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ベルリク戦記 ー 戦争の生涯 ー  作者: さっと/sat_Buttoimars
第1部:第2章『アッジャールの大侵攻』

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22話「親分ラシージ」・ベルリク

 竜の斥候を派遣して偵察した結果、二十八万のオルフ軍のほとんどが西岸要塞に集中して包囲を行っている。東岸要塞側には偵察部隊が様子見程度にいるようだ。

 こちらの兵力は十三万なので、一人で三人殺すようにすれば十分勝てる! 余裕だな。

挿絵(By みてみん)

「シルヴ、この距離でやれるか?」

「効果出るほど撃つなら、本番になったら私寝てるわよ。通常射撃の有効射程圏外からは魔術の負担は乗数なの」

「先生、とにかくキツいからダメなんですね?」

「よくできました」

 ベルトを引っ張り上げられ、ズボンがケツの割れ目にガチっと食い込む。

 ということでシルヴの弾着修正魔術による対砲兵射撃を行いたいところだが、敵は実質射程外。なので、先の戦いのように対砲兵射撃からの火力優勢下での突撃が実行不可能。

 敵戦力の集中具合も以前の二倍以上で、もしその突撃が出来たとしても成功するか不明。

 敵を射程圏内に収めるように砲兵隊を要塞より前に出したいところだが、そこまで出すと大多数の敵に野戦を挑むも同然な位置関係になる。流石に野戦で勝てる気はしないので仕掛けない。

 こうなると敵との土弄り合戦になるだろう。塹壕を掘って、坑道を掘って、その邪魔をして、爆薬で吹っ飛ばしたり、チクチクと鉄砲を撃ち合ったり。

 小手先の軽戦闘で勝つ自信はあるが、敵と主力同士をぶつけ合う決戦は流石に怪しい。

 だからこそ小手先で頑張る。

 広げに広げた地下坑道網。一番遠くまで行ける坑道ならば、敵陣後背に回れるほど掘ってある。出入り口は藪が深いところ、周りに草が茂る岩の下等の分かり辛い場所が選ばれている。

 単純に草原と言っても一面緑の絨毯ではない。隠れる場所はどこにでもある。そこへ、死んだ敵兵から奪った衣装を持たせた偵察隊を派遣し、殺害、放火、毒物混入、誘拐、偵察の任務を与える。優先事項は生還すること。

 まだ襲撃経験が無くて警戒が薄い初期には弾薬庫爆破と敵将殺害に、なんとイスハシルの寝床である宮幕への火矢による放火も成功させた。アッジャール兵に扮し、弓矢を整備するフリをしてやったら成功したそうだ。

 一番気になるイスハシルの暗殺だが、想定済みだったらしく失敗したらしい。全員顔見知りの親衛隊と指定された伝令、女以外は近づけない状態で、その皆が意識して顔を隠さないような服装をしているそうだ。

 その後は敵の警戒も厳しくなり、隠し通路も一部は発見されるなどして”影”の戦局は二転三転する。殺害、放火、毒物混入、誘拐、偵察の成果は上がり辛くなっていった。

 そういった特殊作戦以外にも、こちらの要塞に向かって塹壕を掘って進んでくる敵への対処もある。

 塹壕掘削作業中の敵の足下を、地下の坑道から爆破して妨害する。または少数の部隊を送り込んで襲撃する。これは昼夜問わず行う。

 敵兵は足下に怯え、作業に尻込みするようになって速度低下。疲れ方も尋常ではなくなるし、時間が経つに連れて発狂する者も出る。

 塹壕を守るために敵も、防御用に坑道を掘ってきた。しかし掘りも補強も稚拙で爆破処理が容易。坑道内戦闘では単純に背が低くて恐怖知らずの妖精が人間より有利。

 単純な話だが、妖精の掘った坑道は狭くて人間が侵入出来ない。またこれを利用し、人間が進める程度の広さを持ったところに罠を仕掛けると良く嵌る。

 大掛かりだが効果の高い嫌がらせを実行した。敵の塹壕、坑道まで水道を敷き、川の水を注水。水浸しになって作業は中断され、補強がちゃんとしていないと崩れることもある。

 大抵の塹壕は相互に連結されている。敵は区画毎に隔離対策を講じていなかったので、一撃で半分以上を使用不能にさせたと竜の斥候からの偵察情報が入った。後に対策はされたが、この一時の混乱は非常に大きな影響を及ぼした。

