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『オイルショック、米不足騒動の次は輸血用血液不足!?』~陰謀論に支配されたジャーナリストの末路~

 ★ 第一章:パターンを見抜く者


 私の名前は井ノ川洋子。フリーランスのライターとして、この世の中の不可解な出来事を追い続けて十年になる。


 今夜、私は都内某所の薄暗いビルの地下に潜入していた。セキュリティカードを偽造し、監視カメラの死角を縫って進む。目指すは血液センターの機密資料室。なぜなら、私には確信があったからだ。今起こっている輸血用血液不足騒動は、過去の二つの大事件と同じパターンを辿っている。


 ★# 1973年のオイルショック~石油という名の支配の道具


 あれは1973年秋のことだった。第四次中東戦争をきっかけに、石油輸出国機構(OPEC)が原油価格を大幅に引き上げた。日本中がパニックに陥り、トイレットペーパーの買い占め騒動まで起きた。


 しかし、私が十年前に入手した極秘資料によれば、この「オイルショック」は完全に人為的に演出されたものだった。実際には石油の供給量に大きな変化はなく、むしろ在庫は十分にあった。だが、メディアを巧妙に操作し、人々に「不足」という幻想を植え付けることで、石油価格を意図的に吊り上げたのだ。


 その背後にいたのは、「石油支配評議会」と呼ばれる秘密結社だった。彼らは石油という現代社会の血液を支配することで、世界経済を意のままに操ろうと企んでいた。オイルショックによって多くの企業が倒産し、庶民の生活は困窮した。だが、彼らにとってそれは想定内の「必要な犠牲」だったのだ。


  2025年の米不足騒動~主食を人質にした新たな支配


 そして今年、2025年。今度は米不足騒動が日本を襲った。異常気象による不作が原因とされたが、これもまた仕組まれた陰謀だった。


 私が独自のルートで入手した内部告発資料によれば、「不自由愚民党」という組織が、米の意図的な供給不足を作り出していた。彼らの目的は、古古古古古古古古古古米の在庫処分と新米の国内外への高額転売ということらしい。


 しかし、真の目的は...


 それは、きたる産廃(さんぱい)議院祝儀議院総選挙に向けて、米不足を解消したのは「不自由愚民党」というアピール(自演ともいう)をし、国民の好感度を爆上げして、脳死している国民から票を搔っ攫い、アピールだけは上手い疲れた中学生のような居眠り議員たちを大量に議会に送り込み、国を意のままに操ることだった。


 米の価格は一時的に十倍まで跳ね上がり、多くの家庭が困窮した。政府は緊急輸入を発表したが、それすらも同盟の傘下企業が独占していた。人々が飢えに苦しむ中、彼らは莫大な利益を上げていたのだ。


 そして今、第三の陰謀が始まった


 オイル、食料と来て、次に狙われたのは血液だった。ここ数カ月、全国的に輸血用血液が不足し、手術の延期や救急医療に支障が出始めている。


 表向きの理由は「少子高齢化による献血者の減少」とされているが、私にはピンときた。これまでと同じパターンなのだ。石油、食料、そして血液。現代社会を支える三つの生命線を、誰かが意図的に操作している。


 ★ 第二章:地下室での発見


 資料室に辿り着いた私は、慎重にファイルを漁り始めた。そして、ついに見つけたのだ。「Project Red Line」と書かれた極秘ファイルを。


 ファイルを開くと、そこには驚愕の事実が記されていた。全国の血液センターで、実際には十分な血液在庫があるにも関わらず、意図的に「不足」を演出していたのだ。そして、その指示を出していたのは「赤十字(あかじゅうもじ)連盟地下組織」という謎の団体だった。


