『ヴァンパイア・クリムゾン』~糞ゲーのような夜~
「上からくるぞ!気を付けろぉ!」
越前こと俺は、夜の新宿の路地裏で叫んだ。頭上から降ってきたのは、なんと吸血鬼だった。月明かりに照らされた彼の牙が、不気味に光る。
「やあ、人間くん。退屈してたところだよ。ちょっと鬼ごっこでもしない?」
吸血鬼は楽しそうに提案してきた。俺は冷や汗を流しながら、頭を巡らせる。
(くそ、どうすりゃいいんだ…朝まで逃げ切れば勝てる。でも、そんな簡単にいくかよ)
「いいだろう」俺は覚悟を決めて答えた。
「ルールは?」
「簡単さ。君が朝日を見られれば君の勝ち。僕が君を捕まえれば僕の勝ち。さあ、10秒数えるから逃げな」
俺は全力で走り出した。新宿の雑踏を駆け抜け、ビルの谷間を縫うように逃げる。
「なんだこの階段は!」
突如現れた螺旋階段。行き当たりばったりだが、上るしかない。
階段を上り切ると、そこには色褪せた黒のような緑っぽい扉がポツンと。
「せっかくだから俺はこの赤の扉を選ぶぜ」
扉を開けると、そこは…武器屋?
「いらっしゃい!特製ニンニクスプレー『クリムゾン』はどうかね?」
店主が笑顔で勧めてくる。俺は思わず吹き出しそうになった。
「マジかよ…でも、ありがたく頂戴します」
武装して外に出ると、吸血鬼が待ち構えていた。
「見~つけた♪」
「くらえ!クリムゾン!」
吸血鬼は悲鳴を上げて後退する。俺はチャンスとばかりに駆け出した。
そして東の空が白み始めた頃、ついに…
「やったぜ!日の出だ!」
吸血鬼は悔しそうに消えていった。
疲れ果てた俺は、朝日を浴びながらつぶやいた。
「まさか、本当に吸血鬼から逃げ切れるとは…」
ふと、ポケットの中の『クリムゾン』に気がつく。
「ったく、何が『特製』だよ。ただのニンニクスプレーじゃねえか」
そう言いながらも、俺は小さく笑った。こんな荒唐無稽な夜を、誰が信じるだろうか。
でも、明日からはニンニクを常備しておこう。なんたって、ここは東京。何が起こるかわからないからな。
プロンプト
「場所は東京。「上からくるぞ!気を付けろぉ」。夜中に吸血鬼と遭遇した私は越前。吸血鬼は私に対して鬼ごっこを提案する。私は夜に吸血鬼から逃れるために、思考を巡らせる。吸血鬼の弱点は日光。朝まで逃げれば勝てる。しかし、逃げきれる保証はない。「なんだこの階段は」。「せっかくだから俺はこの赤の扉を選ぶぜ」。道中色々あって謎の武器を手に入れて吸血鬼を倒す俺だった。このプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう。」