 技術的にはこちらが数段勝っているが、敵の物量がそれを凌ごうとしてくる。正面のみならず側面方向、背面方向からも敵は塹壕に坑道を掘って進んでくる。

 そして困ったことに、敵も馬鹿ではなく学習能力があった。要塞周辺に敷設してある地雷処理のための行動を開始した。

 敵を盛大に吹き飛ばすため、地面の下には大量の爆薬が仕掛けてある。あまり地下深くに敷設しても爆破の効果が低いので、比較的浅いところに敷設せざるを得ない。

 地雷管理の坑道内から爆薬の設置、除去に起爆まで出来るようにしてあるが、いつ発起されるか分からない敵の総攻撃に備えて常に設置しておくのが理想的である。いくら妖精が小柄で機敏とはいえ、狭い坑道内で大量の爆薬をあっちこっちに移動させるのは時間がかかるのだ。敵の地雷処理を恐れて地雷を移動させてしまっては無力化されたも同然。

 砲兵隊に支援をさせ、隊列を組ませない散兵を出して敵地雷処理部隊を追い散らしに出撃させる。敵も護衛部隊を連れているので生易しい戦闘にはならず、時には撤退せざるを得ないこともあった。だから自由に動いて逃げやすい散兵にさせた。

 地雷原防衛のための坑道の本数を強化し、地表からではなく地下から部隊を出し入れさせられる状態にしてからは、敵地雷処理部隊の撃退は容易になる。

 大規模な護衛を連れた敵地雷処理部隊が派遣されることはあったが、その時は遠慮なく地雷で一挙に吹っ飛ばしてやった。地雷管理の坑道の修復は素早く出来る技術がある。主にラシージのおかげ。

 いくら頑張っても敵地雷処理部隊の撃退が失敗し、地雷が処理されそうになることは当然ある。そうなったら早めに敵毎ぶっ飛ばす。

 そのように西岸要塞が包囲される日が続いた。こちらの食事は勿論、ダルプロ川から送られてくる新鮮な食材が使われたもので、薪などの燃料輸送もあり、湯気が立った物なので美味い。

 敵さんはというと、温かい食事を毎回食べられているわけではないようだ。草原には木も柴も藪もあって、連れてきた牛の糞も燃料に使えるが大軍の腹を温めるには至らない。

 それともう一つ。あまり効果が出ているか怪しいが、敵が川から水汲みをする頃合いを狙って要塞に溜まった糞尿を流している。

 効果はどうかな?


■■■


 包囲が始まってから一月も経った朝、敵が被害を無視するように、まるで突撃するかのように地雷掃除に躍起になっている。偽地雷の敷設も進んでいるが、これはイヤらしいことだ。大砲と迎撃部隊が何度も追い散らすがキリが無い。

 既に敵が造った塹壕、土塁に何度も行った妨害の甲斐も無く、無数にこちらの要塞へ、攻撃のための突堤が突きつけられている。

 やはり手数に劣る。破壊するより造る数、修復される数が多い。

 動き辛い地下から行動する少数の我が方、動き易い地上から行動する多数の敵の方。有利なのは考えるまでも無い。

 地雷管理用の坑道があることを地雷処理中に掴んだようで、坑道内での戦闘も起きている。あまりにも敵が大軍を投入するので、各所で緊急封鎖用の爆薬を使って坑道を遮断する必要も出てくる。そうしてから坑道の封鎖状況を確認した後、注水。狭苦しい坑道で溺死なんて恐ろしいことだ。

 この注水も何度も行えるものではない。地中の泥濘化が始まり、坑道が掘れる位置が減ってきている。豪雨の後でもないのに敵が泥を踏んで歩いている姿も見られ、土木仕事に四苦八苦してはいるが。

 これは近い内、早ければ今日にも総攻撃があるかな。

 西岸要塞の窯で焼いたパンを食べる。敵の斥候がこちらを見ている時は、わざと割ってみせて湯気が上がっていると自慢する。ハム、チーズ、玉ねぎのみじん切り入りで美味い。

 海軍が作った鯰の干物を齧ってマトラの酵母入りビールで流す。不味いわけじゃないが、長々噛むのは嫌いだ。


■■■


 地雷処理合戦は夜まで続き、争いは発展し、敵砲兵が夜の内に接近してきて、散兵や騎兵による襲撃、通り道の塹壕への地雷攻撃、注水などなど散々妨害をしたが、日出時には遂に接近を許してしまった。

 敵が大砲を設置した場所は捨て身で造られた突堤で、砲撃しては大砲を引っ込めて隠すという亀の頭みたいな芸当が出来るようになっている。

 そして塹壕や土塁に隠れて進んできた敵砲兵との砲撃戦が始まる。

 シルヴが敵の大砲が姿を見せた機会を見計らい、弾着修正魔術で直接砲弾をぶつけて破壊する曲芸を見せ、他の砲兵も一発必中ではないが亀の頭状態の敵の大砲を撃破する。

 こちらにはあまり錬度の高くない砲兵、精度の低い大砲も混じっているので、そちらには榴散弾での敵砲兵殺傷を狙わせる。

 即席で造られた敵の背が低い砲台と、しっかりと造られたこちらの背が高くて砲眼付く砲台では安定性が違う。こちらの方が遥かに狙いをつけやすく、砲弾から身と大砲が守られ、速やかに弾薬が補充される。