「やはり…」


 私は小さくつぶやいた。これで確信を得た。石油支配評議会、食料支配同盟、そして赤十字連盟地下組織。これらはすべて、より巨大な陰謀の一部なのだ。


 しかし、その時だった。


「よく調べましたね、井ノ川さん」


 背後から聞こえた声に、私は凍りついた。振り返ると、そこには血のように赤いスーツを着た男が立っていた。顔色は異常に青白く、口元に何かが光っている。


「あなたは…」


「私の名前はヴラド・ツェペシュ三世。まあ、現代では別の名前で通していますが」


 男は不気味に微笑んだ。その時、私は口元で光っていたものの正体に気づいた。牙だった。鋭く尖った、二本の犬歯が。


 ★ 第三章:真実の露呈


「まさか…吸血鬼?」


 私の問いに、男は優雅に頷いた。


「ご明察です。我々は何世紀もの間、人間の血を必要として生きてきました。しかし、近年の社会情勢の変化により、直接的な狩りが困難になってきたのです」


 男は資料室の奥から、さらに多くのファイルを取り出した。


「石油支配評議会?食料支配同盟?すべて我々の傘下組織です。人間社会を混乱させ、弱体化させることで、より効率的に血液を確保する。それが我々の長期戦略でした」


 私は愕然とした。これまで追い続けてきた複数の陰謀が、すべて一つの巨大な計画の一部だったとは。


「オイルショックで人々を困窮させ、米不足で栄養状態を悪化させる。そして最後に、血液不足を演出して献血を促進し、同時に医療機関から大量の血液を『合法的に』調達する。完璧な計画でしょう?」


 ヴラドは得意げに語った。


「献血車の大半は我々が運営しています。『社会貢献』という美名の下に、人間たちは自ら血液を差し出してくれる。こんなに効率的な狩りはありません」


 ★ 第四章:バッドエンド


 私は必死に逃げようとしたが、ヴラドの動きは人間離れしていた。あっという間に私の前に回り込み、冷たい手で私の肩を掴んだ。


「井ノ川さん、あなたのような鋭い洞察力を持つ人間は危険です。しかし、無駄にするのももったいない」


 ヴラドの牙が私の首筋に近づく。


「ご心配なく。痛みは一瞬です。そして、あなたは我々の仲間として、永遠に真実を知る者として生きることができる」


 私は最後の力を振り絞って抵抗しようとしたが、もはや手遅れだった。ヴラドの牙が私の首に食い込み、意識が薄れていく。


 最後に見たのは、資料室の壁一面に貼られた世界地図だった。そこには赤いピンが無数に刺さっており、それぞれに日付と血液確保量が記されていた。東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ…世界中で同じ作戦が実行されているのだ。


「これで…記事にできない…」


 それが、フリーランスライター井ノ川洋子の最後の言葉だった。


 ★ エピローグ:新たな仲間


 翌朝、東京都内の某血液センターで新しい職員が働き始めた。彼女の名前は井ノ川洋子。血のように赤いスーツに身を包み、異常に青白い顔をしている。


「皆さん、献血にご協力をお願いします」


 彼女は今日も街頭で呼びかけている。その口元で、小さく光る二本の牙と共に。


 そして世界のどこかで、また新しい「不足騒動」が計画されている。今度は一体何が標的になるのだろうか。水?空気?それとも…


 吸血鬼たちの支配は、まだ始まったばかりなのかもしれない。


 *この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。また、献血は社会にとって重要な活動であり、陰謀などではありません。皆様のご協力をお願いします。*

プロンプト

「『オイルショック、米不足騒動の次は輸血用血液不足!?』~陰謀に巻き込まれる~。場所は東京。私は井ノ川洋子。フリーランスのライター。今日は都内某所の某施設へ侵入していた。オイルショック。米不足騒動。いずれも、人為的な不足を作り出して社会を支配しようとしている奴らが裏にいるのだ。そして、今。私は社会現象になっている輸血用血液不足も同じように黒幕がいるのだと直感的に気づき、様々なリサーチの末ここにいた。オイルショックの顛末。米不足騒動と陰謀論について丁寧に書いてから物語を進めてください。このプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう。」

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