第一話;僕
一週間前まで僕は、母の実家で暮らしていた
別居して一年やっと親は、離婚し
離婚届を出した翌日母は、男と失踪。
どうやら僕は、祖父母の家に捨てられたらしい
このまま、祖父母の家で暮らすのだろうかと考えたが、
「おじいちゃんたちは、もう七十過ぎで中学生を育てられるほど裕福でもない」
座っている僕の肩に弱弱しい祖父の手が触れた
「それに、今年は、受験だろう高校に行かせてやる金もないんだ」
「遠まわしに出てけってこと?」
祖父母には、年金がたくさんある
だから別居中の一年間、無職の僕と母を養えて来た。
母が居ない今、僕は、邪魔なだけらしい
「・・・お父さんの所に行きなさい」
どうやら父とは、もう連絡がついているようだ
あの、気狂い男をどうやって丸め込んだのだろうか
翌朝、朝食も与えてくれず、追い出されるように母の実家をでた。
父の住むH県まで片道五時間、新幹線に乗る。
祖父母からわたされた物は、交通費だけ
小遣いというものをもらっていなかったから無一門同然で、
昼は、隣に座る人が口にする物を見て飢えをしのいだ。
祖母が言うには、父は、入籍は、してないものの
半年前から子持ちの女性と同居しているらしい
その女性が僕のことを気に入ってあずかることにしたみたいだ。
さすがに五時間はつらい・・・。
肉体的にも精神的にも限界にちかった。
「おいっ」
横から低い男の声、横を向くと僕から少し離れたところに
七三分けの分厚い眼鏡をかけたいかにも真面目といった男が立っていた
僕とは、似ても似つかない父だ。
その後ろには、三十代後半前くらいの女性と僕より一こほど年下の女の子もいた
どうやらこの人たちが僕の新しい義母と義妹のようだ。
義妹は、気立てがよく成績もいい
僕とスキンシップがとりたいのか、少しのことで話し掛けてきたり勉強を教えてくれとやって来る
僕も別にそういうのは、嫌いじゃないから普通に受け答えする。
義母も明るく優しい人だ、よく僕や義妹に小学生みたいなイタズラをして楽しんでいる。
父というと、二人っきりになるたびに「早く出てけ」と暴言を吐いてくる
しかし、義妹は、可愛がっているみたいだ
でも僕は、いちいちそんな事を気にするほど純な子供じゃい。
父の言っていることは、しょせんただの雑音だ。
僕がこの家に来てから一ヶ月
父は、一応教師でい忙しいらしく仕事で帰ってこない
義妹もついさっき友達の家に泊まりに行き
今夜家に居るのは、僕と義母だけになった。
深夜十一時頃「今、暇だよね?」と義母が僕の部屋に入ってきてベッドの上に座る
宿題の真っ最中だった僕は、シャーペンから手を離し椅子に座りながら義母の方を向く
「何しに来たかわかる?」
「さぁ?」
早く出てけ、という意味を込めて苦笑した
「さすがね、その冷静さ」
急に義母の顔つきが変わった。
さっきまでの『母親』の顔じゃなく、『独りの人間』の顔に・・・。
「今日は、君と取引にきた」
「取引?」
「実は、あの変態男が私の娘を狙っているのよ、
毎晩あの子の寝顔や入浴中の写真を盗撮しては、ファイルしてるのよ?
このままじゃ私の計画が最悪な形で成功してしまうわ、
だからあなた手伝ってもらいたいの」
話の内容は、理解した。
どうやら変態男とは、僕の父のことみたいだ。
母との離婚の原因の一つは、父の少女趣味てある
義母の言う『計画』とは、簡単に言えば自分の娘をだしにして多額の慰謝料請求だったらしい
が、ここままで父の少女趣味が酷いとは思わず、このまま行くといつ娘が襲われるかわからない
そこで、息子の僕をここに呼び寄せたらしい。
僕がこういう性格じゃなかったらどうするつもりだったんだろうか・・・。
義母は、どこか抜けている。
暇つぶしにもなるし僕は、『それ』に乗ることにした
父との親子愛なんて生まれた時から存在しない。
短編か長編にするか悩みました
だから結構すぐに終わりそう・・・。