 敵は二十八万を数える――攻防戦と補充で増減しているから詳細不明――大軍勢。ざっとで数えて六百門の大砲に、それを支援する兵が補充分も入れて万単位で連なっている。こちらの正面百五十門、側面百門、後方七十門の三百二十門では少々辛い。

 互いに砲兵、大砲に損害が出る。シルヴのおかげで優勢であるが、敵は修理職人も連れているらしく、破壊したはずの大砲も出してくる。煙を上げる炉も見えているので野戦鋳造もしているらしい。

 流石に砲身が壊れた物ではないだろうが、車輪や砲架の損傷程度なら直してしまうようだ。

 大砲修理の職人がいるのはこちらも同じだが、敵は破壊された大砲の代わりも次々に出してくる。予備の大砲も入れれば合計で八百門近く保有しているように見えるのは、自分がびびってしまったせいで見える幻覚か?

 それにしたって何だよ八百門って! 先の大戦で魔神代理領が北大陸の戦いで一番大砲を集中運用したリクラステの戦いでも三百門だぞ。遊牧国家がひり出していい数じゃないだろ。皆で頑張ってぶっ壊したペトリュクの街道はどこへ行ったんだよ?

 地上の戦いはとにかく大砲の撃ち合いに終始。地下の戦いも撃ち合いに終始しているも同然。

 地下、坑道の能力を維持する関係上、注水できない箇所はいくつかある。そこに侵入してきた敵兵との戦闘は続行中。土嚢を分厚く積んで、わずかな隙間を作って銃眼にして、そこから射撃することで撃退は容易に出来ている。敵が手榴弾を使ってくることもあるそうだが、耳がバカになりそうなこと以外は問題無いらしい。

 メフィドに沿岸要塞守備隊の指揮権限を一時譲渡し、妖精の士官を顧問につけて上流に向かわせる。決戦時のための、水上の”騎兵隊”になって貰うためだ。

 セリン宛てに”早く助けに来てくれないとイスハシルにケツを掘られる”という内容の手紙を書く。これは暇潰しで、ある種精神統一のための儀式だ。

 それから”ケツの治療はお前に頼む””こんな僕でも嫌いにならないでね”などと適当に書く。機会があったら業務連絡がてらに送ろう。


■■■


 昼の今まで砲撃戦が続き、ついに敵が突撃縦隊を幾つも組み、一部は塹壕や土塁に隠れつつ、一部は隠れる場所も無く、大軍が要塞に突撃して来た。

 正面、側面、後方、三方からだ。斜め方向も入れたら五方か? とにかく、ダルプロ川が流れていない方向全てからだ。

 地雷で敵の突撃縦隊の先頭集団が四肢をバラバラに吹っ飛ばされ、前進が一時停止。しかし幾分か地雷処理をされたせいか威力が想定より弱い。正気を取り戻した敵の士官が兵を激励して、指揮を振るって『ウラー!』と叫ばせて突撃を再開させた。

 ”ウラー”と叫ぶのはオルフ人。アッジャール人は”ウォー”と叫ぶらしいが、その喚声はまだ耳にしていない。

 まだ敵の大砲は叩き尽くせていない。シルヴは頑張っているが、気力が尽きるまで魔術を使われると要塞内での白兵戦時に困る。早いこと歩兵殺しに大砲を全て回したいな。

 砲兵隊には接近する歩兵を優先して砲撃するように指示。

 シルヴとラシージ、選抜させた優秀な砲手には引き続き対砲兵射撃を続行させる。中途半端になってしまうのが嫌だが、必要だ。

 ダルプロ川方向から見えている敵歩兵が射程に入り、河川艦隊からの艦砲射撃が始まる。海の軍艦と違い、型が小さくて門数の少ない川の軍艦はまあ、しょぼくは無いが、そこそこだ。

 火力不足を分かっている河川艦隊は、船という砲台が自在に移動できるという利点を活かし、敵の突撃縦隊の一つ一つに火力を集中させ、確実に一本ずつ圧し折っている。先制奇襲攻撃以来、川の操船に集中してきた者達の職人芸であろう。

