのが良いでしょう。湖水に流すのは面倒なので、地面に撒いて馬で踏みましょうか。雨の日がいいですね。そんな感じに、麦畑ではなく製粉袋を攻めましょう」

「そうなんだ!」

「流石奥様!」

 ”畑攻め”には確たる手応えを感じて来なかったが、これは行ける、そう感じた。

 ベルリク義兄大元帥の妹エレヴィカにも戦争の才が? つまり奥様小元帥の可能性が?


■■■


 テオロデン包囲中。我等が物資に困窮することは無く、略奪で賄って健常。

 ”製粉攻め”だが、装甲列車が護衛する車列が市内に入り、また出ていく。

 奇襲的な線路切断は一時的な効果を表すも復旧作業が素早い。運河切断はもっと駄目。作業妨害も列車、砲艦の装甲火力の前でそよ風。

 やはり軽騎兵には限界がある。鹵獲して使う大砲に砲弾も、襲撃出来る重装部隊や武器庫がその辺にないと確保も出来ない。

 周辺農村から集まって来る穀物馬車への襲撃は成功したが、ベーア帝国市場に与える影響としては微々たる量。”製粉攻め”も粉遊びの域を出なかった。我々の脅威が知れ渡れば集まって来ない。

 メイレンベル大公の私兵と民兵が守備隊として、都市周辺の新旧要塞群を固めている。軍服姿から私服腕章まで、姿は様々だが装備は割と整っていた。大貴族が中央へ出し渋って前線へ行かせなかった兵量を侮っていた。

 侮ってしまったのだ。都市と要塞と長距離砲が互いの死角を補う砲弾の領域、古代重装歩兵に例えられる構えを前に近寄れない。夜襲で行えるのも嫌がらせの範疇。

 先祖も城攻めは苦手だった。この戦争は壁外の略奪程度で終わらない。何のしがらみも無ければ故郷へ撤退していた。

 テオロデン市は更に長期戦の覚悟まで現した。市内から外国人、無気力無職者、放浪者に芸人、娼婦や立ちんぼ、住居無しの乞食、チンピラのような兵士にも労働者にもならず、火事場泥棒をたくらみ、敵に味方さえしそうな無駄飯食らいを排除、追放。

 我々は追放された者達を人間の盾用の資材として声を掛け、武力も使って狩り集める。

 帝国連邦、魔神代理領の民だと強く主張するなら武装と参戦を求める。身分確かな者でも見逃さない。ここは敵中孤立の陣、例外を認めない。またベーア人だが復讐を誓うというなら同様に参戦を求めた。その際には戦意の確認のために、追放民の中から反抗的な者への目玉抉り作業をさせた。断れば人間の盾へ回した。

 このように包囲し、人間の盾も使ってメイレンベル防衛の隙を窺ったがまるで駄目だった。テオロデンの不落伝説を更新してしまっただけだった。

 涙目のエレヴィカが自分の袖をグイグイグイングイン引っ張りまくる。

 ベーア帝国の穀物市場混乱計画は見た感じ失敗している。現代にまだ鉄道が無かったらなー。

「あなたー! 私の作戦全然ダメー! すかぽんたんなのー!」

「次がんばろうね」

「お兄様に、まあしょうがないな、って言われるー!」

「しょうがないよ」

「言ったー!」

 馬体側の背をバンバン叩かれる。魔族の身体だからか力加減に遠慮が無い。

「おい、奥様が泣いてるぞ」

「どうしよう? あれ持って来い!」

「あれ? あ! あれだ!」

 兵士達がまだ腐っていない、最近狩り集めた敵将官の首をまとめて縄で吊るした――口から喉断面に通して――竿を持って来た。ゴロンゴロンして頭蓋骨同士がゴツゴツ鳴っている。

