『オネエ・ヴァンパイア』
真夜中の東京。普段なら賑やかな街も、この時間ともなれば人影もまばら。そんな中、私は息を切らせながら走っていた。
「まぁ、待ちなさいよ!ちょっとした鬼ごっこよ!」
背後から聞こえてくる甲高い声。振り返れば、赤い唇と長い付け睫毛が目に入る。そう、私を追いかけているのは吸血鬼。それも、オカマの吸血鬼だ。
「いやいや、冗談じゃない!」と心の中で叫びながら、私は必死で逃げ続ける。
頭の中では様々な考えが駆け巡る。
(オカマバーで吸血鬼を撃退した話を聞いたことがあるな...でも、今は逆効果かも)
「あなた、逃げ方がキュートよ!その背中、たまらないわ!」
吸血鬼の声が近づいてくる。汗が滝のように流れ落ちる。
そのとき、目の前に現れたのは...
「あら!これって!」
吸血鬼の足が止まる。どうやら、路上に貼られた男性アイドルのポスターを見つけたようだ。
「まぁ!ジュンくん、こんなところで会えるなんて!」
チャンス到来。私は全力で走り出す。
しかし、吸血鬼の執念は凄まじい。
「ちょっと待って!あなたにも見せたいものがあるの!」
吸血鬼は、ハンドバッグからファンクラブ会報を取り出そうとしている。
私は必死で逃げ続ける。コンビニに飛び込んでみたり、深夜営業の銭湯に逃げ込んでみたり。でも、吸血鬼は粘り強く追いかけてくる。
「あら、その逃げ方、ますます可愛くなってきたわよ!」
夜が明けかかる頃、ようやく吸血鬼の姿が見えなくなった。疲れ果てた私は、公園のベンチに座り込む。
そこへ、一台のパトカーが近づいてきた。
「おにいさん、大丈夫ですか?変な格好の人に追いかけられているって通報がありまして」
私は安堵のため息をつく。
「はい、大丈夫です。ただ、少し...」
言葉を探していると、長身イケメン警官の後ろから聞き覚えのある声が。
「あら、お巡りさん。その制服、素敵ね!」
私の顔から血の気が引く。東京の夜は、まだまだ長そうだ。
プロンプト
「場所は東京、夜中に吸血鬼と遭遇した私。吸血鬼は私に対して鬼ごっこを提案する。私は夜に吸血鬼から逃れるために、思考を巡らせる。(そういえば、オカマバーに行って吸血鬼を撃退した人がいたな)。そう思った矢先。「あら、あなたよく見たら可愛いわね」。吸血鬼はオカマだった。私は必死で逃げる。そのときだった。「あら!これって」。どうやら推しの男性アイドルのポスターを見かけたようだ。この好きに逃げる私。そして、私はあの手この手で吸血鬼から逃げる。このプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう。」