 敵歩兵が待ち構える妖精の小銃射程圏内にまで迫る。今までにないくらい多数が近づいてきている。

 最前線の塹壕は幅を広く取った塹壕で、内部で妖精は三交代制を取り、絶え間なく一斉射撃を繰り出して接近する敵歩兵を撃ち殺す。

 狙いはつけなくても当たるほど敵が密集しているので「構え」「撃て」「交代」「装填」の四語で十分。”狙え”の一動作が抜けるだけで発射回数が違ってくる。

 また、射撃を得意にしている選抜射手が士官の号令に関係無く敵を狙撃している。基本的に狙うのは士官や下士官など、死んだら影響の大きい者だ。手榴弾の導火線に火を点けた者も狙い目。

 最前線より一線後方、縦の通路で繋がる次の予備塹壕には迫撃砲部隊を配置。曲射が出来るので、最前線の塹壕を比較的安全に榴弾を飛び越えさせ、友軍超越射撃を敢行する。時々味方を吹っ飛ばすが、まあ良くあることだ。

 予備塹壕は最前線でどこかで兵力が不足した場合に送り込む予備部隊を待機させておく場所。また最前線で死傷した者が引き下げられる場所で、回復の見込みがある者から優先して治療。見込みが無ければ予備土嚢として積んでおき、それでも動けるなら気付けをしてから死ぬまで戦わせる。

 予備塹壕より後方の防塁。地面より段が高くなっているので、開けた視界を確保しつつ大砲で敵を撃ち下ろせる。地の利、敵の数と合わせて、こちらの砲兵等の錬度もあって無駄弾はほぼ無い。撃てば撃つだけ敵の体を汚い肉の塊に仕上げる。

 そんな三段構えで圧倒的地の利をもって火力を活かしても。弾薬が尽きる前に大砲が故障する恐れが出てくるほど激しく敵の突撃縦隊は迫ってくる。

 撃っても撃っても死体を乗り越えて敵歩兵が前進する。こんな突撃をするなんて、なんて元気な奴等なんだ。イスハシルの魔性の目だの声だのと色々楽しい仕掛けがあってのことだろうが、大したもんだ。

 数多の障害が無ければアクファルを嫁にやっても良かった……捕虜に出来たら婿入りの話でもしてみるか?

 そういえば昼飯食ってないな……勘でもって、手を何かを持つ形にして横に出してみると何か渡された。確認すると、鉄串にぶつ切りの焼いた肉が幾つも刺さっているもの。

 においがしなかったのは、鼻の穴で硝石が結晶化するんじゃないかというほど硝煙を嗅がされているからだ。

 渡してくれたのはアクファルかなぁっと横をチラっと見たら、ウラグマ代理だ。

「どうもすいません」

「お腹減るねー」

 戦いは続く。


■■■


 耳がバカになったのか頭がバカになったのか、火薬が爆発する音を延々と聞かされているせいで、注意しないとその爆発音すら聞こえなくなってきている。耳が遠くなったわけでもないが、まあ良くあることだ。

 空が赤く染まり始めた夕方。炊事班が要塞内を駆け回り、桶にお粥や塩が少し入った水を配っている。こちらにも配られてきた。噛まなくてもさっと飲める。味付けは塩のみ。下手に香辛料類を加えると、普段は平気な香りでも、疲れから吐くぐらいの臭みに変わることもある。

 敵も味方も朝から砲声に耳から頭をガンガン揺さぶられ、馬鹿が粋がって良い臭いだとほざく火薬の臭いを嗅がされ、昼からは直接銃に大砲を撃ち合い、頭から土に血を被り、死体やら内臓で滑って転び、時に敵を銃剣で突っついて、銃床で殴って、ゲロ吐いて小便垂らし、糞も垂れ、下痢も垂れる。

 とにかく疲労で敵味方双方の動きが鈍くなってきている。臭いしキツいし危険で最悪な状態だ。

 目を開けたまま寝ている者も、突然ボーとして我に返る者も、急にぶっ倒れる者も、いくら起こしても起き上がらない者もチラホラ見える。

 アソリウス軍の兵士達は見るからにぐったりしているので無理せず休ませている。シルヴは仮眠中で、既に敵の大砲を”自称”三百門確実撃破したところ。

 敵の突撃は頓挫し始めている。シルヴが大半の大砲を撃破したおかげだ。

 シルヴだけではなく、他の砲兵もきちんと敵の大砲を破壊している。それで対砲兵射撃に回していた分の大砲を敵歩兵に向けられるようになったので優勢に転じている。

 また地雷管理用の坑道をラシージが復活させ、地雷を再敷設して爆破することによって物理的にも精神的にも敵の前進を止められている。

 このまま夜になって自然と戦闘は終息か? と思いそうになってくる。

 だが違った。あれだけの大国ならば保有していてもおかしくない連中がいた。

 強烈な向かい風で、砂埃が混じって目くらまし。正面、側面、背面の三方からの異常すぎる風だ。視界が晴れる頃には要塞に向かって、三方から土壁が次々に盛り上がってくる。

 大規模な超自然的な異変、敵の集団魔術か!? これは決定打をブチ込みに来たな。

 ラッパ手に警報ラッパを吹かせる。何か指示を出すものではなく、気を引き締めろ、何かあるぞ、という意味。

 火炎が最前線の塹壕の一部を包み、妖精を大量に焼く。携帯していた火薬に引火して炸裂する音を何発も鳴らしながら、さしもの妖精も滅茶苦茶に悲鳴を上げながら塹壕から燃えながら逃げ出し、少しして倒れる。

