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『ヤンキー美少女総長 アビゲイル a.k.a 凄腕降霊師 西園寺』~本多忠勝編~

 

「お嬢さん」


 群馬の夜道。私——アビゲイルこと西園寺は、その声に振り向いた。月明かりの下、見知らぬ男が立っていた。


「なーに?」


 私は不良っぽく返事をする。表の顔である女子高生らしからぬ態度で。しかし、次の瞬間、男の正体を悟って背筋が凍った。


 真っ赤な瞳。尖った牙。


 吸血鬼だった。


「ふふふ...退屈だったところなんだ。鬼ごっこをしないか?」


「は?」


「朝日が昇るまでに捕まえられなければ、私の負け。捕まえたら...お嬢さんの命をいただく」


 私は即座に走り出した。舎弟たちも呼べない。この街一番の不良集団のヘッドである私でも、supernatural(超常)には勝てない。


 でも...。


 私には、もう一つの顔がある。


「西園寺、参上!」


 私は懐から数珠を取り出した。群馬きっての降霊師、西園寺の真骨頂を見せる時だ。


「本多忠勝様、ご降臨を!」


 空気が震えた。地面から青白い光が立ち昇る。


「むっ、なんじゃ、わしを呼び出したのは」


 戦国武将・本多忠勝の霊が現れた。


「ちょっとした吸血鬼退治をお願いしたくて」


「ほう......」


 吸血鬼は目を見開いた。


「な、なにぃぃぃぃ!」


「忠勝様、アイツです!」


「わかっておる。外道は退治せねばなるまい」


 本多忠勝の霊は薙刀を構えた。吸血鬼は青ざめた顔で後ずさる。


「待って!これは反則だ!」


「鬼ごっこのルールは、『私』が逃げ切ればいいんでしょ?私が誰を呼ぼうと、私の自由ですよね?」


 にやりと笑う私。


「くっ...今回は引き下がる。だが、次は...!」


 吸血鬼は煙のように消えた。


「ご苦労様でした、忠勝様」


「うむ。降霊師殿、また呼んでくれてよいぞ。久々の良い運動であった」


 本多忠勝の霊も消えていく。


 私はため息をつきながら、スマホを取り出した。


「もしもし、あっキヨ?今日のナイトツーリング、中止な。なんでって...ちょっと、吸血鬼に絡まれてさ」


 夜の群馬に、女子高生の笑い声が響いた。


 これが私の日常。ヤンキー美少女総長にして凄腕降霊師、アビゲイルの。

プロンプト

「『ヤンキー美少女総長 アビゲイル a.k.a 凄腕降霊師 西園寺』~本多忠勝編~。場所はグンマー。私はアビゲイル。表の顔は美少女女子高生。裏の顔は珍走団のヘッド。今夜も家に帰宅する。「お嬢さん」。振り向くと、吸血鬼がいた。吸血鬼は私に対して鬼ごっこを提案する。私は夜に吸血鬼から逃れるために、思考を巡らせる。吸血鬼の弱点は日光。朝まで逃げれば勝てる。しかし、逃げきれる保証はない。生半可な手じゃ撃退できない。舎弟たちを使っても太刀打ちできない。私はある方法を思いつく。私の別の顔は凄腕降霊師の西園寺。本多忠勝を降霊する。「なにぃぃぃぃ!」。このプロットを元にライトノベル調コメディ短編小説を書きましょう。」

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