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『ドラキュラVSジャック・ザ・リッパー』

　霧深いロンドンの夜。ベーカー街の石畳を私の足音が響く。

「面白い遊びを提案しようではないか」

　背後から聞こえた声に、私は振り返った。月明かりに照らされた顔は、驚くほど貴族的だった。しかし、その赤い瞳は人間のものではない。

「鬼ごっこだ」

　吸血鬼は優雅に言った。

「朝日が昇るまでの時間制限付きでね」

　私は冷笑を浮かべた。

「それは私にとって都合が良い」

　彼は私の真意を理解していない。私こそが、この街で最も恐れられる存在なのだから。

　霧が濃くなる中、私は路地を駆け抜ける。吸血鬼は私の動きを追っているが、距離を縮めようとはしない。彼は私をもてあそんでいるのだ。

　だが、それは私にとって好都合だった。

「あなたは私の秘密を知りたいのでしょう？」

　私は立ち止まり、声を投げかけた。

　吸血鬼は優雅に着地する。

「人間離れした動きをする君に、興味をそそられてね」

「では、お見せしましょう」

　私はポケットから手術用メスを取り出した。月明かりに刃が煌めく。

　吸血鬼の表情が変わる。

「君は...まさか...」

「そう、私こそがジャック・ザ・リッパー」

　吸血鬼は笑い出した。

「これは予想外だ。私の獲物が、別の捕食者とは」

「さあ、誰が本当の狩人か、決着をつけましょう」

　私たちは互いに向き合い、静かに距離を詰める。彼には不死身の肉体があり、私には殺戮者としての技術がある。

　朝日まであと数時間。この夜、ロンドンは最も危険な二人の捕食者の決闘の舞台となるのだ。

　吸血鬼は優雅に礼をする。

「では、本当の狩りを始めようか」

　私は手術用メスを構える。

「ええ、どうぞ」

　霧の中、私たちの影が溶けていく。この夜、どちらが真の狩人となるのか—。

　吸血鬼の爪が、夜気を切り裂く。私は咄嗟にメスを構え、その攻撃を受け流した。鋼鉄の爪と手術用メスが火花を散らす。

「素晴らしい反応だ」

　吸血鬼が褒めそやす。

「さすが、ロンドンの影が恐れる殺人鬼」

　私は無言で応じる。メスを横に払い、吸血鬼の胸元を狙う。しかし、彼は瞬時に霧となって消え失せた。

「ここだ」

　背後から声が聞こえ、私は反射的に身を翻す。しかし遅かった。吸血鬼の蹴りが私の腹を直撃。私は石壁に叩きつけられる。

「人間の身でよく持ちこたえているな」

　吸血鬼が近づいてくる。

　私は血を吐きながら立ち上がる。

「まだ...終わっていない」

　その時、遠くから人声が聞こえてきた。

「こっちよ！いい男の匂いがする！」

「逃がすな！」

　松明の光が近づいてくる。

「なんと...」

　吸血鬼が顔をしかめる。

「男色家のギャングか」

「ホモフォビアなのか？」

　私は皮肉を込めて言う。

　次の瞬間、私たちは群衆に包囲されていた。松明の光が、私たちの周りを不気味に照らし出す。

「あら～！イケメンよ！！！」

　リーダーらしき男?が叫ぶ。

「今夜、この街で新たな"愛"を広めましょう！」

　吸血鬼は苦々しい表情を浮かべる。

「私は降参だ。日の出も近い。この場は退かせてもらおう」

　そして彼は、最後の言葉を私に向けて囁いた。

「残念だが、私たちの決着は次の機会にしよう」

　吸血鬼は霧となって消え去り、私は包囲された状態で取り残された。

「あなただけでも、"愛"を教えてあげるわ」

　群衆が私に迫る。私はメスを構えるが、数が多すぎる。

「くそ...こんな終わり方があるものかぁ...アー！！！」

　私の悲鳴は、夜明け前のロンドンの街に響き渡った。

　そして伝説は、ここで幕を閉じた。ジャック・ザ・リッパーの最期の姿を目撃した者はいない。ただ、その夜、ロンドンの片隅で、歓喜の声と悲痛な叫びが交錯していたという噂だけが、後世に語り継がれることとなった。

プロンプト

「『ドラキュラVSジャックザリッパー』。場所はロンドン。夜中に吸血鬼と遭遇した私。吸血鬼は私に対して鬼ごっこを提案する。私は夜に吸血鬼から逃れるために、思考を巡らせる。吸血鬼の弱点は日光。朝まで逃げれば勝てる。しかし、逃げきれる保証はない。しかし、あの秘密を知られるわけにはいかない。私はベーカー街を所狭しと走る。そして、人気がないことを悟り、吸血鬼を血祭りにあげようとする。このプロットを元にシリアススタイリッシュコメディ短編小説を書きましょう。」

「迫力満点のアクションシーンを書き、最後は男色イギリス人たちに囲まれるバッドエンディングで物語を締めくくってください。」