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『グンマーで軍まで出動』~始めようぜド派手なパーリナイ~ Part2 『秘剣 バーサス ドラキュラ』

 

 ★ 第一章:友からの緊急連絡


 東京の高層マンション、最上階の一室。ヴラディミール・ノクターンは血入りワインを片手に、夜景を眺めていた。あれから二か月。グンマーでの驚愕の一夜は、彼の476年の人生に新たな彩りを添えていた。


「あの土地には、また行きたいものだな…」


 そう呟いた瞬間、テーブルの上のスマートフォンが震えた。画面を見ると「マキ」からのメッセージだった。


 数週間前、興味本位でマキに最新式のスマートフォンをプレゼントした。彼女は最初は「そんな高いもん受け取れねぇ」と拒んだが、「現代の吸血鬼は資産運用が上手くてな」と説明し、なんとか受け取らせた。それ以来、たまにメッセージのやり取りがあった。


 しかし、今回のメッセージは明らかに違った。


『助けてくれ。GDFに捕まった。処分されそうだ。みんなも捕まった。』


 そして位置情報が添付されていた。


 ヴラディミールの表情が一瞬で強張った。彼は素早く窓を開け、夜空を見上げた。もうすぐ夜明け。しかし、それでも行かねばならない。


「人間との交際は面倒だとずっと思っていたが…」


 彼は黒いスーツに着替え、特製の日焼け止めクリームを全身に塗り、ついでに赤いサングラスをかけた。それから、壁にかかっていた古い剣を手に取った。


「久しぶりだな、ブラッディ・ムーン」


 その剣は、16世紀にトランシルバニアで作られた伝説の武器。ヴラディミールの数少ない戦利品のひとつだった。


「行くぞ、グンマーへ」


 ★ 第二章:再び秘境へ


 朝日が昇り始める中、ヴラディミールは高級スポーツカーを走らせていた。車内は完全遮光のスペシャルガラス。彼にとって日光は致命的ではないが、極度の不快感をもたらすものだった。


 東京から群馬へ。ナビは「あと1時間」と告げていた。


「マキ、どうか無事であってくれ…」


 彼は心配しながらも、自らの行動に疑問を感じていた。なぜ人間一人のために、こんな危険を冒すのか?476年もの長い時を生きてきたというのに、こんな感情は初めてだった。


