第三話:父
あれから一ヶ月、僕たちは、普段と変わらない生活をおくっている
しいて言うなら父が義妹も風呂場を覗かなくなったことくらいだ。
朝、世間は、K校事件の話でもちきりだった
もちろん僕の学校も例外では無い
各授業の教員たちもしきりにその話をする。
『K校殺人事件、私立K高等学校二年B組みの篠原温子(当時十六歳)が
昨日深夜二時頃学校の屋上から飛び降りて死亡
第一発見者は、昨日の朝七時頃に毎朝朝一番で学校に来る清掃のおばちゃんが
血だらけになった篠原温子を発見。
自殺か他殺かは、まだわかっていない』
その、K校がうちの中学と1kも離れていず、ここからK校に進学した生徒も少なくない
しかも、僕の父は、そこの高校の教師をしていて
明後日の篠原温子の葬儀に出席するらしい。
僕は、僕以外の人間が死のうと知ったことではない
しかし、友人たちとの交友のため渋々その話に参加せざるえない
一日中同じ話を繰り返していると頭が痛くなる・・・。
翌日、篠原温子が他殺だと分かったのと同時に今度は
篠原温子と同じクラスの前田紗由(当時十七歳)が二年B組み前の廊下で
背中を刺身膨張で滅多刺しにされ死んでいるのが発見された。
第一発見者は、野球部のマネージャーで、殺害された二人とは、仲が良かったらしい
警察は、連続殺人として捜査中だ、と朝のニュースで言っている。
今、被害者の写真を見てきずいたが僕は、この人たちを知っている
何週間か前にうちの中学の卒業生だとかで僕にしつこく話し掛けてきた人たちだ
最近は、来なくなったと思ったら死んでいたのか。
「まったく嫌になるようちの学校の子が次々と・・・」
「まだ凶器見つかってないんでしょ?危険ね〜」
朝食を食べながら父と義母が話していた、義妹は、まだ寝ているみたいだ
リビングの戸をかるく見て視線をTVに戻すと
気分が悪くなったのかチャンネルを回されてしまった。
「義妹を起こしてくる」
『あれ』は、そう言うとリビングを出て行った
どうして、あんな冷たい子供に育たんだろうか。
『あれ』は、昔から私や元妻をバカにしたような顔で見てくる
私は、『あれ』が苦手だ。
手のかかる子供じゃなかったし、ほとんど放置状態で育てていたが、
今じゃ何を考えているのかサッパリ分からない・・・。
そのてん新しい義娘は、気立てもいいし頭もいいし顔もそこら辺の中学生とは
比べ物にならないだ、あの事件以来私を避けるようになってしまったが・・・。
でもあれは、私が悪いんじゃない『あれ』悪いんだ・・・
いつも私をバカにしたように笑っている『あいつ』が!!
いっそ殺してしまおうかと何度思ったことか、でもいざとなると恐くなってしまう自分がいる。
だが今日こそは、せっかく千載一遇のチャンスなのだから
私は、職場に向かう途中一通の白いシンプルな手紙を取り出した
〔トウサン
イツシユカンゴ シンヤ イチジ
サネン Bグミ キヨウシツ キテ〕
名前は書いてないがこんなことをするのは、『あれ』しかいない
今日、私が『あれ』を殺しても連続殺人犯の仕業になって、私が捕まることは無いだろう
どうやって『あれ』がここに来るか知らないが
私を殺そうとするなら返り討ちにしてくれる。
思わずニヤけそうになる口を必死に抑えて学校の門をくぐった。
次でもう最終話です
もともと短編にしようと思ってたものなので早いですね。