 予備塹壕から予備部隊が焼かれた地点に向かうが、不自然な残り火があって思うように近づけない。

 敵の集団魔術が三段階に炸裂した。それで開いた突破口に敵の突撃縦隊が雪崩れ込む。

 雪崩れ込みに合わせて不自然な残り火は消え、最前線の塹壕の開いた箇所が易々と突破され、次の予備塹壕も抵抗するものの、最前線側ほど一斉射撃による迎撃態勢が取れていないので抗え切れずに所々突破され、あっという間に敵歩兵が咄嗟に放たれた大砲からの散弾を浴びてグチャグチャな死体になりつつも、防塁の坂にしがみつき、頑丈に守られた入り口に突撃。要塞内に侵入し始めた。

 休んでいたアソリウス軍が出動。寝ていたシルヴも起きて、眠そうな顔で敵の頭を戦棍でゴチュゴチュ殴り潰している。

 伝統に従ってか、全員が帯剣しているアソリウス兵は剣術に長けているので白兵戦ではかなり強い。要塞内は狭くて入り組んでいるので、長くて取り回し難い銃剣付き小銃に対し、白兵戦用の短い剣が威力を発揮している。

 敵が素人同然に、狭い通路から不器用に突き出す銃剣を剣で叩き落してから刺し殺すという単純な技で撃退している姿が印象的。素人の棒振りごっこに達人は負けない。

 偵察隊に確認させたところ、三正面に集団魔術が使える部隊が三隊ずついることが判明。本陣に予備がもう三つほどかと予想するが、どうかな?

 地雷原を掃除して道を良くし、大砲で要塞の防衛力を削りつつ突進する歩兵の援護をし、歩兵が要塞に突撃して攻撃を一手に引き受けている間に魔術兵隊が接近して突破口を開く、という手順でやられてしまった。

 我が方、海軍には風が操れる魔術使いが多く採用、訓練されて才能も発掘されてるが、戦闘するような下の作業はさせていない。操船に従事させている。強みを失わせるわけにはいかない。

 海軍歩兵には上陸作戦を速やかに行えるように水を凍らせて足場を固める冷気を操る魔術使いが採用されているがこちらも人数は少なく大規模運用不能。

 妖精にはラシージ筆頭に土を弄る術工兵がいるものの、彼等には彼等の仕事がある。前線に出すなど惜しいにも程がある。

 ウラグマ代理の奴隷兵達はそれぞれ小器用に魔術を使えるが、集団魔術は使えない。集団魔術の訓練と部隊編制は特殊なので専門部隊でなければどうにもならないらしい。

 我がイスタメル第二軍には魔術の専門家が圧倒的に少ないと言わざるを得ない。ただこちらには圧倒的に優秀な人物がいる。ウラグマ代理の出番だ。

「行って来まーす」

 ウラグマ代理が翼を広げて羽ばたき、要塞上空をゆるりと旋回飛行をする。すると突然に敵魔術兵全員が次々に奇声を上げて暴れ出す。

 バチンバチンと弾ける音が鳴って、その弾ける何かに当たった敵の体の一部が弾けて血肉を振り撒く。

 急に悲鳴を上げて苦しみ出したと思ったら、湯気を出してから静かに発火して黒焦げになる。

 いきなり体が融けて液状になる敵もいた。

 鷹頭に解説してもらって理解するに、あれはデタラメな魔術での同士討ち。

 ウラグマ代理は魔族。魔術の素質が無ければ魔族――アソリウス島で濫造された物言わぬ騎士のようではない、きちんとした――になれない。その魔術は、魔術の素質がある者を発狂させて最終的には廃人にするという対魔術使い殺しの魔術だそうだ。

 魔術を使うと消耗して”渇いて”、その分気力が萎えてしまい、限度を過ぎると死に至るらしい。その”渇く”という魔術使いのみが理解できる反動のような現象をいじくり回して気力を狂わせるそうだ。

 常人には何となくしか理解出来ない仕組みが介在しているのだろう。射程? も相手の魔の気配だとか流れを辿って力を流し込むから、ある程度接近して貰い、尚且つ一度でも魔術を発動してくれれば”接続”が容易になって、このようにまとめて一掃出来るらしい。