「友情、か…」


 彼の口から、そんな言葉がこぼれた。


 車は群馬県に入り、山々の間を縫うように進んでいった。マキの位置情報は群馬の山奥を示していた。


「これはまさに秘境だな…」


 ようやく目的地の近くまで来た時、ヴラディミールは車を路肩に停め、残りは徒歩で向かうことにした。日差しを避けながら、森の中を進む。


 すると突然、背後から声がした。


「止まりな、吸血鬼」


 振り返ると、黒い戦闘服に身を包んだ男がいた。顔は特殊なマスクで覆われている。手には銀でできた短剣。


「GDFか?」


 ヴラディミールは冷静に尋ねた。


「よく知ってるじゃないか。このグンマーに再び足を踏み入れるとは、命知らずだな」


「友人を助けに来た。邪魔はさせん」


「友人?あぁ、あのヤンキー女か。残念だったな、もう手遅れだ」


 その言葉にヴラディミールの怒りが爆発した。彼は一瞬で姿を消し、次の瞬間には男の背後に立っていた。


「何をした?」


 低く、威圧的な声で問いかける。しかし男は動じなかった。


「驚いたよ。その速さは伝説通りだ…吸血鬼」


「何度も言わせるな。マキはどこだ?」


「教えてやろう。だがその前に…」


 男は銀の短剣を構えた。それは明らかに吸血鬼に特化した武器だった。


「一勝負、付き合ってもらおうか」


 ヴラディミールは剣を抜き、対峙した。


「いいだろう。だが時間がない。手短にすませてもらう」


 ★ 第三章:GDFの真実


 戦いは一瞬で終わった。


 ヴラディミールの動きは、人間の目には捉えられないほど速かった。彼は剣を抜かずに鞘ごと振るい、男の短剣を弾き飛ばし、同時に相手の喉元に剣の切っ先を突きつけていた。


「な…何だと…」


 男は驚愕の声を上げた。


「次は命を取る。マキの居場所を言え」


「くっ…あの女なら、GDF本部地下牢にいる。ここから北へ3キロ」


「なぜマキを捕らえた?」


「吸血鬼と接触し、協力したからだ。それだけでGDFの掟に触れる」


「馬鹿げた話だ」


「お前にはわからん。この群馬には長い間、人外のものが出入りしてきた。われわれGDFはそれを阻止するために結成された組織だ」


「あなた方は人間だろう?なぜそこまで?」


 男はややためらった後、言った。


「GDFの最高司令官は…人間ではない」


「何だと?」


「それ以上は言えん。早くあの女を助けたいなら、ここから北に向かえ。だが忠告しておく。GDF本部に近づくと、お前のような血族には毒となるバリアがある」


 ヴラディミールは男を気絶させ、北に向かった。しかし、男の言葉が気になった。


「GDFの司令官が人間でない?一体何者なのか…」


 彼は木々の間を跳びながら進む。そして、遠くに見える巨大な施設に目を留めた。


「あれか…」


 近づくにつれ、体に違和感を覚え始めた。皮膚がチリチリと痛み、力が徐々に抜けていく。


「これがバリアの効果か…」


 しかし、彼は進み続けた。マキを救うためには、多少の痛みなど我慢できた。


 施設の周囲には監視カメラと警備員が配置されている。ヴラディミールはバリアの影響で、通常の能力は使えなかったが、それでも人間よりは俊敏だった。


 監視の目を掻い潜り、施設の裏手から侵入に成功。内部は迷路のように入り組んでいた。


「地下牢へはどこだ…」


 彼は壁に耳を当て、微かな足音や話し声を聞き分ける。そして、下に向かう階段を見つけた。


 階段を降りると、そこには文字通りの地下牢があった。金属製の扉が並ぶ廊下。中から声が聞こえる。


 突然、「ヴラディミール?」という声がした。


 振り返ると、マキの部下だった女性の一人がいた。拘束されているはずだが、なぜか自由に動いている。


「なぜ貴方が?」


「マキを救いに来た。なぜ貴方は…」


 女性は急に笑顔を崩した。その顔が、まるで蝋のように溶け始める。


「なっ…!」


 女性の姿が完全に変わった。その正体は…


「ドッペルゲンガー!」


 ヴラディミールは驚愕の声を上げた。


「よく知っているな、吸血鬼」形態を変えた怪物は笑った。


「お前のような古い血族は珍しい。研究材料には最適だ」


「貴様、GDFの…」


「そう、私が司令官だ」


 ★ 第四章:秘剣vs.ドラキュラ


 怪物は姿を変え、今度は巨大な人型の姿になった。その姿は…


「ドラキュラ…?」ヴラディミールは目を疑った。


 目の前にいるのは、映画やドラマで描かれる典型的な「ドラキュラ伯爵」の姿だった。黒いマント、白い顔、鋭い牙。


「なぜその姿に…」


「滑稽だと思わないか?」


 偽ドラキュラは笑った。


「人間はこんな姿の吸血鬼を恐れる。私はただ、その恐怖を利用しているだけだ」


「貴様は何者だ?」


「私は千年以上前から存在する形態模倣者。日本では『化け物』と呼ばれていた。あらゆる生物の形を真似ることができる」


「なぜGDFを?」


「人間は面白い。彼らの恐怖心を煽れば、簡単に操れる。GDFという組織を作り、彼らに『人外』を排除させている。そうすれば、この地域は私一人のものになる」


