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『超!ネオ・ギャラクティック!!ニュージェネレーション!!!だるまさんが転んだ!!!!』

 

 ニューデリーの夜は、思ったより暗かった。


 俺、山田太郎はカバディ選手として知られている。今日も練習を終え、ホテルに帰る途中だった。インドの首都の喧噪が遠ざかり、なぜか静寂に包まれた路地に迷い込んでいた。


「くそ、圏外か」


 スマホを懐にしまい、周囲を見渡す。古びた建物の間から月明かりが差し込み、不気味な影を作り出していた。そのとき、背後から冷たい風を感じた。


「よく迷い込んだね、ここは私の縄張りだよ」


 振り返ると、そこには一人の男が立っていた。西洋の貴族のような装いで、顔は青白く、唇は不自然な赤さ。そして何より、あの尖った犬歯。間違いない。これは吸血鬼だ。


「おいおい、冗談はよしてくれよ。吸血鬼なんて実在するわけ...」


 言葉を最後まで発する前に、男は一瞬で俺の目の前に現れていた。


「実在しない?それは残念だな。では、これはどうだ?」


 男は俺の首筋に息を吹きかけた。あまりの冷たさに背筋が凍る。


「信じるか信じないかはお前の自由だが、私は確かに存在する。そして、お前は今夜の獲物だ」


 俺は一歩後ずさった。


「ただし、すぐに血を吸うのも面白くない。少し遊ぼうじゃないか?」


 吸血鬼はニヤリと笑った。


「だるまさんが転んだ、知ってるか?」


「え?子供の遊びか?」


「そう。でも普通じゃつまらない。特別ルールを提案しよう」


 吸血鬼は指を鳴らしながら続けた。


「私が子でお前が鬼。お前が『だるまさんが転んだ』と言っている間はお前も動ける。名付けて『超!ネオ・ギャラクティック!!ニュージェネレーション!!!だるまさんが転んだ!!!!』だ」


 俺が鬼で吸血鬼が子。なんという皮肉な設定だろう。


「朝日が昇るまで俺から逃げ切れれば、お前の勝ち。捕まえれば、私の晩餐だ」


 吸血鬼は高笑いした。


「はじめの一歩だ」


 俺はとっさに考えた。吸血鬼の弱点は日光。朝まで逃げ切れば勝てる。しかし、この狭い路地で何時間も逃げ続けるのは難しい。


 だが、何を隠そう俺はカバディの世界的名選手。カバディ界のリオネル・メッシ。日本カバディ界の大谷翔平。毎日「カバディ、カバディ」と息継ぎせずに唱え続けるトレーニングで培った恐ろしい肺活量と、相手のタックルをかわす俊敏性が俺の武器だ。


「よし、受けて立とう」


 俺は深呼吸をし、声を張り上げた。


「超!ネオ・ギャラクティック!!ニュージェネレーション!!!だるまさんが転んだ!!!!」


 その瞬間、吸血鬼は建物の陰に隠れた。俺は素早く振り向き、周囲を確認する。思った以上に長い文言で、たっぷり時間が稼げる。


「超!ネオ・ギャラクティック!!ニュージェネレーション!!!だるまさんが~」


 声を伸ばしながら、俺は路地を駆け抜けた。カバディで鍛えた足腰で、小さな路地を複雑に進む。吸血鬼は素早いが、この迷路のような街並みなら、少しは時間を稼げるはずだ。


「~転んだ!!!!」


 振り返ると、吸血鬼が屋根の上から俺を見下ろしていた。笑みを浮かべる姿は、まるで猫が鼠を追い詰めるように。


「超!ネオ~」


「面白い。その動きカバディか。カバディの選手とは知らなかった。これは楽しくなりそうだ」


 吸血鬼は一瞬で俺の背後に回り込もうとした。だが、カバディで培った反射神経で、俺は素早く身をかわした。


「ギャラクティック!!ニュージェネレーション!!!だるまさんが転んだ!!!!超~」


 再び長い掛け声をかけながら、俺は走り出した。今度は広い通りに出て、人の多い場所を目指す。吸血鬼も人目を気にするだろう...と思ったが、深夜のニューデリーの路地は、思ったより人気がなかった。