 引き付けるために焼け死んだ妖精達は無駄死にではない。

 要塞内に侵入した敵歩兵は、迷路のような要塞を迷って歩き、位置を把握出来ているこちらが挟み撃ちにしたり、集団を分断して各個撃破、偵察隊が指揮官狙撃をするなどして混乱させて排除していく。何よりアソリウス軍が、シルヴが大部分を殺してくれている。

 しかしそれでも開いた穴は簡単には塞がらない。怒涛のように突っ込んできてる敵の突撃縦隊が要塞内に入ってくる。

 露払いのように押し寄せた雑兵に続き、今度は士気の高い赤衣のオルフ兵、銃士隊が突入してくる。

 彼等の”お袋”であるジェルダナの奪還に燃えている感じだ。大砲と外縁部の守備兵の射撃では足が止まらない。

 銃士隊は狭い通路内では扱い辛い三日月斧は振り回さず、山刀を持って『ウラー!』と雄叫びを豪勢に突っ込む。妖精は着剣せずに銃剣を持って刺し殺し、塹壕掘りに使う円匙で叩き殺しに行く。

 ラッパ手に計画撤退ラッパを吹かせる。西岸要塞は放棄だ。

 メフィドに西岸要塞放棄、西岸攻撃の要無し、東岸要塞へ入港されたし、と竜の伝令を出す。

 敵をわざとある区画に誘い込み、全力でそれ以上の侵入を阻止し、その区画直下に仕掛けてある地雷でまとめて処理する方法が予定通りに取られるも、数に任せた猛攻に要塞の奥へと押し込まれる。

 いよいよ司令部観測所に向けて敵歩兵が発砲してくるような段階になってきている。自分と敵兵、目が合う距離に至った。顔の傍を銃弾が通り過ぎる。

「下手糞てめぇ、当ててみろ糞野郎!」

 挑発に反応して更に銃撃が加えられる。手前の土壁に何発も着弾して土が弾け、一発耳元をかすめるが産毛も削っていない。本当に下手糞め、かすり傷ぐらいつけてみろ。

 要塞内部が敵兵で埋まっていく。要塞外縁部の一部は占領されてアッジャール朝オルフ王国の旗が立っている。そんな占領部は地雷で敵ごと吹っ飛ばすのだが、やはり敵の数が深刻だ。

 要塞外縁では旗が立てられるような劣勢なところもあれば、優勢なところもある。

 ウラグマ代理の発狂魔術で一部は混乱しており、ラシージと術工兵が土壁を魔術で平らにして回ったお陰で隠れていた敵歩兵も暴露され、砲兵が砲弾を撃ち込んで撃破して要塞に入り込む敵歩兵の数を減らしている。

 土壁魔術のせいで地中にも影響が出て寸断されたり、道が広がった坑道があって混乱はあったものの、敵防塁と大砲の直下に地雷を敷設する作業が成功して順次爆破することに成功する。

 全ての大砲を破壊したわけではないが、一定数の破壊が成功した事実は敵を痛めつけるものだ。

 熱狂的な我が妖精の抵抗も激しく、体中に爆薬を巻き着けての肉弾自爆攻撃を行う者が続出。褒められた戦い方ではないと言う者が多いだろうが、民族が皆殺しにされるかどうかの瀬戸際である彼等にしてみれば、一人の命で何人もの敵を殺せるのだから安いと思っていることだろう。

 砲弾より遥かに大量の爆薬を身につけた自爆攻撃は効果が出ている。何度も続ければ敵もただの体当たりではないと下手に学んでしまい、怖じ気付いて足が止まり、時に逃げ出し、退路など次々と入り込む兵士に塞がれているので渋滞が発生して見事に吹き飛ぶ。

 入念な準備をして、敵の要人である黄金の羊を爆殺したシクルが分かりやすい例か。

 人間かもしくはそれ以上に自意識があって賢い、自我の強い妖精が、将来有望であると自他共に確信される者が自爆攻撃を行った。マトラ妖精種族の覚悟はそれ程だ。

 迷い込んだようだが、司令部室内まで敵が二名やってきた。泥だらけの血塗れで、戦意もあるやら無いのやら。アクファルが素早く矢の二連射で射殺した。

 中州要塞に渡る橋を西岸要塞の我が兵が続々と渡り始める。西岸要塞放棄が本格的に始まっている。

 要塞内にも無数の坑道が掘ってあるので、己の目と耳、偵察隊が続々と上げる継ぎ接ぎにならざるを得ない情報を総合すれば、逃げ遅れは少ないが戦死者は既に万を越える。大砲に至っては、要塞内通路防衛用の小型砲以外全て爆破処理するような状況になったほど。まあ、あんな物はまた送って貰えばいいんだから惜しむ必要は無い。酷使して砲身薬室も劣化しているからゴミみたいなものだ。

