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『アナリストに襲われたら一目散に逃げろ!!!』~肛門とイチモツの危機~

 東京の高層ビル、夜の11時。私は経済番組の男性アナウンサーとして、業界の大御所である経済アナリスト・竹外(チクガイ)開造(カイゾウ)との会食を終えたところだった。


「今日は貴重なお話をありがとうございました。アナリストの竹外さんとお話しできて本当に勉強になりました」


 私は丁寧にお辞儀をしながら言った。竹外氏は60代半ば、経済界では神のような存在だ。テレビ局の上層部からの命令で、この「重要な関係」を維持するための食事会だった。


 私たちは高級寿司店を出て、ビルのエレベーターに乗り込んだ。狭い空間に二人きり。竹外氏は高級な酒をたっぷり飲んでいた。彼の顔は赤く、目は少し据わっていた。


「ところで君、」


 彼は突然私に近づいた。


「アナリストと言ったね」


「はい、竹外さんは日本一の経済アナリストですから」


 そのとき、背後で違和感を覚えた。彼の手が私のお尻に触れていた。


「アナリスト?ふふーん」


 竹外氏は不気味に笑った。


「君は僕のお気に入り。ちゃんとリストに入っているよ」


 彼の手がさらに下へと移動する。


(そっちのリストかよ!ア〇ルリストか!)


 私の心臓が跳ね上がった。竹外氏の息遣いが荒くなり、アルコールの匂いが強くなる。


「竹外さん、やめてください」


「何をやめるんだい?経済の予測と同じさ、入念な分析が必要なんだよ」


 彼は私に迫ってきた。エレベーターの狭い空間から逃げ場はない。パニックが襲う。


 ディスプレイの数字が「1」を表示した瞬間、ドアが開いた。私は全力で飛び出した。


「おい、待て!分析が終わっていない!」


 彼の声が背後から聞こえる。足を速めるが、竹外氏も追いかけてくる。深夜のビルのロビーには誰もいない。セキュリティガードも見当たらない。


「君のデータは特別なんだ!集めさせてくれ!」


 彼の声が近づいてくる。私は走った、必死に。しかし、若さの差があるにもかかわらず、竹外氏は驚くべき速さで迫ってくる。


「マーケットと同じさ、逃げても無駄だよ!」


 絶望的な状況で、ロビーの暗がりから一人の男が現れた。スーツを着た長身の男性、30代前半だろうか。彼は優雅に竹外氏の前に立ちはだかった。


「おやおや、経済に詳しいのに人の心には疎いのですか」


 その声は冷たく、透き通っていた。


 竹外氏は足を止めた。


「誰だお前は?邪魔するな!」


「私ですか?」


 男は微笑んだ。その口元から、不自然に長い犬歯が覗いた。


「私は不適切な分析を正す者です」


 男は一瞬で竹外氏の肩をつかんだ。その動きは人間とは思えないほど速かった。


「竹外さん、あなたの予測には大きな誤りがあります。人間の尊厳という最も基本的な指標を見落としています」


 竹外氏の顔から血の気が引いた。


「な、何だお前は...」


「あなたは日本経済の血を吸う者と言われていますが、私が吸うのは本物の血」


 男は笑った。


「でも安心してください。あなたの血は吸いません。腐っていますから」


 男は竹外氏の耳元で何かをささやいた。竹外氏の顔が青ざめる。


「わ、わかった。もう二度とこんなことはしない。約束する!」


 竹外氏は震えながら言った。男は彼を離し、私の方を向いた。


「大丈夫ですか?」


 私はまだ恐怖で震えていた。


「あ、ありがとうございます。あなたは...?」


「私は夜の経済アナリストです」


 彼は優雅に会釈した。


「不公正な取引を監視しています」


「吸血鬼...なんですか?」


「ラベルは重要ではありません。重要なのは、誰もが尊厳を持って生きられる世界です」


 彼はそう言うと、竹外氏に向き直った。


「竹外さん、明日から新しい経済予測を始めてはいかがですか?『人間関係の投資』についての分析はどうでしょう?」


 竹外氏はただうなずくだけだった。


 翌日、私は局に出勤した。デスクには一通の封筒があった。中には一枚のカードだけ。


『アナリストには様々な種類がある。人の心を分析できない者は、本当のアナリストとは言えない。お気をつけて。—夜の経済アナリスト』


 それから竹外開造は人が変わったように礼儀正しくなった。彼の経済番組では「人間性を重視した経済成長」について語るようになった。


 私はときどき夜のビルで、あの「夜の経済アナリスト」を見かける。彼は常に微笑み、そして消えていく。彼の分析は決して間違わない。

『アナリストに襲われたら逃げろ!!!』~肛門の危機~。場所は東京。夜中にオールドメディアにおける大スターである経済アナリストの竹外開造と付き合いで二人っきりで会食をした男性アナウンサーの私。帰り際、お世辞でお礼をする私。「今日は貴重な話をありがとうございます。アナリストの竹外さんとお話しできて勉強になりました」。エレベーターに乗る私たち。エレベーターで二人っきり。そのときお尻に違和感が触られている。「アナリスト?ふふーん。君は僕のお気に入り。ちゃんとリストに入っているよ」。お尻の穴を触ろうとするほろ酔いの竹外。鼻息が荒い。(そっちのリストかよ!アナルリストか!)。危機を感じる私。そのとき、エレベーターが1階に着く。私は逃げ出す。追いかけてくる竹外。逃げきれない。そのとき、正義の吸血鬼が現れた。「おやおや、経済に詳しいのに人の心には疎いのですか」。このプロットを元にシリアスブラックコメディ短編小説を書きましょう。

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