『D(デストラクション)・R(ロボット三原則)・R(ロボドラキュラ)』~ディーアールツー!ショートショートな風味を添えて~
「やっと完成したぞ」
私の名前はV博士。そう、何を隠そう吸血鬼だ。場所は東京。夜の帝王である私は、今日もニンゲンの生き血を吸って生きている。しかし、最近どうにもマンネリ化してきた。何百年も同じことの繰り返しでは、さすがに飽きが来る。
そんな時、私はふとロボットに吸血、つまり狩りをさせることを思いついた。逃げ惑うニンゲンを狩るロボット、ニンゲン達の恐怖の顔を見て楽しむ。そして、私は何もせずにロボットが取ってきた血を吸う。一石二鳥というわけだ。
私は苦労の末、ついにロボドラキュラを完成させた。メタリックな外装に赤く光る目、そして牙を模した吸血装置。我ながら完璧な出来栄えだ。…某アメリカンコミックからデザインを一部拝借したのは内緒だ。
「博士、出来上がったんですが、微妙にダサくないですか」
振り返ると、助手のZ世代のドラキュラが呆れた顔で立っていた。こいつは大して頭は良くないが、言われたことはこなし、定時退社する今風のドラキュラだ。邪魔をされたり嫉妬をされてもたまらないので私にはちょうどいいが、Z世代特有のやる気のなさには少しうんざりしていた。
「ダサいとは何だ!これは芸術品だぞ!ス●ン・リーだぞ!」
「いや、でも正直、もうちょっとスタイリッシュな感じにできませんでした?なんかレトロすぎません?」
「うるさい!それでは起動するか」
私は胸を張って起動ボタンを押した。ロボドラキュラの赤い目がゆっくりと点灯する。
「システム起動完了。ターゲット検索中...」
機械的な声が響く。素晴らしい。私の計画は完璧だ。
「血液検知システム稼働。ターゲット発見」
しかし、その瞬間、ロボドラキュラは私たちの方を振り返った。
「あ」
「やべ」
助手と私は同時につぶやいた。
(しまった!ニンゲンとドラキュラの判別プログラムを入れていなかった!こいつはニンゲンとドラキュラの区別もつかないただの血を吸うロボットだ!)
「ターゲット確認。吸血開始」
ロボドラキュラがゆっくりと私たちに向かって歩いてくる。その動きは機械的だが、確実に殺意を感じる。
「博士、これヤバくないですか?」
「ロボット三原則は?!」
「え?何それ?」
「ニンゲンを傷つけてはいけないとか、ニンゲンの命令に従うとか...」
「博士、僕たちニンゲンじゃないですよね?」
そうだった。私たちは吸血鬼だ。ロボット三原則はニンゲンを守るもの。つまり、このロボットにとって私たちは単なる血袋でしかない。
「逃げるぞ!」
私たちは研究室から飛び出した。後ろからは「ターゲット逃走中。追跡開始」という冷たい機械音が響く。
東京の夜の街を、吸血鬼が自分の作ったロボットから逃げるという前代未聞の事態が発生した。
「博士、これどうします?」
走りながら助手が聞いてくる。
「とりあえず逃げる!考えるのはその後だ!」
しかし、ロボドラキュラの足は速い。じわじわと距離を詰められている。
「あ、そうだ!」
助手が突然立ち止まった。
「おい!何をしている!」
「博士、僕、実は最近転職を考えてて」
「今その話をするな!」
「いや、でも定時退社できないブラック企業はちょっと...」
「ブラック企業じゃない!」
その時、ロボドラキュラが追いついた。
「ターゲット捕捉。吸血開始」
「うわああああ!」
私たちは再び走り出した。
結局、夜が明けるまでこの鬼ごっこは続いた。朝日が昇ると、ロボドラキュラは「太陽光検知。充電モード移行」と言って動きを止めた。
「助かった...」
「博士、明日からリモートワークにしませんか?」
「リモートワークって何だ」
「家から働くんですよ。今の時代、普通です」
私は疲れ切って頷いた。科学の進歩もいいが、働き方改革も大切だということを、痛感した夜だった。
そして翌日、私はロボドラキュラにニンゲンとドラキュラの判別プログラムを追加した。しかし、なぜか「上司と部下の区別」という項目も追加されており、ロボドラキュラは私にだけ敬語を使うようになった。
「V博士様、本日の狩りの予定はいかがいたしましょうか」
「...助手、お前何を追加した?」
「いや、なんか面白そうだったんで」
結局、私の野望は達成されたが、なぜか職場環境が改善されるという予想外の結果となった。
科学技術の進歩とは、時として思いもよらない方向に向かうものである。
プロンプト
「『デストラクション・ロボット三原則・ロボドラキュラ』~ショートショートな風味を添えて~。「やっと完成したぞ」。私の名前はV博士。そう何を隠そう吸血鬼だ。場所は東京。夜の帝王。今日も人間の生き血を吸う。しかし、最近マンネリ化してきた。私はふとロボットに吸血つまり狩りをさせることを思いつく、逃げ惑う人間を狩るロボットを見る。血を吸うだけではなく恐怖の顔を楽しめる。そして、私は何もせずにロボットがとってきた血を吸う。一石三鳥だ。私は苦労の末、ロボドラキュラを作る。「博士出来上がったんですが、微妙にダサくないですか」。こいつは助手のZ世代のドラキュラ。大して頭は良くないが言われたことはこなし、定時退社する今風のドラキュラだ。邪魔をされたり嫉妬をされてもたまらないので、私にはちょうどいいが、Z世代特有のやるきのなさなどは少しうんざりしていた。「それでは起動するか」。起動したロボドラキュラは私たちを追いかける。(しまった人間とドラキュラの判別データやアルゴリズムなどは入れていなかった。こいつはドラキュラの区別もつかないただの血を吸うロボットだ)。私たちはロボット三原則をガン無視するロボットから逃げる。このプロットを元に勢い任せのシリアスコメディ短編小説を書きましょう。」




