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『東京ドラァグクイーン・ナイト・オブ・ザ・ヴァンパイア』

 

 深夜の新宿。ネオンが煌めく ストリートに、私の足音だけが響く。


 突然、背後から冷たい息が首筋を撫でた。振り返ると、青白い顔の男性が立っていた。その赤い瞳が月明かりに輝いている。


「こんばんは」彼は唇の端を上げながら言った。


「少し退屈だったんだ。ゲームをしないか?」


 彼の口元から鋭い歯が見える。私の背筋が凍る。これは吸血鬼だ。


「ゲーム?」私は震える声で尋ねた。


「そう、鬼ごっこさ」彼はにやりと笑った。


「君が朝まで逃げ切れれば勝ち。捕まえたら、私の勝ちだ」


 選択肢はなかった。私は全力で走り出した。


 街を駆け抜けながら、頭の中で選択肢を探る。日の出まであと5時間。逃げ切れるだろうか?吸血鬼の弱点は?ニンニク?十字架?聖水?


 そのとき、閃いた。あそこしかない。


 新宿二丁目の喧騒が近づいてくる。カラフルな看板と賑やかな人々。そしてその中に、目指す場所があった。


 派手なネオンサインが目に飛び込んでくる。


「レインボーパラダイス」


 オカマバーだ。


 扉を開け、中に飛び込む。すぐに私を出迎えたのは、180センチはあろうかというドラァグクイーンだった。


「あらあら、お客さま。何かお困りかしら?」


 私は息を切らしながら状況を説明した。


 ドラァグクイーンは目を輝かせた。


「まあ!吸血鬼ですって?素敵じゃない!」


 そして、彼女は仲間たちに声をかけた。


「みんな!今夜のショーの主役が来たわよ!」


 次の瞬間、私はキラキラのドレスを着せられ、派手なメイクを施された。


 数分後、吸血鬼が店に入ってきた。彼の目が私を探し、そして...完全に混乱した表情になった。


 ドラァグクイーンたちに囲まれ、きらびやかな衣装に身を包んだ私を見て、吸血鬼は足を止めた。


「さあ、イケメンくん!」ドラァグクイーンの一人が吸血鬼に声をかけた。


「あなたもショーに参加しない?」


 吸血鬼の顔が、さらに青ざめた。


「いや、その...」彼は後ずさりしながら言った。


「急用を思い出した。失礼」


 そう言って、吸血鬼は慌てて店を出て行った。


 朝日が昇るまで、私たちは歌って踊り続けた。


 そして夜が明けた時、私は人生で最高の夜を過ごしたことに気がついた。時々、最も予想外な場所に、安全と友情が見つかるものだ。


 人間でも、吸血鬼でも、はたまたドラァグクイーンでも、誰もが自分の居場所を見つけられる。それが東京の夜の魔法なのかもしれない。

プロンプト

「場所は東京、夜中に吸血鬼と遭遇した私。吸血鬼は私に対して鬼ごっこを提案する。私は夜に吸血鬼から逃れるために、思考を巡らせる。吸血鬼の弱点は日光。朝まで逃げれば勝てる。しかし、逃げきれる保証はない。吸血鬼の弱点は いくつもあるが、結局あそこしかない。そうオカマバーだ。このプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう。」

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