 そのとき、遠くからリズミカルな音楽が聞こえてきた。


「結婚式の余興か?」


 インドでは深夜まで結婚式が行われることも多い。音楽の方向に走ると、広場に出た。そこでは華やかなサリーを着た人々が踊っていた。


 俺はその中に紛れ込み、叫んだ。


「ネオ・ギャラクティック!!ニュージェネレーション!!!だるまさんが転んだ!!!!」


 吸血鬼も人混みに入ってきた。しかし、彼の西洋風の装いは目立ち、人々の視線を集める。


「おや、外国からのお客様か?」と誰かが声をかけた。


 吸血鬼は困惑した表情を浮かべている。俺はチャンスとばかりに、さらに深く人混みに入っていく。


「超!ネオ・ギャラクティック!!ニュージェネレーション!!!だるまさんが転んだ!!!!」


 吸血鬼が俺を追いかけるうち、何人かの踊り手が彼を取り囲み始めた。


「さあ、一緒に踊りましょう!」


「いや、私は...」


 吸血鬼の言葉は音楽にかき消されていった。インド人たちは彼の手を取り、輪の中へと引き込む。


「超!ネオ・ギャラクティック!!ニュージェネレーション!!!だるまさんが転んだ!!!!」


 俺の掛け声に合わせて、周囲の人々も一緒に踊り始めた。まるでボリウッド映画のワンシーンのように、広場全体が踊りの渦に包まれていく。


 吸血鬼も否応なしに踊らされている。最初は嫌がっていたが、いつの間にかリズムに乗り始めていた。


「超!ネオ・ギャラクティック!!ニュージェネレーション!!!だるまさんが転んだ!!!!」


 踊りながら、俺は空を見上げた。東の空がわずかに明るくなり始めている。もうすぐ夜が明ける。


 吸血鬼も気づいたのか、焦った表情で人混みから抜け出そうとする。しかし、踊りの輪は彼を離さない。


「超!ネオ・ギャラクティック!!ニュージェネレーション!!!だるまさんが転んだ!!!!」


 最後の掛け声と共に、朝日が地平線から顔を出した。吸血鬼の体が光に触れると、彼は苦しそうな表情を浮かべる。しかし、不思議なことに彼は燃え上がらない。ただ、踊りの動きが次第に緩やかになっていく。


「負けたよ...」と吸血鬼はつぶやいた。


「こんな形で決着がつくとは思わなかった」


 彼の体は透明になりつつあった。朝日を浴びながら、彼は最後の言葉を残した。


「次は満月の夜に、リベンジマッチだ...」


 そして完全に消えた。周囲の人々は何も気づかず、踊り続けている。


 俺はふと、これは本当に起きたことなのか、それとも疲れからの幻覚だったのか考えた。だが、確かにあの冷たい息遣いと、最後の言葉は現実だったはずだ。


 翌日のカバディの試合。俺は「超!ネオ・ギャラクティック!!ニュージェネレーション!!!だるまさんが転んだ!!!!」と叫びながらコートに飛び込んだ。


 観客は一瞬混乱したが、やがてその掛け声に合わせて踊り始めた。気がつけば、スタジアム全体が踊りの渦に包まれていた。


 そして、観客席の片隅に西洋風の装いをした男が立っているのが見えた。彼はニヤリと笑い、そして帽子を取って一礼すると、人混みに紛れて消えていった。


 満月の夜、彼は必ず戻ってくるだろう。次回の「超!ネオ・ギャラクティック!!ニュージェネレーション!!!だるまさんが転んだ!!!!」の対決が、既に楽しみで仕方がない。

プロンプト

「『超!ネオ・ギャラクティック!!ニュージェネレーション!!!だるまさんが転んだ!!!!』。場所はニューデリー、夜中に吸血鬼と遭遇した俺。吸血鬼は私に対して、「だるまさんが転んだ」を提案する。俺は夜に吸血鬼から逃れるために、思考を巡らせる。吸血鬼の弱点は日光。朝まで逃げれば勝てる。しかし、逃げきれる保証はない。「フフフ、ただのだるまさんが転んだじゃあ味気ない。ここは特別ルール。私が子でお前が鬼。お前はだるまさんが転んだと言っている間はお前も動けるというのはどうだ?名付けて『超!ネオ・ギャラクティック!!ニュージェネレーション!!!だるまさんが転んだ!!!!』だ」。俺が鬼で吸血鬼が子とはなんという皮肉。暗闇に紛れながら吸血鬼は高笑いする。「はじめの一歩だ」。しかし、何を隠そう俺はカバディの世界的選手。恐ろしい肺活量と俊敏性でインドを駆け回る。オチはインド映画のようにみんな踊りまくる。最後は吸血鬼は踊りながら太陽に焼かれます。このプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう。」

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