表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
363/601

『ヤンキー美少女総長 アビゲイル a.k.a 凄腕降霊師 西園寺』~諸葛孔明編~

「お嬢さん」


 真夜中のグンマーの街角で、突然声をかけられた私は、ゆっくりと振り向いた。そこには月明かりに照らされた、めちゃくちゃイケメンな吸血鬼が立っていた。


「なんだよ、アンタ」


 私、アビゲイルは警戒しながら答えた。表の顔は優等生の女子高生、裏の顔は珍走団の総長という二つの顔を持つ私だが、今夜はさらにもう一つの顔を使うことになるとは思わなかった。


「ふふふ...退屈だったんだ。君と鬼ごっこをしないか?」


 吸血鬼は優雅に微笑んで言った。


「はぁ?」


「朝日が昇るまでの間、僕から逃げ切れたら君の勝ちさ。失敗したら...まあ、分かるよね?」


 私は頭の中で素早く計算を始めた。確かに吸血鬼の弱点は日光。でも、夜明けまであと6時間。この街を走り回ったところで、スピードじゃアイツには敵わない。


 スマホを取り出して、舎弟たちに高速でDMを打つ。

『全員集合。至急…駅前!』


 でも、これだけじゃ足りない。バイクで逃げ回っても、結局は追いつかれる。普通の人間100人集めたって、吸血鬼には勝てない。


 そう...普通の人間じゃダメなんだ。


 私の最後の切り札。誰にも言ってない、もう一つの顔。凄腕降霊師、西園寺アビゲイルの力を使う時が来た。


「いいよ、受けて立つ」


 私はニヤリと笑った。


「でもさ、アンタ。運が悪かったね」


「ほう?」


「今日はね...」


 私は数珠を取り出しながら言った。


「諸葛孔明の命日なんだよ」


 その瞬間、私の周りに青白い霧が立ち込め始めた。同時に、街のあちこちから単車のエンジン音が響き始める。


 私は舎弟からのメッセージを確認する。

『了解っす!伏兵配置完了!』


 諸葛孔明の策と、現代の暴走族の技を組み合わせた作戦。


「さあ、始めようか。私のハイブリッド八卦陣を思う存分味わってよ!」


 私は背後に見える孔明の幽霊に向かってウインクする。今宵のグンマーは、ちょっと騒がしくなりそうだ。


「なるほど、降霊術師か」


 吸血鬼は優雅に口元を押さえて笑った。


「だが、そんな手段で私に勝てると思っているのかな?」


 その瞬間、街のあちこちから爆音が響き渡る。改造マフラーの轟音が、夜の街に木霊する。


「勝てるさ」


 私は自信たっぷりに言い放った。


「だって、これはただの暴走族の集会じゃないんだから」


 諸葛孔明の霊が私の背後で微笑む。ストリートの知恵と、いにしえの知恵が交わる時が来た。


「総長!準備できてまーす!」


 舎弟たちの声がスマホから響く。私は数珠を握りしめ、暗記していた呪文を唱え始めた。


「なに!?」


 吸血鬼の驚いた声が響く。バイクのヘッドライトが、八卦の形に並び始めたのだ。しかもそのライトは、ただの光ではない。孔明の力で清めた聖なる光に変わっていた。


「貴様ら、まさか...!」


「そう、これぞ現代版八卦陣」


 私は決めのポーズを取る。


「珍走暴走聖光陣!」


 舎弟たちのバイクが一斉にアクセルを吹かす。八方から照らされる聖なるヘッドライトの光。諸葛孔明の霊が私に憑依し、中国語で何かを詠唱する。


「バカな...こんな現代風アレンジの陣が...」


 吸血鬼は顔を歪めて後ずさる。


「これでもまだ分からない?」


 私は吸血鬼に向かって指を突きつけた。


「私がなぜ、わざと鬼ごっこを受けて立ったのかってことをさ」


 八卦の形に並んだバイクのライトが、まるで太陽のように輝き始める。


「げぇっ!やめろぉ!」


 吸血鬼は両手で顔を覆い、その場にうずくまった。


「ふん、所詮吸血鬼なんて、この程度よ」


 私は勝ち誇って言った。背後では諸葛孔明の霊が満足げに頷いている。


「く...今回は引くが、覚えていろよ...!」


 吸血鬼は最後にそう吐き捨てると、コウモリに姿を変えて夜空に消えていった。


「お疲れ!」


 私は舎弟たちに向かって手を振る。みんな興奮した面持ちで近寄ってきた。


「総長!あの光の演出、マジでヤバかったっす!」

「よくわかんねぇ言葉で詠唱してた時なんか、完全に別人みたいでしたよ!」


「まあね」


 私は肩をすくめた。


「これも諸葛孔明の知恵あってこそよ」


 遠くから朝日が昇り始めていた。私は疲れた体を引きずりながら、数珠を片付けた。


「さーて、明日...じゃなかった、今日か。テストなんだよなぁ」


 優等生の仮面を被り直す私。暴走族の総長であり、降霊師でもある私。


 ...でも、テストは普通に満点取れそう。だって、今も諸葛孔明が「テストの答え、教えてやろうか?」って囁いてるんだから。

プロンプト

「『ヤンキー美少女総長 アビゲイル a.k.a 凄腕降霊師 西園寺』~諸葛孔明編~。場所はグンマー。私はアビゲイル。表の顔は美少女女子高生。裏の顔は珍走団のヘッド。今夜も家に帰宅する。「お嬢さん」。振り向くと、吸血鬼がいた。吸血鬼は私に対して鬼ごっこを提案する。私は夜に吸血鬼から逃れるために、思考を巡らせる。吸血鬼の弱点は日光。朝まで逃げれば勝てる。しかし、逃げきれる保証はない。生半可な手じゃ撃退できない。舎弟たちを使っても太刀打ちできない。私はある方法を思いつく。私の別の顔は凄腕降霊師の西園寺。諸葛孔明のように伏兵を用意して撃退する。諸葛孔明をこの身に下ろす。走り出す私。同時に部下にDMを送る。「やはり、そこに現れましたか」。「なにぃぃぃぃ!」。このプロットを元にライトノベル調コメディ短編小説を書きましょう。」

「諸葛孔明の知恵と珍走団の力で吸血鬼を撃退する。このプロットを元に物語を締めくくってください。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