 それは狡猾な計画だった。人間に他の超常的存在を排除させ、自分だけが生き残るという戦略。


「マキはどこだ?」


「ここだよ、ヴラディミール」


 声の方を見ると、いくつかの牢の前に、マキが立っていた。…いや、彼女にそっくりな何かが。


「これも偽物か?」


「正解」


 偽マキは笑った。


「本物のマキなら、こんな簡単に捕まるわけないだろ?」


「何?」


「あの女は強いからな。まだ捕まえられていない。だからこそ、お前を誘き寄せるために彼女のスマートフォンを使った。彼女自身は…」


 突然、上階で大きな爆発音が鳴り響いた。続いて警報が鳴り始めた。


「なっ…何だ!?」


 形態模倣者は驚いた顔をした。


「おっせぇぞ、吸血鬼野郎!」


 その声は間違いなくマキのものだった。彼女は地下牢の入り口に現れた。背後には彼女の仲間たち。全員が無事だった。


「マキ!」


 ヴラディミールは安堵の声を上げた。


「あたしを甘く見るなよ」


 マキは得意げに言った。


「GDFがあたしのスマホを持ち出したのは気づいてた。だから奴らの基地を突き止めて、仲間と一緒に襲撃することにしたんだ」


 彼女の目がヴラディミールに向けられた。


「でもまさか、お前が来るとは思わなかったぜ」


「友を見捨てはしない」


 ヴラディミールは答えた。


「ふん、格好いいこと言うじゃねぇか」


 しかし、会話の途中、形態模倣者が動いた。今度はさらに巨大な姿、ドラゴンのような形態に変化しようとしている。


「くそっ…」


 マキは歯を食いしばった。


「下がれ!」ヴラディミールは彼女たちに叫んだ。


「私が相手をする!」


 ヴラディミールは剣を抜いた。その剣「ブラッディ・ムーン」は、赤い月の光のような輝きを放った。


「おもしろい」


 化け物は言った。


「では勝負だ、本物の吸血鬼よ」


「行くぞ…秘剣、ブラッド・カーニバル!」


 ヴラディミールの体が一瞬で消え、次の瞬間には何十もの残像が化け物を取り囲んでいた。それは彼の秘技。超高速の動きで敵を混乱させる技だ。


「なにっ!?」


 化け物は驚愕した。


 残像の中から本物のヴラディミールが現れ、一閃。化け物の腕が切り落とされた。


「ぐああっ!」


 化け物は再び形を変え、今度は蛇のような姿になった。素早く床を這い、ヴラディミールに襲いかかる。


「そうはいかん!」


 ヴラディミールは剣を回転させ、周囲に血の壁を作り出した。それは彼自身の血液を使った防御壁。


「血の結界…」


 蛇の姿は結界に触れた途端、凍りついたように動きを止めた。


「千年生きた化け物でも、我が血には抗えん」


 そして最後の一撃。ヴラディミールは剣を高く掲げ、一気に振り下ろした。


「破ッ!」


 剣が化け物を貫いた瞬間、それは本来の姿を現した。それは透明に近い、ゼリー状の生命体だった。


「まさか…私が…」


 その言葉を最後に、化け物は崩れ落ちた。


 ★ 第五章:ド派手なグンマー大脱出


「やったぜ!」


 マキは拳を突き上げた。


 しかし喜びも束の間、施設全体に大きな警報が鳴り響いた。


『自爆装置作動。残り10分』


「何だと!?」ヴラディミールは驚いた。


「こいつ、負けを悟って自爆装置を仕掛けやがった!」


 マキが叫んだ。


「早く出るぞ!」


 一行は急いで地下牢を出て、階段を駆け上がった。しかし、通路は複雑に入り組んでいて、出口が見つからない。


「くそっ、どっちだ?」マキは焦った声を上げた。


「このまま行くと時間がない…」


 ヴラディミールは考えた。


「力を使うしかないな」


 彼は剣を構え、壁に向かって突進した。


「秘剣、クリムゾン・ブレイク!」


 剣が壁を切り裂き、外壁を破った。外の光が差し込む。


「こっちだ!」


 皆で外に飛び出したが、施設の周囲はすでにGDFの部隊に囲まれていた。


「全員逮捕する!」


 部隊の指揮官が叫んだ。


「逃げるぞ!」


 マキは叫んだ。


 突然、ヴラディミールが前に出た。


「任せろ」


 彼は空に向かって剣を振り上げた。


「血の契約を呼び覚ます…来たれ、我が使い魔たち!」


 空が暗くなり、無数のコウモリが天から降り注いだ。それらは彼の血の力に応じて集まってきた使い魔たちだった。


「うおおっ!」


 GDFの隊員たちは混乱した。


 コウモリの群れがGDFの部隊を襲う中、ヴラディミールたちは脱出の機会を得た。


「あっちだ!」マキが森の方向を指した。


 しかし、森への道は遮断されていた。GDFの装甲車が数台、立ちはだかっている。


「くそっ、どうする…」


 その時、遠くからエンジン音が聞こえてきた。見ると、数十台のバイクが接近していた。


「あれは…」


「あたしの仲間だ!」


 マキは笑顔を見せた。


「グンマー連合ヤンキー軍団だ!」


 何十人ものヤンキーたちがバイクに乗って現れ、GDFの部隊に突撃していった。派手な格好、爆音を立てるマフラー、そして圧倒的な数。それはまさに「ド派手」な光景だった。


