『銀河鉄道ドラキュラ!?』
真夜中の盛岡は、いつもより暗く感じた。街灯が妙に薄暗く、人通りもほとんどない。そんな中、私は吸血鬼に追われていた。
「ケンジくん、鬼ごっこをしようよ」
甘ったるい声で誘ってきた吸血鬼は、スーツを着た紳士然とした男性だった。私の坊主頭に月明かりが反射して、まるで提灯のように光っている。
「朝まで逃げ切れば勝ちだ」と思った私は、とにかく走った。吸血鬼の弱点は日光、にんにく、十字架...。でも、今の状況でそんなものは手に入らない。
そのとき、目の前に、あの店が...。
「注文の多い料理店」。宮沢賢治の小説に出てきた、あの不思議な店が、なぜか盛岡にもあったのだ。店に入れば、面倒な注文の数々で吸血鬼も嫌になって帰るはず。
息を切らしながら店の扉を開けると、そこには駅長の制服を着た吸血鬼が立っていた。
「ようこそ、銀河鉄道へ」
駅長吸血鬼は優雅に帽子を取って挨拶した。店内は突如、宇宙空間に浮かぶプラットフォームへと変貌していた。
「これより、吸血惑星行きの銀河特急にご搭乗いただきます」
私の周りには、同じように追い詰められた人々が十数人。皆、震えながら互いを見つめ合っている。
光り輝く銀河列車が、まるで夜空に浮かぶ巨大な蛇のように、プラットフォームにすべり込んでくる。
「お客様、ご乗車の際は必ず血液型と好みの食事をお申し付けください」
ガクガクと震える足で列車に乗り込む私たち。車窓の外では、無数の星々が光を放っている。ふと、地球がどんどん小さくなっていくのが見えた。
「皆様、吸血惑星到着まではおよそ三時間です。その間、軽い採血タイムを設けさせていただきます」
車内アナウンスが流れる中、白衣を着た吸血鬼の車掌たちがニコニコしながら近づいてきた。採血用の注射器が月明かりに不気味に輝いている。
私の隣に座っていた女性が、小さな声でつぶやいた。
「ねぇ、これって私たち家畜ってこと?」
答える暇もなく、最初の採血が始まった。宇宙の闇の中で、私たちの悲鳴だけが響き渡る。
銀河鉄道は、吸血鬼たちの故郷へと、着実に進んでいった。
プロンプト
「『銀河鉄道ドラキュラ!?』。場所は盛岡、夜中に吸血鬼と遭遇した私ことケンジ。吸血鬼は私に対して鬼ごっこを提案する。私は夜に吸血鬼から逃れるために、坊主頭の中で思考を巡らせる。吸血鬼の弱点は日光。朝まで逃げれば勝てる。しかし、逃げきれる保証はない。吸血鬼の弱点はいくつもあるが、結局あそこしかない。そう注文の多い料理店だ。あの注文の多い料理店なら吸血鬼も嫌になるだろう。しかし、入った先にいたのは、駅長のコスプレ?をした吸血鬼だった。「ようこそ、銀河鉄道へ」。私は銀河鉄道で吸血鬼の惑星に連行される。同じように連行される人たちとガクブルしていた。このプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう。オチはバッドエンドでお願いします。」