 中州要塞に繋ぐ西岸側の橋で敵歩兵と味方の銃撃戦が始まる。その敵歩兵の背中に坑道を伝ってやってきた味方が攻撃を仕掛けて皆殺しにして、邪魔だから川に死体を捨てて橋を渡る。そうしたらまた敵歩兵が姿を見せるという混沌とした戦闘状態に陥っている。

 また司令部に敵が顔を出す。アクファルが弓矢で支援しつつ、鷹頭が刀であっという間に刺して切って十人以上殺して撃退。剣の達人は本当に凄いな。

 敵魔術兵隊を全滅させて戻ってきたウラグマ代理はその間も手紙をのんびりと書いている。紙面に飛んだ血は綿で擦らず吸わせて除去。

「大砲が三百門以上喪失したから補充分がもっと欲しいって手紙に書いておくね」

「お願いします」

 西岸要塞の至るところが敵ごと地雷で処理されて潰れていく。この発想をくれたシルヴにアソリウス軍は格好つけているのか、確実に後退はしているものの西岸要塞にまだ居残っている。丁度、港で味方を回収している船を守っているところだ。格好良いねぇ。

 ラシージが司令部直下の坑道から戻ってきた。土埃で全体的に汚れているので、服をはたいて汚れを落としてやる。顔についた泥を指で拭って落とす。

「ご苦労。どうだ?」

「準備完了しました」

「よし、完全に撤退だ」

 ラッパ手に撤退ラッパを吹かせる。計画撤退ラッパでも撤退しないで仕事をしている連中にとっとと逃げろ、という意味がある。

 そうして中州要塞に降りる滑車に乗り、ラシージを抱いて滑って降りる。

 その後に続いて、綱の上を走って! 鷹頭がやってきて、ウラグマ代理がアクファルをお姫様抱っこして飛んで来る。

 偵察隊の面々は小銃を綱の上にかけてぶら下がり、苦もなくスルスルと滑って来た。最後にラッパ手を腰にしがみつかせて降り立ったルドゥは綱を短刀で切断し、対岸から顔を出した敵歩兵を小銃で狙撃して倒す。

 港方面では撤退の殿を務めていたアソリウス軍も遂に乗船し、東岸側への避難を開始。河川艦隊の艦砲射撃のおかげで上手くいった様子。

 西岸要塞と中州要塞の橋を渡る味方もいなくなり、追撃してくる敵との銃撃戦が展開される。中州要塞の砲台から発車される砲弾は橋を渡ろうとしてくる敵を狙って蹴散らす。こうしてからラシージの指示で橋は爆破されて落ちた。

 あとは、これから役目を終える西岸要塞を眺める。敵が何も知らずに続々と要塞に入り込み、歓声を『ウラー!』と『ウォー!』とも上げ、そこら中で占領箇所を示す旗を掲げて気勢を上げた。

「時間です」

 ラシージが懐中時計を見ながら言った。

 地響きがして西岸要塞が傾いた。

 比喩ではなく地盤毎要塞は傾き、歓喜に沸くオルフとアッジャールの兵達にたたらを踏ませ、転ばせ、這い蹲らせる。黙らせ、誇りの軍旗も傾いて倒れる。

 沈降開始。隅から中央まで、構造の強弱に準じて崩壊が始まって要塞が崩壊を始める。西岸にあった橋の根本が川へと倒れて水没する。

 放心するか、崩れる足場、引っ掻いても手応えの薄い地面だった斜面を引っ掻く敵兵の位置は低くなっていく。重い大砲は彼等を巻き込みながら転がって落ちる。

 岸辺はダルプロの流れにごっそりと削られ、大量の土砂が下流を土色にしている。西岸要塞だったものを攪拌して押し出す。徐々に、要塞を構築した資材、死傷者が濁流に混ざって浮いたり沈んだりしてから完全に沈む。

 特に要塞外枠部分は完全に崩壊しているわけではなく、敵兵同士で咄嗟の救助活動が行われているが、これには中洲要塞から容赦なく銃撃、砲撃で妨害。

 最大級の地雷は静かに起爆して西岸要塞を崩落させた。土と火力を最大限に活かして敵の大軍に対抗して大出血させ、いざその土と火力を失う事態になったら敵諸共消し飛ばして次の段階に移行する。

