『キャバ嬢の正体はヴァンパイア』
「いい国作ろうキャバクラ幕府!いざ、キャバクラへ!!!がはは」
部長の声が、新宿の夜空に響き渡る。二次会だ。いつもの上司の決まり文句に、部下たちは既に慣れっこになっている。
「キャバクラ行きましょうよ!」と課長が提案する。みんな頷く。酔った勢いもあるが、今日は大きな案件が成功したお祝いだ。奮発する価値はある。
案内所に向かう途中、私は少し違和感を覚えた。案内所のお兄さんの肌が妙に白い。蛍光灯の下で透き通るように見える。まあ、夜職だからか。
「源氏と平家」という店に案内された。高級そうな内装で、接客するキャバ嬢たちは一様に美しい。艶やかな着物姿の女性たちが、しなやかに動き回る。
隣に座った子は、「源」と名乗った。「ドラ〇もんみたいですね」と言うと、彼女は上品に微笑んだ。
「お客様のお血...あ、お仕事はなんですか?」
一瞬聞き間違えたかと思った。酔いが少しずつ醒めていく。周りをよく見ると、不自然なことに気付き始める。
キャバ嬢たちの動きが妙に素早い。グラスに映る姿がない。首筋に派手な化粧...いや、噛み跡を隠すメイク?
「みんな、そろそろ帰らない?」と、さりげなく声をかける。
「明日も早いし」
部長が「えー、まだ早いよ」と言いかけた時、「源」さんが首を傾げながら私を見つめる。その瞳が、赤く光った気がした。
「部長、マジで帰りましょう。キャバクラ幕府の刺客...じゃなくて、明日の株主総会の資料、まだ確認してないんですよ」
幸い、株主総会という言葉で部長の酔いは一気に醒めた。
店を出る時、「源」さんが耳元で囁いた。
「また来てくださいね。次は...もっとゆっくり、お話ししましょう」
その夜、私は枕元に聖書と十字架を置いて寝た。明日から、終電前には必ず帰ることを固く誓った。
プロンプト
「『キャバ嬢の正体はヴァンパイア』。「いい国作ろう?」。「キャバクラ幕府!」。飲み会の後の二次会で我々はキャバクラへ行くことに決めた。みんな酔いが回っていい気分だ。案内所に行き、いい感じのキャバクラに案内される。が、案内所の人間が色白過ぎないか?キャバクラに入店すると、べっぴんさんばかりだ。私の隣に着いた子。「源氏は?」。「源っていいます」。くだらない会話をしつつ、私は酔いがさめていく。するとあることに気が付く。「キャバ嬢、みんなヴァンパイアじゃね」。私はそれとなく退店をみんなに促す。このプロットを元にシュールコメディ短編小説を書きましょう。」