「奥様見てください! 俺達敵将首をこんなに取ったんですよ! 敵も組織再編が楽じゃないですよねー!」

「……うん」

「これも助攻の一つですよ! 敵軍の増援を未然に防ぐ、これは決戦において撃破したも同然、勝利片翼を担ったんですよ!」

「うん」

「作戦立てた人は頼もしいなー、憧れちゃうなー」

「うっふふん」

 それから敵将首獲りの物語を兵士達がエレヴィカに語って聞かせ始めた。

 テオロデンの防衛力は我々の攻撃力を上回っていることは見た感じで分かったのだが、具体的にどの程度かを調査させていた。観察、盗聴、追放者の証言、捕虜確保からの懐柔と拷問からの聴取、諸々の情報の照らし合わせ。

 最新の報告ではざっと、後方連絡線が確保された上で戦闘兵力二十万、重砲八百門、砲弾四十万発があれば都市攻略可能と砲兵畑の者が算定。勿論、敵に増援が無い場合である。

 当方騎兵群、確実に指揮出来ているのが四万騎。明らかに不足。

 現在、包囲状態が演出出来ているのは恐怖戦略のお陰。つまり兄上が生み出した前評判によるもので、敵が冷静になれば崩れる蜃気楼のようなもの。

 敵が籠城を止めて攻撃判断を下したら成年男子のみで数十万名を捻出出来る見込み。全員が武装出来るかは疑問だが、二人に小銃一丁という具合の戦い方は出来る。

 何故テオロデンにそのような人的資源が徴兵著しい現在でもあるのかと言うと、収穫繁忙期に季節労働者達がメイレンベルに集まっているから。特に大公国交通の要衝であるこの都市には来訪したばかりの者、これから帰郷する者、人手を集めに来る者が集まる。更に我々が総力削りにメイレンベル領内を荒らして発生した避難民が集まっている。

 各隊指揮官を集めて方針を告げる。

「包囲はまだ継続。消耗は抑制、人間の盾は足を落としてでも数量を確保。撤退前提でいろ」

『了解』

 足の数だけ人間の盾は管理が難しくなるので潰す許可を出す。足が使えないと能動的な攻撃も防御も出来なくなるのが欠点。


■■■


 時間経過。敵もこちらの偵察狩りを受けながらも戦況を把握して冷静さを取り戻したらしい。悪魔大王の幻影が消えた。

 テオロデン守備隊は市と要塞群の砲射程圏内を意識しながら威力偵察部隊を展開し始めた。

 夜間、烈風剣を使って相当数殺して敵兵を脅かしてやったが段々と大胆になる。遂には移動弾幕射撃を組み合わせる威力偵察まで行うようになって中々、手出しが難しくなってくる。砲弾を大胆に撃てる備蓄がある素振り。虚実は不明。

 これは潮時。

 小競り合い、小康状態への移行が見えて来る。そろそろ軽騎兵の仕事ではない。本格攻撃を受けては騎兵群の統率が面倒。

 例の南エデルト方面から敵増援が更に接近中との報告が再度来る。先頭はファグスラ市で交戦した集団と同一とみられる。

 聴取と偵察情報を合わせると増援は突撃団という種類の編制と判明。正規砲兵と選抜民兵という安上がりな編制で、戦闘能力はファグスラ市で交戦した集団と同等と見られた。

 その敵増援は列車機動で一集団だけを突出させることはしなかった。線路の両脇に一個団以上を配置し、足の遅い民兵が落伍しないようゆっくり進むという慎重さ。また交代で列車に民兵を乗せて休憩させるという工夫もしているらしい。

 線路は壊して、罠も仕掛けてきたのだが移動速度からやはり復旧作業が早いようだ。

 こちらも本格的な工兵がいないから、かなりやっつけ工作になっている。線路は斧で打っ叩いて壊れる代物ではない。土台崩しも大がかりになるし、枕木外し程度だって簡単ではない。烈風剣でも破壊工作はした。少なくない爆薬で橋も落とした。それでは足りなかった。