「すげぇ…」


 ヴラディミールは思わず呟いた。


「さぁ、脱出だ!」


 マキは部隊から奪ったジープに飛び乗った。ヴラディミールも続く。


「取り残される仲間は?」


「心配するな」


 マキは言った。


「あいつらには連絡済みだ。別ルートで脱出する」


 ジープは猛スピードで走り出した。後ろではGDFと群馬連合ヤンキー軍団の壮絶な戦いが繰り広げられている。


『自爆まであと3分』


 時間がない。ジープは森の中の未舗装の道路を疾走した。


「あそこが出口だ!」


 マキが叫んだ。


 見ると、森の向こうに大きな道路が見えた。あと少し。


 突然、空からヘリコプターが現れた。そして、機関銃の音が響いた。


「くそっ!」マキはハンドルを切った。


 ヴラディミールは立ち上がり、剣を構えた。


「マキ、ハンドルを任せた!」


 彼はジープの屋根に登り、ヘリコプターに向かって剣を構えた。


「秘剣、ブラッディ・ストーム!」


 剣から無数の血の刃が飛び出し、ヘリコプターに命中。ローターが損傷し、ヘリは森の中に墜落していった。


「やったぞ!」


 しかし同時に、背後で大爆発が起きた。GDFの基地が爆発し、巨大な衝撃波が押し寄せてきた。


「速度を上げろ!」


 ジープは限界まで加速し、森の出口に飛び出した。そして、衝撃波に追いつかれる寸前、彼らは大きな国道に飛び出した。


 衝撃波は森の縁で止まり、彼らは九死に一生を得た。


「危なかった…」


 マキはため息をついた。


「しかし、あれでGDFは…」


「あいつらはしぶといぜ」


 マキは言った。


「でも当分は大人しくしているだろうよ」


 彼らは国道を走りながら、後方を振り返った。森の上には巨大な煙の柱が立ち上っていた。


 ★ 終章:友情と約束


 夕暮れ時、群馬の小さな町の外れ。ヴラディミールとマキは、山の見える場所に車を停めていた。


「無事で良かった」ヴラディミールは言った。


「お前も大したもんだな」


 マキは感心したように言った。


「あんな派手な技、初めて見たぜ」


「数百年生きていれば、いくつか技は身につくものだ」


「で、お前はこれからどうする?」


「東京に戻るさ。貴方たちに迷惑をかけたくない」


 マキは首を振った。


「迷惑だぁ?冗談言うなよ。お前がいなきゃ、今日は全滅してたかもしれねぇ」


 彼女はジープから降り、タバコに火をつけた。


「そういえば、あの化け物が言ってたな。『形態模倣者』とか何とか」


「ああ。日本の伝説では『ぬらりひょん』とも呼ばれていたかもしれない」


「ふーん。群馬には色んなモンスターが出るって言うからな。今度は何が出るか分からねぇな」


「次があるとでも?」


「もちろんさ」マキは笑った。


「グンマーには、まだまだ謎がたくさんある。それに…」


 彼女は真剣な表情になった。


「お前、次はちゃんと観光させてやるって約束したろ?」


 ヴラディミールは笑顔を見せた。


「ああ、約束したな」


 遠くからエンジン音が聞こえてきた。マキの仲間たちが続々と集まってきている。全員、無事に脱出できたようだ。


「さて、パーティーの始まりだ」


 マキは言った。


 夕暮れの空の下、群馬の山々を背景に、彼らは集まった。ヤンキーたちは酒や食べ物を持ち寄り、即席のパーティーが始まった。


「さぁ、吸血鬼野郎!」


 マキはビールを差し出した。


「乾杯だ!」


「血のない乾杯か…悪くないな」


 ヴラディミールはビールを受け取り、グラスを掲げた。


「乾杯、我が友よ」


 夜空に、彼らの笑い声が響いた。吸血鬼とヤンキー、不思議な友情の物語は、まだ始まったばかりだった。


 そして、彼らは知らなかった。群馬の山の中では、すでに新たな「何か」が目覚めつつあることを…。

プロンプト

「この話の続編。

『グンマーで軍まで出動』~始めようぜド派手なパーリナイ~ Part2 『秘剣 バーサス ドラキュラ』。

ウラディミールはGDFに捕まったマキを救出するために、再び秘境グンマーへ向かう。このプロットを元にド派手な爽快アクションコメディ小説を書いてください。」

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