 これらの構想、設計、施工、全てがラシージの手によるもの。ウラグマ代理でもシルヴでも自分でも無い、緒戦からの大戦果は全てラシージの手柄だ。

 そもそも十一万のマトラ人民防衛軍の基礎を作ったのもラシージで、民間の妖精が即座に兵士になれるような社会を作ったのもラシージだ。”親分”の肩書きは軽くない。

 しかし全く、そんな優秀極まるラシージにはチューしてやりたいぐらいだ。いや遠慮する必要がどこにある? ラシージの顔を両手で掴んで音が出るぐらい唇を吸う。

「腹減ったなラシージ。何食いたい? 好きな物でいいぞ」

「パンと水で結構です」

「じゃあ俺が食わせてやろう」

 西岸要塞崩落で敵兵力に大損害を与えて何となく勝利した気分だが、西岸要塞を失った影響でアッジャール朝オルフ軍によるマトラの森への攻撃を、ほぼ素通りさせてしまう状態になった。

 西岸要塞が健在であればこそ、仮に敵軍がマトラの森に総攻撃を仕掛けてもその後方連絡線を安全に、強力に脅かすことが出来た。

 今までの戦いで、総力で最大現の包囲をしなければ逆襲を受けて各個撃破されてしまうと教育したおかげでここまで中洲要塞を拘束させ続けてきたが、もう敵が拘る理由が無くなってしまった。

 大軍を養うには大量の食糧が必要で、大要塞を攻略するには大量の武器弾薬が必要。これ等を敵軍が運ぶことを妨害できなくなってしまった。

 河川艦隊に頑張って貰えればそこそこの妨害は続行できようが、川岸から離れたところを通られたら大した妨害にならない。街道は川沿いにあるので、それを使わせないというのは効果的であるが、限定的。

 東岸要塞を利用して川岸へ繰り返し上陸作戦を行うと言うのは難し過ぎる。西岸要塞の拘束能力ありきで今まで艦隊は、範囲内では自由に行動出来ていた。寄る辺を無くした状態で活動し、アッジャール騎兵の待ち伏せを受けたら皆殺しであろう。

 川沿いに点々と配置している要塞群は、これも西岸要塞に敵を最大限引き付けていたからこそ有効だったのであって、これ等は徐々に廃していかなくてはならなくなった。能力不足の要塞とはただの棺桶、檻。立て籠もっても皆殺しの憂き目に遭うのを待つだけ。

 今まで遠回りすれば幾らでもマトラの森に突入出来た敵軍が、そうしなかった理由がほぼ全て失われた。

 東岸要塞は西岸要塞の代替になるか? 陸上交通は西岸で主に行われてきた。良い道は全て西岸に集中。わざわざ東岸を敵軍が利用する必要も無い。

 新たに西岸要塞を構築? 奇襲の優位と周到な準備、疲弊していない人員が揃わなければ不可能。一夜要塞も着手段階では脆弱だった。月日を掛けなければあの、敵軍を何万と沈める施設にはなり得ない。

 戦場を変更せざるを得ない。

 河川艦隊、海軍歩兵には引き続きダルプロ川沿岸で活動して貰う。アッジャール騎兵の襲撃を前提とした、小規模な妨害に終始することになるだろうか。中洲要塞はまだまだ健在なのでこれは活かして貰う。

 我々の残る陸軍はマトラの森の防御に専念する。広大な山森の大要塞を守るためには、それ相応の戦力が必要だ。要塞には適切な数の兵力を配置しなければ全力を発揮できない。

 極端な例だが、一万人を定員とする大要塞を百人で運用しても隙だらけで使い物にならないが、百人を定員にする要塞に百人を充てれば十分に機能を発揮する。そこに一万人を入れると、食糧不足と糞塗れ、寝台不足になって機能を発揮できない。

 マトラの山森は五十万要塞。

 やっと緒戦が終了したな、イスハシル。まだ踏ん張れよ。オルフ人がたくさん死んだだけで何も、アッジャール朝軍に痛手なんてないじゃないか。

 贅沢を言えばシェレヴィンツァで血みどろの市街戦もやりたい。でもまずはマトラでどれだけ頑張れるかを見せて貰おうじゃないか。

 草原で騎兵を活かせなかったスラーギィの次は、騎兵を活かせないマトラ山中での戦いだ。得意な場所であんな感じだったんだから、不得意な場所ならもっと頑張らないといけない。

 ……ふと思いついた。竜の伝令を使ってイスハシル宛てに、今思いついたこの言葉を手紙で伝えるべきだ。やはり、互いに想いを通じ合わせてこそ昂ぶって、魂に届くものが、何というか、霊力があろうというもの!

 シルヴが教えてくれたことだから間違いない。アソリウスでは手紙じゃなくて口頭だったな。

 今の状況で口頭というわけにはいかないから、そうだな……敵将に個人的な手紙を送ってはならないなんてことは、ないじゃないか!

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