 第一次後退時に敵は線路復旧手順を確立してしまったようだ。

 敵は成長する。

 我々の行動は敵から見て予測がしやすくなってきている。都市包囲して足を止めるなど特にそう。

 ファイルヴァイン側からも敵予備軍の移動が見られ、我々が逆包囲されそうになっていることも判明。偵察情報が無くてもそうなるだろうと分かる。

 あえてこのように敵に予測し易くしているのは、カラミエ、北エグセン、ヤガロの戦線で戦う味方主力への補助。最小騎兵戦力で敵主力を寄り多く後方地域に引きずり出して戦力比を傾けることにある。エレヴィカの”製粉攻め”はその、行きがけの駄賃程度。そう言うと泣くかも。

 兄上の浸透作戦記録を何度も読んだ。

 我々には竜や妖精、鷹頭獣人がいない。化学兵器も十分に存在しない。同じ事は出来ない。

 真似が出来ないなら出来ることをする。それがこの浸透からの後背地への敵戦力の陽動。

 日が昇っている内に各指揮官に方針を告げる。

「夜になったら人間の盾を要塞に突撃させろ。足を潰したのは罠に使え。最終管制は重傷者だけで、自決の爆弾は状態が良いのを選んで渡せ。突撃後に東へ全軍一斉に移動。ファイルヴァイン方面へ移動する」

『了解』


■■■


 テオロデンの包囲を解いた後、ファイルヴァイン近郊を目指して東進。

 途中、大きなゼーベ川を渡るに際して浅瀬を捜索。帝国連邦フラル会社が戦前に調べた情報を基に、キトリン男爵領から渡るのが今回は最善と判断。あの辺りは権利関係が面倒らしく、開発が遅れていて川の浚渫も河岸整理もおざなり気味。

 丘に砦が見える以外には目立つ物の無い、古めかしい家屋ぐらいしかない田舎らしい田舎に到達した。

 まず目に付いたのはロシエ帝国旗と頭が二つある犬の旗。そして道を塞ぐように、この土臭いところに似合わない男正装の、都会的美女が立っていた。先行偵察中の我がセレード騎兵に囲まれても堂に入った愛想笑いのまま。怯えの色が無い。

 美人の背には、にわか隠れんぼ、みたいなことをしている農婦と足元に子犬三頭。犬はキャンキャンと吠えているが単純な興奮程度。番犬教育はされてそうにない。

「お初にお目にかかります、ヤヌシュフ陛下。本家がベルリク=カラバザル閣下にお世話になっております。私、ハウラ・ロシュロウと申します。聖王の守護者、ロシエの手の者であり、リルツォグト家の者です」

「エレヴィカ、あれ何て言ってんの?」

「ヤーナちゃんワインをくれるところの陪臣さんですよ」

「あの美味いの!? ワインいつもありがとう!」

 ハウラの腰の脇から、えらく愛想の良い女が顔を出してニヒっと笑う。顔の皺に人間性が出るなら、永遠に幸せな子供。

「やっほー! お馬の魔族さん?」

「そんなところだよ」

「初めて見たぁ」

 また隠れる。前聖王マリシア=ヤーナ。今では西側随一の名ワイン農家。欠点は個人経営により少数生産であること。

「この周辺地域は手出し無用に願います。ワイン畑と限界集落しかありませんが、言うなれば一種の聖地です」

「それで?」

「間も無く”大分の計”が始まります。大元帥閣下もうっすらご承知の案件です。内務長官閣下ならもう腹案を練り終えた後でしょう」

「その名前を出して嘘だったら中々に事だよ」

「承知しております」

「それで、うっすらとは?」

「具体的な決め事はありませんが、示し合わせ程度は済んでいます」

「エレヴィカ、どう思う?」

「ロシュロウさん、貴女は何が出来ますか?」

「奥様、ご養子の方々のお相手はお決まりでしょうか?」

 エレヴィカが指折り、開きを繰り返して計算を始めて、終えた。

「移動しながら話しましょう。彼女に馬の用意を」

「はい奥様!」

挿絵(By みてみん)

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