表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/601

『ヴァンパイア・クリムゾン』~糞ゲーのような夜~

 

「上からくるぞ!気を付けろぉ!」


 越前こと俺は、夜の新宿の路地裏で叫んだ。頭上から降ってきたのは、なんと吸血鬼だった。月明かりに照らされた彼の牙が、不気味に光る。


「やあ、人間くん。退屈してたところだよ。ちょっと鬼ごっこでもしない?」


 吸血鬼は楽しそうに提案してきた。俺は冷や汗を流しながら、頭を巡らせる。


(くそ、どうすりゃいいんだ…朝まで逃げ切れば勝てる。でも、そんな簡単にいくかよ)


「いいだろう」俺は覚悟を決めて答えた。


「ルールは?」


「簡単さ。君が朝日を見られれば君の勝ち。僕が君を捕まえれば僕の勝ち。さあ、10秒数えるから逃げな」


 俺は全力で走り出した。新宿の雑踏を駆け抜け、ビルの谷間を縫うように逃げる。


「なんだこの階段は!」


 突如現れた螺旋階段。行き当たりばったりだが、上るしかない。


 階段を上り切ると、そこには色褪(いろあ)せた黒のような緑っぽい扉がポツンと。


「せっかくだから俺はこの赤の扉を選ぶぜ」


 扉を開けると、そこは…武器屋?


「いらっしゃい!特製ニンニクスプレー『クリムゾン』はどうかね?」


 店主が笑顔で勧めてくる。俺は思わず吹き出しそうになった。


「マジかよ…でも、ありがたく頂戴します」


 武装して外に出ると、吸血鬼が待ち構えていた。


「見~つけた♪」


「くらえ!クリムゾン!」


 吸血鬼は悲鳴を上げて後退する。俺はチャンスとばかりに駆け出した。


 そして東の空が白み始めた頃、ついに…


「やったぜ!日の出だ!」


 吸血鬼は悔しそうに消えていった。


 疲れ果てた俺は、朝日を浴びながらつぶやいた。


「まさか、本当に吸血鬼から逃げ切れるとは…」


 ふと、ポケットの中の『クリムゾン』に気がつく。


「ったく、何が『特製』だよ。ただのニンニクスプレーじゃねえか」


 そう言いながらも、俺は小さく笑った。こんな荒唐無稽な夜を、誰が信じるだろうか。


 でも、明日からはニンニクを常備しておこう。なんたって、ここは東京。何が起こるかわからないからな。

プロンプト

「場所は東京。「上からくるぞ!気を付けろぉ」。夜中に吸血鬼と遭遇した私は越前。吸血鬼は私に対して鬼ごっこを提案する。私は夜に吸血鬼から逃れるために、思考を巡らせる。吸血鬼の弱点は日光。朝まで逃げれば勝てる。しかし、逃げきれる保証はない。「なんだこの階段は」。「せっかくだから俺はこの赤の扉を選ぶぜ」。道中色々あって謎の武器を手に入れて吸血鬼を倒す俺だった。このプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